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2014年10月9日(木)

『Gods’ Gambit』をイシイジロウ氏&制作者・カナイセイジ氏とプレイ!【アナログゲームでガチバトル!】

文:梅津爆発

 アナログゲームの制作者と、その人が作ったゲームを一緒に遊んで戦略やテクニックを勉強させていただく企画“アナログゲームでガチバトル!”

 今回と次回は“日本人ゲームデザイナーの作品を世の中に送り出す”ことを目的とした、アークライトの新ブランド“SWITCH GAMES”を特集! 前編ではカナイセイジさんの『Gods’ Gambit(ゴッズギャンビット) ~神々の一手~』、後編では川崎晋さんの『クイズ いいセン行きまSHOW!』のリプレイとインタビューをお届けします。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲『Gods’ Gambit ~神々の一手~』のパッケージ画像。

 前編で取り上げる『Gods’ Gambit』は、『Love Letter(ラブレター)』の世界的なヒットが記憶に新しいカナイセイジさんの最新作。ページワン系のシンプルなシステムながら、さまざまな特殊能力と、それを使うか使わないかのジレンマがエキサイティングな展開を生むカードゲームになっています。海外版の発売も決定している本作を、カナイセイジさんを筆頭とした関係者の方々と一緒に遊ばせていただきました!!(※リプレイ中は敬称略)

【アナログゲームでガチバトル!】
▲今回御協力していただいた皆さん。左からイシイジロウさん、川崎晋さん、カナイセイジさん、刈谷圭司さんです。

【リプレイ参加者(敬称略)】

カナイセイジ:アナログゲーム製作サークル“カナイ製作所”の代表で、今注目を集めているゲームデザイナー。『Love Letter』や『成敗』などを世に送り出した。

川崎晋:アナログゲーム創作集団“カワサキファクトリー”を運営。代表作は『R-ECO(アールエコ)』『ギシンアンキノトウ』など。国内外を問わず商業化された作品も多く、日本を代表するゲームデザイナーの1人。

刈谷圭司:アークライト所属で、SWITCH GAMESの責任者。ゲームマーケットの運営や、ニコニコ生放送“ゲームマーケットチャンネル”の制作、TRPG専門書籍の編集などにも携わる多忙な方。

イシイジロウ:『428 ~封鎖された渋谷で~』(スパイク・チュンソフト)や『タイムトラベラーズ』(レベルファイブ)などを手がけたゲームクリエイター。アナログゲームにも精通しており、ゲームクリエイター人狼会の主催でもある。本作にはストーリー協力として参加。

梅津爆発:アナログゲームをこよなく愛するフリーランスの編集者。最近は『ピニャ・ピラータ』『漁火』などをプレイ。このリプレイは梅津爆発の視点で書かれています。

■ルール概要

 本作の基本的なルールは、トランプのページワン系ゲームと同じ。プレイ人数は2~6人。プレイヤーたちは順番に現在の場札と“同じ数字(1~9)”か“同じ色(青、赤、白、黒)”のカードを1枚ずつ出していき、出せない時は新たにカードを1枚引く。これを繰り返して誰かの手札がなくなったら、そのラウンドは終了となります。大きな特徴は“カードの出し方が2種類”な点と、“カードの能力を使うとペナルティが加算”される点。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲左上と右下に数字と色が書かれていて、下部にはカードの持つ能力が記載されています。右のカード“妖精”はワイルドカードで、場札がどの色でも出すことができるカードです。

 まずカードの出し方ですが、普通に場札の上に出す方法(本作では“解消”と呼ぶ)と、自分の手元(本作では“カルマ置場”と呼ぶ)に出してカードの能力を使用する方法(本作では“使役”と呼ぶ)があります(“使役”の場合も、場札と同数か同色のみ出せる)。“解消”の場合はカードの能力は発生せず、出したカードが即座に場札となって次のプレイヤーの手番へ。“使役”の場合は出したカードの能力が発生し、カードは自分のカルマ置場に残したまま、場札はそのままで次のプレイヤーの手番になります。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲ゲームが進むと、各プレイヤーのカルマ置場にはカードがどんどんたまっていきます。

 自分のカルマ置場にあるカードは“カルマ”と呼び、カルマと手札に書かれている数字は最終的にペナルティとして加算されてしまいます。カルマはカードの能力で“解消”できる他、手札をすべてなくした場合はカルマがどれだけ多くても、そのラウンドのペナルティは0に! これらを3ラウンド繰り返し、最終的にペナルティがもっとも少なかったプレイヤーが勝利となります。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲“解消”できず“使役”して“カルマ”にするしかない悪系のカードも。その代わりに、他者のカードを増やす能力を持っています。

 “カルマ”をあまりためずにコツコツと手札を減らしていくか、カードの能力で他者をガンガン妨害して手札をなくし、ペナルティ0を目指すか? かと思えば「コツコツいこうと思ったのに初期手札が悪魔や死霊ばかりだから妨害しまくるか!」「たくさん妨害されたから、カードの能力を使って一発逆転を狙うしかない!」といった感じで、最終的には手札0の人以外は大体カルマだらけになるところが楽しいゲームです。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲喇叭(らっぱ)吹きは特殊なカードで、4枚すべてが公開されたら、そのラウンドは即座に終了。各プレイヤーのカルマと手札の合計値が、そのままペナルティに加算されてしまいます。

