電撃文庫『僕らは英雄になれるのだろうか』の鏡銀鉢先生は“究極のヒロイン”を研究中!?

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 電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。今回は、『僕らは英雄になれるのだろうか』を執筆した鏡銀鉢先生のインタビューを掲載します。

 本作は、人類を守る盾“シーカー”になりたい無能の少年“草薙大和”と、その師匠“浮雲真白”が英雄を目指す学園バトルストーリーです。

 電撃文庫初登場の鏡銀鉢先生に、キャラクターへの愛や先生流の小説の書き方などお話いただきました。

──この作品を書いたキッカケを教えてください。

 全員が主人公の話を書きたかったからです。

 私キャラ愛が強いんですよ。

 だから主人公だけが目立って他のキャラは全員主人公の引き立て役ではなく、オールスター作品を書きたかったんです。

 あと多くの作品で努力と才能の話ってされるんですけど環境(師匠の質を含む)の話ってあまりされていないなと。

 失敗を環境のせいにする人って責められますが現実問題、多くの人が自分を活かせる環境にいないだけだと思うので、それをテーマにしたいなと。 

──作品の特徴やセールスポイントを教えてください。

 こんな先生&クラスメイトが欲しかった。この教室に入りたいと思える部分(自画自賛)。

 あと名言名場面(自称)の数々。

 私自身が名言名場面好きで、まず名言名場面を作ってからそこに至るストーリーを考えています。

──作品を書くうえで悩んだところは?

 盛り上げシーンまでいかに違和感なく持っていくかですね。

 まず名言名場面を考えてそこにい至るストーリーを考えているので、場面が唐突だったり、セリフに違和感があると台無しなんです。

──執筆にかかった期間はどれくらいですか?

 初稿を書き始めてから最後のページを書いた期間は9日間です。

──執筆中のエピソードはありますか?

 執筆している最中に何か面白いエピソードはあるか、という意味なら。

 実は本作の執筆前に、私自身もとある試験を受けたんですよ。

 死ぬ気で勉強しまくったのに自己採点で不合格確実で絶望と失意の中、家に帰って書いたのが主人公が入試に落ちる冒頭シーンです。

 主人公の心情描写は実体験をそのまま書きました。 

 執筆中の作品はあるか、という意味なら。

 本作の2巻と先月角川スニーカー文庫から発売した【スクール下克上】の続きを書いています。

──本作の主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。

 主人公の草薙大和を含め、男性キャラはこんな友達が欲しいという理想と、こんなヒーローが欲しいという理想を詰め込みました。

 ヒロインは、私の中で現在究極のヒロイン製造計画が進んでいてその研究成果です。ふふふ。

──特にお気に入りのシーンはどこですか?

 名言名場面をいくつ詰め込めるか、というのを念頭において作ったのでたくさんありますが、それでも特に好きなのは先生である浮雲真白が、ニワトリは実は飛べる、という話をするシーンです。

──今後の予定について簡単に教えてください。

 本作の、という意味なら残りのクラスメイト全員の成長エピソードを描き切るために2巻では新キャラと既存キャラの掘り下げを進めます。

 担任(男)副担任(女)生徒男女10人ずつ計22人分の設定、成長エピソード、成長後まで作っているので。

 主人公である大和くんを中心に史上最高の教室を描きたいです。

 私の予定というか夢なら、100万人の読者に勇気と元気を与えて業界を盛り上げることです。

──小説を書く時に、特にこだわっているところは?

 熱血描写。これだけはデビュー作からずっとこだわっていますね。

 あとは読者への伝わりやすさです。

 どんなネタでも伝わらなかったら無意味なので。だから基本的にパロディギャグは控えているんですよ。元ネタ知らないと伝わらないので。やるなら元ネタを知らなくても面白いネタ限定。

──アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?

 筋肉は裏切らない!

