『拡散性ミリオンアーサー』から始まり『弱酸性』に『実在性』まで! スマホRPGの金字塔が10周年【周年連載】
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あの名作の発売日から5年、10年、20年……。そんな名作への感謝の気持ちを込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として、“周年連載”を展開中です。
今回お祝いするのは、スクウェア・エニックスの『ミリオンアーサー』シリーズ。1作目のスマートフォン向けRPG『拡散性ミリオンアーサー』がリリースされたのが2012年4月9日ということで、この春10周年を迎えます。
というわけで、読者の皆さんこんにちは。ライターのマスクド・イマイチです。『ミリオンアーサー』シリーズは、『拡散性ミリオンアーサー』サービス初期からプレイし、続編アプリの『乖離性ミリオンアーサー』はもちろん、コミック・アニメ『弱酸性ミリオンアーサー』や実写コンテンツ『実在性ミリオンアーサー』も楽しませてもらいました!
そんな私と一緒に、『ミリオンアーサー』シリーズの10年にわたる歴史を振り返っていきましょう。
今回の原稿のため過去の記事をゴソゴソ見ていたら、“煩悩108連ガチャ”や“俺の嫁”企画とか出てきて頭を抱えました。ニムエというキャラクターも、「ナイスちんちん!」もこのシリーズから生まれたんですよね。
『拡散性ミリオンアーサー』とはどんなタイトルだったのか
2012年4月に配信スタートした『拡散性ミリオンアーサー』。当時は本格的なゲームをどっぷりスマホでするという時代ではまだありませんでした。iPhone 5の発売が2012年9月といえば、どんな感じだったか思い出せる人も多いのではないでしょうか。
そんな中で『拡散性ミリオンアーサー』は、コンシューマタイトルのようなリッチな作りで発表され、注目を集めました。メインシナリオは『とある魔術の禁書目録』の鎌池和馬さん、音楽をヒャダインこと前山田健一さんが手がけ、たくさんのキャラクターは人気イラストレーターと豪華声優陣が魂を吹き込みました。
王の器を量る聖剣・エクスカリバーが100万本はあるというユニークな初期設定、円卓物語をベースに“ブリテン”で展開するストーリーは、それまでのアプリタイトルと比べて本格的な、いわゆる「ちゃんとゲームらしい形をした」アプリでした。
騎士が描かれたカードを集め、レベルを上げて限界突破し、デッキを作っていく……今では珍しくないシステムですが、そのシステムをアプリRPGとして仕上げたのが『拡散性ミリオンアーサー』と言ってもいいのでは。
さまざまなTVアニメや、スクウェア・エニックスのゲームタイトルとのコラボを盛んに行うなど、昨今のアプリタイトルに与えた影響は数知れません。
『閃乱カグラ』に『ブレイブルー』。PS Vita版なども合わせると、ジャンルを問わずいろいろなコンテンツとコラボしていました。
さまざまに派生していく『ミリオンアーサー』シリーズその1
サービスを進めていくにつれて、『ミリオンアーサー』の世界は広がっていきます。PS Vita版が2013年に、3DS版が2014年にリリース。さらにスピンオフ作品も展開されました。その一部を紹介していきます。
『唯一性ミリオンアーサー』
NTTドコモのサービス“dゲーム”にて提供。『拡散性』のスピンオフ作品で、外敵の大陸への侵攻を目指したひとりのアーサー王と女騎士4人を軸としたハーレムRPGです。
『ミリオンアーサー エクスタシス』
リアルタイムギルドバトルを特徴とした新たな形の『ミリオンアーサー』シリーズとして、GREEほかで展開。「大人のための『ミリオンアーサー』」というキャッチコピーが注目を集めました。
苦戦したコンテンツもあった『ミリオンアーサー』シリーズ
昨今のスマホ向けゲームに漏れず、その礎となった『ミリオンアーサー』シリーズでもユーザーとすれ違うような失敗はありました。筆者の記憶に特に残っているのは“騎士団”システムの実装です。
それまではソロプレイでストーリーやデッキの強化を楽しみ、一部のフレンドと強敵の救援を回し合うというつながりだった『拡散性ミリオンアーサー』。そこに実装された“騎士団”は、ランダムなメンバーで構成された“騎士団”で強敵を叩き合うシステムでした。
ランダムなメンバーであり、さらにはシーズンごとに仲間が変わるというシステムなどなどに、ユーザーは困惑することに。当時のインタビューや後のコメントなどを振り返っても、開発陣自ら「失敗だった」とあげているのが“騎士団”システムでした。
また、スピンオフ作品として発表された『デッキメイクミリオンアーサー』は、キャラクターイラストなども公開されていましたが、開発の中止を決定。その理由は、後述する『乖離性ミリオンアーサー』とゲーム性が近いものになってしまったというもの。複数の開発ラインが並行していた当時の『ミリオンアーサー』シリーズならではの理由でした。
大きな進化と躍進を遂げた『乖離性ミリオンアーサー』
『ミリオンアーサー』シリーズですが、2014年11月に正統続編となる『乖離性ミリオンアーサー』がサービス開始となります。
