アニメ『エスタブライフ』3話後半の感想。共産主義からの脱出を目指した青年は…【電撃春アニメ×ゲーム】

　現在、フジテレビ“＋Ultra”ほか各局で放送中のTVアニメ『エスタブライフ グレイトエスケープ』。その第3話の感想をお届けします。本作はFODで1話が無料公開されており、2話以降も独占先行公開中です。

　前回の記事では、資本主義と共産主義の対比をテーマに描く第3話の前半の感想をお届けしました。

　続くこの記事では、3話後半を視聴した感想をお届けします。後半部分に触れるということで、ネタバレに繋がる要素を含むことをご了承ください。

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　……と、本格的にレビューに入る前にお知らせを。電撃オンラインでは“電撃春アニメ×ゲーム”を展開中です。この記事もその企画の一環として、Twitterでのプレゼントキャンペーンを実施中ですので、ぜひご参加ください。

『エスタブライフ』とは？

　『エスタブライフ』は『コード・ギアス』などを代表作とする谷口悟朗さんのオリジナル企画。『エスタブライフ グレイトエスケープ』はそのアニメにあたる作品で、他にも、スマートフォンゲーム・映画とマルチに展開予定となっています。　

　他にも、監督には『ご注文はうさぎですか？』の橋本裕之さん、シリーズ構成・脚本には小説『フルメタル・パニック！』の作者・賀東招二さんなど、著名なスタッフ陣が集合しており、見ごたえのあるストーリー展開や演出が楽しめる作品です。

　舞台は、壁に囲まれた“クラスタ”と呼ばれる街で構成された遠い未来の東京。厳格な社会統制が行われる中、主人公のエクアたちは“逃がし屋”という裏仕事に就いており、「現状から脱出したい」と考える人々の脱出を手助けしていく――という物語です。

　さまざまな妨害を乗り越えて依頼人たちを逃がす彼女たちの仕事ぶりは、コミカルでありながら派手なアクションで描かれており、爽快感を味わえる作品となっています。

　また、各エピソードには現実社会に重ねられるテーマがあります。ただのアクションアニメではなく、我々の社会構造を改めて向き合うきっかけにもなる深い内容であるところも、本作の注目ポイントです。

拘束されたエクアの運命はいかに!?

　3話の前半にて、ミハイルたちの脱出を手助けするため、共産主義の東池袋に潜入した“逃がし屋”のメンバー。

　ところが、その作戦は彼の友人である秘密警察のミールペンにバレてしまい、エクアたちは包囲されてしまうのでした。

　エクアのとっさの判断で、フェレスたちは逃走に成功しますが、その代わりにエクアはミールペンに拘束されてしまいます。

　ミールペンが彼女たちの計画に勘づいたのは、日頃ミハイルから自分たちの不自由さについて聞かされていたからとのこと。その後、ミハイルとミールペンが2人きりで話すシーンでは、彼らの決別が描かれています。

　前編のレビューでも触れましたが、ミハイルを縛る立場にあるミールペンも、行動の根底にはミハイルに今のまま豊かな生活を送ってほしいという思いがあるはず。

　最後に「もう友人ではない」と告げるミールペンの後ろ姿に、どこか寂しそうな空気を感じたのは筆者だけではないはず。ミハイルも、彼を信用していたからこそ、現状に対する自分の本心を伝えていたのでしょう。

　お互いに相手を想う気持ちはまだ残っていたにも関わらず、2人の関係は残念ながら決別という着地点を迎えてしまうのでした。

危機一髪の脱出劇＆そして深まる謎がひとつ

　逃げ伸びた“逃がし屋”のメンバーは、エクアの救出、およびミハイルたちの亡命計画の続行を目指します。救出シーンでは、普段はエクアに冷たいフェレスが誰よりも必死に助けようとしているところがとてもよかったです。普段はツンとしているキャラクターが本心を魅せるシーンは、どうしてこうも胸にグッとくるのでしょうか……？　回を重ねるごとに、筆者の中でフェレス愛が高まっていることを実感しています。

　そして、マルテースがスライム化したあとには全裸になってしまうのもお決まりの展開。周りの面々は何事もなかったかのように平然としていますが、まだ3話の筆者としては毎回少しドキッとしていまいますね……。

　そして、この救出劇では本作の大きな謎の片鱗に触れることになります。それは、エクアの正体についてです。

　拘束された際に、さまざまな検査を受けたエクア。そこで、彼女の秘密の一端らしき部分が明かされます。そのことについてミールペンに問い詰められますが、本当に知らないのかとぼけているのか……その追及をかわします。これは気になりますね。

