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2016年5月12日(木)

『グリムノーツ』ボツ案、新キャラも初公開。キャラデザイン秘話を穂里みきね氏に聞く!

文:長雨

 スクウェア・エニックスのiOS/Android用アプリ『グリムノーツ』。おとぎ話を新解釈した独特の世界観を持つ本作について、開発者インタビュー第2弾を行いました!

『グリムノーツ』

 今回お話を伺うことができたのは、本作のプロデューサーの石井諒太郎さん、シナリオを担当している大泉貴さん、そしてメインビジュアルを担当している穂里みきねさんの3名。メインキャラやヒーローなどのデザインについて、深くお話を聞くことができました。

 さらにインタビュー中には、新キャラクターのイラストや今後の展開に関するお話も! ぜひ最後までチェックしてください。イラスト入りサイン色紙プレゼントもあるので、お見逃しなく!

『グリムノーツ』
▲左から石井諒太郎プロデューサー、シナリオを手掛ける大泉貴さん、メインキャラクターのイラストを担当する穂里みきねさん。

3人の偶然の出会いから『グリムノーツ』は生まれた!?

――メインキャラクターのイラスト担当が穂里さんに決まった経緯を教えてください。

石井:僕はスクウェア・エニックスに入社する前から、ずっと『グリムノーツ』を作りたいと考えていたんです。本作の企画を友人でもある2人と話していたので、ゲーム化が実現したら穂里さんにお願いしようと決めていました。

 穂里さんには、初期のイメージボード制作からずっと携わってもらっています。あとは本当に3人で飲みながら会話していましたね。

――その飲み会の席で、本作のアイデアが練られていったのでしょうか?

石井:はい。童話をモチーフにしたいだとか、いろいろな話をしましたね。たまたまイラストを描ける人間と、シナリオを書ける人間がそろっていたので「一緒に何かできたら楽しいね」という話は最初からしていました。

キャラクターの役割を意識したデザインづくり

――では次に、キャラクターについてのお話を伺っていきたいと思います。本作には魅力的なキャラクターがたくさん登場しますが、最初に穂里さんが生み出したキャラは誰なのでしょう?

穂里:実はメインキャラクターではなく、アリスが最初に生まれました。デザインは現在の形とは異なりますが。企画書を作る段階で「このような童話のゲームだよ」というのを伝えるためにアリスと赤ずきんを描いたんです。

『グリムノーツ』
▲アリス

石井:企画書向けに「ハートの女王と童話のキャラクターが戦っているイメージボードを描いてほしい」とお願いしたんだよね。

穂里:その際、1番わかりやすい童話のキャラクターとしてアリスを描き、それが今でも作品の顔として活躍しています。

――イメージボードがあるとおっしゃられましたが、大泉さんはシナリオを書く際、そちらを参考にされたのでしょうか?

大泉:イメージボードも参考にはしましたが、コンセプト自体は最初から聞いていたので、それをもとに話を広げていった形です。現在は、シナリオを書く時に、キャラのラフを見てイメージをふくらませています。

――メインキャラについてですが、主人公パーティのデザインは、どのようにして決めていったのでしょう?

穂里:最初は、ざっくりとした設定だけしかなかったんです。主人公は物語のモブではなく、シンデレラの馬車の従者、タオとシェインは桃太郎関係、レイナはまだよくわからないといった感じでした。

 そのキーワードからイラストを描き進め、最初に主人公を完成させたんです。そしたら石井さんに「もっとモブ」と言われまして(笑)。

 メインキャラクターなので、もっと花を持たせてと言われるのはわかるのですが、「個性を殺せ」と言われたのは初めての経験でした。

『グリムノーツ』
▲主人公(エクス)

石井:もっと普通の子がいい、と何度もリテイクをお願いしました。

穂里:主人公は、当初ヤンチャな雰囲気だったのですが、現在はモブっぽいというか、優等生的なデザインになっています。キャラクターの中でもっとも変遷が多かったのは彼ですね。

石井:アニメーションやシナリオを読むだけなら、キャラが立った主人公でもいいと思うんです。しかし“ゲームとしてRPGを遊ぶ”ということを考えた結果、できるだけ自分自身を投影しやすいニュートラルな子にしようと。

『グリムノーツ』
▲初期の主人公とタオ。確かにヤンチャそうな雰囲気!

