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2014年5月17日(土)

『機動戦士ガンダムUC』episode 7“虹の彼方に”舞台挨拶をレポート! 万感の思いに、池田秀一さんの目には涙が

文:てけおん

 5月17日、東京・新宿にある新宿ピカデリーにて、アニメ『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』の最終話となるepisode 7“虹の彼方に”のイベント上映がスタート。バナージ・リンクス役の内山昂輝さんたちが初日舞台挨拶に訪れた。

『機動戦士ガンダムUC』episode 7“虹の彼方に”
▲こちらは初日舞台あいさつに訪れたゲスト陣。左からリディ・マーセナス役の浪川大輔さん、ミネバ・ザビ(オードリー・バーン)役の藤村歩さん、バナージ・リンクス役の内山昂輝さん、フル・フロンタル役の池田秀一さん、古橋一浩監督、福井晴敏氏。

 『機動戦士ガンダムUC』シリーズは、福井晴敏氏の同名小説をアニメ化した作品で、2010年よりアニメ化がスタート。物語は『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』から3年後の宇宙世紀0096年を描いたものとなっており、アナハイム・エレクトロニクス工業専門学校の学生であるバナージ・リンクスが、地球圏に混乱を招くという“ラプラスの箱”を巡る騒動に巻き込まれていく姿が描かれる。

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▲こちらはepisode 7“虹の彼方に”のスクリーンショット。

※こちらの舞台挨拶は、本編上映後に行われたものです。本編に関する情報も記載されておりますので、ご了承のうえご覧ください。

→5月16日に行われた前夜祭(ネタばれなし)の模様はこちらから

『機動戦士ガンダムUC』episode 7“虹の彼方に”

 この日行われた舞台挨拶には、バナージ・リンクス役の内山昂輝さん、ミネバ・ザビ(オードリー・バーン)役の藤村歩さん、フル・フロンタル役の池田秀一さん、リディ・マーセナス役の浪川大輔さんといった声優陣に加えて、古橋一浩監督、ストーリーを手掛けた福井晴敏氏が登壇。声優陣や古橋監督は2010年のepisode 1“ユニコーンの日”からepisode 7“虹の彼方に”までの4年間を、福井氏は小説『機動戦士ガンダムUC』から数えて8年を振り返っていった。

 舞台挨拶で最初に口を開いたのは、福井氏。小説から約8年にわたって『機動戦士ガンダムUC』が続いたことに「えらい時間がかかりました」と振り返りつつ「ここまで来ることができたのは、ひとえに皆様のおかげです。感謝の2文字しかありません」と言い、観客に向かってお辞儀した。

 5月16日の前夜祭でも「もっと時間がほしかった」と言っていた古橋監督は、この舞台挨拶でもそのことに触れていたが、本編を見終わった観客からはあたたかい拍手を送られ、そして福井氏からは「昨日からずっとこの調子なんですよ」とツッコミを送られていた。

 episode 1のころには19歳だった内山さんは、劇中の時間経過はおよそ1カ月であることから、ギャップをどのようにして埋めていくかが課題だったとコメント。ギャップを乗り越えた秘訣は? との質問に「頑張ることです」と答えていた。

 藤村さんには、ミネバの演説シーンについて聞いていくことに。思ったよりもリテイクが少なかったとのことだが、台本のト書きに“(ミネバの)目がウルウル”と書かれた理由が収録当日までわからずに悩んだそうだ。さらに見どころについて質問されると、人間ドラマと最終決戦のシーンを挙げていた。特に最終決戦のシーンについては、いつものモビルスーツの戦いとは少し違う部分に注目してほしいとのこと。

 池田さんは「やっと終わりました」と感慨深そうに言うと、35年前の『機動戦士ガンダム』の舞台挨拶のことを思い出し、万感の思いに涙を流していた。「あれから35年。またこの新宿で挨拶をさせていただいて、感無量です。皆さん本当にありがとうございました」と、ファンに向かってお礼の言葉を述べていた。

 続く浪川さんは、「全国のマリーダファンの皆様、本当に申し訳ありませんでした」とリディに代わってお詫びをし、「1カ月の間に、リディはいろいろな表情を見せてくれて、演技のしがいがありましたし、参加できて本当によかったです」とコメントした。

『機動戦士ガンダムUC』episode 7“虹の彼方に”
▲35年分の歴史を振り返り、思わず涙してしまった池田さん。

 挨拶が終わったところで、スペシャルゲストとして潘恵子さんが登場。episode 1から本作を見続けてきた潘さんは、内山さんたちを「お疲れ様でした」とねぎらい、花束をプレゼントしていった。福井氏には「終わってしまうと楽しみがなくなってしまいますので、福井さん、またよろしくお願いします(笑)」と茶目っけのあるコメントで登壇者と会場を笑わせていた。

『機動戦士ガンダムUC』episode 7“虹の彼方に”
▲潘さんが池田さんに花束を渡す一幕では、会場から一際大きな拍手が。

 潘さんからの花束贈呈が終わると、舞台挨拶も終わりの時間に。この日劇場に訪れた観客にメッセージを送り、拍手に包まれながら劇場を後にした。登壇者たちのメッセージは以下の通り。

