『ぷよクエ』と『パワプロ』コラボで感じた親和性を開発者が語る。キャラ選定の経緯やとっくんボード秘話も

黒船Mk-II
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 9月23日まで開催中のiOS/Android用パズルRPG『ぷよぷよ!!クエスト(以下、ぷよクエ)』とiOS/Android用アプリ『実況パワフルプロ野球(以下、パワプロ)』のコラボイベントについての開発者インタビューを掲載します。

 9月2日に放送された公式生放送“実況パワフルぷよ野球スペシャル!”で詳細が公開されたように、『ぷよクエ』で『パワプロ』コラボが開催。『パワプロ』の人気キャラクターが登場する他、コラボイベントやキャンペーンなどが開催されます。

 『ぷよぷよ』シリーズ総合プロデューサー・細山田水紀さんと、アプリ『実況パワフルプロ野球』の山本拓プロデューサーに、コラボについてインタビューを実施。コラボに至った経緯やお互いのタイトルの印象、キャラクターやデザインなど、さまざまなことを聞いているので、ぜひご覧ください。

 なお、インタビュー中は敬称略。

『ぷよぷよ』と『パワプロ』の親和性とは?

――落ちモノパズルと野球ゲームという、ジャンルが大きく異なる今回のゲームコラボ。実施されることになった経緯を教えてください。

細山田:以前に行ったアンケート結果で、“コラボしてほしいコンテンツ”として『パワプロ』が入ってきたことです。アニメや漫画などの国民が誰もが知るキャラクターなどが上位に来ているのですが、ゲームだけでソートをすると『パワプロ』はかなり高い位置に来ていました。

 あとは、個人的な理由になるのですが、野球が好きで『パワプロ』も好き。アプリの『パワプロ』をやっていますし、個々の取材でPSの思い出のタイトルで『パワプロ』を5位以内にあげています(笑)。さらには、チームのディレクターも野球が好きですし、セガサミーグループも野球チームを持っていたり……。そのような理由があり、コラボしたいとお願いしました。

山本:お話いただき、「ぜひコラボしたい」とお返事させていただきました。『ぷよぷよ』は『パワプロ』よりも歴史の長いシリーズとして、多くの人に愛されているパズルゲーム。うちとしても「ぜひコラボをお願いしたい」と。

――いつごろから動き始めていたのでしょうか?

細山田:お願いしにいったのは、1年以上前です。正直な話をすると「……聞いてもいいの?」と思っていたので。

山本:実際に『パワプロ』アプリの制作にお話をいただいたのは2019年3月ごろでしたね。もちろん、聞いていただいて問題ありませんよ。

(一同笑)

細山田:我々として、コラボできるタイミングを模索しつつ、確認させていただいたところ、コラボできそうだということでした。そこから作業しつつ、スケジュールをつめていったところ、『ぷよクエ』の方で先にやらせていただくことになり、このタイミングになりました。一方的にお願いすることが多かったのですが、始まってしまえばすんなり進みましたね。

――コラボが発表された時の反応?

細山田:反響は大きかったです。『ぷよクエ』や『パワプロ』の熱狂的なファンの方から、「このキャラを出してほしい」といろいろとリクエストをいただきました。検索してキャラや作品について、いろいろ思い出しました。

 あとは、フラットな言い方をすると「セガとKONAMIがコラボするのか?」というものもありました。

山本:業界の人のほうが、「コラボできるの?」と思われるようですが、最近はメーカー同士が協力することが増えています。

細山田:人が動くことがありますし、一緒に仕事することもあります。それこそ、茨城国体文化プログラムの“全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKI”の競技種目として、『eFootball ウイニングイレブン 2020』、『グランツーリスモ SPORT』、『ぷよぷよeスポーツ』の3つが出ているので、各タイトルの関係者同士でコミュニケーションをとることなどもあります。

――お互いのタイトルについて、どのような印象をお持ちですか?