――シェインの初期デザインは、今よりも鬼らしさが出ていますね。

穂里:もともと角を生やしていて、それを隠すための帽子を被せていました。ただ帽子を脱ぐことになるタイミングが、物語を進めるうえで絶対に来るわけじゃないですか。

 しかしシナリオを読まないユーザーもいるので、イラストを切り替えるタイミングがすごく難しかった。ですので、普通めの和風な女の子という形に落ち着きました。

 彼女は最初からテーマがしっかりとしていたので、あまりぶれることなく、デザインが固まりましたね。

『グリムノーツ』
▲こちらは初期のレイナとシェイン。ツノが生えている姿もキュート!
『グリムノーツ』
▲現在のシェインはこちら。

――レイナについてはいかがでしょう?

穂里:レイナのデザインは、なかなかかわいくならない、と悩みながら描きました。

石井:姫感が出ないって言っていましたね。

穂里:髪型も試行錯誤しました。最初はボブで始まり、石井さんのショートもかわいいという意見と個人的にロングが好きということで2つのデザインが同時に生まれた形です。ただ、最終的には最初の髪型に落ち着きましたね。

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▲レイナ

――髪型が変わると、だいぶ雰囲気も変わりますね。

石井:大泉さんが書いたレイナはコミカルなキャラなので、ロングだとお姫さますぎるということで採用しませんでした。

大泉:まだ予定はありませんが、例えば過去のシーンなどでロングヘアーバージョンを出すのもアリかもしれませんね。

――タオも、初期と現在では顔立ちなどが変化していますね。

穂里:最初は、もっとガキ大将のようなイメージで描いていました。リーダーを張っているけれど、まだまだ未熟なところもあり、主人公と成長していくといった予定でしたが、パーティのバランスを考慮し、等身を上げて青年っぽく仕上げました。

石井:タオがパーティのなかで、1番大人だよね。メンバーがそろった時、彼以外が幼いので、しっかりした人物が必要かなと思ったんです。4人のなかですと、タオが1番大人で、レイナが1番子どもですね。

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▲タオ

――初期イラストを見ると、各キャラクターが武器を持っているというのも、今の形と異なります。

石井:各キャラにヒーラー、アタッカー、シューターと、役割を持たせることを決めていたので、それぞれに対応する武器を持たせていました。ですので、タオも現在よりもディフェンダーらしい姿をしています。

穂里:ただ、作中ではいろいろなヒーローを付けることができますし、特に縛りなどもないので、最終的に武器は持たせない方向になりました。

――ちなみに、メインキャラクターの中で、特に思い入れのあるキャラクターはいますか?

穂里:主人公が好きですね。初期のヤンチャなデザインから優等生に変わったので、更生した姿を見ている先生のような気持ちになります(笑)。

大泉:シナリオで書きやすいのはタオとシェインです。ただ主人公(エクス)の視点はユーザーの視点でもあるので、どう表現すべきかいまだに悩んでいる部分があります。そういう意味では、とても気にかかるキャラクターですね。

石井:以前のインタビューでも答えましたが、やはりシェインがお気に入りです。本作は主人公の成長譚で、今後の物語のカギを握っているレイナという重要人物がいます。その2人を俯瞰(ふかん)し、かかわりすぎないというシェインの立ち位置は、すごく調度いいと思っています。

――最近、新主人公としてエイダが登場しました。彼女については、どのようにデザインを固めていったのでしょう?

