2016年9月29日(木)
あの名作の発売から、5年、10年、20年……。そんな名作への感謝を込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として、“周年連載”を展開中。
第46回では、2011年9月29日に日本ファルコムからPSP版が発売された『碧の軌跡』を振り返ります。ちょうど最近『空の軌跡 the 3rd Evolution』がリリースされましたし、物語的にその続きとなる、クロスベル編『零の軌跡』『碧の軌跡』をプレイしたくなっている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、『碧の軌跡』の名場面を振り返ります。なお、画像は『碧の軌跡 Evolution』のものとなっています。
『零の軌跡』と本作『碧の軌跡』の主人公は、ロイド・バニングス。彼は、警察の新米捜査官です。熱く真面目な性格で、トラブルがあったら自ら突っ込んで行くタイプ。そして後述しますが『軌跡』シリーズ随一の、ハーレム系主人公でもあります。
特務支援課は『空の軌跡』でいう遊撃士と同じように人々の困りごとを解決するのがお仕事ですが、そこは警察という公権力の悲しい性(さが)。発足当初は街の人からあまり好意的に思われていませんでした。
そんな彼らも危険な魔獣を倒したり、子猫の飼い主を探したり、窃盗事件を解決したりするうちに少しずつ信頼を得ていきます。ときには日曜学校の特別講師を引き受けて子どもたちに勉強を教えることも……!
彼らが《グノーシス》というアブないお薬にまつわる事件にかかわり、首謀者を倒すところまでが『零の軌跡』の物語。本作はその数カ月後、周囲から実績を認められてきた特務支援課が、バラバラになって各地に出向しているところから始まります。
どうしてもある程度のネタバレと個人的な主観は入ってしまうと思いますが、ご容赦ください。それでは『碧の軌跡』の物語をピックアップしていきましょう!
空の女神を否定し、真理に辿りつくことを目的とした《D∴G教団》。前作で戦ったその組織の残党を逮捕するため、特務支援課のロイド、捜査一課のダドリー、警備隊のノエル、遊撃士のアリオスでその隠れ処を強襲します。
帝国書記官レクター・アランドールに話を聞きに行くと、その場に居合わせた赤毛の少女にエリィが胸を揉まれる事件が発生! その少女の正体は大陸最強の猟兵団《赤い星座》の部隊長で、ランディの身内でした。
エリィの胸が《赤い星座》に狙われているその一方で、《身喰らう蛇》の執行者No.0《道化師》カンパネルラがクロスベルに現れます。また、第六柱の《博士》F・ノバルティスもその場におり、何かを企んでいる様子。
クロスベル周辺各国の首脳が一堂に会する国際会議が開催。巨大な高層建築オルキスタワーの披露イベントが行われ、街はお祭りムードに包まれます。多くの観光客が押し寄せ、トラブル解消のために特務支援課も動くことに。
特務支援課の元に1つの依頼が届けられました。内容は“演奏家の捜索”というもので、街の各所で歌ったり踊ったりしている金髪白コートの演奏家を捕まえてほしいとのこと。『空の軌跡』をプレイした人は思わずクスッとすることでしょう。
こちらも『空の軌跡』に登場したキャラクター、クローゼが登場するイベント。王族の代表としてクロスベルを訪れたクローゼは、“普通の街の人々の生活”を見たいと願い、特務支援課にお忍びの護衛を要請します。
通商会議の合間に各国首脳陣と話す機会も。帝国で辣腕を振るう《鉄血宰相》ことオズボーン宰相と特務支援課が初めて顔を合わせた瞬間です。『閃の軌跡』はもちろん、将来的にもこのときのやり取りは大きな意味を持って来るのかもしれません。
エレボニア帝国とカルバード共和国に属するテロリストが、両首脳を暗殺しようと襲撃を仕掛けてきます。ちなみに『閃の軌跡』では、このイベントと同時に発生している事件が描かれており、両方プレイすることで事件の裏側を知ることができました。
大国に囲まれ技術や富が集中する場所として、つねに領土を狙われ続けてきたクロスベル。ディーター市長による国家独立宣言は、混沌としながらも均衡を保ってきた大陸の安寧を揺るがすのに十分なものでした。
休暇を与えられた特務支援課は、クロスベルが誇るテーマパーク“ミシュラムワンダーランド”へ遊びに行くことに。いろいろな事があって不安がる仲間たちを励ますロイドは、天然ジゴロ(?)発言で好感度とフラグをグイグイと増やしていくのでした……。
水着に着替えた美女たちを褒めるというミッションを、恥ずかしがる様子もなくクリアしたロイドに複雑な顔をする一同。お約束の日焼け止め塗りイベントや、キーアたちと砂浜でホワイトストーン探しを楽しんだりと、リゾートを満喫します。
隠しクエストで、観光客の水着(女性に限る)を切り裂く魔獣が出現するので退治してほしいと依頼される特務支援課。エリィ、ティオ、ノエルの3人のなかから任意の女性を選び、囮を使ってペンギンをおびき寄せる作戦を立てますが……!?