【Gods’ Gambitのルール要約】

(1)プレイ順を決めて全員にカードを7枚ずつ配布し、喇叭吹きがあった場合は即座に公開(手札は補充しない)。山札を1枚めくって場札を決めたらゲームスタート。

(2)自分の手番がきたら“カード1枚を解消か使役”または“山札から1枚引く”のどちらかを必ず行う(1枚引いた後、カードを出せるなら出してもよい)。

(3)“解消”の場合、即座に左隣のプレイヤーの手番に。“使役”の場合はカードの能力を解決してから左隣のプレイヤーの手番に。

(4)(2)と(3)を繰り返し、誰かの手札がなくなるか、喇叭吹きが4枚公開されるとラウンドが終了。

(5)手札をなくした人は、無条件でそのラウンドのペナルティが0に。それ以外の人は、自分のカルマと手札の数値を合計した値が、そのままペナルティとして加算される。

(6)2ラウンド目からは、ペナルティの合計がもっとも大きいプレイヤーからスタート。3ラウンド終了時点で、ペナルティの合計がもっとも少なかったプレイヤーの勝利。

【アナログゲームでガチバトル!】 【アナログゲームでガチバトル!】
▲各カードの能力は写真の通り。左側に記されたカードは信徒の1から順に並んでいて、化身が9になります。右側に記されたカードはすべてワイルドカードで能力も強いですが、代わりにペナルティも大きいです。

■1ラウンド目

爆発:今回と次回はボードゲームの新ブランド“SWITCH GAMES”特集ということで、“SWITCH GAMES”にゆかりのある皆さんと遊ばせていただきます。今回は『Gods’ Gambit』です。よろしくお願いします。

一同:よろしくお願いします。

 ジャンケンにより“イシイ→爆発→川崎→カナイ→刈谷”というプレイ順に決定。

刈谷:初期手札に喇叭吹きが2枚もありました。

イシイ:あ、3枚目を持ってました。早い勝負になりそうですね。

カナイ:ちょっ(笑)。最初からこんな珍しい展開でスタートですか!

刈谷:カルマためてる場合じゃないかな。

イシイ:最初の場札は青7ですか。状況が状況なので悩みますね~。……青3の宣教師を解消。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲爆発の初期手札はこちら(撮影のため1人だけカード立てを利用)。数字も色もバラバラでイマイチな気が……。

爆発:青5の聖騎士を解消。

川崎:喇叭吹き3枚スタートなんて初めてだから悩みますね~。

カナイ:突然終わるかもしれないので、ペナルティが高いカードをどんどん出したほうがいいかもしれません。

川崎:ではカルマをためるのが怖いので、ワイルドの英雄を解消。次の色は赤で。

カナイ:確かに怖いなー。みんなビビッて場に出すことが多くなりそう。赤5の聖騎士を解消。

刈谷:コンボしたい誘惑が……。

カナイ:いいと思いますよ。勝てば勇者ですから。喇叭吹きがアッサリ出てカルマだらけだったら爆笑ですけど(笑)。

刈谷:では赤7の教主を使役して手番をもう一度行い、赤8の従神を使役して手札を2枚解消。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲自分のカルマを誰かに押し付ける能力を持つ妖精2枚を解消し、刈谷さんはあっさり残り1枚に! ワイルドの色は赤と宣言。

カナイ:手札強い! きっとラスト1枚は赤の防御カードですよ!!

川崎:「攻撃してみろよ」って誘ってますよね。

イシイ:僕はマイペースに赤3を場に。

爆発:では赤3の宣教師を使役して刈谷さんの次の手番を飛ばします。

刈谷:……はーい、飛ばされまーす。

カナイ:防御カードじゃないんですね(ニヤリ)。

川崎:では刈谷さんのマネしてガンガン使役します。赤7の教主でもう一度手番にして、赤4の天使で手札を1枚解消!

【アナログゲームでガチバトル!】
▲川崎さんが王族(カルマ1枚の能力を使える)を解消してこの状況。色は青を選択。

カナイ:みんな手札が強いなぁ。では青4の天使を使役してワイルドの英雄を解消し、色は白で。

イシイ:英雄って、使役した場合は場札と同色のカードを全部解消できますけど、ワイルドは含まないですよね?

カナイ:はい含みません。

刈谷:私は手番を飛ばされたのでイシイさんどうぞ。

イシイ:白3の宣教師で刈谷さんをもう一度スキップ。

爆発:出る杭は打たれるゲームですね(笑)。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲次の手番の爆発はゲームが終わりそうな雰囲気に怯え、ペナルティが10もあるワイルドの妖精を場に出し黒を選択。そしてこの手札だが……普通に白1の信徒でよかったかも?

川崎:山札から1枚引きます。そしてワイルドの悪魔を使役。カードを2枚引かせるのは、カナイさん……もおもしろいけど普通に1枚しか持ってない刈谷さんですかね。

刈谷:いやぁ、久しぶりに遊ぶから『Gods’ Gambit』のコツを忘れてましたよ。目立っちゃダメなゲームでしたね(苦笑)。強力なコンボはあがれる時まで残しておかないと。

カナイ:悩みますが、ワイルドの王族を場に出して白に。

刈谷:白でいいんですか?

爆発:残念ながら刈谷さんは飛ばされているので、次はイシイさんです。

刈谷:忘れてました(笑)。

イシイ:今後のことも考えて、竜(このカードを対象のカルマに移動)を使役してカナイさんに送り込んでおきます。

カナイ:きたか~(笑)。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲次の手番の爆発は、白1を場に出してこの形。場札が黒の時に誰かから攻撃されれば、黒9の化身(防御能力。受けた効果を無効化して手番を得る)、黒7の教主、黒6の司祭と連続で出してあがれる状態に。

川崎:またカードを引いて……白2を場に。

カナイ:いい流れだ。白6の司祭を使役してカルマを2枚解消します。まず押し付けられたワイルドの竜を解消して場の色を青に変え、青4の天使も解消して終わり。

爆発:さすがゲームデザイナー本人。マークしないとダメですね!

