2015年10月2日(金)
【電撃の旅団冒険録】『FF14』のダンジョンから見る世界観。第5弾は “禁書回収 グブラ幻想図書館”
『ファイナルファンタジーXIV』の世界に隠された謎を求める冒険者たちに贈る企画第5弾! 今回は冒険者が魔大陸への道を切り開く術を求め挑む“グブラ幻想図書館”に焦点を当て、この場所が秘めた謎に迫ります。もちろん開発スタッフの方々からのコメントも!
※本記事にはネタバレ要素も含まれます。まだ『蒼天のイシュガルド』のメインストーリーを終えていない方はご注意ください
アラグの魔大陸を目指す旅路
教皇庁での戦いののち、教皇トールダン七世は「魔大陸へ」という言葉を残して飛空挺で飛び去ります。冒険者はアイメリクらとともに教皇の行方を探り、彼らがアバラシア雲海の高空へと向かったことを突き止めて、一路高空層へ。その過程で、蒼天騎士団が見せた異様な力の源が、彼らの信仰の対象である蛮神ナイツ・オブ・ラウンド(騎士王トールダンと円卓の騎士たち)の力を降ろしたものではないかとの仮説に至ります。
魔大陸を目指すには、“鍵”が必要。その鍵は、バヌバヌ族の呼び降ろした巨大な蛮神・ビスマルクの腹の中にありました。冒険者たちは苦心してビスマルクを撃破し、鍵を入手……したものの、アシエン・イゲオルムを伴って現れたトールダン七世によって奪い取られてしまいます。さらには新皇帝ヴァリス・イェー・ガルヴァス率いるガレマール帝国軍も魔大陸を目指していると判明し、事態は混迷の様相を呈してきました。
その後、冒険者はシドの飛空挺で魔大陸への突入を試みるものの、バリアに阻まれて失敗。バリアを切り裂くための技術を求めるなかで、かねてから行方不明になっていた暁の血盟メンバー“ヤ・シュトラ”との再会を果たします。冒険者は彼女の助言を得て、学術都市シャーレアンの誇るエーテル学の権威“マトーヤ”の知恵を求めて低地ドラヴァニアへ。ようやく出会えた老賢者マトーヤは、禁書として封印した論文が“グブラ幻想図書館”に眠っていると語り、冒険者はそれを取りに行くことに……。
冒険者がグブラ幻想図書館にたどり着くまでの経緯は以上のとおり。ざっとあらすじをまとめるだけでも長い道のりだっただけに、パッチ3.0のダンジョンとして最初に公開された幻想図書館に“やっと行ける”と感嘆の息をもらした人も多いはず。というわけで、内部の様子を見てみましょう。
番人たちが守る、知識の宝庫
グブラ幻想図書館の内部は、“幻想書庫”と“エーテル学&占星学研究室”“夢想禁書庫”の3区画に大別されており、奥へ行くほど専門的もしくは貴重かつ危険な書物が納められているようです。入口近くには閲覧用の座席も設けられていますね。インクや本などの姿をしたユニークなモンスターたちは、この書庫の番人兼、かつてのシャーレアンの人々の身の回りの世話をしていた使い魔なのかもしれません。
奥へと進んでいて目を奪われるのは、やはり壁一面に敷き詰められた圧倒的な本の数。しかしグブラ幻想図書館には本だけでなく、巨大な貝の化石など博物学に関係する古代の遺物も眠っている様子。なかでも、人魚に羽を生やしたような彫像(海神リムレーンの像?)がなぜここにあるのかも気になるところです。
夢想禁書庫へと続く中間地点、占星学研究所近辺からは、ファイナルファンタジーシリーズファンにはなじみの深い“ビブロス”や“64ページ”など本から召喚されたモンスターたちが出現し始めます。書庫の防衛用としてはいささか過激ですが……シャーレアンの人々はこういった魔物を召喚・制御する技術にも長けていたのでしょうか。禁書を守るボス・ビブリオタフ自身も妖異を召喚してくる点も興味深いところです。
ちなみに、ビブロスは倒れ際に「我が主の封印は地下深くで解かれる」との言葉をもらします。トリプルトライアド用のカード“ビブロス”の説明欄には、シャーレアンの魔道士が盟約によって使役していたととれる内容が記されていますが、その“主”もやはり魔道士の1人ということなのでしょうか。
彫金師によるマル秘メモ? グブラ幻想図書館の手記
グブラ幻想図書館の各所に存在する手記には、『FFXIV』の世界観を探るうえで興味深い情報が記されています。ここであらためてまとめてみました。
『ガレマール階級論考:上巻』
第六星暦1522年の帝政転換以来、
ガレマール帝国では、階級社会化が急速に進行している。
名に所属階級が含まれる点は、その深刻度を示す例といえよう。
国家元首たる皇帝は『ゾス』……
これに続く皇族は『イェー』、貴族は『ウィル』を名乗る。
軍人階級は、軍団長の『ヴァン』に始まり、
『トル』『サス』『レム』『クォ』『ピル』『エン』と続く。
魔導技術者は、筆頭機工士の『ナン』に始まり、
『マル』『ルクス』『キル』『ジェン』と続く。
『ガレマール階級論考:下巻』
