『シン・クロニクル』配信直前レビュー&序盤攻略。繊細なキャラ描写を積み重ねたシナリオが心に刻む体験と深いカタルシス

キャナ☆メン
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 セガが3月23日に配信開始する新作iOS/Android用RPG『シン・クロニクル(シンクロ)』の配信直前レビューをお届け。記事の後半には、序盤を進めるための攻略指南も掲載しています。

丁寧に積み重ねられたキャラの心理描写がクライマックスへと繋がる体験

 ついに『シンクロ』が正式サービスを迎えますね! 筆者にとって本作は、結果的に仕事で記事を書いていますが、元々は個人でクローズドベータテスト(CBT)に応募して遊んでいた作品で、仕事である以前に1人のユーザーとしてサービスインを待っていたゲームです。

  • ▲過酷な状況で、主人公とともに戦うヴィオレット。折笠愛さんの演技が光ります。
  • ▲主人公はプレイヤーの分身。名前も自分で決められます。

 『シンクロ』の舞台は、ヘルドラと呼ばれる滅びが約束された世界――。

 人類の存亡を賭けて魔物と戦う境界騎士団の姿を描いた、重厚さとシリアスな雰囲気が漂う世界観のファンタジーRPGで、公式サイトなどで一番の特徴として挙げられているように、各章のクライマックスに重大な“選択”が用意されています。

 誰が生きて誰が死ぬか。そのことも含めて運命を左右する選択により、ラストシーンの描写と生き残る人物が変わります。

 結末を定める選択は一言にすれば重たいですが、それ以上に、ストーリー体験がとても深いゲームなので、清濁併せた世界観と物語を身をもって体験するような感覚でした。

  • ▲第1章で運命の選択の対象となる人物(ゲストキャラクター)は、上の画像に映る“ギュンター(声優:中村悠一)”と下の画像に映る“アンネ(声優:花澤香菜)”の2人。
  • ▲序章はクライマックスの描かれ方などが変わります。

 けれど本気で悩んだからこそ、今も選択の瞬間が大切な体験として心に残っています。そう思えるのは、選択に至るまでの過程で、中心人物となる2人の心理描写が丁寧に積み重ねられてきたから。

 それぞれの人物は心に抱える痛みや葛藤があり、ゲーム中は、もつれた糸を少しずつ解きほぐすように、幾つもエピソードを重ねて繊細に心情が描かれていきます。自然とドラマが心に染み入るシナリオで、キャラに深く感情移入できました。

 だからこそクライマックスで迎える運命の選択では、走馬灯のように物語の記憶が蘇り、さまざまな感情が一気に押し寄せてきたのを覚えています。

 時間を経ても、プレイ時に感じたことだけは蘇るゲーム体験が誰しもあると思いますが、『シンクロ』で得られる体験とカタルシスは、まさにその感覚があります。

 そんな感想を抱いた『シンクロ』はどんなゲームなのか、開発中の最新版のプレイをもとに、世界観から順を追って紹介していきましょう。なお、正式サービス時と比べて未実装の内容が幾つかあるので、その点はご了承ください

  • ▲ちなみに会話の途中で、小さな選択肢も頻繁に挿入されます。時に選んだ言葉やセリフで結果が変わることもありますが、クライマックスの運命の選択ほど影響は大きくありません。

“滅びが約束された世界”のダークでディープな世界観

 ヘルドラ大陸の中心には“奈落”と呼ばれる巨大な縦穴が存在し、穴の底から無尽蔵に這い出てくる“黒の軍勢”という魔物の侵攻によって、地上の生活が脅かされてた歴史があります。

 人類は、“蝕”と呼ばれる黒の軍勢の大侵攻を防ぐため奈落を囲むように大障壁を築き、これを最終防衛線としながら辛うじて戦いを続けてきました。

 黒の軍勢と戦う者たちは“境界騎士団”として組織され、大障壁の東西南北に存在する砦を拠点として、それぞれの方角を冠した4つの騎士団が防衛を担っています。

  • ▲ちなみに北方騎士団団長のカンパネルラは、石田彰さんが声を担当することが先日明らかにされました。

 境界騎士団は、世界中から出自・身分の(もっと言えば前科の有無も)区別なく人が集う組織です。ただ、4つの騎士団は思想や文化がかけ離れていることから、果たして一枚岩の組織なのか、彼らの間にどのような関係性や思惑があるのか、将来の展開が気になるところ。