 体を動かして疲れて横になっていると考えがまとまりやすいんですよ。

 漫画の神様、手塚治虫先生の写真と向き合う。

 手塚治虫先生が死の間際までベッドの上で作品を作りたがっていたというお話を胸に刻む。

 死ぬほど作品を書きたかった偉人が書けないのに、健康な私が集中できないなんて不敬の極みでしょう。

──学生時代に影響を受けた人物・作品は?

 漫画とアニメの神様、手塚治虫先生 【ToLOVEる】の矢吹健太郎先生と長谷見沙貴先生 【バキ】の板垣恵介先生 の三名です。

 手塚治虫大先生からは作品以上に、作家としてのこだわり、姿勢、あり方などを学び、詳しくは割愛しますが実は何度かリアルに救われています。

 矢吹健太郎先生と長谷見沙貴先生は、当時ラブコメブームだったこともあり、自分も文章でこんなに凄い作品を書きたいと思ったものです。

 板垣恵介先生はキャラの魅せ方に脱帽していました。凄すぎですね。登場キャラが全員主人公クラスなんですよ。憧れます。

 【ToLOVEる】と【バキ】は本当にどちらも凄く男らしい男子向けの作品で、本作も影響を受けています。

──今現在注目している作家・作品は?

 【バキ道】【あやかしトライアングル】【ワンピース】【終末のワルキューレ】【ドリフターズ】。

 映画をやる【ドラゴンボール】。

 そして【ウマ娘プリティダービー】! ステイゴールド来い! ステイゴールド産駒来い!

 影響を受けた人に続いてラノベ外ですが、私がラノベ作家なので意図的に避けている部分はあります。

 神・手塚治虫超先生は映画的手法、面白さを漫画に持ち込まれましたが、私も映画、アニメ、漫画、ドラマから受けた影響をラノベで発揮したいです。

 とは言いつつ、担当さんとの電話打ち合わせでは【境界線上のホライゾン】について語ってしまいました。

 川上稔先生、作家業25周年おめでとうございます。

 本作も影響を受けています。

 教室メンバー達が主人公。先生最強。教室にモブキャラがいない。偉人を模した存在。とか。

 クラスみんなでホライゾンを助けに行くシーンとか、最初サブキャラだと思われた点蔵がメインの新章とか好きです。

──その他に今熱中しているものはありますか?

 究極のキャラクター作り。ラノベそのものが趣味みたいなものなので。

 24時間365日ラノベ創作漬けでそれ以外のことはあんまりしていないような気がします。

──最近熱中しているゲームはありますか?

 1997年7月に発売されたキーホルダーゲームのデジタルモンスターのバージョン1~3を25年間プレイしています。

 バージョン4以降も欲しかったのですが当時小学生の私は諸事情で買えませんでした。今でも残念です。

 最近バージョン1のボタンが壊れてきて遊びにくいです。

 バンダイ様、25年間連打したボタンを直す方法はありますか?

──それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。

 読者に勇気と元気を持ってもらえるように描きました。

 すべての少年と元少年の皆様。

 友情努力勝利の王道バトルストーリー、ぜひお楽しみください!

 そして読んだら貴方もラノベを書いてみませんか?

 ラノベは読むのも楽しいですが書くのも楽しいですよ。

 本作よりも面白い作品を書いて業界を盛り上げてください。

 ラノベはオワコンですか? 少ないパイを大勢の作家で奪い合っていますか?

 私はそうは思いません。

 週刊少年ジャンプ黄金期、不朽の名作がズラリと並んだ結果、パイを食い合うどころか業界は大いに盛り上がりパイ投げ大会状態でした。

 ラノベも名作をズラリと並べ、人気漫画、アニメ、ゲームの原作がラノベばかりとなればラノベは再評価されるでしょう。

 ラノベ作家は漫画家と違い絵を描かなくていい、ゲームクリエイターと違ってゲーム性を考えなくていい、物語だけに注力できるんです。

 なので最高の物語を作れるはずです。

 それは今これを読んでいる貴方かもしれません。

 だからその前にまず、本作を読んでね。

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