イシイ:ドラゴン1匹じゃ足りませんね(笑)。

刈谷:久々の手番ですが……出すカードがないのでドロー! ……う~ん、普通に出すかぁ。黒4を場に。

イシイ:皆さんカルマがあまりたまってないですけど、そろそろ喇叭吹きが怖いのでワイルドの魔術師を使役した効果でワイルドの英雄を解消してあがりです。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲ワイルドの魔術師は、場札の色を決めてから手札を1枚解消できるため、使役すれば必ず手札を2枚減らせる非常に強力なカード。

カナイ:あぁ~強い!

川崎:素晴らしい!

イシイ:カナイさんが竜を抱えた状態であがりたかったけど、すぐに解消されちゃいましたね。

カナイ:悪魔2枚を持って、誰に撃ち込もうかウキウキしてたんですが間に合わなかった~。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲悪魔のペナルティは10なので、カルマの6と合わせてカナイさんのペナルティは合計26でした。

【1ラウンド目終了時の結果】

1位 イシイ:ペナルティ0

2位 爆発:ペナルティ25

3位 カナイ:ペナルティ26

4位 川崎:ペナルティ32

5位 刈谷:ペナルティ35

爆発:1ラウンド目が終わりましたが、やはり喇叭吹き3枚のプレッシャーがあったせいで、ペナルティは全体的に低めでしたね。

イシイ:できればもっと粘って、皆さんのカルマが増えてからあがりたかったですね。でも手札1枚だと狙われるから、今回くらいがちょうどよかったのかもしれないです。

刈谷:次は最下位の私がスタートプレイヤーです。

カナイ:一番大きなペナルティは1枚で30ですから、まだまだこれからですね。

■2ラウンド目

 プレイ順は“刈谷→イシイ→爆発→川崎→カナイ”。喇叭吹きは刈谷が1枚引き、場札は黒5の聖騎士で2ラウンド目スタート。

刈谷:私からですが、カードを引きます。そして出せないので終了!

イシイ:恨まれちゃいそうですけどワイルドの死霊(解消不可。対象はカードを4枚引く)を使役します。誰に4枚引かせるのがいいだろう?

カナイ:暫定2位の爆発さんかなー。

イシイ:でもやはり作った人は強いのでカナイさんで。

カナイ:狙われたー(笑)。

川崎:プレイ回数が圧倒的ですからね。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲爆発の初期手札。ワイルドが多く色もまとまっているため、前回よりはよさそう。

爆発:赤5の聖騎士を場に。

カナイ:平和的でよろしいですね。

川崎:では悪魔を使役して、ペナルティ0だったイシイさんに2枚引かせます。

イシイ:2枚くらいなら、むしろありがとうございます!

川崎:敵に塩を送っちゃったかな(笑)。

カナイ:では私は赤4の天使を使役して、手札の白5を解消。

 その後は刈谷が白1、イシイが白2、爆発が赤2、川崎が白2と解消し、カナイの手番に。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲カナイさんは白4の天使を使役。白6の司祭を解消してこの状況に。

刈谷:ドローして……出さずにキープして終わりです。

イシイ:また死霊を使役。今回はカルマをためていきますよ、鬼になります。

カナイ:またかー(笑)。今度こそ爆発さんかな。

爆発:手札枚数は川崎さんと同じ5枚ですけど、総合順位的に仕方ないですね。

イシイ:ではお願いします。強いカードを引けるかもしれないですから。

爆発:そうですよね~。

刈谷:しかしこれで恐ろしい死霊はいなくなりましたね。2枚だけなので。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲カードを引かされた直後の手札。ここから白8の従神を使役して……。
【アナログゲームでガチバトル!】
▲従神の効果でワイルドの英雄、赤3の宣教師を解消して手札は6枚に。英雄の使いどころは難しいので、まあ残さなくていいかという判断。

 その後は川崎がドローのみ。カナイがワイルドの妖精を解消して場を赤に。刈谷は赤4の天使を使役し、赤1を解消。イシイが赤2を解消して爆発の手番に。

イシイ:死霊は解消できないから、あがってペナルティを0にしますよー。

爆発:いや、ごゆっくりどうぞ! 悪魔を使役してイシイさんに2枚引かせます。

イシイ:ほうほう、あ、次もまたカードが欲しいわけですね(ニヤリ)。

爆発:こうして負の連鎖が続いていくんですね(笑)。

川崎:私も悪魔を使役して……刈谷さんに2枚引かせます。

カナイ:皆さん、争いは何も生みませんよ(笑)。……悩みますが赤9の化身を解消します。

川崎:貴重な防御カードが! これは他にも防御カードを持ってますね。

刈谷:まだスキップする必要はなさそうなので、赤3の宣教師を解消。

イシイ:どうしようかな……。枚数少ない人いませんよね?

爆発:5枚の人が一番少ないかな。

カナイ:枚数を気にしているイシイさんは邪神を持ってそうですね(笑)。

イシイ:どうですかねぇ。赤1を解消。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲この手札から竜を使役し、その効果でカナイさんに竜を押し付け。教主→魔術師→何か1枚、という出し方ができるので、あと1枚減らせばリーチ状態に。

カナイ:赤の化身を捨ててなきゃ、竜を爆発さんのカルマにできたかぁ。

川崎:今のうちに青1を解消しておきます。

カナイ:黒1を出せるのはありがたい。しかし爆発さんはそろそろあがりそうだなぁ。

爆発:(どきっ!)なんですかその誘導は(苦笑)。まだ4枚もありますから。

刈谷:では竜を使役して爆発さんに。

爆発:頂戴します!