 そしてプレイヤーの分身である主人公は、もっとも多種多様な人間が集う南方騎士団に所属する騎士として、黒の軍勢との戦いに身を投じることになります。

  • ▲主人公の声は坂泰斗さんが担当します。ただしゲーム中は、選択肢や後述する魂の言葉がセリフ扱いで基本的に無言。ロールプレイを尊重したスタイルになっています。

 プレイした感触として、ひとたび騎士団が敗北すれば人類が滅亡に向かう世界はどこか終末的でダークな雰囲気ですが、だからこそ逆に、そんな世界を生き抜く人間の姿が荒々しくも魅力的に映ります。例えるなら、ロウソクの火が暗闇の中でこそ輝くような。

 厳しい世界で生きるため我の強いキャラが多いせいか、全体的に漂うアクの強さにも惹かれるところです。主人公が所属する南方騎士団はもっとも多様な人間が集うので、余計にそういう雰囲気を色濃く感じるのかもしれませんが。

  • ▲クセのある感じが好きな人には、世界観もヘルドラに生きる人々の雰囲気も刺さるのではないかと。

 おそらくコアなファンタジー作品が好きな人は大好物の世界観でしょうし、世界設定のモチーフは歴史上の建築物や組織から連想することもできて、さまざまな考察が好きな人にとっても刺さる世界観だと思います。

 また、ダークさをスパイスにした世界観は近年のファンタジーとして王道だと思うので、清濁併せた現代風のファンタジー世界を骨太に作り込んだ印象を抱きました。

 昨年行われたCBTに参加したと書きましたが、正直、筆者はこの世界観だけで応募を即決めていましたね(笑)。

世界観、ゲームシステム、シナリオを繋ぐ“クロニクル”

 世界観のもう1つ重要なファクターとして、タイトルにも含まれる“クロニクル”の存在があります。

 クロニクルは、オープニングの戦いで主人公が奈落に落ちてしまった際に、謎の声の主に託される書物です。当然、ただの書物ではなく世界の謎とも関わるようで……。

 声の主いわく、ヘルドラの理(ことわり)である滅びの運命は本来避けられないが、人の意志には運命を変える力があり、クロニクルは人の意志を込めた“魂の言葉”を紡ぐことで、死の運命に対してわずかな可能性を紡ぐのだとか。

 けれど、クロニクルがわずかな可能性を紡ぐ機会は死の運命を前にした一度きり。まさにこの話が、各章のクライマックスに用意された運命の選択を指しているのでしょう。

  • ▲声の主が何者であるかは不明。ただ深淵とは奈落の底を意味するようです。
  • ▲書物自体に運命を変えたり敵を倒したりする力はないと語る声。

 クロニクルは“今を紡ぎ、過去を編纂し、未来を幻視する”ことができ、それを一言にすると魂の言葉を紡ぐ力なのだと声は言います。

 クロニクルの力は、シナリオを表現する上で重要なゲームシステムにもなっていて、物語の鍵を握る世界設定であると同時に、ゲームプレイとシナリオを結ぶ『シンクロ』の根幹と言えます。

  • ▲内容は後述しますが、会話の中で魂の言葉を記録することをはじめ、クロニクルに関わる機能や演出がストーリーを盛り上げるゲームデザインになっています。

 なお、クロニクルを手にするイベントの前後では、悠木碧さんが1人2役で声を演じるダブルヒロインや、井澤詩織さんが声優を担当する相棒のミュトスとの出会いもあります。

 オープニングで描かれる一連のイベントは重要な出来事がかなり濃いめに凝縮されているので、考察好きな人は、後からイベントを振り返るといいかもですね!

