コンパクトで破格のパフォーマンス! 2つの顔を持つASUSゲーミングノートPCの実力を徹底検証

後藤宏
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 ゲーミングノートPCというと、放熱処理の問題があり、17型クラスの大型モデルが主流。特に15型未満のクラスになると、ビジネス向けばかりで“持ち歩ける”のゲーミングPCは、ごくわずかです。

 今回、レビューする『ROG Flow Z13』は、13.4型サイズのコンパクトな本体ながらも、グラフィック処理(GPU)にGeForce RTXシリーズを採用し、持ち歩きが現実的に可能なゲーミングノートPC。しかも、オプションとして外付けGPUユニットが用意され、追加することでグラフィック処理性能を大幅に強化できます。ゲーマーならば、その実力が気になるところです。

 本レビューでは、ゲームのベンチマークモードでパフォーマンスをチェック。本体のみで利用した場合に加えて、外付けGPUユニットを接続した場合もテスト。『ROG Flow Z13』の実力を検証していきます。

 ベンチマークテストを開始する前に、まずは本体のスペックを確認していきましょう。本体サイズは幅302mm、奥行き204mmで、高さが14.5mm。A4サイズで少し厚めのノートという印象です。基本スペックはは、CPUにCore i9-12900Hを採用し、メモリーは16GB(DDR5)搭載。ストレージには、1TBのSSD(PCI Express 4.0)と、ハイエンドなゲーミングノートPC並みの充実ぶりです。

 また、13.4型のディスプレイは、解像度が1920×1200ドット表示で、リフレッシュレートは120Hzまで対応。タッチ操作にも対応し、パズルゲームなどはタッチ操作で快適にプレイできるでしょう。

 一方で、キーボードはディスプレイのカバーとしての機能も備えたモデル。強くタイプすると、キーボードがたわむため“本気”でゲームするには不向きです。ゲームをプレイする際は、ゲームパッドなどを用意しておきたいところです。

  • ▲厚さ14.5mmのスリム設計ながらも、Core i9-12900HやGeForce RTX 3050 Ti Laptopなど、モバイルPCらしからぬハイエンドなスペックを実現。高性能なタブレットPCとしても使えます。なおキーボードは脱着可能です。
  • ▲本体のインターフェイスは、右側面のUSB2.0(Type-A)1基に加えて、左側面に外部ディスプレイの接続にも使えるThunderbolt 4も(Type-C)1基搭載。ゲーミングディスプレイの拡張も可能です。
  • ▲本製品のパフォーマンスを調整したり、システムの状況を確認したりできるユーティリティを用意。プリセットを選ぶことで、CPUやGPUのパフォーマンスを目的に合わせて、手軽にチューニングできます。

 本製品の特徴として見逃せないのが、オプションで外付けGPUユニットが用意されている点。モバイルPCには搭載が難しいハイパフォーマンスなGPUを搭載しており、グラフィック性能を大幅に強化できるスグレモノです。A5の書籍程度の大きさで、持ち運びも可能。なお、今回試用したのは昨年リリースされているGeForce RTX 3070 Laptopを搭載した『ROG XG Mobile GC31』です。5月末には、Radeon RX 6850M XTを搭載した新モデル『ROG XG Mobile GC32L』が登場する予定。

  • ▲A5サイズのコンパクトなボディに、GeForce RTX 3070 Laptopを搭載した外付けGPUユニット。『ROG Flow Z13』に接続することで、グラフィック処理をゲーミングPC並みに強化します。
  • ▲GPUを搭載しているだけでなく、多彩なインターフェイスも装備。DisplayPortやHDMIのほか、1000BASE-T対応の有線LANも搭載しており、安定した高速通信も確保できるので、オンライン対戦なども存分にプレイできます。

GeForce RTX 3050 Ti Laptop搭載の
本体のパフォーマンスを検証!

 まずは、本体のみの状態でベンチマークテストを実行してみます。『ROG Flow Z13』は、GPUに、Intel社のIris Xe GraphicsとNVIDIA社のGeForce RTX 3050 Ti Laptopの2種類を搭載していますが、ここではRTX 3050 Ti Laptopでテスト。また、ユーティリティソフトは標準設定の“パフォーマンス”を使用しています。

 今回は、3D形式のアクションゲーム『シャドウ オブ ザトゥームレイダー ディフィニティブエディション』にしました。テストは、ディスプレイ設定の“NVIDIA RTX DSLL”項目をオンにして、グラフィック設定で最高品質を選んだあと“レイトレースシャドウクオリティ”項目を最高に設定。GeForce RTXシリーズの特徴でもある“DLSS”と“レイトレーシング”を効かせた状態で実行してみました。

  • ▲『ROG Flow Z13』のテスト結果は、レンダリングフレーム数が5302で、平均フレームレートが34。スクロールやキャラの動きにカクツキが感じられ、負荷の高いシーンではコマ落ちのような引っ掛かりが発生することもありました。

外付けGPUユニット接続した
真の実力をチェック!

 今度は『ROG Flow Z13』に『ROG XG Mobile GC31』を接続して、再度、ベンチマークテストを実行。本製品の真の実力をチェックしていきます。

 テストは、本体のみの場合と同様の条件で『シャドウ オブ ザトゥームレイダー ディフィニティブエディション』で実行。もちろん、ユーティリティソフトの設定も“パフォーマンス”で変更はありません。

  • ▲さっそく『シャドウ オブ ザトゥームレイダー ディフィニティブエディション』をテスト。結果はレンダリングフレーム数が12269、平均フレームレートは78で、本体のみの場合にくらべ、2倍以上のパフォーマンスを記録。負荷の少ないシーンでは、スクロールやキャラクターの動きも滑らかで、快適にプレイできます。

 検証してみると、本製品に『ROG XG Mobile GC31』を追加すれば、レイトレーシングなどの負荷の高いグラフィック処理を効かせていても快適にゲームをプレイできることが確認できました。

 『シャドウ オブ ザトゥームレイダー ディフィニティブエディション』のベンチマークモードで、本製品の実力を検証してきました。本体のみの場合、レイトレーシング処理を効かせるなど、高画質に設定するとパフォーマンス不足気味ですが『ROG XG Mobile GC31』と合わせて利用することで、ミドルクラスのゲームを快適にプレイできるでしょう。

 なお、本製品は13.4型サイズのコンパクトサイズながらGeForce RTXを搭載しており、モバイルPCとしては、破格のパフォーマンスを備えています。ゲーム利用だけでなく、映像制作や3DCGのデザインといった作業もこなしたいユーザーにもオススメしたい逸品です。

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