イシイ:あ、もう4枚なんですか? じゃあワイルドの王族を使役して、王族の能力で死霊の能力を使って爆発さんに4枚引かせます。

一同:(笑)。

カナイ:王が死霊に取り憑かれてる。しかも2体も(笑)。

イシイ:邪悪路線しかできないような手札なんですよ。もうダメです。うちは修羅の国になりました(笑)。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲一気に手札8枚に。黒3の宣教師を使役して手札4枚の川崎さんを飛ばしました。今さらですが、カードの並べ方が汚くてすみません!

カナイ:川崎さんは飛ばされて私の手番ですね……。きたでぇええええ!

川崎:な、なんだと!

カナイ:……と思ったらきてなかった(笑)。

刈谷:この人は何を言ってるんだろう(笑)。

カナイ:コンボが決まったと思ったんですけどね……。黒7の教主を解消。

刈谷:ドローして……終わります。

イシイ:カナイさんは4枚ですよね……。でも防御カードを持ってそうだなぁ……。……いや、やっぱりない!(力強く邪神を使役)

カナイ:ぐわー、やっぱり(笑)。

川崎:ぐにゃあ~。

カナイ:手札を7枚にする能力なので、3枚ドローです。ここで神の引きを見せますよ!

川崎:が……、ダメっ……!

刈谷:それより、イシイさんのペナルティがカルマだけで80点もありますよ。

イシイ:だって解消できないカードばかりなんですもん(笑)。

カナイ:もうあがるしかないですよー。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲場札は黒7。いろいろ迷ったあげく、手札を減らしつつ色のバラつきをなくすため、赤7教主を使役して黒8従神を解消。……黒8の解消だけでよかったかも。

カナイ:強いカードが2枚も! もったいない!

爆発:微妙ですかね……。まあ、いいんです!

川崎:妖精を使役して、能力で寂しそうな刈谷さんにうちの悪魔を押し付けます。

刈谷:寂しいんじゃなくて平和的だったんです(笑)。

カナイ:さて……どっちも使いたいなぁ。……でも、先にこっちかな。青8の従神を使役して、能力で2枚解消……あっ。

爆発:解消できますか?

カナイ:……またミスったかも(苦笑)。黒6の司祭と英雄を解消。色は青で。……ミスをフォローするために切り札を使っちゃったなぁ。竜のカルマを消せる司祭様まで使ってしまったし……。自分から鎧を剥いでる感じです(苦笑)。

刈谷:悪魔を使役して、さっき寂しい私を救ってくれた川崎さんへ、愛の贈りものです。

川崎:愛ゆえにですね。

イシイ:これ残しておきたかったなぁ。青8の従神を解消。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲場札は青8。青6司祭を使役して竜→白8従神を解消。手札に青が多いのを悟られたくなくて、あえて白8を2枚目に解消しましたが、普通に竜を2枚目に解消して色を青と指定したほうがよかったかも……。

川崎:妖精さんいらっしゃい。今カルマを減らした爆発さんに悪魔を送ります。

爆発:いただきます!

カナイ:ここから華麗に勝つためにはどうすれば……。白9の化身を解消。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲刈谷さんは白4の天使を使役して、白9の化身を解消。終盤になり、余った防御カードがどんどん出てきます。

イシイ:手札少ないのは誰ですか?

刈谷:私とカナイさんが3枚ですね。

イシイ:なんでこんなカード持ってるんですかね~。王族を使役。

カナイ:完全に邪教崇拝の国じゃないですか(笑)。

イシイ:どっちを7枚にしようかな~。2人とも化身を解消した直後なんですよね。

カナイ:今なら場札が化身だから、どの色の化身でも防御できます。防御しやすい状況ですよー。

イシイ:じゃあ、刈谷さんは誰かがなんとかしてくれると信じて、カナイさんで。

カナイ:どーん!(青9の化身で防御)

一同:おおっ!

爆発:そして手番はカナイさんに!

カナイ:あ゛あ゛ぁぁぁあ゛……間違えてて終わってない(苦笑)。

川崎:歯車が噛み合わない!

カナイ:逆転のカード来い! ……終わりです。刈谷さんどうぞ。

刈谷:私も出せないのでドロー。……喇叭吹きの2枚目でした。終わり。

イシイ:ではすみません、終わります(魔術師を使役して残りの1枚を解消して終了)。

爆発:またさっきと同じような終わり方!

カナイ:こっちを使ってればよかったあああぁぁああ!