細山田:兄にボコボコにされたことですね(笑)。『パワプロ』も『ぷよぷよ』も兄弟がいると、対決した思い出を持っていると思います。うちの家族は広島東洋カープファンなので、どちらが広島を使うかでもめました。

 『パワプロ』は野球が好きな人は高い確率で通るタイトル。昔からシリーズをプレイされている方であれば、そのシリーズに合わせて年齢層は上がっているイメージですが、家庭用ゲーム機やスマホなどで定期的にリリースや運営され、友だちや家族など一緒に遊ぶことで、若い人も数多く遊んでいるイメージがあります。

 ゲームの中身を見ても、サクセスモードの会話はキャラ同士がワチャワチャしていて、テンション的には『ぷよぷよ』のまんざいデモとマッチする。『ぷよぷよ』のファンが『パワプロ』とのコラボを希望していたのは、直感的に親和性の高さを感じていたからだと思っています。

山本:私は『ぷよぷよ』の前身である『魔導物語』もプレイしています。『ぷよぷよ』はファミコンのディスクシステム版を最初にさわり、国産のパズルゲームの1本としてやりこみました。

 先ほど話にありましたが、個人的にも親和性があると感じています。なんでもありのお話が展開する『ぷよぷよ』に対して、『パワプロ』もなんでもあう世界観になっている。うまくマッチしておもしろいコラボになると思っていました。

――この後の生放送で、お互いのタイトルで対決をすると聞いているのですが……。

細山田:そうなんですよ。『ぷよクエ』の生放送ですが、単純に『パワプロ』をやりたいなと。

(一同笑)

細山田:アプリはやっていても、家庭用ゲーム機でプレイしたことがない人も最近は多い。ただ、プレイしているのを見たら、きっと遊びたくなると思います。どちらのシリーズ作品も盛り上がって、来年発売される際に広島が強くなればいいなと願っています。

山本:そこですか!(笑) 広島はおそらく3位には入れそうなので、クライマックスシリーズには進めそうですね。

――ちなみに、お互いのメーカーで印象的なタイトルはなんですか?

細山田:『グラディウス』とか、PSの『メタルギアソリッド』です。そういえば、『実況パワフルプロ野球’98開幕版』に『メタルギアソリッド』の体験版がついていたんですね。『メタルギア』を知っていたので「野球ゲームなのに、見たことのない『メタルギア』の新作が3Dのアクションゲームとなって体験版に付いてきたー!」と夏休み帰省中の実家で驚いた覚えがあります。

 あとは、『コナミワイワイワールド』とか『ウイニングイレブン』とかでしょうか。そう考えると、個人的に『パワプロ』と『ウイイレ』には長く楽しませていただいています。『クイズマジックアカデミー』もけっこうやりました。弊社の『ネットワーク対戦クイズ Answer×Answer』は少ししかやっていないのに!(笑)

山本:セガサターンやドリームキャストが好きだったので、いろいろなタイトルがあります。『サクラ大戦』は『V』までやっていますし、『魔法騎士レイアース』も楽しみました。アーケードタイトルだと『三国志大戦』や『戦国大戦』もかなり遊んでいました。個人的には弓が好きです。

広い層に刺さるキャラの選定やコラボデザインについて質問

――今回、コラボで登場する『パワプロ』シリーズのキャラについて選定理由をお話ください。

細山田:『パワプロ』シリーズはそれこそ多くのキャラがいるので、我々が決めると偏ってしまう可能性がある。知見があるので、『パワプロ』チームに選定をお願いしました。

山本:キャラについては、できれば多くの人が知っているキャラにしようと考えました。アプリファンだけでなく、コンシューマのファンにも響くほうがいいだろうというコンセプトになっています。


 主要キャラとして、パワプロくんはもちろん。矢部くん、ライバルの猪狩兄弟はすんなり決定しました。早川あおいや橘みずき、六道聖は昔のファンから新しいファンまで広く愛されているキャラですし、友沢も長く人気なので入れました。


 星井スバルと、虹谷誠はアプリ版からのキャラ。星井はパワフル高校の登場キャラで、虹谷は天空中央高校の人気キャラで能力も高いということでチョイスしています。

――ピッチャー枠がやや多いと感じているのですが、パワプロくんが野手なのはそれも関係しているのでしょうか?

山本:キャラ人気が少し影響しています。ただ、『ぷよクエ』に入ると野手や投手はあまり関係ないので、そこまでこだわっているわけではありません。

――いただいた資料に「ボイスもそのまま」とあったのですが、このボイスというのは?