ホラーコースター、鏡の城、占いの館、観覧車といかにもテーマパークらしいアトラクションで、任意のキャラと遊ぶことができます。なお、占いの館では『空の軌跡』で消息不明とされていた、あのキャラらしき人物に占ってもらえました。
晩さん会に招かれ、ホテルでひと休みしていると突然禍々しい気配が。遊園地のほうへ急行すると、黒を基調としたピエロの植え込みなどが出現し、愛らしいテーマパークは豹変していました。そこで特務支援課は、はじめて《身喰らう蛇》と対峙することに……!
休暇を終えた一行は、日々の支援要請に戻ることに。クロスベル各所のグルメを取材したり、声が大きく逃げ足の速い偽ブランド商を追いかけたりしていました。すると僻地に見たこともない《幻獣》が出現したとの報告があり……。
ミシュラムワンダーランドで“みっしぃ”になるアルバイトを受ける一行。大のみっしぃ好きであるティオのサポートで、無難にバイトを終えたロイドたち。ですがラストで直面してしまった衝撃の事実に、ティオは遠い目をするのでした……。
ローゼンベルク工房を訪れる特務支援課。《身喰らう蛇》と関連しているヨルグ老人に結社についての話を聞き、改めて相手の底知れなさを思い知ります。そして列車が脱線事故を起こしたと知らせがあり、そのまま事故現場へ調査に向かうのでした。
列車は走行中、巨大な“何か”に横から体当たりを食らって脱線。横の岩壁をこするように押し付けられたまま走行を続け、後部車両もバラバラに脱線することに。その“何か”の痕跡を追い、一行はノックスの樹海へ足を踏み入れていきます。
独立宣言の影響で国内外の緊張が高まっているなか、帝国貴族のお坊ちゃんが危険な運転をしているので止めてほしいとの要請が。ノエルのカーチェイスで暴走車を止め、子どもたちにケイト巡査が説教。彼らもようやく反省するのでした。
遊撃士協会へ行くと、人が戻ってこないと言われ、その捜索を引き受けることに。オルキスタワーの屋上からティオが導力サーチをかけ、遊撃士たちの持つ導力機の反応を察知します。一行は万全の準備を整え、危険を承知で湿地帯へと向かうのでした。
湿地帯に到着した特務支援課は、東方より来たりし凄腕の暗殺者《銀》と遭遇します。お互い奥に進む目的は異なるものの、相手の強大さをかんがみて一時共闘することに。道中で囚われた遊撃士を救出しつつ、奥へ奥へと進んでいくのでした。
最奥には《蛇》の執行者No.0カンパネルラ、第七柱《鋼の聖女》アリアンロード、第六柱《博士》F・ノバルティスが。アリアンロードの槍に膝を突く一行。そこへ《風の剣聖》アリオスが現れたが、話しただけで惜しくも逃げられてしまいます。
古巣の猟兵団《赤い星座》が動き出したことを察知し、ランディが特務支援課から離脱。それを許せず、持ち前の捜査力でランディの過去を調べるロイドたち。《赤い死神》ことランディは、ケジメを付けるため単独で猟兵団を襲撃します。
ランディが特務支援課と合流できたその一方で、クロスベルは《赤い星座》による襲撃を受けて炎上。特務支援課は《赤の戦鬼》を追いつめるものの、金融都市であるクロスベルの象徴ともいうべきIBCが燃え上がるのを阻止できませんでした。
猟兵団《赤い星座》の襲撃に市民が怯える夜を過ごすなか、特務支援課で留守番するキーアが突如光り始めて何事かをつぶやきました。「これが一番マシ」発言の真意とは?