役割の異なる4人の騎士のうち1人を担当し、他のプレイヤーと協力してボスと戦うという、よりカードゲーム風のシステムに進化した『乖離性ミリオンアーサー』。鎌池和馬さんらコアとなるスタッフは続投し、『拡散性ミリオンアーサー』との物語的なつながりもファンを喜ばせました。
ソロプレイメインの『拡散性ミリオンアーサー』からシステムを一新。いち早く複数人によるマルチプレイを前提としたシステムを構築し、『拡散性』と同様に後発作品に大きな影響を与えた作品となりました。
『乖離性ミリオンアーサー』でも多数の作品とコラボが行われました。
『乖離性ミリオンアーサー』は、2020年9月にサービスを終了。ここで大きな流れとしての『ミリオンアーサー』は、休止期間に入ります。
さまざまに派生していく『ミリオンアーサー』シリーズその2
『拡散性』から『乖離性』に移行していくなかでも、『ミリオンアーサー』シリーズの多角的展開は続いていきました。それはゲームのみにとどまらず、アニメや実写などさまざまな形で広がることに。
『弱酸性ミリオンアーサー』
マンガ家のちょぼらうにょぽみ先生によるゲーム内4コマ。コミックス化もされており、その独特かつ切れ味鋭いギャグ、原作崩壊気味のキャラ設定などが人気となり、『乖離性』になってからも続投。「ジャスティストレイン! ミリオンアーサー」などの語録も本作から誕生。
勢いそのままに、YouTubeとニコニコ動画での配信アニメになった『弱酸性ミリオンアーサー』。現在は劇場版『すみっコぐらし』などで人気のまんきゅう監督による、原作に負けないやりすぎ感のあるディレクションが話題に。
エンディングの1つ、「おまんじゅうの歌」は毎週歌詞が変わるなど、妙なところにこだわりがありました。
『実在性ミリオンアーサー』
『ミリオンアーサー』シリーズの展開のなかでも、多くのユーザーを困惑させたガールズエンターテインメント。それが『実在性ミリオンアーサー』です。全キャストを女性が担当し、『拡散性ミリオンアーサー』の世界を歌ありドラマありのバラエティで表現しました。
『王のUTSUWA』『魔女酒場』を初めとする名曲・迷曲ぞろいのライブパートが人気となり、CDも2枚に分けて発売されたり、ライブイベントが行われたりという、これまでにない展開も見られました。「王に必要なもの、それはUTSUWA」。
『ミリオンアーサー アルカナブラッド』
2017年11月よりアーケードで稼働した2D対戦格闘ゲーム。『拡散性』、『乖離性』のアーサーたちをメインに、さまざまなキャラクターが大集合。後にPS4、Steamで展開され、世界最大級の格闘ゲーム大会“Evolution Championship Series 2019”の種目に選ばれました。
『交響性ミリオンアーサー』
2018年10月にサービス開始したキャラハントアクションRPG。フィールドをジャンプやローリングを駆使して駆け回るアクション要素が特徴です。シナリオでは新たに“北欧神話”の要素を加え、未来のブリテンを舞台にしています。
『叛逆性ミリオンアーサー』
6人の“エージェント・アーサー”をメインとしたスマホ向けアニメオンラインRPGで、2018年11月にサービス開始。『乖離性ミリオンアーサー』と並行してサービスが行われていました。
アニメも同時展開されていたのが大きな特徴。アニメで出てきた新たなアーサーたちが、そのままゲームに登場するという仕組みで、視聴者をゲームに引き込む仕組みが作られていました。
この他にも……
アプリやアニメ以外にも、VR、トレーディングカードゲームなど、形にとらわれず新たな挑戦が続けられていたのが『ミリオンアーサー』シリーズの特徴です。
オフラインイベントの『ミリオンアーサー』
本シリーズのファンを集めたリアルイベント“御祭性ミリオンアーサー”も、多くのユーザーでにぎわいを見せました。数年にわたって開催されたこのイベントでは、イラストの展示や商品付きミニゲーム、コラボフードなど多彩な企画を実施。
さらには各タイトルの最新情報公開や、『ミリオンアーサー アルカナブラッド』の全国大会決勝トーナメント開催など、ユーザーの交流の場として数年にわたり定着していました。
現在の『ミリオンアーサー』シリーズは……?
スマホ向けRPGとしては『乖離性ミリオンアーサー』が2020年9月30日をもってサービス終了。その他のシリーズタイトルの多くも残念ながらサービスを終えています。
現在では“NFTデジタルシール”という新たなジャンルにて、『資産性ミリオンアーサー』のサービスが展開されています。NFTとは「Non-Fungible Token」の頭文字を取ったもので、“非代替性トークン”と呼ばれているもの。
新たな経済市場として注目されているNFTにスクウェア・エニックスが参画するにあたり『ミリオンアーサー』シリーズに白羽の矢が立った形です。
こうして10年の歴史を振り返って感じたのですが、つねに時代の先を行くだけでなく、少々行き過ぎ(?)もありつつも、多くのスマホゲーユーザーの記憶に残っている『ミリオンアーサー』。次はどんな『●●性』となって新たなジャンルを開拓してくれるのか、楽しみに待っていたいと思います。
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