山本:『パワプロ』はキャラクターボイスが入っていないのですが、連鎖の時につかえそうな実況や『パワプロ』のゲーム内で流れる効果音をお渡ししました。

細山田:BGMやSEをかなり多くいただきました。『ぷよクエ』にそこまで音を入れるシステムがないので申し訳ないのですが、いただいたものの使っていないものもあります。

――『ぷよクエ』キャラクターは野球衣装を身にまとっています。カーバンクルのグローブやぷよの球など、ユニークなものが多いですね。

細山田:『ぷよクエ』はダジャレや思い付きのようなアイデアが入っています。遊撃手に“ユウちゃん&レイくん”をいれてほしいとか、レムレスはマネージャーにいそうなキャラクターで、すぐに甘いものとか塩あめを出しそうとか(笑)。

 アイテムでいえば、アミティはつねに帽子をかぶっているので、野球に向いていると思います。逆に帽子をかぶらないスポーツだと出しにくいんですね(笑)。帽子をかぶると、アイデンティティやキャラクターの印象が崩れるキャラは避けたほうがいいと感じました。

 そういえば、『パワプロ』のキャラは帽子を必ずかぶるので、作るのに苦労されているのだろうと思いました。

山本:基本的にキャラを作る時にはヘルメットか帽子をかぶります。さらにこれまでにたくさんのキャラを作ってきているので、デザイナーとシナリオ班が頭を悩ませつつ、かぶりすぎないように意識してキャラを作っています。

 なお、コラボの時は特別に“ヘルメットをかぶらない”ようにすることもあります。

細山田:コラボであまり制約をつけてしまうと大変ですからね。僕もコラボの時はあまり口を出さないことが多いです。

――ぷよを投げているのを見て、「投げてもいいのか」と驚きました。

細山田:投げていることもありますよ。ちなみにぷよが4つ集まると消えるので、『ぷよぷよ』の世界ではフォアボールがないだろうなーと。「『ぷよぷよ』の野球ゲームをやりたい」と思っても、試合が成立しないというのがネタ的にありました。

山本:そうなんですね(笑)。



――コラボパプリスの魔球リスのインパクトがすごいですが、どのようにして生まれたのですか?

細山田:爪が割れそうな握りのパプリスもいますね。

(一同笑)

細山田:『パワプロ』チームに「魔球を持っているパプリスはどうですか?」と提案しています。握り方にはいろいろなパターンがあり、相談すると悩むと思っていたのですが、悩んでいるうちにパプリスの生みの親であるデザイナーがすでにパターンを作って完成していました。


山本:我々としては世界観にあっているのであれば問題ないと判断してお戻しいたしました。

――いままでもパプリスはいろいろないじられ方をしていますが、このタイトルでしかできない方向性になっていますね。

細山田:そうですね(笑)。持ち方がないスポーツ、例えばサッカーだと難しいですからね。

山本:『パワプロ』は指がないのですが、フォームはさまざまあります。そのため、『パワプロ』のキャラでもできないイラストになっています。

サクセスらしさを再現した特別な“とっくんボード”

――コラボの中ではパワプロくん用に“とっくんボード”があると聞いていますが、こちらについてご説明いただけますか?

山本:そうなんです。ありがたいことに、“サクセス”を再現したような特別なものをご用意いただきました。

細山田:実は“とっくんボード”については前から、もっと自由に成長させるようことができるような内容のもので、成長軸を変えたいと考えていました。技術的にはできなくはないのですが、何かきっかけやとっかかりがないと難しい。

 いろいろと模索している中で、『パワプロ』コラボが進んでいきました。会議の最中に「サクセスがあるから、成長軸を変えたいんですが、やってもいいですか?」とチーム内で話があり、『パワプロ』チームに提案し、許可をいただいたので、やることになりました。

――どこまで変えられるのですか?

細山田:これまでの“とっくんボード”は耐性が少し違うとか、たいりょくが少し違うとかでした。今回は今までのものとは異なり“リーダースキル”なども選べるようになっています。キャラの骨格ともいえる部分を変更できるため、プレイヤーの育て方でまったく違うキャラになります。

 ただ、大変なことなので最終仕様を詰めるのに時間を要しました。

――これから登場するキャラもこのような仕様になるのでしょうか?

細山田:これを導入すると「新しく登場するキャラもこうしてほしい」や「もともと『ぷよクエ』にいるキャラも新たに別で登場させてほしい」というご意見などもあると思われます。だからこそ、そういうチャレンジするきっかけが欲しくて、今回のコラボで導入しました。

 もともとキャラをメイキングする部分で、もう少し細かくやりたいと考えてもいるのですが、キャラ数が多いため、かなり煩雑になります。作り手として考えると、細分化しすぎると問題も多く発生しそうなので、避けたい部分ではあるのですが、ユーザーのみなさんのご要望が高いならば……ただ、今回のようにスペシャル感が強いものになるという面もあるので、反響やこちらの状況を見て、今後どうしていくかを検討していくイメージです。

――選んだスキルを直すことはできるのですか?