  • ▲ヒロインの1人であるセラをかばって、主人公は奈落の縦穴を落ちていきます。
  • ▲セラは生真面目な性格で、現実を見据えて嫌われ役を買って出ることもしばしば。
  • ▲主人公が奈落の底で辿り着いた先では、もう1人のヒロインであるクロエが倒れていて……。
  • ▲クロエは前向きかつ明るい性格で、常に理想を諦めずに突っ走るところも。
  • ▲ミュトスはクロニクルに封じられていた自称・大精霊。本人は無自覚ですが何か大きな秘密がありそう……。

ゲームシステムとしての“クロニクル”がストーリー体験を深める

 落下した主人公が生還し、奈落の探索を任務とする探査騎士隊の隊長に任命されると、序章を経て第1章で本格的にストーリーが幕を開けます。

 ゲームの目的は、人類が反撃する糸口を掴むために、奈落の深層までのルートを開拓すると同時に、黒の軍勢が無限に湧き出る理由を突き止めることです。

 シナリオで1つおもしろいのは、クロニクルの設定を軸にしたゲーム&シナリオデザインでストーリーの流れを体験できること。“今を紡ぎ、過去を編纂し、未来を幻視する”クロニクルの力が、機能・演出・構成とさまざまな形でシナリオに落とし込まれています。

 なので章の冒頭は、クロニクルの幻視で主人公たちに死の運命が訪れる未来を見ることに。バッドエンドとも言える結末を最初に見て、その結末・運命を変えることが章の目的になっていきます。

  • ▲序章ではセラの死を幻視し……。
  • ▲第1章では主人公の率いる隊が全滅……。

 そして未来を幻視した際には、死の運命に繋がる“鍵の言葉”がうっすらとクロニクルに浮かび上がります。

 クロニクルは、人の意志が込められた魂の言葉を記録でき、ゲーム中に実際それを表現する機能と演出がありますが、鍵の言葉はメインストーリーの展開と運命の選択に直結する特別な言葉です。

  • ▲幻視した時点では、鍵の言葉はまだクロニクルに記録されません。
  • ▲魂の言葉はゲーム上の用途に合わせて表記が2つに分類されていて、鍵の言葉の他に、普段の会話で使うことがある“絆の言葉”が記録されます。

 ゲームとしても物語としても、この鍵の言葉が、章の中心人物が抱える葛藤や苦悩を一言に表した文字通りのキーワード。鍵の言葉と関連するエピソードでは、彼・彼女らの心の奥底に迫るドラマが描かれ、やがて“運命の選択”に繋がっていきます。

 ゲームプレイとしては、クロニクルに鍵の言葉を記録し、それを死の運命を乗り越える言葉に進化させていく流れです。さらにその後は、運命の選択の際に言葉を紡いで、可能性を切り開く一言へと最終進化させます。

 クロニクルに言葉を記録して紡いでいくゲームプレイは、章の中心人物たちの過去や心情を描く物語、彼らが己の葛藤と向き合うドラマと直接リンクして、ゲームとシナリオに一体感をもたらしています。ここが『シンクロ』の秀逸な部分です。

  • ▲探索の中の出来事や会話で鍵の言葉が意味するところを知り、記録します。
  • ▲ダンジョン攻略や会話で絆ptを得て隊の絆を深めると、鍵の言葉に関連するエピソードが開放。その人物がどんな想いを抱いているか、ドラマが描かれます。
  • ▲鍵の言葉が進化し、死の運命を乗り越える可能性へと少しずつ繋がっていきます。

 鍵の言葉は1人につき複数あるため心理描写が丁寧で、一連のクロニクルのシステムや演出のお陰で、少しずつ段階を踏んでキャラの心情を汲み取れるはずです。

 そのため、メインストーリーで描かれるドラマからは、人それぞれに多くのことを思い、さまざまな感情が湧いてくるのではないでしょうか。

 そして、その感情を解き放つ瞬間が章のクライマックスで迎える“運命の選択”です。

 上で述べた通り、鍵の言葉は運命の選択に繋がっているので、最終話は、鍵の言葉に沿って歩んできたここまでのゲーム体験が凝縮されているような感覚でもあります。この時に感じることは、過程の物語で抱いた感情によっても違うでしょう。