穂里:彼女は出身想区が“いばら姫”で、姫を守る騎士という役割を与えられていました。ですので、正統派な騎士というコンセプトで、バラなどをイメージさせるような世界観を感じさせるデザインにしています。

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▲エイダ

大泉:もともと、ディフェンダーとヒーラーの役割を持った主人公を追加しようはと決めていました。それが似合うのは聖騎士だろうということで、そこからエイダの設定を作っていった形です。

 また、イベントシナリオはコミカルな内容のものが多いので、彼女のシナリオに関しては世界観を大事にした、シリアスな物語になるように作りました。

穂里:当初はもっと全身鎧というか、重厚な装備を身につけていたのですが、主人公たちが軽装ですので動きやすそうなデザインに変更しました。最初は色も真っ白だったのですが、一目でディフェンダーとヒーラーという役割がわかるよう、配色にも気を配っています。

――エイダが登場したばかりですが、今後も主人公が追加される予定はあるのでしょうか?

石井:定期的に追加していく予定です。まだ、職種がキレイに組み合わさっているとは思っていないんです。例えばシェインならシューター、アタッカーという順にセットできますが、人によっては逆に配置したい場合もありますよね。

 順番を入れ替えできないようにしているのは、今後、その役目を担う主人公を追加したいという思いがあるからなんです。需要がいろいろとあることは承知しているので、その声に応えるためには、それなりのペースで追加しなければなと考えてはいます。

 ただ毎月は難しいので、季節ごとに1人は出せるといいなといったところですね。

――主人公パーティ同様に、物語に深くかかわってくるキャラクターとして、ロキやカーリーがいます。彼らのデザインコンセプトを教えてください。

穂里:ロキは、主人公と対立するポジションにいることを明確にしようと考えてデザインしました。ですので指定はなかったのですが、黒や紫といった配色など、わかりやすいキャラ付けをしています。

 仮面をつけているのは、初登場時に正体不明な状態で接してくるので、怪しさやうさん臭さをといった演出です。

『グリムノーツ』
▲ロキ

 カーリーは、敵ではあるものの、神聖な雰囲気を出したいと考えました。純粋な悪というポジションではないので、白を基調に、巫女のようなデザインにしています。彼女はもしかしたら今後、衣装違いバージョンが登場するかもしれません。

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▲カーリー

――彼らは主人公サイドに比べて、装飾などがとてもシンプルですね。

穂里:最初はもっと豪華にしていたのですが、かわいくなりすぎないようにと、神秘性を残すためにあえてシンプルにしています。

石井:仲間になるキャラとは違うというのがユーザーさんに伝わるように、主人公たちとの対比をはっきりさせる必要がありました。わかりやすく悪役っぽさを出すには、すごく豪華にするか、それともシンプルにするかの2種類だと思ったんです。

 大泉さんの設定では、ロキたちは何らかの教団に所属していることが決まっていたので、神秘性のある今のようなデザインに落ち着きました。

――2人の名前は、神話の神々から取られています。これは、今後の物語にも関係してくるのでしょうか?

大泉:彼らは、ストーリーテラーがいる世界に対するカウンター的な役目を持った人物です。本作の“与えられた役割を演じる世界”というのは、よく考えると特殊な環境だと思うんです。

 それに異を唱えて、ストーリーテラーをどうにかしようとする組織もいるだろうな、というところから生まれたのがロキたちです。

石井:与えられたレールの上を生きなさいという考え方は、現実世界では必ずしも肯定されるものではありません。もちろん、それが悪いということでもありませんが。

 しかし本作では、その生き方がよしとされる世界を描いているので、そのことに違和感を持つユーザーも多いと思うんです。ですので「その世界がおかしい」と声を上げてくれる存在は大きな意味を持ちます。

 しかも本作で神様のような存在であるストーリーテラーに対抗しようとしているのが、私たちが住んでいる世界の神様の名前を持つ存在という。主人公やレイナが、敵対するロキやカーリーにかかわることでどのように成長していくかにも注目してもらいたいですね。

