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2016年8月23日(火)

『デビル メイ クライ』15周年。スタイリッシュアクションの代名詞となったシリーズを振り返る【周年連載】

文:スズタク

 あの名作の発売から、5年、10年、20年……。そんな名作への感謝を込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として、“周年連載”を展開中です。

『デビル メイ クライ』周年連載

 第45回のテーマは、2001年8月23日にカプコンから発売されたアクション『デビル メイ クライ』。全世界で愛されるスタイリッシュアクションの魅力を、シリーズ作を振り返りながら語っていきます。

 なお、『1』~『3』の画像は、2012年に発売されたPS3/Xbox 360『デビル メイ クライ HDコレクション』のものを使用しています。

敵を“打ち上げる”快感を教えてくれた『デビル メイ クライ』

 主人公のダンテを操り、剣と銃で悪魔をバサバサ狩っていく『デビル メイ クライ』は、2001年8月23日に発売されました。その1作目と筆者の出会いは何気ない衝動買いによるものですが、廉価版のパッケージに書かれた“全世界200万本の男。”というキャッチコピーにやたら惹かれたのは覚えています。公式で発表しているジャンルは“スタイリッシュハードアクション”。

『デビル メイ クライ』周年連載
▲白髪に真紅のコートという外見の主人公・ダンテ。『デビル メイ クライ』の発売以降、多くのユーザーの脳裏に刻まれる姿となりました。

 剣(格闘)による近接攻撃と銃火器による遠距離攻撃を組み合わせたアクションは、1作目の時点で非常に完成度が高く、プレイするや否やあっという間に夢中になりました。ダンテのカッコいいモーションや魔人化時の強力な攻撃など、“爽快なスタイリッシュアクション”の要素はすでに詰まっていたと言えます。

 個人的に衝撃を感じたのは、敵を空中に打ち上げるアクション“ハイタイム”。打ち上げられた敵は基本的に無防備となり、近接技や銃撃で追撃することができます。この打ち上げからのコンボがとても心地よく、ユーザーに「オレ強えええ!」感を与える重要なアクションになっていますね。

 近年、敵を打ち上げてからのコンボというのはシステム的にメジャーになっており、さまざまな作品に盛り込まれていることがあります。ただ、僕にとって“打ち上げ”の快感を初めて教えてくれたのは『デビル メイ クライ』であり、そういう意味でも印象深い作品です。

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▲敵を打ち上げる“ハイタイム”は、以降のシリーズ作でも欠かさず登場するアクションになっています。

 また、『デビル メイ クライ』といえばやりごたえのある難易度も特徴。個人的な意見ですが、全体的に難しく、序盤で相対するボス“ファントム”に泣かされた人も多いのではないでしょうか。最高難易度の“Dante Must Die!”モードにいたってはコントローラを投げ出したくなるレベルの難しさですが、それに見合うクリア特典として、魔人化し放題のスーパーダンテが解放されるという要素が用意されてるのもニクイですね。こういうアメとムチのバランスも素晴らしかったです!

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▲序盤の難所であるファントム戦。当時、よく諦めずにクリアできたなと我ながら思います。

『デビル メイ クライ 2』ではアクションの幅が大きく広がった

 2003年1月30日に発売された『デビル メイ クライ 2』は、ダンテ編とルシア編の2つを収録。“悪魔と踊ろう”というキャッチコピーが強く印象に残る作品ですね。公式で発表されているジャンルは“スタイリッシュハイアクション”。

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▲眼光鋭い、『デビル メイ クライ 2』のダンテ。悪魔を葬る狩人らしさが風貌に表れています。

 1作目から操作感の毛色はやや変わったものの、剣と銃によるアクションは健在。ルシアという新たなプレイアブルキャラが登場し、ダンテとは異なるアクションを楽しめました。銃火器による通常射撃以外の技も加わり、“レインストーム”や“ファイアワークス”などは以降の作品にも受け継がれています。

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▲空中で逆さになり、真下の敵に銃弾の雨を降らす“レインストーム”。ダンテの代表的な銃撃技の1つです。

 近接技のコンボが豊富なのもポイントで、左スティックとの組み合わせでさまざまな技に派生できました。PS2版パッケージの中紙をひっくり返すと、このコンボ派生が載っており、当時はそれを見ながらプレイしましたね(笑)。

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▲世界観やアクションの方向性などは、『1』と『2』で固められたというイメージがあります。

スタイリッシュアクションの完成形を感じさせた『デビル メイ クライ 3』

 『デビル メイ クライ』以前の若かりしダンテを描いた『デビル メイ クライ 3』。2005年2月17日に発売されました。公式で発表されている“スタイリッシュクレイジーアクション”というジャンルのとおり、若いダンテのエネルギーが爆発してクレイジーな領域にまで達している作品です。

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▲『デビル メイ クライ 3』のダンテ。上半身はコートを羽織っただけという、ヤングでイケイケな格好です。

 『デビル メイ クライ 3』では、新たに“スタイル”というシステムが追加されました。機動力が増す“トリックスター”や近接武器の真価を引き出す“ソードマスター”などがあり、スタイルごとに個性的なアクションがたくさん用意されています。近接武器と遠距離武器はそれぞれ5つあり、武器とスタイルの組み合わせ方で無限の戦法を生み出すことができました。