【アナログゲームでガチバトル!】
▲カナイさんの手札とカルマの最終形。最強の防御カードである女神(ワイルドでいつでも出せるうえ、受けた能力を跳ね返せる)を温存して化身で防御したのが裏目に……。

カナイ:いやさっき場札が青だったら、青5の聖騎士を出して女神1枚残しで完璧なリーチだったんですよ。なのでそれを狙ったら、場札は青じゃないし、イシイさんに逃げられるし全然ダメでした。青9の化身が出せたから、場札が青と勘違いしたのかな……。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲イシイさんのカルマの最終形。ペナルティ100点ですが、あがったので0点に。悪魔に魂を売っても、勝てば再生。すべてが報われるっ……!
【アナログゲームでガチバトル!】
▲刈谷さんの最終形。実は教主3枚所持で、青か黒か7が場札ならあがれる手札でした。
【アナログゲームでガチバトル!】
▲川崎さんの最終形(下4枚が手札)。場札が黒の時に攻撃されたら、黒9の化身で防御し、黒8の従神を使役して魔術師→青4の天使と出せばあがれる、リーチ状態でした。
【アナログゲームでガチバトル!】
▲あがり目前の皆さんと比べると、ゴールはまだまだ遠くて恥ずかしい……。

【2ラウンド目終了時の結果】

1位 イシイ:ペナルティ0

2位 爆発:ペナルティ79(+54)

3位 川崎:ペナルティ83(+51)

4位 刈谷:ペナルティ84(+49)

5位 カナイ:ペナルティ115(+89)

爆発:イシイさんの1人勝ちですね!

イシイ:もう負けることがなくなったような(笑)。

カナイ:いやいやいや、最終戦は4人VS1人ですから!

イシイ:確かに全員に攻められたらツライなぁ。僕はもう喇叭吹きがそろうのを待つしかない気もする。

川崎:あえて自分でカードを引くんですね。「喇叭来い!」って(笑)。

■3ラウンド目(最終ラウンド)

 プレイ順は“カナイ→刈谷→イシイ→爆発→川崎”。喇叭吹きは川崎が1枚、爆発が1枚引き、場札は青3の宣教師で3ラウンド目スタート。

カナイ:逆転の手札が来てますが、いきなり喇叭吹き2枚はやめてー(笑)。

刈谷:2ラウンド目の失策で最下位になったカナイさんからですね。

カナイ:ふっふっふ、容赦しませんよ! バーン!

爆発:いきなり死霊って! 早い(笑)。

カナイ:もちろんイシイさんが4枚ドローです! 最下位ですから、どんな凶悪なことでもためらいなくやりますよ!

刈谷:すみません、私も空気を読んで青5の聖騎士でイシイさんに2枚引かせます。

イシイ:英雄とか強力なカードを引けたら、コンボで一気に出せそうなんですけどねー。僕は……カナイさんに悪魔で2枚引かせて反撃しておこうかな。

カナイ:戦争は何も生みませんよ(笑)。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲爆発の初期手札。喇叭吹きを引いていたので6枚スタート。ペナルティの大きい邪神と死霊が禍々しい……。

爆発:やることがないので、流れに乗って死霊を使役してイシイさんに4枚引かせます。

イシイ:これだけ引いてるのに喇叭吹きが出ないのが残念だなぁ。

カナイ:そろそろ、暫定2位の爆発さんも妨害しないとなぁ。

川崎:では私は悪魔を使役して爆発さんに2枚引かせます。

爆発:ではここからは対イシイさんではなく個人戦ですね!

カナイ:イシイさんはもうカードを持てそうにないので、妖精を使役してさっき使役した死霊をイシイさんのカルマに加えます。

刈谷:全員使役しまくりで、誰も解消してないから場札が変わってない(笑)。

 刈谷は青4の天使を使役し、手札の青4天使を解消。イシイは青1の信徒、爆発は黒1の信徒を解消し、川崎の手番に。

川崎:黒7の教主を使役して、手番もう一度からの王族使役で悪魔の能力を使います。2枚引かせるのは……手札が減ってきた刈谷さんで。

刈谷:まだあがれないですよー。

カナイ:とりあえず赤1の信徒を出せる時に出しておきます。

刈谷:ドローして……終わり。

イシイ:あれ、川崎さんもう3枚ですか……。

川崎:平和なウチの王国が狙われてる気がする!

イシイ:白1の信徒を解消。川崎さん3枚ですって。

爆発:仕事を回された気がする……。えー、邪神を川崎さんに。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲邪神を使役してこの形。解消できないカルマだけでペナルティが50点もあって厳しい……。あがりを目指すしかないか!

川崎:コツコツ減らしてたのに(笑)。ドローして……白1の信徒を解消。

カナイ:では、我が国特産の竜をイシイさんにプレゼントします!

刈谷:アナタも好きですね(笑)。

カナイ:100点差を埋めないといけないですからね! できることはなんでもやりますぜ!

刈谷:では私は平和的に白4の天使を使役して、白3の宣教師を解消。ラブアンドピース。

イシイ:白かぁ……白8の従神を使役して、白3の宣教師と白5の聖騎士を解消しますね。

爆発:ドローして……白2の僧侶を引いたけど、解消できるカルマがないので普通に出します!

川崎:こちらはまた王族を使役。悪魔の力で手札が減ってきたイシイさんに2枚引かせます。

イシイ:それは白9の化身で防御します。

カナイ:カキーン。しかも手番はイシイさんに。

イシイ:悩むな~。1枚でも減らしておいたほうがいいのかな。皆さん手札は何枚ですか?

刈谷:川崎さんが6枚で残りの3人は5枚ですね。

爆発:その中で一応暫定2位です。カルマだけですでに50点ありますけど(笑)。

川崎:禍々しいカルマしかない(笑)。

イシイ:どうしようかな……。では白7の教主を使役してもう一度手番を行い、悪魔を使役して爆発さんに2枚引かせます。

カナイ:イシイさんのカルマがたまってきましたね。いい流れだ。

川崎:(イシイさんの)カルマがたまっている状態であがらないと逆転できないですもんね。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲悪魔の能力で2枚引かされてこの形。悩んだ末に、2枚ある英雄の片方を普通に解消。……2枚もいらないよね?

カナイ:モッタイナーイ!