『グリムノーツ』

――確かに物語の中には悲劇的な結末も多く、ロキたちの意見に賛同してしまいたくなる場面も登場しそうです。

石井:そもそも、本作は矛盾した世界でもあるんですよね。主人公やレイナは特殊な存在だから自由に生きていますが、他のキャラクターに対しては「物語の通りにしなさい」と、ある意味では生き方を押し付けているような状態です。

 そのため、独善的な部分があるのは否めません。それに対してカーリーたちは、すべての人に対して平等であろうとしている。

 主人公はまっさらな状態でレイナに出会ったので、刷り込まれたかのように彼女の生き方をマネしています。しかし子どもはいつか親離れをするものなので、主人公にもいろいろな人の考えを知り、自分の道を見つけてほしいという思いがあります。

パブリックイメージと原作、両方を重視して作られたヒーローたち

――数多くのヒーローが登場しますが、どのような流れでデザインされているのでしょうか?

穂里:登場させるヒーローが決まったら職種を決め、そこから担当するイラストレーターがデザインしていくという形になります。

――穂里さんが、デザインを行う際に気をつけていることなどはありますでしょうか?

穂里:このヒーローは誰か、というのがわかりやすいデザインを心がけています。

石井:パブリックイメージについてはシナリオでもイラストでも、双方意識されているので、特にすり合わせる作業などはしていません。ただ、個人によってイメージが違うこともあるので「それは違うんじゃない?」と、たまに意見交換はしますね。

穂里:アリスや赤ずきんはイメージしやすかったのですが、白雪姫など映像化されている作品はそれに引っ張られやすいので苦労しています。加えて、映像のイメージが強すぎて、原作のデザインがピンと来ないという作品もあるんですよね。

 原作を意識しつつ、一般的なイメージからも離れすぎないように、というのはなかなか大変ですね。

石井:原作とパブリックイメージに差がある作品は難しいよね。

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▲白雪姫。アタッカーとして片手剣をふるうお姫さまというのも新鮮かも!?

――そのパブリックイメージとも関連するのですが、毒林檎の王妃などは、魔女のイメージと大きくかけ離れたデザインだったので驚きました。

穂里:悪い魔女というイメージは、映像作品などの印象がやはり強いですよね。しかし原作の王妃は、どちらかと言えば“嫉妬深い女性”というイメージなんです。

 それをデザインに落とし込む際、白雪姫は若さの象徴として黒髪に、王妃は白髪で顔色も悪くする、といった対比を出しています。

石井:王妃のような童話の悪役がメインで活躍するシナリオなども、いつかやってみたいです。

穂里:いいですね。正統派のキャラもいいですが、王妃のような存在がいるからこそ、主役が輝くという部分もありますから。

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▲毒林檎の王妃

――キャラクターのデザインができてから、大泉さんの方でシナリオを調整するといったことなどもあるのでしょうか?

大泉:かなりありますね。先ほどの話に登場した、毒林檎の王妃などはまさにそうです。彼女については、ヒーローとして初めて悪役が追加されると言うことで、どのように描くか悩みました。

 結果リテイクを受けたのですが、その際に王妃のラフイラストを一緒に送ってもらったんです。それを見て、「このイラストだったら、ちゃんと芯のある女性を描いた方がいいな」と思い、今の形になりました。

――童話にはいろいろな種類の作品がありますが、穂里さんがデザインしたかったキャラはいましたか?

穂里:アリスは描きたかったので満足です! あとは私が担当したキャラクターですと、本作のリリースに合わせて、必要な職種にちなんだものを描いたというのもありますね。ゴリアテなどがまさにそうです。

 ちなみに、最初は全体的にデフォルメのかかったデザインにしていたのですが、どんどんキャラクターの等身が高くなってきまして……。ジャンヌ・ダルクだけ等身が低いままの形になっているので、いつか別の形で登場させてあげたいな、と思っています。

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▲ジャンヌ・ダルク。たしかに頭身が低めで幼い印象を受けます。

――今後描いてみたいヒーローはいますか?

