『金色のガッシュ!!2』第1話感想。清磨は読者にとっても“絶望から希望を生む王様のパートナー”

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※この記事には『金色のガッシュ!!2』第1話及び『金色のガッシュ!!』のネタバレが含まれます。

 各電子書籍サイトで配信開始された、雷句誠さんの手がける『金色のガッシュ!!2』。

 衝撃の展開の連続となった第1話の感想をお届けします。

前作の当たり前をことごとく崩したからこそ、清磨への期待が半端ない!

 キヨマロというヒトが王様のパートナー。『金色のガッシュ!!』の読者なら誰もが知っているこの事実が魔物に伝わっている以上、『金色のガッシュ!!2』は前作から地続きの物語です。公開前は誰もが「あの続きが読める!」という期待一色に染まっていたでしょう。

 ですが、魔物が何者かに襲われているシーンからはじまる『金色のガッシュ!!2』第1話は、地続きの物語である期待と、地続きだからこその不安を与えてくれました。

 第1話を読み切るとわかる話ですが、『金色のガッシュ!!2』は地続きどころか『金色のガッシュ!!』からそう遠くない未来。ラストの一コマから察するに長くても10年はたっていないでしょう。つまり、魔界ではガッシュがいまだ王様のはずなんです。

「魔界にやさしい王様がいてくれたら…こんな…つらい戦いはしなくてよかったのかな…?」

 コルルの言葉をきっかけに“やさしい王様”となったガッシュ。彼が統治する魔界には、ドタバタ騒ぎがありつつも平和なときが長く続くと誰もが思ったはずです。

 ですが、現実は第1話のとおり。なにが? なぜ? どうやって? さまざまな疑問が駆け巡りました。

術が道具化されているイレギュラーさ

 そこに加えて正体不明の不安感を突き付けてきたのが、ジギーとワイグの使ったビンのような道具。

 「助けて…チェリッシュ!!」という言葉とともにジギーが使ったビンからは“ガンズ・コファル”が、ワイグが取り出したビンからは“ラシルド”が繰り出されています。

 “ガンズ・コファル”は、術の命名法則や描写からおそらくチェリッシュの術、“ラシルド”はあろうことかガッシュの術。一部の例外を除いて術は、同名のものを別の魔物が使うことはないオンリーワンのものです。

 そんな術が道具のように使われるというのは、チェリッシュが命を落としているという話と相まってイヤな予感しかしません。

『金色のガッシュ!!2』は死が重い

 また、『金色のガッシュ!!』と明らかな違いを感じさせたのが死の描写。

 というのも『金色のガッシュ!!』は、明らかに魔物の死を描くことを避けていました。本が燃えると魔界に送還されるというルールの元、ほぼ全編を通して人間界でのみ物語が展開されるため、魔界への送還を読者が疑似的な“死”として受け取るという構図でしたよね。

 しかし、本作では『金色のガッシュ!!』に登場したテッド、チェリッシュ、レイン、ガッシュが命を落としている様子。ジギーに至っては、埋葬までされています。

「王様だって死んじゃった!!!」

 ゼリィのセリフに“ガッシュの死”と“魔物が死ぬこと”の二重の意味でショックを受けたのは自分だけではないでしょう。

 やさしい王様が統治しているとは思えない魔界、道具のように使われる術、そして死。

 『金色のガッシュ!!2』1話の物語は、ただ魔物が窮地に追いやられているというだけでなく、『金色のガッシュ!!』がすべて雷句誠先生自身の手によって壊されてしまったかのようで心に来るものがありました。

“王様のパートナー”の登場でいよいよ始まりへ!

 だからこそ、ラスト1ページにアップで描かれる清磨の存在は『金色のガッシュ!!』と『金色のガッシュ!!2』をつなぐ唯一の楔のよう。約50ページにわたるモノクロの世界がカラーに変わる描写と相まって「始まる!」という予感を感じさせてくれました。

 魔物たちだけでなく読者にとっても“絶望から希望を生む王様のパートナー”。彼がなにを見せてくれるのか、今からワクワクが止まりません!

■金色のガッシュ!! 完全版(全16巻)


■金色のガッシュ!!2

※画像は動画をキャプチャしたものです。

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