  • ▲クライマックスまでのプレイを経て進化させてきた鍵の言葉。最後にこれらを紡ぎ、1つの魂の言葉にすることで、死の運命に抗う可能性が生まれます。しかし、チャンスは一度きり。

 そして選択の後は、最高に熱い演出のラストシーンが待ち受けています。中でもBGMはゲストコンポーザーが結末の場面のためだけに作曲したもの。ビジュアル、テキスト、サウンドのすべてが一体になったシーンは最高に昂ぶりますよ!

  • ▲ラストの曲制作に参加しているゲストは、伊藤賢治さん、浜渦正志さん、下村陽子さん、甲田雅人さん、光田康典さん、古代祐三さんと豪華な顔ぶれ。

 また、『シンクロ』の世界を彩るメインコンポーザーとしてケビン・ペンキンさんが参加しており、ケビンさんのBGMが切ないシーンで流れると、心にグッと来る感じに堪らないものがあります。これも触れておきたい部分です。

バトルは“羊の皮を被った狼”。やり応えのある尖った楽しさ

 本作は主に、ストーリー、ワールドクエスト、イベントの3軸でコンテンツが構成されていて、メインシナリオが展開する“ストーリー”コンテンツは、1話ごとにフィールド探索型のダンジョンを攻略して進めます。

  • ▲ホーム画面。画面右側の3つの目立つアイコンがそれぞれのコンテンツに対応しています。
  • ▲ダンジョン内はプレイヤーの操作で自由に移動可能です。オート移動もあります。

 ダンジョンと言えばバトルですが、『シンクロ』のバトルを筆者なりに一言で表せば、言葉は悪いですが“羊の皮を被った狼”となります(笑)。

 本作はシンボルエンカウントのターン制で、他にも見慣れたシステムが多いので、少しプレイしただけではオーソドックスなバトルに感じてしまうのです……それが羊。筆者はある時期まで、そんな風に勘違いしていました。

 メインシナリオに紐付くダンジョンはオートバトルでもさほど苦戦せず進める難易度なので、正式サービスが始まってからも、おそらく最初は筆者と似た感想を抱く方がいるのではないかと思われます。

  • ▲敵味方、個別にターンが回ってきます。行動順を常に確認できるので素早い敵から倒したいところ。
  • ▲オートバトルでも設定次第で、行動順の早い敵から倒してくれます。

 ただ、今回開発中の最新版をプレイした際に高難度コンテンツの“未踏域”を触ったんですよ。そうしたらダンジョンの難度が上がるほど、一手のミスが大きく響くような詰め将棋的なところも出てきまして。改めてバトルを見直した時、実は尖ったバトルデザインの、狼のゲームだと認識を改めました。

  • ▲未踏域はやり応えがあっておもしろく、ついレベルが足りないダンジョンも頑張って挑戦していました(笑)。
  • ▲ちなみにレベル上限はメインシナリオのクリア状況に応じて開放されます。

 と言うのも、まず『シンクロ』はバトル中を含めて回復手段が乏しく、ダメージを受けること自体がハイリスクなバトルデザインです。端的に書けば“やられる前にやる”火力と立ち回り重視のバトルなんですね。

 基本的に回復は現地調達の薬草頼みですが、入手量はダンジョン内で1つか2つ、未踏域では手に入らないこともあります。当然、ザコ戦であまりダメージを負うとボス戦が苦しいわけで。

  • ▲第1章だと回復スキルを持つのはヒロインのセラのみ。しかもHPを消費して回復します。
  • ▲チュートリアルのセリフは飛ばし読みしていたのですが、本当に貴重でした……(笑)。

 だから、バトル時はボス戦までを見据えたダメージコントロールが非常に重要。敵味方を含めた行動順を常に確認できるので、敵を倒しきれないと判断したら、誰をどこに動かして攻撃を受けるか考える必要があります。