穂里:人間のキャラクターばかりを担当しているので、できれば人間ではないキャラを描いてみたいです。コミカルなキャラクターを描く機会があまりないので、そういったシナリオを大泉さんに作ってもらいたいですね(笑)。

石井:オリジナルキャラクターでシナリオを作るのもいいかなと考えていまして、現在、オリジナルキャラが活躍するボリュームのあるイベントを作っています。

 そこに登場するのは、童話のキャラではなく、出典『グリムノーツ』のキャラクターたちです。イグニスやグレシア姫などは、愛着を持ってくださっているユーザーさんが多いので、彼らにスポットを当てた内容になっています。そのなかで大泉さんが、おもしろいキャラクターを作ってくれればいいですね。

大泉:オリジナルキャラクターもいいですが、“三匹の子豚”など、有名な物語だけれどヒーローとしては追加しにくいといったキャラを出すのもいいかなと考えています。

穂里:動物が主人公の童話は、なかなか難しいですからね。

石井:ブレーメンの音楽隊とかね。

大泉:望む声があるのは理解しているのですが、ヒーローとしてロバを登場させた際、喜ばれるか? というと疑問も残ってしまいます。

穂里:喜ばれるヒーローということを考えると、擬人化せざるをえない部分はありますね。そういう意味では長靴をはいた猫のように、擬人化させずともキャッチーで喜ばれる童話のキャラを探さないといけないなとは思っています。

――たくさんのヒーローが登場していますが、皆さんの好きなキャラクターはいますか?

穂里:赤ずきんちゃんが描いていて楽しかったので好きです。見た目が純粋に好みで、描いていて苦になりません。

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▲赤ずきん

石井:1番辛かったのは?

穂里:ゴリアテですね。スケジュールがタイトでしたし、おじさんキャラを描くことがあまりないので大変でした。

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▲ゴリアテ

石井:ファントムは大変じゃなかったの?

穂里:ファントムはじっくりと時間をかけて描けたしイケメンだしと、そんなに難しくなかったです。ただ、私は映画や舞台をあまり観ないので、イメージをつかみにくいという意味では苦労しました。

石井:そもそもファントムって、パブリックイメージがあまりないよね。

大泉:映画くらいじゃないですか?

穂里:でも女性人気の高そうな人物なので、下手に描いて「こんなのファントムじゃない!」と言われるのもつらいですし、映画や原作から要素を拾ってカッコよくまとめました。

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▲ファントム

――石井さんはいかがでしょう?

石井:実は、穂里が描いたキャラクターで僕が持っていたのは、最初のうちはジャンヌだけだったのですが、やはり使うキャラクターほど、愛着が増しますね。キャラクターの変遷を見てきたという意味では、アリスです。

穂里:初期のアリスは、もっと頭身が低かったですしね。

石井:ボイスを収録してから描き直したという珍しいパターンだよね。

穂里:そうなんです。必殺ボイスを聴いて描き直しました。すごくかわいくなって、よかったなと思います。

――大泉さんはいかがでしょうか?

大泉:最初のシナリオに登場するシンデレラですね。シンデレラの想区のシナリオは、主人公たちを紹介するイベントでもあったので結果的にシンデレラの出番はかなり少ないんですけど、穂里さんが描いてくれたシンデレラのイラストがすごくステキだったので、少し後悔しています。どこかで再登場させられないかなと。

石井:レイナよりも、姫感あるよね。

穂里:このレースの感じは、二度と描きたくないと思いましたけどね(笑)。

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▲シンデレラ

――5月のイベントで新デザインのアリスが登場しましたが、デザインコンセプトなどはどのように差別化したのでしょうか。

穂里:すでに登場している不思議の国のアリスは、異世界に迷い込んだ天真爛漫な女の子をイメージしています。対して今回登場するのは“鏡の国のアリス”がモチーフになっていて、不思議の国の冒険を経て成長した女の子として描いています。

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▲アリス(鏡の国)。弓を使うシューターとして5月2日に追加されました。

――時計うさぎのデザインはいかがでしょう?