チャリティイベントの参加者を集める依頼を受けた一行。テーマは“働く女性”ということで、ウェイトレス、職人、メイド、シスターをスカウトしてきます。ミスコンには『空の軌跡』で登場したリースも参加しますが、残念ながら投票はできませんでした。
みっしぃの着ぐるみを着て市民と触れあってほしいという依頼を受ける一行。ティオの熱烈な指導のおかげでイベントは大盛況に! 報酬にみっしぃグッズをもらえると思っていたティオは、栄養ドリンクだと聞いて世界に絶望してしまいます……。
ジオフロントの奥へ行くヨナを護衛する依頼を終え、ノエルが警備隊に戻る日がきました。これまで多くの戦いをともにしてきた戦友との別れを惜しみながら、普段どおりのロイドがクサいセリフでオイシイところを持っていくのでした。
ディーター市長が初代大統領として、クロスベル独立国を立ち上げることを宣言する演説を行いました。また、国防軍の司令長官として《風の剣聖》アリオス・マクレインが就任することも発表。国内外を問わず激震の走る一日の始まりに。
クリムゾン商会の隠し応接室へ呼びだされた特務支援課。そこで帝国のレクターと共和国のキリカから、両大国がクロスベルに侵攻して来ることを聞かされ、慌てて支援課へ戻ります。しかしそこでキーアが何者かに連れ去られたことを知って……!
女神が人に与えし《大いなる至宝》を受け継ぐという、クロイス家の末えいとしての計画を明らかにするマリアベルとディーター。計画を止めようとする特務支援課の前に、国防長官にして《風の剣聖》アリオス・マクレインが立ちはだかり……。
マリアベルの目的はかつて失われし《幻の至宝》を再現すること。クロスベル全土に築いた式によって七属性のエネルギーを集め、キーアは《零の至宝》として覚醒を果たします。そのまま2人は《結社》から“神機アイオーン”を受け取ることに。
神機を操って“奇蹟”を振るい、帝国軍と共和国軍を撃退する《零の至宝》キーア。その力は空間を超越し、帝国軍の列車砲を備えるガレリア要塞を一瞬で消滅させてしまいました。ちなみに『閃の軌跡II』では、その跡地を訪れることになります。
絶対不可侵の力を得たクロスベル独立国は自らを盟主とする諸国連合を提唱。カルバード共和国では反移民主義のテロ活動が激化し、エレボニア帝国でも内戦が勃発する事態となっていました。《身喰らう蛇》の計画はこの時点で帝国へ移った模様。
国防軍に捕らえられ、拘置所に収監されたロイド。彼はそこでかつて戦った元・ルバーチェ商会のガルシアから、殉職した兄・ガイの強みは“諦めないこと”だったと知らされます。そんな兄を尊敬するロイドは、仲間のために脱走を決意します。
『空の軌跡』に登場したレグナートと同等の存在だと語るツァイト。失われた《幻の秘宝》の役割と経緯を語ったあと、《星杯騎士団》のワジやケビンと合流させてくれました。なお、ケビンの渾名は《外法狩り》から《千の護手》になっています。
《星杯騎士団》の高速飛空艇メルカバに乗りながら各地の仲間と合流するロイド。その合間に“ポムっと!”という対戦パズルゲームで、戦えるすべての相手に勝利します。その偉業に敬意を表し、“ポムっと!マスター”の称号が与えられました。
順調に仲間を集めるロイドですが、ベルガード門へ潜入中、ノエルに見つかってしまいます。硬質な態度を取り続けるノエルに対し、味方からも《異能》ではないかと疑われるほどにクサいセリフで動揺させて決闘。もちろん、そういう意味で発言したわけではない様子。
特務支援課の仲間も残すはエリィのみ。政治的にも重要な彼女の一族はミシュラムで厳重な警備下に置かれていました。《赤い星座》の猟兵、《結社》の人形兵器を倒し、マクダエル議長も一緒に救出すると、エリィと感動の再会シーンへ……!
