『ジャッジアイズ』フリープレイ中に伝えておきたい魅力。心動かす人間ドラマがそこにある!

キャナ☆メン
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 定額サービス“PlayStation Plus”の12月フリープレイタイトルにセガの『JUDGE EYES:死神の遺言 新価格版』(以下、ジャッジアイズ)がラインナップされました。

 それを記念して、タイトルの魅力を紹介します。

 なお、物語について若干の説明はありますが、ネタバレには配慮しています。

改めて振り返る『ジャッジアイズ』とは?

 『ジャッジアイズ』は、『龍が如く』シリーズでおなじみの神室町を舞台にしたリーガルサスペンスアクションで、主人公は木村拓哉さんが演じる探偵・八神隆之です。

 八神はかつて神室町にある源田法律事務所で弁護士をしており、彼は有罪率が99.9である刑事裁判で無罪を勝ち取りますが、弁護した被告人がその直後に殺人を犯し、その自責の念から法廷を離れた背景を持っています。

 それから3年、探偵を生業にしてきた八神は、弁護士時代の兄弟子にあたる新谷からの依頼で、神室町で起きた猟奇殺人の調査をすることに。

 八神は依頼を果たすものの、事件の裏には知られざる真実があることを察知して、自らの意志で真相を追い求めていきます。その行為はやがて、自らの過去と向き合うことにも繋がっていく……というストーリーです。

 ゲームを進めると、少しずつ明らかになっていく事件の真相と裏に潜む闇。事件を追う探偵としての戦いが、同時に、過去から目を背けたい八神自身との戦いにもなっているので、八神の抱える葛藤にドラマを感じながらグイグイと物語に引き込まれていきます。

命を吹き込まれた人間のドラマに心動かされる

 ドラマについてもう少し語ると、例えばチュートリアルを兼ねた最初の借金取り立てでは、〆のシーンで「訴えてやる!」と息巻く相手に八神が弁護士バッジを突きつけます。

 オープニング後のモノローグで、弁護士バッジに「飾り以上の意味はない」と語る八神ですが、その声音はどこか寂しく、プレイヤーは、この時点では彼が弁護士に未練があると気づくわけです。

 八神を取り巻く人々も彼の気持ちを当然知っていて、探偵を続けるのは勿体ないと口にする人もいれば黙って見守る人もいます。

 また、投げかけられる言葉は同じでも、そこに優しさが込めらているか痛烈な皮肉が込められているかは人それぞれ。巧みな演出も相まって、実にリアルで妙味のある人間関係を描き出しています。

 八神も周囲の内心を承知しているので、不必要に声を荒げることはしないですが、言葉だけが彼の気持ちを語っているとは限らない――そんなシーンがいくつもあります。

 むしろ言外にこそ、八神が抱く過去に対する複雑な想い、それを直視できない自分に対する葛藤が滲(にじ)み出ている場面も少なくありません。

 彼が、さまざまなシーンで滲ませる感情。その積み重ねがあるからこそ、セリフを口にして葛藤と向き合う場面になると、繊細に描かれる八神の内面だったり、周囲の人物たちとのやり取りだったりが余計にグッと来るんですね。

 喩えるなら、弦を引き絞った弓から放たれる矢のように、言葉で表現されない感情までもを湛えたドラマが胸に刺さると言いますか。

 また上記のようなシーンに限らず、セリフの行間、あるいは表情やカメラなど、カットを構成するすべてを駆使して、人物の言葉にされない雰囲気や息遣いまでを表現して見せようというイベントシーンは、画面に目が釘付けになるだけでなく心も奪われます。

 単純に映像表現がフォトリアルだからリアルという安易な話ではなくて、画面の中に本物の人間像を描き、彼・彼女らから生じる感情のリアリティを際立たせようという作り手の熱量がすごい。そう感じるほどに、ドラマを演出するシーンの作り込みは秀逸です。

 そしてゲーム画面から“リアルな感情”を受け取った我々は、まるで本物のような、言うなれば命の吹き込まれた人間のドラマに心を動かされる。

 そうした人間ドラマは八神だけに存在するわけでなく、さまざまな登場人物に心を動かされるシーンがあり、それが『ジャッジアイズ』というゲームの物語における魅力だと思います。

物語にドラマ性、ゲームに自由度を求める人にオススメ

 『龍が如く』シリーズと同様、街にはたくさんのプレイスポット(ミニゲームを遊べる場所)が存在し、八神の探偵としての日常業務を体験するサイドケースも充実しているので、きっと本作を遊んだ人は、メインシナリオを進めたい欲求と寄り道をしたい誘惑の狭間で、八神とは異なる葛藤を覚えるはずです。

 特にサイドケースは、1つのエピソードに対して複数の調査アクション(もしくはバトル)を組み合わせて攻略するシチュエーションが用意されており、バトル+お話だけで構成される一般的なサブクエスト要素と比べて、ゲーム的に深い体験が楽しめると思います。

 バトルに関しては、とても爽快感がある作りなうえ、難易度“ノーマル”ならばガチャプレイと手応えの絶妙なバランスを楽しめる一方、アクションが苦手な人でもボタン1つで華麗に戦える難易度が用意されています。

 そして上記の通り、PS4版『ジャッジアイズ』は2022年1月3日までPlayStation Plusのフリープレイに対応! 入手しておけば遊ぶのは手が空いたタイミングで大丈夫ですし、本作が気になっていた人はとりあえずポチッとしておいて損はないと思います。

 物語にドラマ性、ゲームに自由度を求める人なら、その2つが噛み合った『ジャッジアイズ』はきっと心に残るゲーム体験を楽しめるはず。特に物語は、自分の年齢や環境が変わることでも受け止め方が変わりますし。

 『ジャッジアイズ』をプレイした人向けのインタビュー記事を掲載しているので、記事の存在を今知った方や、後から『ジャッジアイズ』をプレイしたという方は、ぜひ目を通してみてください。ディープな話を伺っているので、何か発見があるかもしれません。

『ジャッジアイズ』インタビュー記事

(C)SEGA

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JUDGE EYES:死神の遺言 新価格版

  • メーカー: セガゲームス
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: アクション
  • 発売日: 2019年7月18日
  • 希望小売価格: 4,540円+税

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  • メーカー: セガゲームス
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: アクション
  • 発売日: 2019年7月18日
  • 希望小売価格: 4,903円(税込)

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