穂里:今回登場する時計うさぎは、不思議の国のアリスの世界観に寄せたデザインにしています。このキャラクターの役割を明確に見せてあげたかったので、このような衣装にしました。

石井:時計うさぎのイメージって、アリスを不思議の国に導く姿と、物語終盤の裁判の姿の2パターンがあると思うんです。新たに登場する時計うさぎは、裁判の方を重視したデザインですね。

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▲時計うさぎ。衣装にはトランプの柄があしらわれています。

大泉:こちらのキャラたちに関しては、専用のキャラクターイベントを用意しています。アリスのお話は作中の登場キャラも多いですし、それぞれクセも強いので、メインシナリオというよりも、キャラクターイベントでそれぞれのキャラをピックアップしていこうと考えています。

――今後、アリスのように別デザインのヒーローが登場することもあるのでしょうか?

石井:できるだけ出したいなとは思っています。シナリオとの兼ね合いもありますが、これまで登場しているヒーローにも、まだ想区が登場していないキャラがいます。

 そういったキャラは想区の追加のタイミングで、再登場させられたらいいなと思いますね。できるだけ、キャラ1人1人に愛着をもってほしいので、新ヒーローを増やしていくだけではなく、既存のキャラも大事にしていきたいですね。

――ゴールデンウィークにはガラスの靴を集めてガチゃを回す新種のイベントが登場していましたが、どのような狙いがあったのでしょうか。

石井:カオスシンデレラが登場するイベントですね。ガラスの靴を集めて、それを泉に投げ入れることで、泉の精にご褒美をもらおうという形のイベントでした。

 最近はマルチの協力プレイ系の新イベントが多かったので、このイベントではシナリオを重視して、シングルプレイで楽しめる内容を目指しました。

――今後はどの物語の新イベントが登場するのでしょうか?

石井:近いタイミングで『鏡の国のアリス』にちなんだキャラクターイベントの第2弾を予定しています。

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▲『アリス』にまつわる新キャラクターたち。赤の女王や白の女王、白の騎士が仲間になります。

 新たに赤の女王や白の女王が登場する他、知名度が高いハンプティ・ダンプティも登場するので、お楽しみに。

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▲こちらはハンプティ・ダンプティ。タマゴの形でおなじみですが、ここではダンディな男性として擬人化された形で登場します。

――長い時間、ありがとうございました! 最後に、ファンの皆さまにメッセージをお願いします。

大泉『グリムノーツ』をリリースしてもう3カ月が経過し、イベントもどんどん開催されています。今後は、また違ったシナリオ展開などをお見せできるかなと思いますので、引き続き楽しんでいただけたらうれしいです。

穂里:今後も、いろいろなメインキャラやヒーローが追加され、私自身もイラストを担当することになるかと思います。これからも魅力のあるキャラを描いていきますので、ぜひ手に入れて、使ってあげてください。よろしくお願いします。

石井:これから先追加するイベントはまったく新しい内容になっています。こちらはそれほど遠くないうちにリリースする予定です。より遊びやすくなる便利な機能を追加した後で、新しいイベントを追加していけたらなと思っています。

 そして、「大泉さんのシナリオをもっと読みたいんだ」という意見もたくさんいただいているので、その期待には応えていくつもりです。マルチだけでなく、シングルプレイで遊べる内容も拡充していく予定なので、ご期待ください。

『グリムノーツ』

穂里みきね氏のイラスト入りサイン色紙をプレゼント

 電撃Appの読者に穂里みきね氏のイラスト入りサイン色紙をプレゼントします。応募締切は5月29日23:59まで。

『グリムノーツ』
▲主人公のイラスト入りのサイン色紙。
『グリムノーツ』
▲レイナのイラスト入りのサイン色紙。

 イラストは主人公とレイナの2種類で、石井諒太郎さん、大泉貴さん、穂里みきねさんのサイン入りです。各1名様、合計2名様にプレゼントしますので、ふるってご応募ください!

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