【ウマ娘が1.8倍楽しくなるお話 25】コラム1周年。もう一度勝負服のスゴイところを見てみたお話

柿ヶ瀬
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 柿ヶ瀬です。このコラムの連載が始まってから、今回で大体1年が経ちました(第1回が昨年の4月14日)。

 今回が25回目なので、大体月2回くらいのペースで連載している計算になります。このコラムがいつまで続くかはわかりませんが、これからも『ウマ娘』も、それから現実の競馬も、コラムを通じて楽しんでもらえればありがたいですね。

 さて今回は、第1回のコラムから1年ということで、第1回で取り上げた勝負服の話を再びしてみようかなと思います。

 ウマ娘のキャラクターデザインを見るうえでもっともわかりやすく実馬との比較がしやすいのが勝負服。どういったところがウマ娘に反映されているのかをお話していきましょう。実馬の勝負服については各自で検索などしていただけると助かります。

キングヘイローの白丸

 みんな大好きキングです。実馬の勝負服で目立つのはやはり緑地や青袖に大きく描かれる白い大きな丸。勝負服においては玉霰(たまあられ)と呼ばれるこの白丸は、勝負服だけでなく緑のメンコにもついていて、キングヘイローのトレードマークでもありました。

 そんな特徴的なトレードマークが『ウマ娘』の勝負服でどうなったか、ご覧になればおわかりでしょう。玉霰の白丸はワンピースのダブルボタンというデザインに姿を変えつつも、その存在感をしっかりと主張しています。ちなみにワンピースの裾や、グローブ、耳飾りのリボンなどいろんなところに配置されています。キングヘイローと言えば、いかにこの白い玉霰が印象に残っているかを形にした、意図のわかりやすいデザインではないでしょうか。

 他にも首のところには実馬もしていた緑色のシャドーロールがアクセサリーとして。さらに細かいところでは、スカートのところにある2本のベルト。ここの根本に、KとHのマークがありますね。言うまでもなくキングヘイローのイニシャルです。ここには気付かない人も多かったのでは?

カレンチャンの縦縞

 筆者の主観なんですが、全ウマ娘の中で、その勝負服が現実の勝負服と一番近いのってカレンチャンなんじゃないかなって思っています。検索していただければわかるのですが、もうほぼそのままです。キャラクターとしてのカレンチャンとはちょっと勝負服のイメージが違うような? って思った方も、実際の勝負服を見れば納得いただけるでしょうというものです。

 以前このコラムでも紹介したカレンチャンの鈴木隆司オーナーによれば、勝負服は阪神タイガースとイタリアのサッカーチーム(恐らくユヴェントスFC)をモチーフにしたとのことです。どちらも白と黒の縦縞ユニフォームがイメージされますよね。今後『ウマ娘』に野球やサッカーのイベントがあったらワンチャンス……? いや、野球(しかも阪神っぽい)が好きなのは他にいるか……。ともあれ、そんなモチーフからこの勝負服は生まれたようです。白黒以外にも赤色が好きなので、袖に赤がついたとも。

 そんな中で、ウマ娘のカレンチャンの勝負服に再び注目していただきたいのは、おなかのところ。ここに描かれた模様なのですが、これは完全に同じではないものの、カレンチャンのつけていたメンコに描かれていたマークとよく似ていて、恐らくそのメンコのマークを意識してデザインされたものではないかと想像できます。

 このメンコのマークは、カレンチャンが所属していた安田隆行厩舎のシンボルマーク。調教師の中にはこのように自厩舎のシンボルマーク……もしくはエンブレムというかロゴというか。とにかくそのようなものを使っている厩舎が結構あるので、実際の競馬を見る時に注目してみてはいかがでしょう。

 筆者は現在は引退されている山内研二厩舎のピンクメンコに緑の家紋(三つ柏という山内家の家紋だそうです)が印象に強いです。ダンツシアトルとかチアズグレイスあたりどうですかね。

シンコウウインディの黒

 シンコウウインディはまだ育成実装もされていなければ、レースでの勝負服も実装されていません。原案という形ではデザインされていますが、原案から勝負服が変わってしまうことも多く、なんとも言えません。ではなぜここでシンコウウインディの話をするかというと、ある意味でウマ娘で一番わかりやすい勝負服だからです。

 シンコウウインディなど、シンコウの冠名の勝負服は“黒”です。JRAでの表記で“黒”とされています。今回紹介したキングヘイローの勝負服は“緑、青袖、白玉霰”、カレンチャンの勝負服は“黒、白縦縞、袖赤一本輪”と、服の色、服の模様、袖の色と模様で説明されるのですが、シンコウウインディの勝負服は“黒”の一言のみ。検索してもらえればわかりますが、要するに服も袖も完全に黒一色なのです。