公職は、独裁官および元老院主席の『イル』に始まり、
『ヘット』『ゴー』『フェー』『エイル』『ダス』と続く。
市民は『セン』と、二級市民の『バス』に別たれ、
最下位には市民権を持たぬ『アン』が位置する。
ガレマール帝国の軍事侵攻により、
属州化された地域では、その住人は多くが『アン』とされ、
奴隷として市民に仕える生活を強要されているようだ。
『アン』が市民権を得て『バス』や『セン』となるには、
帝国に対する“特別な貢献”を認められるか、
20年以上の過酷な兵役が必要となる。
『六属創世記』
『廻りくる六つの生誕』……
雷は落ちて火を生み、火は燃えて土を生み、土は遮りて氷を生み
氷は溶けて水を生み、水は昇りて風を生み、風は曇りて雷を生んだ
『果てしなき三つの凱旋』……
土は雷を吸い尽くし、水は土を流し尽くし、雷は水を走り尽くした
『終わりなき三つの敗北』……
火は風に消され、氷は火に溶かされ、風は氷に防がれた
『揺るぎなき二つの支配』……
雷も火も土も氷も水も風も、すべては霊の上にあり、
すべては星の下にある……近いか遠いかただそれだけ……。
『新大陸見聞録』
シルバーサンド一家のメルウィヴ・ブルーフィスウィンが、
西方の新大陸に至る、安全航路を発見したことは、
歴史的に見ても大きな意義を持つ。
これまで新大陸への航海は、まさに命がけであり、
運を天に頼むしかなかったからだ。
ただし、上陸してからも決して油断できない。
野蛮なマムージャ族をはじめ、原住民族には、
好戦的な者も少なくなく、魔物や野獣の脅威も強い。
しかし、私は必ずや伝説の“黄金郷”を見つけるつもりだ。
『ある彫金師の日記』
美しい薔薇には棘があるとは、よく言ったものだ。
上位妖異のなんと怪しく美しいことか!
美の探求者として、これほど心震える存在はない。
多少、苦労したが、依り代は手に入れた。
後は術式を組んで、異界『ヴォイド』の美しい妖異を、
憑依させるだけ……。
召喚した妖異が暴れぬように、
既に寄り代は、鋼の鎖で寝台に固定した。
さあ、愛しのサキュバスよ、蜜月の時間の始まりだ!
『ある彫金師の日記』
失敗した……。
今、私の寝台の上には、鎖で縛られたイカ頭の妖異が、
悩ましげにうねっている……。
何をどう間違えたのか、わからない。
どう処分すればいいのかも、わからない。
ただ、ひとつわかることといえば、
私の夢が、崩れ去ったというだけだ……。
ちなみに、『ある彫金師の日記』を記した彫金師については、ミニオンのマメット・サキュバスの説明欄を見てみるとその後逮捕されたらしいことがわかります。……もちろんこの2人が同一人物であれば、ですが。そのあたりも含めて、グブラ幻想図書館にまつわる疑問点を開発スタッフの方々に聞いてみました。
シャーレアンの魔道士と妖異との関係、グブラ幻想図書館に秘められた秘密とは――
――このダンジョンを作る際の方向性、コンセプトを教えてください
そのまんまではありますが、図書館のダンジョンを作ろうというコンセプトになります。 多くのプレイヤーの皆様から、図書館を! という熱い要望が届いていましたし、学術都市シャーレアンのシンボルとしての必要性もありましたので、ダンジョンとして実装することになりました。なお、シャーレアンはエーテル学や魔法学にも長けていたという設定ですから、“魔法”や“使い魔”といった要素も採り入れています。
――出現するモンスターの雰囲気がエリアごとにガラッと変わる印象を受けましたが、それぞれのエリアで出現するモンスターたちの傾向や、そこに出現している理由などがありましたら教えてください
グブラ幻想図書館は、大きく3つのエリアに分けられます。第1のエリア(黙想閲覧質~幻想書庫)は、学生など一般の利用者が入れる場所になります。ここにいるのは、インク瓶や本に魔法をかけてつくられた使い魔たちが中心です。その他、鳥や虫など、割れた窓から入ってきた野生生物もいくらか存在します。
シャーレアンの魔道士たちによって造られた“デモンズ・ブックウォール”によって守られた第2のエリア(エーテル学研究室~占星学研究室)は、研究者のみが入れる場所になります。往事には、蔵書を用いた研究が行われており、その助手としてポロッゴやスパンデュールが働いていました。ちなみに、“マロリス”はこのエリアで研究対象とされていたものが、幻想図書館まで脱走していたという設定です。
第3のエリア(夢想禁書庫~狂想禁書庫)は、その名の通り、禁書指定された書物を収蔵する書庫。最後の番人として、妖異“ビブロス”が立ちはだかります。そして、禁書庫の内部は、魔法によって知恵を与えられた使い魔“スカネテ”と、仮初めの命を得た鎧“ロゴス”によって守られています。なお、インプやアーリマンも侵入者対策として、書物に封じられていた妖異になります。