　拘束から抜けだしたエクアは、そのままミハイルたちと東池袋からの脱出を行うのですが、その際に1日に数回しか開かない踏切の開く瞬間を狙う方法を取ります。

　彼女はそこで、踏切が開くタイミングをピッタリと予測して、強引に突破しても列車と事故にならないことを確信しているような言葉を口にします。

　その後、これはどうやらエクアの力に由来するもののようだということがアルガのセリフからわかります。エクアが超ポジティブシンキングなのは性格上の問題だと思っていましたが、まさかそのような力が元になっているとは……。詳しくは本編を見てくださいね。

　1話完結の物語でありながら、その中で作品全体に繋がりそうな謎が少しずつ明らかになっていく構成。いずれ点と点がつながって線のようになっていくのでしょうか？　実に楽しみですね。

　今回の物語では、エクアの秘密について明かされたのはここまで。今後どのような秘密が明かされていくのか要注目です。

資本主義の世界で生きることになったミハイルたちのその後は……？

　当初の目標通り、共産主義の東池袋を脱出して、資本主義の西池袋に辿り着いたミハイルたち。

　その後は……やはり順風満帆とは行かなかった様子です。一流のバレエではなく、ステージでコミカルな芸を披露することになっていました。自由を手にした反面、個人の力で結果を出すことに予想以上に苦労をしているようです。

　自由を犠牲にそれなりの安定を得ていた共産主義での暮らし。自由はあっても個々の差が明確に出る資本主義での暮らし。結局のところ、どちらにもメリットとデメリットが存在しているということですね。

　共産主義で生まれ育ったミハイルは、初めて憧れの資本主義に来たことで、その違った苦労を身をもって知ることになるのでした。隣の芝生は青く見えるとは、まさしくこのことですね。

　親友との決別に、共産主義と資本主義の対比。そして、エクアにまつわる謎など、みっちりと内容が詰まった3話でした。

　ここまで情報が多いと、少しハイカロリーな物語に感じると思いきや、テンポの良く進んでいくので、引き込まれるように見てしまうのが本作ならでは。今回もアっという間に終わってしまった感じがあります。

　3話までを見たところ、毎回ちゃんと見どころがあり、1話ごとの「おもしろいアニメを見た！」という満足感は十分すぎるほど。勢いある脱出劇や、考えさせられる社会的なテーマ性、そして個人的に欠かせないフェレスの可愛らしい姿……。さまざまな要素が組み合わさることで、しっかりと見ごたえのある作品に仕上がっているなという感想です。

　というわけで3話まで見てみた感想をお届けしてきましたが、まだまだ追いつくことは可能。エピソードはサクッと見られる1話完結のものとなっていますので、まずはFODで1話をご覧になってみることをおススメします。そのまま地上波をご覧になってもいいでしょうし、「続きが気になる！」という人は、FODで12話まとめて見ることが可能です。

　その他、TVerやGYAO!でも最新話の見逃し配信を行っています。

　4話以降では、一体どんな内容になっていくのでしょうか？　またエクアの正体など、気になる謎もたくさんありますし、続けてみていきたいと思います！

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TVアニメ『エスタブライフ グレイトエスケープ』

【放送情報】
フジテレビ……毎週水曜日24:55～25:25
関西テレビ……毎週木曜日26:25～26:55
東海テレビ……毎週土曜日25:45～26:15
北海道文化放送……毎週日曜日25:10～25:40
テレビ西日本……毎週水曜日25:55～26:25
BSフジ……毎週水曜日24:00～24:30

【配信情報】
FODにて先行独占配信中（第1話無料配信中）
FOD ・ TVer ・ GYAO! にて毎週1週間限定無料見逃配信
毎週水曜日25:25より最新話配信

【スタッフ】
原案・クリエイティブ統括：谷口悟朗
監督：橋本裕之
原作：SSF
シリーズ構成・脚本：賀東招二
キャラクターデザイン原案：コザキユースケ
コンセプトアート：富安健一郎（INEI）
音楽：藤澤慶昌
企画・プロデュース：スロウカーブ
アニメーション制作：ポリゴン・ピクチュアズ

【出演声優】
エクア：嶺内ともみ
フェレス：高橋李依
マルテース：長縄まりあ
アルガ：速水奨
ウルラ：三木眞一郎

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