『テイルズ オブ エターニア リマスター』「オリジナル体験」と「遊びやすさ」のハイブリッドを目指したリマスターの裏側。25年以上の時を経ても色褪せない『エターニア』の魅力とは

文:ハチミツ

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 2000年代のJRPGを彩った名作『テイルズ オブ エターニア(以下、エターニア)』が、2026年10月15日(Steam版は10月16日)にリマスター作品『テイルズ オブ エターニア リマスター(以下、エターニア リマスター)』として現行機で復活します。


 「のちの『テイルズ オブ』シリーズの基礎を築き上げた」とすら言われる完成度を誇り、オリジナル版が発売された2000年から25年以上の時を経た今もなお愛され続ける『エターニア』。

 そのリマスター版となる本作には、多くの『テイルズ オブ』ファンが注目しています。


 本記事では、本作のリマスター制作を手がける玉越プロデューサー(本文中では敬称略)のインタビューをお届けします。

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多くの『テイルズ オブ』を現行機で遊べるようにしていきたい


――今回は『エターニア』のリマスターということですが、25年以上を経たこのタイミングでリマスターを制作することになった経緯を教えていただけますでしょうか。

玉越
現在進行中の“『テイルズ オブ』リマスタープロジェクト”の方針に関わるお答えになってしまうのですが、なるべく多くの『テイルズ オブ』を現行機で遊んでもらいたい、という方針で本プロジェクトを進めています。

 30周年を数える『テイルズ オブ』シリーズには数多くの作品がありますので、完成の見通しが立ったタイトルから順次発表・発売していく流れで進めさせていただいております。


――今回の『エターニア リマスター』は、ほかのリマスタータイトルと比べて価格がかなり求めやすい設定になっていると感じました(※)。より多くの方に届けたいという思いからでしょうか。

玉越
おっしゃる通りで、過去に発売してきたリマスタープロジェクトのタイトルと比べても、またオリジナル版の販売価格と比べても、今回はより求めやすい価格設定にしております。

 今回が初の2Dタイトルのリマスターという点も含め、より多くのお客様に遊んでいただきたい……という判断です。

※希望小売価格で「通常版:3,600円+税」「デラックスエディション:6,300円+税」「特装版:10,100円+税」を予定

――『エターニア』はシリーズでも非常に人気が高い作品です。リマスター化にあたってプレッシャーもあったのではないでしょうか。

玉越
プレッシャーは正直とても感じていました。オリジナル版が発売されてから25年以上経った今でも、熱量の高いユーザーの皆さまが多いタイトルですので、作品に寄せられてきた思いをきちんと受け止め、ご満足いただけるリマスター版を目指しました。

目指したのは「オリジナル版らしさ」と「現代の快適さ」の両立


――本作はオートバトルの高速化や目的地へのガイドアイコンなど、オリジナル版になかった新機能が多く追加されています。こういった新機能の追加の中で、特に苦労した部分はなんでしょうか。

玉越
個別の機能というよりは、ゲーム全体のバランスをとることに最も苦労しました。

 『エターニア』は初代PlayStation向けに初リリースされたゲームです。今回リマスターの元にしているPSP(PlayStationⓇPortable)版含め、現代のゲームと比べるとゲーム内でプレイヤーに明示される説明等が少なく、紙媒体やインターネットなど、外部からの情報収集もしながら手探りで攻略を進めていくような時代に生まれたゲームだと思っており、そういった当時の環境も含めて「面白かった」「思い出に残っている」と感じていただいているタイトルだと思っています。

 そういった「手探り」を楽しむオリジナル版の良さと、当時はなかった便利機能で快適に遊べる現代らしいゲーム体験。その両方のバランスを取るために、リマスター版での新機能や改修として何をどういった形で入れ、逆に何を入れないのかを考えるのに時間をかけました。


――『エターニア』の魅力のひとつとして、メインストーリー以外のサブイベントや隠し要素の豊富さがあります。かなりやりこまないと気づけない要素もあったと思うのですが、そのあたりの導線には手を加えていますか?

玉越
ベースのシステムについては、オリジナル版準拠で基本手を入れていませんが、「ガイドがなければクリアまで気づけないかも」というポイントについては、リマスターにあたってサポート機能を入れています。

 たとえば、次の目的地に進むためのアイコンに加えて、バトルでのマニュアル操作を解放するための”マニュアルのしょ”や”モンスターずかん”といった貴重品や、取得期間が限られている称号やアイテムに関連する時限サブイベントへの誘導アイコンなどを追加しています。

 一方で、オリジナル版で意図的に隠されていた要素に関しては、今回のリマスター版でも特にガイドは設けていません。オリジナル版と同じようなプレイフィールで遊んでいただければと思っております。

――オリジナル版のエターニアにはいくつかバグが存在したかと思います。リマスター版ではそういった不具合は修正されているのでしょうか。

玉越
フラグに関わる不具合など、正常なプレイに支障を及ぼすような不具合については、きちんと修正しております。

リマスター化にあたって、キャラとストーリーには一切手を入れていない


――『エターニア』のストーリーには、現代から見るとかなり過激な表現が含まれている部分もあります。ストーリー面は、オリジナル準拠でリマスターされているのでしょうか。