細山田:リセットはできます……ただ、コラボ用の専用ぷよ野菜が余計に必要となります。

――このぷよ野菜のデザインは秀逸でいいですね。

山本:いいですよね! 野球モチーフの野菜!

細山田:田舎の野球場の横にある田んぼや畑を思い浮かべるのではないでしょうか。

――あと、コラボで“やきゅうしようよ!”のデザインもすばらしいと思いました。

細山田:コラボでバナーを作らせてもらったんですが、デザイナーのほうでカーバンクルのグローブというアイデアを自然に出していました。

山本:カワイらしいですし、デザインとしてもいいですよね。

細山田:こちらは東京ゲームショウのセガゲームスブースではもちろん、KONAMIさんのブースでも配布していただきます。

アプリ『パワプロ』でも将来的にコラボを実施。両タイトルでの盛り上がりに期待

――物語ですが、「パワプロくんが『ぷよぷよ』の世界に来たら野球場に召喚されていた」とあるのですが、野球が『ぷよぷよ』の世界にあったのですか?

細山田:ちょっとコメントしにくいのですが……。

山本:パワプロくんが世界に来たことで、野球の概念が生まれて、皆がやるようになったのかなと思いました(笑)。

細山田:アミティの代打でパワプロくんがバッターボックスに入るようです。アミティはバットを思い切り元気よく振りまくりそうですが、ボールに当たらなさそうですからね。

山本:『ぷよクエ』の掛け合いは、『パワプロ』で見るような展開で楽しいんですよ。見た瞬間にうまくマッチして受け入れられそうだと、感じました。

――“アルル ver.パワプロ”が登場するとのことですが、こちらは『ぷよクエ』で手に入るのですか?

山本:『ぷよクエ』に出ますし、将来的な話になるのですが『パワプロ』サイドにも登場します。

細山田:作っていただいたのですが、すごく“らしく”しあがっていますね。キャラを作るのはかなり大変だとお聞きして、感動しました。

――『パワプロ』でキャラを作る際に、ルール付けなどはやはりあるのでしょうか?

山本:ありますね。デザインリーダーがいて、すべてのキャラについて統括しています。『パワプロ』シリーズのキャラは基本的には鼻と口がないのが特徴。フォルムや目の形は一定のルールに従わないと、世界観が崩れてしまうのです。

 ただ、コラボのキャラについてはベースとなる作品のテイストを入れるようにしています。

――『パワプロ』でのコラボはいつごろになるのでしょうか?

山本:現状では“来春の予定”とだけアナウンスさせてください。もう少しお時間をいただくことになるのですが、楽しみに待っていただければ幸いです。

細山田:今回のコラボが好評であれば、2回目、3回目とやりたいくらいに楽しみです。キャラ数もかなり用意していますし、物語も初心者でも入りやすいようになっています。

 このようなコラボは、1990年代ではおそらく無理だったのだろうと思います。現代で、さらにアプリだからこそ実現できたものになっています。

――細山田さんから、コラボをきっかけでプレイを始める人へのアドバイスをいただけますか?

細山田:毎日ログインして遊ぶのが大事です。毎日、無料でガチャを回せますし、クエストをこなすことでレベルもどんどん上がります。

 あとは、『ぷよぷよ』ファンでしたら、アプリやNintendo Switchの『実況パワフルプロ野球』をプレイしていただけると、コラボをより楽しめます。逆に『パワプロ』ファンでパズルゲームをやらない人であれば『ぷよクエ』や『ぷよぷよeスポーツ』をプレイしていただければうれしいです。

山本:わざわざ、ありがとうございます!

細山田:単純な話になるのですが、『実況パワフルプロ野球』で野球をプレイしたり、サクセスモードにふれたりしたら、楽しいんですよ。もちろん野球を知らない人からするとハードルはあると思うのですが、コラボをきっかけにプレイしていただけると、魅力の一端が伝わるかと。

山本:ゲームをきっかけに、ふれていないことに挑戦するというのは、パズルや野球に限らずどのジャンルでもあること。やっていただければ楽しさを理解していただけると思います。

細山田:意外と立ち位置が近いキャラが多いんですよ。アルルとパワプロくんが流されやすいとか、クルークと矢部くんが愛されキャラだとか。

――矢部一族ばかりを出したらおもしろそうだと妄想しました。

細山田:一族については、ファンの方からも言われました!