《零の至宝》がその奇蹟を発揮するには、月の僧院と星見の塔にある《鐘》の共鳴が必要とのこと。ならばその共鳴を止めようと特務支援課は出撃しますが、鐘を守っているのは《身喰らう蛇》の執行者No.0《道化師》カンパネルラでした。
星見の塔では《鋼の聖女》の部下《鉄機隊》と順番に戦い、最上階で聖女本人と戦うことに。第一形態にさえ勝てれば負けても物語は進みますが、最高難易度の彼女はもの凄い強さで、多くのプレイヤーが彼女という《壁》に挑み、散っていきました。
決戦前夜のイベントでは任意のキャラを選択可能。ノエルを選んだ場合、タグを決戦が終わるまで持っていてほしいという話になり、さすがのロイドも空気を読んで意味を察します。そして、戦いが終わったら改めて話そうと誓うのでした。
クロスベル市解放作戦が始まりました。地上を護る青色のアイオーンに対抗するのは、リベールに引き上げたはずのエステル、ヨシュア、レンの3人。歴戦の強者である彼らは周囲の警備兵を下がらせ、生身で神機と互角以上に渡り合います。
特務支援課のオルキスタワー突入を助けるため、帝国と共和国の外交官であるレクターとキリカが戦場に乱入。レクターが戦っている場面はシリーズでこの場面しかなく、その実力はまだ謎のベールに包まれています。
多くの人の協力を得てオルキスタワーに突入した特務支援課。屋上で白のアイオーンを倒してディーター大統領を追いつめますが、マリアベルやアリオス、キーアの姿はそこにありませんでした。すると突如、遠くから巨大な《大樹》が生み出され……!?
各地の手配魔獣を倒したりゼムリアストーンの欠片を集めて最強武器を調達したりと準備を整え、特務支援課はメルカバに乗って蒼の大樹へ突入します。
大樹に降り立った特務支援課は、《血染めのシャーリィ》、《魔人ヴァルド》、《赤の戦鬼》シグムント、《風の剣聖》アリオスら因縁の強者たちと次々に決着をつけていきます。そして最奥にはマリアベルが。彼女のひと押しで《零の至宝》キーアの力が暴走し……!?
……というところで、クライマックスはさすがに自重させていただきます。こうやって振り返るといろいろありましたねぇ。『空の軌跡』と『閃の軌跡』をプレイした後だからこそ見えてくる、意味深な発言や伏線の数々にも気づくことができました。
『軌跡』シリーズは物語がしっかりとつながっているので、ご新規さんは入りづらい空気があるかもしれません。ですので、ここで『軌跡』シリーズ全体のポジションを整理しておきたいと思います。
現在発売されているシリーズは大きく分けて3つです。
基本的にはリベール王国編→クロスベル自治州編→エレボニア帝国編とプレイするのがいいのでしょうが、この区分けで言うならどこからプレイしても問題ないと思います。
シリーズを通してさまざまな伏線があるのですが、物語としてはそれぞれの地域ごとで完結しているので。
ただし、地域ごとのプレイ順は守ることを強く推奨します。とくに『空の軌跡SC』と『閃の軌跡II』は完全な続編になるため、物語を100%楽しめなくなりますから。
今はPS Vitaでリメイクされた『Evolution』を買うことで、『空の軌跡FC』から『碧の軌跡』まで一気に遊べます。また、『閃の軌跡』『閃の軌跡II』はPS3でも遊べますが、PS Vita版も出ていますので、すべてをまとめて遊ぶならPS Vitaがオススメです!
来年の2017年には最新作『閃の軌跡III(仮)』も出る予定なので、これから1年間は今までの復習をしておくのもアリですね。とくに帝国編は念入りに振り返っておかないと……(笑)。よし、これからリプレイしてきます!!
【周年連載 バックナンバー】
→第45回:『デビル メイ クライ』15周年。スタイリッシュアクションの代名詞となったシリーズを振り返る
→第44回:『ときめきメモリアル GS 2nd』の魅力を改めてお届け。色あせぬ青春の日々がそこにある
→第43回:『戦国BASARA2』10周年。こんな戦国時代見たことない! でもバサラだから問題ない!?
→第42回:『バハムートラグーン』20周年。おとなになるってかなしいことだと教えてくれたRPG
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