 タンク(盾役)がダメージを受けた方がいい場合もあれば、逆にタンクのHPはボス戦まで温存しておきたいケースもありますし、あるいはスタメンは壁と割り切ってボス手前になったら控えに回す作戦も。ただケースバイケースで、どれも一長一短です。

  • ▲範囲攻撃なら、味方のいない方に敵を向かせることが重要。主人公の挑発が便利。
  • ▲キャラのスキルや必殺技次第ではHPが減った方が本領を発揮できる場合も。
  • ▲フィールドなら控えとのメンバー交代が可能。ただ戦闘で使わないと必殺技用のゲージがたまりません。

 もちろん、敵を素早く倒すことはさらに重要ですよね。ザコ戦に限りますが、筆者が一番大事だと思うのは、フィールド上で敵シンボルを攻撃して先制を取ることです。

 先制時は、敵全体にダメージを与えてからバトルが始まります。見慣れたシステムで基本的な話に思えるかもしれませんが、実際のプレイだとめちゃめちゃ大事に感じました。

  • ▲先制は敵全体を攻撃するのが強力で、敵を仕留めるまでのターン数に大きく関わります。

 バトル開始後は、味方の攻撃を繋ぎ、チェイン数を稼いでダメージアップを図ったり、ボス戦であればシールド値を削ってブレイクを発生させたり、まずは基本のバトルシステムを大事にして有利な状況を作りたいところ。ただ実際の細かい作戦は、パーティ編成によって大きく変わってきます。

  • ▲チェイン数が増えるとボーナスとしてダメージに補正が掛かります。
  • ▲ブレイクは、ボスや特定の強敵に設定されたシールド値を0にすると発生。敵全体の行動順を遅らせ、その間、敵を弱体化させます。

 『シンクロ』のキャラは1人1人が非常に個性的で、戦闘中に使用できるスキルやオーバードライブ(必殺技)の効果が、キャラごとに大きく異なっています。

 例えば、デバフや状態異常を与えたり、強いスキルを特定の条件下でのみ発動できたり、あるいは一定の条件で威力がアップしたり。他にもスキルはさまざまです。

 デバフや状態異常もそれ単体で重要ですが、バトルを一段おもしろくしているのは、発動や威力アップに条件が絡む場合、他のキャラのスキルでその条件を誘発できる点。つまり狙ってキャラの強みを発揮できます。

 パーティを作る際、キャラ同士が持つスキルやオーバードライブの相乗効果を考えると、シナジーを活かした強力な一撃や有効な手を打てるようになり、編成の奥深さが一気に増してバトルがより楽しくなるんですね。

 現状だとキャラのレア度よりもスキルやオーバードライブのほうが戦いに与える影響は大きく、相性の悪い星3キャラを揃えて能力だけで殴るよりも、スキルの相乗効果を考えてパーティ編成したほうが攻略に有利だと思います。というか単純に、作戦がハマると気持ちいいです。

  • ▲例えばカルロは敵が火傷状態だと威力の上がるスキルやオーバードライブを使えます。
  • ▲炎の魔術を使うアルカンは、高確率で敵を火傷状態にするスキルを持つのでカルロと相性がいいです。
  • ▲実際のバトル。未踏域のボス戦でアルカンがスキル“煉獄の深炎”で攻撃!
  • ▲火傷時に威力アップするオーバードライブ“信じぬがゆえの躊躇いなく”でトドメ!
  • ▲豆知識として、行動順のアイコンを長押しするとステータスを確認可能。表示を見逃した時などに活用できます。

 ちなみにパーティ編成についてもう1つ加えると、本作は回復手段の少なさが編成の自由度を広げるのに一役買っているところがあります。これは個人的に気に入っている部分です。

 『シンクロ』はバトルメンバー4人+控え2人の編成ですが、通常のRPGなら回復役で1枠バトルメンバーが埋まって実質的に3人しか自由枠がないところ、本作は4人とも自由に選べるんですね。もちろん、回復役のセラを入れても構いませんが。