爆発:いろいろ事情があるんです……。場の色は赤で。

川崎:赤3の宣教師で爆発さんをスキップして足止めします。

爆発:仕方ないっす!

カナイ:魔術師を使役して場を青に変えてから青6の司祭を解消。

刈谷:ここで使いやすい魔術師を使っちゃうなんて、手札に何が残ってるんだろう……。

川崎:残り3枚しかない。けしからん!

カナイ:いやいや、暫定最下位ですから、お気になさらずに(笑)。

刈谷:勝てない気がするけど、やってみるかなぁ。青7の教主でもう一度手番。妖精を普通に解消して色は……赤。

カナイ:ちょっともったいない気もしますが、もうペナルティが大きいカードは大体出てるので、妖精の価値はそんなに高くないかな。

刈谷:妖精で押し付けるカルマがウチにはないので。平和に過ごしてきたから!

イシイ:カナイさんも刈谷さんも3枚ですか。まいったなぁ。……赤4の天使を使役して、手札の赤4天使を解消します。

爆発:飛ばされてまーす。

川崎:赤2の僧侶を使役して、カルマの王族を解消。色はそのまま赤で。

カナイ:刈谷さんとイシイさん、どっちを妨害するかなぁ。イシイさんも盛り返してきてるんですよね。

爆発:あ、いつの間にかウチと同じ6枚に! 追いつかれてる!!

カナイ:特産品の竜をイシイさんにまたプレゼントします! でも司祭を1枚使役されるだけで、竜2体合計40点分のペナルティが減らされちゃうんですよね。まだまだ安心できない。

刈谷:う~ん、赤7の教主を使役してもう一度手番で、赤8の従神を普通に解消……。

カナイ:その2枚を使ってあがれないんですか!

刈谷:残しておいたほうがいいとは思いつつ、そろそろゲームが終わりそうな気もするから、ペナルティを減らしたくて。

イシイ:黒8の従神を使役して、手札から赤5の聖騎士と黒5の聖騎士を解消します。もう僕は妨害してる余裕がないので。

カナイ:イシイさん、もう3枚ですか。これであがられたら、4人がかりで攻めた我々は超ボンクラですよ。

川崎:あれだけ攻められて無傷だったらスゴいですよね。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲終盤っぽい空気が漂っているのにまだこの手札。黒7の教主でもう一度手番を行い、黒4の天使を普通に解消。英雄は残して逆転の希望に。

イシイ:カナイさんか刈谷さんがあがっちゃいますよー。2枚と1枚ですから。

爆発:もう妨害カードは尽きました……。

川崎:妨害したいが……ドロー! ……終わります。

カナイ:何もできませんか。それはあがれちゃいますね。王族を使役して魔術師の能力を使用し、場の色を白にして白6の司祭を解消してあがり!

爆発:終了ー。

イシイ:さあ何点あるんや!

一同:(笑)。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲刈谷さんは合計36点。残り1枚の手札は白9の化身で、勝てる可能性は十分にありました。
【アナログゲームでガチバトル!】
▲川崎さんは合計63点。まだゲームが終わらない奇跡を信じて魔術師を残すのか、少しでもペナルティを減らすために使っておくのか、悩みどころですね。
【アナログゲームでガチバトル!】
▲爆発は合計97点。初期手札にあった死霊と邪神を押し付けるための妖精は引けず……。もっと積極的にドローしにいったほうがよかったのか……。
【アナログゲームでガチバトル!】
▲そしてイシイさんは合計132点。2ラウンド目まで無傷でも、大逆転される可能性があるなんて恐ろしいゲームです!

イシイ:黒6の司祭(カルマを2枚解消)が2枚あったんですけど、使役できるタイミングがなかったんですよね。

爆発:というわけで、最終的な結果はこうなりました。

【最終結果】

1位 カナイ:ペナルティ115

2位 刈谷:ペナルティ120(+36)

3位 イシイ:ペナルティ132(+132)

4位 川崎:ペナルティ146(+43)

5位 爆発:ペナルティ176(+97)

カナイ:逆転勝利!

刈谷:いやー、カナイさんのプレイングはヒドイですね(笑)。

イシイ:でも僕が司祭を使役できていたら、竜2体を解消して差し引き34点減っていたので逃げ切れましたね。そういう意味では、カナイさんが僕への攻撃を止めなかったのは正解だったなと。

川崎:竜が1枚なければイシイさんがトップだったので、かなりいい勝負でしたね。

爆発:こんなに大逆転の可能性があるゲームなんですねぇ。

イシイ:やはり作った人に情けをかけちゃダメですね。次に遊ぶ時は、1ラウンド目からカナイさんVSその他全員の構図になるよう誘導します(笑)。


■新ブランド“SWITCH GAMES”立ち上げの秘密に迫る!!

爆発:『Gods’ Gambit』のプレイありがとうございました。続いていろいろとお話を伺わせてください。今回と次回では、アークライトさんの新ブランド“SWITCH GAMES”を特集しているのですが、まずは“SWITCH GAMES”の設立理由からお願いします。

刈谷:日本の同人アナログゲーム作家さんのレベルが非常に高くなってきたので、そういった方たちが一般流通でゲームを出せる場をもっと増やしたい、というのが表向きの答えですね。

爆発:裏の答えもあるんですか!