 原案でのシンコウウインディのデザインは、ワイシャツにネクタイ、その上に黒いジャンパーとミニスカート。そこにリュック……を背負っているのかな? そして小さな獅子舞のようなものが肩に乗っている。これはご存知の通り、シンコウウインディの実馬にもあった噛みつきグセを表現しているのでしょう。

 パッと見て獅子舞以外は登校中の女子校生に見えなくもないですが、黒一色からのデザインとしては「なるほど」と思えるものでもあります。とは言え原案の勝負服はゲームの勝負服になるにあたり変更されていることも多く、特に制服モチーフのものは結構な割合で変更されています。例えばゴールドシチーやトーセンジョーダン、育成実装はされてませんがレースでの実装はされてるゼンノロブロイなんかもそうですね。

 実装された時に勝負服がどうなっているかはわかりませんが、もしも変わっていた場合に、黒一色というあまりにもシンプルな勝負服から、どのようなデザインが出てくるのかをもう一度見てみたい思いもあります。あるいはシンコウウインディだけではなく、シンコウと言えばでウインディよりも先に出てきそうなシンコウラブリイなんかがウマ娘にならないか、なったら再び黒一色からどのような勝負服に仕上げてくるのか。そういう妄想もついついしてしまうのです。

メジロ家の皆さん

 エイプリルフールではなんと『メジロ讃歌』という歌まで作られてしまったメジロ家です。メジロラモーヌ、出るかと思ったけどいませんでしたね。

 ともあれ現在『ウマ娘』に登場するメジロのウマ娘は6人。マックイーン、ライアン、パーマー、アルダン、ドーベル、ブライト。いやあ増えましたねえ。『ウマ娘』に登場するメジロの馬たちは、馬主名義がメジロ牧場とメジロ商事という2つの名義があります。

 マックイーンとドーベルはメジロ商事、ライアン、パーマー、アルダン、ブライトがメジロ牧場です。その名義の使いわけはいろいろと説がありますが、実際のところ時代によってパターンがまちまちだったりもするので確実にこうです、ということは言い切れません。

 勝負服はどちらも白と緑が基調ですが、メジロ商事が“白、緑一本輪、緑袖”で、メジロ牧場が“白、緑一本輪、袖緑縦縞”ということで、袖が縦縞になっているかいないかという差です。

 勝負服を見ればこの差は割とよく見えて、マックイーンとドーベルのメジロ商事組には確かに袖に縦縞要素がありません。ただしマックイーンはインナーが斜めに縞模様となっていて、ちょっとメジロ牧場っぽさもあります。また本来の勝負服は黒基調になっているので、いわゆる衣装違いの通称・白マックのほうがメジロ商事の勝負服っぽく見えてしまうちょっと不思議な状態になっています。

 マックイーンがなぜ黒基調なのかについては確実なことは言えませんが、若い頃は芦毛だけど黒かったからかなあ、という想像もちょっと頭をよぎります。菊花賞くらいのマックイーンはホントに黒かったですからね。

 一方メジロ牧場組では特にライアンとブライトが袖の縦縞がハッキリとデザインされ、パーマーやアルダンもしっかりと縞々ではありませんが、袖に緑の筋が入っています。アルダンも黒基調の勝負服ですが、これは以前コラムでお話したように、髪色でガラスの脚を表現したため、黒鹿毛を勝負服のほうで描写したのではないか……という筆者の想像を挟んでおきます。

 ただ1つだけメジロ家で筆者が言っておきたいことがあるのです。

 それはこのコラムでお馴染み2017年に行われた“ウマ娘キャラクター予想クイズ”。キャラクターナンバー10として出てきたボーイッシュなウマ娘……さてこれは誰だろう? と思って見てみると彼女の勝負服の胸のところにはデカデカと“Ryan”の文字が! 「おい! 答えを書くんじゃない!」と思ったのは筆者だけではなかったのではないでしょうか。そんな昔の笑い話を紹介して、今回の勝負服話はお開きにしようかと思います。

 また次回もこういった“楽しみ方”を提示していければと思いますのでお時間ありましたらぜひご一読いただきたければ幸いです!

 それではまた!


“まとめページ”でこのコラムをチェック!

 連載コラム“ウマ娘が1.8倍楽しくなるお話”のまとめページはこちらです。過去に掲載してきたコラムをここで一気に読むことができます。いろいろな驚きや発見があると思いますので、ぜひチェックしてくださいね!!


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