●古橋一浩監督
 『機動戦士ガンダムUC』は、『ガンダム』30周年に始まり、35周年で終わるという、まさにお祭りで始まってお祭りで終わる作品でした。メカものは初めてで不慣れな部分もありました。5年間のうちに、少しはうまくなったかなと思います。本当に5年間お付き合いいただきありがとうございました。

●浪川大輔さん
 この作品に携わることができて、本当に幸せ者だと思います。episode 7まで必死にやってきましたが、楽しんでいただければ嬉しく思います。みんなで力を合わせて『ガンダムUC』をもっと多くの方々に見てもらえればと思います。本当にありがとうございました。

●藤村歩さん
 皆さんのおかげでここまで走り続けることができました。episode 7で本編のお話は終了となるのかもしれませんが、この作品は、まだまだ何らかの形で皆さんの元にお届けできるかと思います。皆さん、引き続き応援よろしくお願いします。本当にありがとうございました。

●内山昂輝さん
 長い間、本当にありがとうございました。まさか人生でガンダムに乗るなんて、思ってもみなかったことでした。まさに激動の5年でしたが、応援してくださった皆さんのおかげでここまで来ることができたと思います。

●池田秀一さん
 “それでも可能性を信じて。”頑張っていきましょう。今日は本当にありがとうございました。

●潘恵子さん
 『ガンダムUC』の完結編に出ることができたのも、スタッフの皆さん、そしてファンの皆さんのおかげだと思います。これからも応援してください。どうぞよろしくお願いします。

●福井晴敏氏
 前夜祭でも言いましたが、音楽を担当した澤野弘之さんのコンサートと、“白の肖像”という“赤の肖像”の対になる企画を進行中ですので、楽しみにしていてください。

 episode 7はいつもより多く全35館での上映ですが、1回目の興行は全国でほぼ完売しました。episode 1のころは10館が埋まり切らなかったことを考えると、すごいことだと思います。告知にさほど力を入れたわけでもありませんので、これは、作品を純粋に愛してくださる皆さんのお陰です。ここ10年のエンターテイメントの環境を考えると、奇跡のようなことです。我々はこのことを糧にして次のことを考えていきたいと思います。5年後10年後に皆さんが思い出すような作品になったのであれば、こんなにうれしいことはありません。今日は本当にありがとうございました。

『機動戦士ガンダムUC』episode 7“虹の彼方に”
『機動戦士ガンダムUC』episode 7“虹の彼方に” 『機動戦士ガンダムUC』episode 7“虹の彼方に”
▲新宿ピカデリー1階に展示されていた“フル・フロンタル専用オーリス”と池田さん。展示期間は5月30日までとなっているので、現地に行く人はぜひチェックしてもらいたい。

 また、episode 7のイベント上映開始を記念して、35年前の『機動戦士ガンダム』に出演した3人の声優陣からコメントをいただいた。以下に掲載するのでぜひ目を通してもらいたい。

 足掛け5年。episode 7の収録を終え、心地よい充足感と虚脱感を覚える今日このごろです。『ガンダム』35周年。数多の物語が紡ぎ出されてきましたが、『機動戦士ガンダムUC』は、中でも重要な一画に位置付けされる作品です。今、この作品に巡り合えたことを感謝するとともに誇りに思っています。

 そして長きにわたって『ガンダムUC』を支持してくれた皆さん、本当にありがとう。皆さんのお陰でここに辿り着くことができました。

 諸君、又逢う日まで!!

フル・フロンタル役 池田秀一さん

 最終章にアムロ・レイが出ることは、2年前くらいに福井晴敏さんから伺っていて、楽しみにしていましたが、なんとわずかひと言とは!

 ですが、ライバルであり、戦友であり、かけがえのない親友でもあるシャアにかける、そのひと言にありったけの思いを込めて演じました。壮大な物語となった 『機動戦士ガンダムUC』。ぜひ、一挙上映で見てみたいです!

古谷徹さん

 『機動戦士ガンダムUC』をepisode 1から7まで、1話1話、その上映を待ちどおしく劇場で拝見いたしました。『機動戦士ガンダム』のララァに出逢ってから35年経った今、『ガンダムUC』で福井晴敏さん、池田さん、古谷さん、スタッフの皆さまと御一緒できたこと、そしてファンの皆さまに見ていただいたこと、とてもうれしく、感謝しております。

 当時は「ああ~刻(とき)が見える……」でしたが、今回録音に参加させていただいて、「ああ~刻が止まった!」そんな気持ちになりました。

潘恵子さん


■『機動戦士ガンダムUC』これまでの舞台挨拶&イベントレポまとめ

 『機動戦士ガンダムUC』シリーズの完結を記念して、これまでに電撃オンラインで取材を行った舞台挨拶やイベントのレポート記事をまとめてみた。『機動戦士ガンダムUC』シリーズを追いかけてきた人は、こちらの記事から過去を振り返ってみては?

(C)創通・サンライズ

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