刈谷:私が元々考えていたのは、ゲームマーケットに初めて参加するようなゲーム初心者さんに、会場でゲームを遊んでもらうため、短時間でインスト(ルール説明)ができるゲームを作るというコンセプトです。ですが途中で“国産ゲームを応援する”というコンセプトを社内の事情で引き継いだため、今は“インストが短い”というのは絶対条件ではなくなりました。現在OKAZU brandの林さんにもオファーしているのですが、林さんから「インストが短めのゲームは作ったことがないので、悩んでいます」と連絡があって、「ではムリにインストが短いゲームにしなくていいです」と(笑)。

一同:(笑)。

刈谷:だから現在残っているコンセプトは、最初に語ったような表向きの答えになります(笑)。

川崎:それでもまだ、ルール説明が簡単なほうが望ましいんですよね?

刈谷:それは間違いないです。

爆発:ターゲット層はライトユーザーですか。

刈谷:完全にライトユーザーですね。『Gods’ Gambit』でもコンボや駆け引きが少し難しいかなと思ったくらいですから。でもルール自体はわかりやすいので、まずは遊んでもらって、うまい人のプレイを見て「あのカードはそういうふうに使うと効果的なんだ」とテクニックを覚えてもらえたらいいかなと。初心者が中級者にレベルアップするために向いているのかなと思っています。

爆発:同人で活動されている方たちへオファーしたことには理由があったのでしょうか。

刈谷:まず、同人アナログゲームのクオリティが非常に高くなってきているという現状があります。ただ、私も実験的に同人でアナログゲームを作ったことがあるのでわかるのですが、やはり1から10まで個人でまかなうのは非常に大変でして。特に金銭面で顕著なのですが、その負担をクリエイターさんに負わせるのは、やはりハードだなと思うんですよ。「アナタのゲームはとてもおもしろくて売れると思うから、もっとたくさん作ればいいのに」なんて、無責任に言えないわけです。

カナイ:個人的には作るのはいいとしても、在庫を置いておく場所がないんですよね。

刈谷:ですから経費や在庫、流通などの面倒な部分は企業が引き受けて、クリエイターさんはゲームを作ることに集中してもらうという、新たな選択肢を作ってもいい段階にきているかなと思ったわけです。それでまずは、クオリティの高いゲームを継続して作られている、カナイさんや川崎さんや林さんにオファーさせていただきました。今後もさまざまな方にお願いできたらと思っています。

■『Gods’ Gambit』は運命的なスタートを切った!?

爆発:そして実際にゲームを作ることになるわけですが、“SWITCH GAMES”でカナイさんが出すゲームが『Gods’ Gambit』になった理由を教えてください。

刈谷:まず最初にカナイさんから『キングスコート』(ページワン系のシステムに特殊能力カードを多数盛り込んだ名作カードゲーム)のようなゲームを作りたいとご提案受けまして。「カナイ版『キングスコート』か。おもしろいかもしれないな」と考えていたタイミングに、イラストレーターの緒方剛志さんにお子さんが産まれまして。「おめでとうございます」とメールしたら「仕事くれ」と返事がきたんです(笑)。

 「今、私が回せる仕事って、アナログゲーム関連だけですよ」と返事しますと、「むしろアナログゲームの仕事がやりたい! 『キングスコート』みたいなゲームのイラストが描きたい!」と返事がきて驚きまして(笑)。「えっ! 緒方さん『キングスコート』をご存じなんですか?」と。「ちょうど今、『キングスコート』みたいなゲームを作るかという企画が動いているんですよ」となりまして、じゃあやろうと。

カナイ:いくつかあるアイデアの1つだったのですが、刈谷さんがおっしゃったように、ちょうどお互いの考えがマッチしたので、最終的に『Gods’ Gambit』を作ることになりました。

刈谷:非常に運命的でしたので、この企画は成功する気がしました。

カナイ:ページワン系のシステムに対する疑問が元々あったんです。「プレイヤーがカードを出す行為は、ゲーム世界では何を意味しているのか?」「カードの効果で隣の人が2枚引いてるけど、(ゲーム内では)どういう設定で2枚引いているのか?」「残ったカードは何故ペナルティになるのか?」など。それらに理由付けをしたかったんです。最初に考えていたのは、プレイヤーは神で手札はすべて災害、色は地方、数字は災害の度合いを表していて、そのすべての解決を目指す、というものでした。そのアイデアを発展させて作ったのが、『Gods’ Gambit』です。

爆発:緒方さんもアナログゲームが好きなのですね。

刈谷:はい。元々、テーブルトークRPG専門書籍の『Role&Roll』の表紙を10年以上描いていただいていて、昔からお付き合いがあります。たまに、イラストレーターさんにTRPGを実際に遊んでもらい、そのリプレイを掲載してイラストも描いてもらう企画を行うんですが、緒方さんは毎回遊びたがるんですよ。「そろそろあの企画やらないんですか?」みたいな(笑)。TRPGだけじゃなくボードゲームやカードゲームもお好きで、「子どもがゲームできるようになったら『Gods’ Gambit』を一緒に遊んで、イラストを描いたのは俺だと伝えるのが夢」とおっしゃってました。

カナイ:子どもと一緒にゲームを遊ぶって、壮大な夢でとてもいいですね。

爆発:刈谷さんは具体的にどのような作業を行ったのでしょうか?