玉越
ストーリー面については、オリジナル版に準拠したリマスターになっています。一部アイテムやエフェクトなどのデザインでオリジナル版から調整したものはありますが、物語やセリフに関しては一切変更を行っておりません。

――オリジナル版にあったキャラクター名の変更機能がリマスター版では実装されていないようですが、どのような理由でしょうか。

玉越
例えば、プレイヤーがリッドの名前を別の名前に変更したとしても、キャラクターのセリフテキストやボイス内に登場する名前は「リッド」という名前のままのため、それならば名前を変更しないほうがシナリオへの没入感やキャラクターへの感情移入も高まると判断し、キャラクター名の変更機能は実装しないという形にさせていただきました。


――字幕がなかったシーンのテキスト化されている点にも注目しています。どのような資料をもとに制作されたのでしょうか。

玉越
今回追加した字幕については、すべてオフィシャルの資料に基づいたものとなっております。オリジナル版の開発チームからいただいた当時の開発資料をもとに文字起こしを行いました。

昔からのファンも新しいファンも、同じように『エターニア』の冒険物語を感じてほしい


――オリジナル版を当時プレイした方に向けて、あらためて手に取っていただくうえで注目してほしいポイントはありますか。

玉越
オリジナル版から25年という月日が経っていますので、オリジナル版を遊んでくださったお客様にもさまざまな方がいらっしゃると思います。当時と同じ雰囲気で遊びたい方もいれば、現代らしくサクサクと便利に遊びたい方もいらっしゃるはずです。

 リマスターにあたってさまざまな便利機能を追加しましたが、一部を除き基本的にはプレイヤーが任意で切り替えできる形で実装しています。当時と近いプレイフィールで遊びたい方は、便利機能をオフにしたり、グラフィックをオリジナル版に近づける「グラフィックモード:オリジナル」に設定したりしていただけます。

▲グラフィックモード:オリジナル
▲グラフィックモード:リマスター

 特にグラフィックについてはチーム一丸となって何度もチェックを行い、クオリティを高めてきました。すべてのマップをお楽しみいただけるとうれしいです。

 一方で、サクサクと遊びたい方は、オートバトルの高速化やブースト機能などの便利機能を適宜切り替えながら遊んでいただけます。それぞれのお客様が、自分の好みに合わせてお楽しみいただけるように作りこみました。

――現行機でのリマスターということで、本作をきっかけに『テイルズ オブ』を始める人もいるかと思います。『テイルズ オブ』をこれまで知らなかった方には、本作のどのような点に注目してほしいですか。

玉越
本作から『テイルズ オブ』シリーズに入ってくださるお客様がいらっしゃるなら、とてもうれしいことです。

 『エターニア』は、これまでのリマスタータイトルと比べると1世代も2世代も古い作品にはなりますが、本作がもたらす感動体験は、時代を超えて、ずっと変わらず在り続けているものだと思っています。シリーズが大切にしてきた、素敵なキャラクターとの出会いや冒険のドラマは、『エターニア』を含む初期の作品から最新作『テイルズ オブ アライズ』まで変わらず受け継がれてきました。

 オリジナル版を遊んでくださったお客様も、本作から『テイルズ オブ』を初めて遊ぶお客様も、同じように『エターニア』の冒険物語で感動を味わっていただきたいです。

――最後に、玉越さんにとっての『エターニア』の魅力をお聞かせください。

玉越
完全に私個人の感想ですが……物語、魅力的なキャラクター(個人的にはキールが特に好きだったりするのですが)、バトルシステムの完成度の高さ、そして音楽など、1つ1つの素敵な要素が高いレベルでバランスよく調和していて、『エターニア』という作品全体が素晴らしいと感じています。


――ありがとうございました。

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担当者プロフィール

  • ハチミツ

    ハチミツ

    :話題の新作もレトロタイトルも大好物! ハマったコンテンツの深掘り考察&思い出語りがライフワークです。 2019年よりWebライターとして活動を開始、オタク分野だけで400本以上の記事を執筆。有名出版社運営のWebメディア案件を中心に、新作ゲームレビューからレトロゲーム思い出コラムまで、年代ジャンルを問わずに書いてきました。『FGO』を好き勝手に語るコラムを連載していたことも。最近は個人運営のnoteで名作の初見感想記事をたくさん書いています。 ゲーム歴はかれこれ25年以上。ジャンルにこだわりはなく、ストーリーやキャラが性癖に刺さるゲームが大好きです。強いて好みを挙げるならRPG(『ポケモン』シリーズ、『FF14』、『NIKKE』)、ADV(TYPE-MOON作品、『ひぐらしのなく頃に』、『都市伝説解体センター』)。いつも世界観やキャラに注目して遊んでおり、考察でもキャラの感情や名言の意味を深掘るのが得意です。

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