山本:おもしろいけど、同じ顔で華がないんですよね(苦笑)。でも夢はあります。矢部田さんを含めれば女性キャラもなんとか入れられます。

――女性が必要なら、カワイらしい姉の矢部徳子さんもぜひ。

細山田:冒頭でもありましたが、そのように熱心に言ってくれるファンがいるのは大変ありがたいと感じました。

――どちらも長いシリーズですが、思い出深いタイトルは?

細山田:10年前に『ぷよぷよ7』が出ているのですが、発売から10年経っていることに驚きました。それぞれに思い出があるのですが、最初にかかわったぷよぷよ15周年記念作である『ぷよぷよ!』がもっとも印象深いです。最初は1カ月ヘルプでお手伝いとして入ったのですが、その後、ディレクターをやって、プロデューサーもやって、今がありますから。

 あと、先日の大会に来ていた人が一回シリーズから離れたけど最近戻ってきたと聞いて、感動しました。

山本:『パワプロ』シリーズには、最初はあまりかかわっていなくて、ゲームボーイアドバンスの『パワポケダッシュ』から本格的にたずさわるようになりました。そこからずっとディープな『パワポケ』シリーズを作っていました。

 シリーズが終了となり、『実況パワフルプロ野球2013』で“イベントデッキシステム”を運営のリーダーとして作るようになり、コンシューマを作るようになりました。

 運営型のベースになっている『実況パワフルプロ野球2013』と、最初に本格的にかかわった『パワポケダッシュ』は印象深いです。

――『パワポケ』シリーズは濃いユーザーが多いという印象です。

山本:今の20代~30代で遊んでいる人が多いと感じています。彼女イベントを書いていたこともあったので、「『パワポケ』のこのキャラが好きでした」という話になり、自分が書いていたことを話すと驚かれます。

 アプリのシナリオ担当には、『パワポケ』をメインでやっていたメンバーがいるので、アプリはコンシューマ版の正統派なストーリーに比べると、少し『パワポケ』寄りになっている。そこが、違う層にも受けていると感じています。

――個人的には別のサクセス、通称“裏サクセス”が画期的だったと思っています。

山本:野球していないのに、キャラができるモードですね。『パワプロ』アプリにも武器やアイテムを持って、ダンジョンでモンスターと戦う“ダンジョン高校”というシナリオがあり、それは『パワポケ』の流れを受け継いでいます。

細山田:いろいろな流れがあって懐が深いから、いろいろなことをやれるんですよね。

山本:長くやっているから懐が深いのか、懐が深いから長くやれているのか……。

細山田:でも、最近はなかなか続けられないですからね。

――次は『パワサカ(実況パワフルサッカー)』とのコラボですか?

細山田:僕は言いたいだけなのですが、反響があれば実際に検討していくと思います。『ぷよぷよ』は設定にいろいろあるのですが、コラボであれば、まずは楽しければいいと思うので!

――このコラボについてどのようなことを期待していますか?

細山田:僕は『パワプロ』がいっぱい売れてほしいと思っています。最近はプロ野球の観戦チケットが全然とれない。これだけエンタメがある中で、歴史のあるスポーツが盛り上がるのはすばらしいことです。

 ユーザーの皆さんからご要望があっても、コラボをする場合は、先方IPの都合もあるため、やれないことも多々あります。せっかくコラボできるのであれば、お互いに盛り上がり、次のいいタイミングである機会に実施したり、相談したものとは別のタイトルでやったりできると、可能性がどんどん広がっていきます。

 以前に『パワプロ』をやったことのある『ぷよぷよ』ファンや気になっていた人に、アプローチできるきっかけになってくれるとうれしいですね。遊ぶと楽しいので、コラボをきっかけにどちらも盛り上がってほしいです。

山本:細山田さんがおっしゃっているように、両方が盛り上がり、次がつながる展開ができればいいと思っています。どちらも長い歴史を持っているので、知っているけどやったことがないタイトルにふれて遊ぶきっかけになってほしいです。

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