刈谷:端的に言えばプロデューサーですね。ゲームデザインの根本部分については、ほぼカナイさんに丸投げしました。

カナイ:こちらはコンセプトを伺ってゲームを作り、ゲームを見た刈谷さんが緒方さんやイシイさんに働きかけてくださったという感じですね。ゲームデザインについては、ほとんど何も言われてないです。

刈谷:私もゲームを作ることがあるのでわかるんですが、コンセプトを固める作業中には、あまり横から口を挟まないほうが作りやすいと思うので。当然、コンセプトが固まってきてからのテストプレイには何度も参加しました。最初のころは難しい特殊能力が多い印象だったのですが、カナイさん自身もいろいろな場所でテストプレイを行っていて。イシイさんにも何度か遊んでいただきました。そうして最終的にはかなりシンプルに調整されていたので、さすがだなと。

カナイ:緒方さんにもテストプレイに参加していただいて、次の日にはイラストがきていたのでその早さに驚きました。

刈谷:緒方さんは仕事がめちゃくちゃ速いんですよ。アークライト内では“マッハ緒方”のコードネームで呼ばれています。

一同:(笑)。

■イシイジロウさんが『Gods’ Gambit』に参加した理由は『Love Letter』!

爆発:お名前が出たところで、今回イシイさんはどうして参加されることになったのでしょうか?

イシイ:カナイさんの『Love Letter』を遊んで、それがとてもおもしろくて。それで「カナイさんが新作を作っている」という話を漏れ聞いたんです。コンセプトを聞いたら、しっかりとした世界観があるゲームだということで、「よろしければストーリーのテキストを書きますよ」という軽いノリでしたね。

【アナログゲームでガチバトル!】
▲イシイさんがハマった『Love Letter』は現在アークライトより発売中。

イシイ:「カナイさんが書かれたテキストをリライトするレベルかもしれませんが、もしよければ使ってください」という感じで。これはビジネスじゃなくて、単純に『Love Letter』を遊ばせていただいた感謝の気持ちでした。

刈谷:イシイさんはかなり『Love Letter』がお好きということで。

イシイ:今もカバンに入っていますよ。短時間で遊べるので。人狼のカードと一緒につねに持ち歩いています(笑)。

カナイ:本当にありがとうございます。

刈谷:こちらとしては、断る理由は欠片もなかったです。

爆発:イシイさんは『Love Letter』のどこに惹かれたのでしょうか?

イシイ:お話が想像できたところですね。『Love Letter』は『Gods’ Gambit』と比べると、世界観を固定してなくて「想像してください」という感じで。人狼もそうですが、最近“お話の発生装置としてのアナログゲーム”という考え方はあるなと思っていて。TRPGだと当たり前のことなのですが、グルッと回ってとてもシンプルなカードゲームやボードゲームからお話が発生していて。いいルールのゲームだと、新たなドラマがいくらでも生まれてくるなと。僕は「お話が匂い立ってくる」と言ってるんですが。

カナイ:わかります。

イシイ:『Love Letter』にはそういう可能性を感じます。ゲーム業界のストーリー系の人間としては、実際にプレイしてみると「大臣と姫がそろっちゃうラストって悲劇的だね」とか、いろいろ想像できるのが惹かれた理由の1つですね。

刈谷:周りに濃いゲーマーの人間が多いので、ゲームシステムが好きだという人はたくさん知っているのですが、物語の方向から好きという方は初めてで、おもしろい理由だと思いました。

イシイ:もちろんシステム的にも完成度が非常に高いと思いますが、そこはすでに語り尽くされているので。その上で、お話の発生装置的な見方をしてもおもしろいなと。だから『Gods’ Gambit』が世界観を強化すると聞いて、もしかしたら少しでもお手伝いできるかなと思ったのです。

カナイ:プレイヤーの設定が堕ちた神になったのはイシイさんのアイデアでした。最初は普通の神様だったので。

刈谷:堕ちた神のほうがドラマティックじゃないかと。返り咲くために努力するという。

イシイ:悪魔を押し付けたり、悪いこともしますからね。天界へ戻るためには手段を選ばない(笑)。

カナイ:「早く邪神来いよ! アイツあがっちゃうだろ!!」みたいな(笑)。

イシイ:言葉の強さも欲しかったんです。「神が堕ちた。堕ちた神は返り咲くために……」と聞くと、スゴイことをやりそうじゃないですか。

爆発:イシイさんが参加される他にも、『Gods’ Gambit』は新たなことに積極的に取り組んでいる印象を受けました。例えばニコニコ超会議でテストプレイをされたり、Kickstarterで海外版の資金を募られたり。

刈谷:本当のことを言ってしまえば、どちらもこちらから積極的に動いたというよりは、様々な方とのご縁があって実現したものです。超会議のほうはドワンゴさんから「ゲームエリアというからには、アナログゲームもほしい」とご提案があって、「そんないいお話を断る理由がありません」と超ゲームマーケットブースを出展しました。『Gods’ Gambit』も同時期にテストプレイ中だったので、公開テストプレイをやらない理由はないなと。

カナイ:本当に、タイミングがよかったというか、流れですね。

刈谷:Kickstarterも同じような流れで。アルティメット人狼というイベントを主催された眞形さんを介して、Kickstarterで実際に成功を収めた方と会う機会がありまして。「協力しますから、アナログゲームで試してみませんか?」とご提案されて。それもやはり「そんないい話、断る理由がありません」と。

カナイ:いい意味で、運命に翻弄されている感じです(笑)。

刈谷:無事に目標額も達成できたのでホッとしました。英語版は2015年の1月に、アメリカの皆さんに届く予定です。


 “SWITCH GAMES”特集の前編はここまで。後編は、11月16日開催の“ゲームマーケット2014秋”の直前となる、11月上旬に掲載予定。川崎晋さんの『クイズ いいセン行きまSHOW!』のリプレイと、制作秘話などを聞いたインタビューをお届けします。さらに“SWITCH GAMES”の今後の展開も伺いましたので、ぜひご覧ください!

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