 アグレッシブに編成と作戦を考えられるので、バトル中の立ち回りも含めていろいろと工夫してみると、新しい気づきや発見を楽しめるのではないかと思います。

  • ▲キャラを強化するアビリティを任意に習得できるので、自由な育成の楽しさもあります。

 なお、キャラの要素に加えてバトルに影響を与えるのが精霊と武器です。前者はキャラやパーティにセットすることで能力を底上げし、後者はいわゆるハックアンドスラッシュ(ハクスラ)要素がポイントとなります。

  • ▲世界設定としては、奈落の瘴気から人間を守ってくれるのが精霊。
  • ▲キャラと精霊が、本作ではガチャから排出される要素となります。

 『シンクロ』におけるハクスラの詳細は別の記事を参照してほしいですが、端的に書けばダンジョンで入手できる武器がランダムで、1つ1つベース性能や付与効果が変わるので、自分が納得できる高性能な武器を手に入れた時の達成感と喜びが大きいというゲームデザインです。

 先述の未踏域は、ダンジョンに応じた属性武器がドロップするので、相手の属性が決まったバトルの場合は非常に役立ちます。メインシナリオのダンジョンでは入手できない星4武器も稀にドロップするらしいので、周回の楽しみがあるのではないかと。

  • ▲“らしい”と書いたのは、報酬リストで星4武器を見ても実際に入手したことはないからです(笑)。ハクスラでは普通のことですが、貴重な武器は周回が要りますね!
  • ▲星3の属性武器は割といい確率でドロップしてくれます。

同じシナリオでも心に焼き付く体験は1人1人違う――ストーリー体験を重視したゲーム性で自分の感じたことを大切にできる作品

 先ほど挙げた3つのコンテンツについて他の2つにも触れると、ワールドクエストは、世界観の補足となるクエストや、各キャラの“絆ストーリー”と呼ばれる固有エピソードを楽しめる内容になっていて、これも非常におもしろいコンテンツです。

 非常にシリアスなメインと違って、絆ストーリーはキャラによってシリアスな話もあればコメディタッチの内容もあり、十人十色なキャラクター性と物語を楽しめると思います。

 特にメインシナリオだと粗暴な一面もあるリオンは、絆ストーリーでだいぶ印象が変わると思うので、ぜひやって欲しい!(笑)

  • ▲詳しくは伏せますが、実はリオンにも戦うべき事情があり……。
  • ▲絆ストーリーは各キャラに用意されているので、きっとお気に入りが見つかるはず。

 オンラインイベントは開発中の最新版ではプレイできないので感想を書けないのですが、生放送を見る限り、基本的な傾向としては、バトルのやり込み要素となるようなコンテンツが揃っているようです。先述の通りバトルに特有の奥深さがあるので、結構期待しています。

  • ▲先日の生放送より。未踏域もやり込み要素なので一覧に含まれていますが、これは第1章のクリア後にいつでも遊べます。

 ……と、これだけ書いても書き足りない部分があるのですが、そろそろ記事のまとめに入ると、『シンクロ』は、ゲームプレイとシナリオに一体感があるストーリー体験の深さが、やはり一番おもしろいところだと感じました。

 クロニクルの設定を活かしたストーリー体験が、最終的に自分で結末を定める“運命の選択”に繋がっていくゲーム性は、プレイヤーが主人公の目線で物語を体験するロールプレイ性を大切にしているのでしょう。

 登場人物の葛藤を描いた過程の物語で何を思い、2人の決意を描いた運命の選択で何を感じ、その後の結末まで終えた時のカタルシスが心にどんな余韻を残すのか。同じシナリオでも、心に焼き付く体験は1人1人違うもので、その中で自分の感じたことを大切にできる、1つの章を終えた時に大きな充足感がある作品だと思いました。


※画面はすべて開発中のものです。
©SEGA

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シン・クロニクル

  • メーカー: セガ
  • 対応端末: iOS
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2022年3月23日
  • 価格: 基本無料/アイテム課金

シン・クロニクル

  • メーカー: セガ
  • 対応端末: Android
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2022年3月23日
  • 価格: 基本無料/アイテム課金

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