 このスタイルシステムによってアクション面はさらに昇華され、やり込めばやり込むほど動きが洗練されていくという珠玉の作品に仕上がっています。いま遊んでも十分楽しめるタイトルであり、ファンの間では“シリーズ最高傑作”と名高いとか。ちなみに僕自身もそう思っています。

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▲空中コンボの幅も広がり、どこまでもスタイリッシュな戦いを追求できるのが『デビル メイ クライ 3』です。

 また、2006年に発売された『デビル メイ クライ 3 スペシャルエディション』では、ダンテの兄・バージルが使用可能に! 『デビル メイ クライ 3』で人気が爆発したキャラなので、実際に自分で動かせた時の興奮はすさまじかったです。

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▲ダンテとはまったく異なるアクションを使う、バージル。キャラクターとしての人気も高いです。

“引き寄せる”でアクションに深みが増した『デビル メイ クライ 4』

 新たにネロというキャラが登場し、ダンテとダブルヒーローとして展開していった『デビル メイ クライ 4』。2008年に、シリーズ初のPS3作品で発売されました。美しいグラフィックに感動しながらプレイしたのを覚えています。この作品以降、シリーズ作のジャンルは“スタイリッシュアクション”で統一されています。

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▲『デビル メイ クライ 4』のダンテ。ダンディなおやじを体現したかのような外見です。

 ダンテのアクションは『デビル メイ クライ 3』をベースにしており、前作では戦闘中に変えられなかったスタイルを任意で変更できるようになりました。これにより、まさに歴戦のデビルハンターのようなあらゆる状況を突破できる強さを発揮できます。ただし、指の操作が追いつけば……ですが(苦笑)。

 対してネロのアクションはわかりやすく、敵に豪快な攻撃を叩き込める“バスター”がお手軽で使いやすかったです。敵をそばに引き寄せる“スナッチ”というアクションも斬新で、吹き飛ばした相手を即座に引き寄せて再びコンボ……といった新基軸の戦いが目玉です。

『デビル メイ クライ』周年連載 『デビル メイ クライ』周年連載

 2015年6月には、PS4で生まれ変わった『デビル メイ クライ 4 スペシャルエディション』が登場。こちらには、バージルとレディとトリッシュの3人が参戦しています。いずれのキャラもダンテやネロとは異なる独特なアクションをし、同じミッションでも違う攻略方法が楽しめるのが特徴です。

『デビル メイ クライ』周年連載
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▲これまで操作できなかった、レディとトリッシュでプレイできるのはファンにはたまらないのでは?

『デビル メイ クライ』のDNAはさまざまな形へ……

 ナンバリングタイトルは先述の4作品ですが、シリーズ作という枠で考えると2013年に発売された『DmC Devil May Cry(ディーエムシー デビル メイ クライ)』も外せません。ナンバリングタイトルとストーリーの繋がりはないものの、主人公がダンテである点やアクションの作り込みに関しては、『デビル メイ クライ』の血筋を立派に引き継いでいます。

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▲『ディーエムシー デビル メイ クライ』のダンテ。見かけはガラッと変わっていますが、長剣と二丁拳銃を使い、ドハデなアクションを繰り出します。

 『ディーエムシー デビル メイ クライ』のアクションは、“エンジェルモード”と“デーモンモード”の2つがポイントになります。前者はスピーディで広範囲な攻撃、後者は重く強力な一撃が特徴で、場面に合わせて使い分けるのがキモでした。モードの切り替えは戦闘中にリアルタイムで行えるので、豊富なアクションを組み合わせてスタイリッシュな戦いを考えるのが奥深いです。

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 また、従来の作品にあったロックオン機能がなくなったのも大きな点。それまでロックオンボタンを押しながら入力していた“ハイタイム”や“サイドロール(回避)”を、ワンボタンで簡単に行えたのは新鮮でした。

 他にも、『デビル メイ クライ』がゲスト登場した関連作品が多くあります。『MARVEL VS. CAPCOM』シリーズでは、ダンテやトリッシュ、バージルがプレイアブルキャラで参戦しており、格闘ゲームならではのアクションを披露していますね。ゲーム以外でも関連アニメや小説などが存在し、『デビル メイ クライ』のDNAがさまざまな形でユーザーの間に広がっているのが感じられます。

“3Dアクションゲームの名作”であることを改めて実感

 本記事を書くにあたってシリーズ作をプレイし直し、改めて『デビル メイ クライ』のアクションのクオリティを感じました。間違いなく3Dアクションの名作に入るので、未プレイで興味がある人、以前にプレイして懐かしさを感じた人はぜひ触れてみてください。

 入門用としてなら、PS2の3作を収録した『デビル メイ クライ HDコレクション』がオススメです。PS4の『デビル メイ クライ 4 スペシャルエディション』であれば、美麗な画像に加えて、日本語ボイスや新プレイアブルキャラなどを堪能できます。

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 今一度、楽しすぎて狂っちまいそうなスタイリッシュアクションを体験してほしいです。

(C)CAPCOM CO., LTD. 2012 ALL RIGHTS RESERVED.
(C)CAPCOM CO., LTD. 2008, 2015 ALL RIGHTS RESERVED.
ILLUSTRATIONS:Kazuma Kaneko/ATLUS
(C)CAPCOM CO., LTD. 2013 ALL RIGHTS RESERVED.

データ

▼『デビル メイ クライ』
■メーカー:カプコン
■対応機種:PS2
■ジャンル:アクション
■発売日:2001年8月23日
■希望小売価格:6,800円+税

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