――道中に化石の貝が多く飾られている理由などがありましたら教えてください(シャーレアンのシンボルマークも似た形の貝ですが、この由来もありましたらぜひ)
こちらは“巻き貝”の化石になります。古の昔、貝は永遠に生きる存在だと考えられていました。そして、“巻き貝”はその螺旋状の構造から、知神サリャクが河に流した“知識の水”を、永遠に溜め込む存在と考えられ、“知識の蓄積”の象徴と考えられるようになったのです。学術都市であるシャーレアンの国旗に、“巻き貝”の意匠が用いられたのも、そのためになります。
――貝の化石以外に、大きな爪のようなものや、羽の生えた人魚像(リムレーン像?)などが置かれていましたが、これらの解説をお願いできますでしょうか
棘状の化石は、大海蛇(シーサーペント)の化石になります。同じものが高地ラノシアの“サラオスの亡骸”の近くで見られるでしょう。人魚像は、海神“リムレーン”の像です。海洋生物の化石を展示するにあたり、海の女神の像を配置した形になります。
――禁書庫の深部にのみ存在するマークについて、何のマークか、どうしてこの場所に描かれているのかなど語れることがもしありましたらぜひ
シャーレアンにおいて“賢人”の称号を得た者だけが、身にまとうことを許されるシンボルになります。“賢人”のみが閲覧を許される禁書庫……といった意味合いですね。
――64ページやビブロスなど、『FFV』の古代図書館のオマージュが見受けられますが今回、それらを取り入れた理由はありますか?
FFで図書館といえば、“古代図書館”の印象が強いのではないでしょうか。開発チーム内にも、“古代図書館”が好きだというスタッフが多く、あれこれ採り入れられることになりました。
――ビブリオタフは禁書の保管庫そのものがモンスターという認識でしょうか? 召喚能力も持っている理由など、もしありましたらぜひお願いいたします
ギルドリーヴなどでもしばしば登場しますが、エオルゼアには“妖異を書物に封印する”という秘術が存在します。そもそも妖異を利用すること事態が、かなり危険な行為ですので禁忌とされていますが、シャーレアンの禁書庫では“妖異が封じられた禁書”を“禁断の知識の守護者”として配していたのです。
そして、ビブリオタフは“妖異が封じられた禁書”そのものを金属製の像の中に収め、魔法によってゴーレム化させることで、“妖異を操る守護者”として利用しようという発想のもとで造られた存在になります。
――ビブロスの言う“我が主”とは……?
ビブリオタフのことです。ビブロスは、ビブリオタフ(の内部に納められた禁書)に封じれていた妖異の一体という扱いになります。盟約によって書物に縛られているため、ビブリオタフの意のままに“門番”の役目を担っています。
――『新大陸見聞録』でメルウィブ提督についての記述が見られましたが、この新大陸とはどこのことを指すのでしょう?
“西方の新大陸”としてゲーム内でチラホラ語られている場所のことです。例えば、とあるNPCからマムージャ族の出身地であることが語られていたり、いくつかの作物の原産地としても紹介されています。
――『ある彫金師の日記』の筆者と、マメット・サキュバスを作った彫金師の関係を教えてください。また、彼によって生み出されたイカ頭(マインドフレア?)の行方についてもぜひお願いいたします
同一人物です。例の日記の出来事の後、本物の妖異を諦め、マメット・サキュバスを作ることになるわけですが、当然、それでは満足できません。どんなに“解剖学的に正しく”作っても、所詮、人形は人形なのです。ともかく、彼はその後、いずこかへと旅立ち姿を消すことになります。そのあたりが“薄闇の雲”の説明文に繋がるわけですね。なお、イカ頭がどうなったのかは不明です。例の彫金師さんの今後の活躍が描かれるかどうかは、皆様からの熱い声援しだいということで……。
シャーレアンの魔法技術にも驚きましたが、件の彫金師……。コレ、出獄後に闇の世界へ赴き、そこで暗闇の雲をモデルに(?)“薄闇の雲”ミニオンを作ったということでしょうか。なんだかゴッドベルト・マンダヴィル氏レベルのタフさを持ち合わせていそうな雰囲気ですが……今後の続報に期待、ですね。
無糖党さんの漫画第6弾! Vol.599掲載作品をお届け!
漫画家・無糖党さんと“電撃の旅団”の面々のプレイ模様をもとにした『FFXIV』漫画は、電撃PlayStationにて好評掲載中! 今回お届けするのは、9月24日発売のVol.599に掲載された作品です!
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次回は10月9日に更新予定です。お楽しみに!
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