【電撃神ゲー特集】不朽の名作『The Last of Us』。今遊んでも決して色あせないジョエルとエリーの旅路

まさん
公開日時

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『The Last of Us』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
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 全ゲーマーに自信を持ってオススメする名作、いわゆる“神ゲー”タイトルを掲載する企画“電撃神ゲー特集”を展開中です。

 今回紹介するのは、SCE(現SIE)から2013年6月20日に発売された『The Last of Us(ラストオブアス)』です。

 なお画像はPS4『The Last of Us Remastered』のもの。

リマスター版とフルリメイク版を両方とも遊んでも損しない!

 世に「映画のようなゲーム」と言われるものはよくありますが、ノーティードッグ(Naughty Dog)が開発した『The Last of Us』は、まさに映画的なゲームと言っていいでしょう。映像表現から登場人物の繊細な心の機微、ゲームプレイとムービーの演出が違和感なく溶け込み、動かしているだけでも世界に引き込まれていく映画的な作りは、発売当時としても突出していました。

 オリジナル版はPS3用ソフトで発売されましたが、驚くほどに作り込まれたグラフィックに、廃墟を美しく彩る光の表現、パンデミックからのポストアポカリプスが訪れた終末の世界と、そこに生きる人々の人間模様を緻密に描いた脚本は感嘆のため息が出るほど。

 すべてが高いクオリティで成立した作品となっており、今の時代に遊んでも最新のゲームに勝るとも劣らない不朽の名作です。

  • ▲パンデミックが発生したシーンの息をのむ展開は、遊んですぐゲームの世界に感情移入してしまうほど。

 2022年9月2日には、PS5用のフルリメイク『The Last of Us Part I』が発売されますが、待ちきれない人はPS4版『The Last of Us Remastered』を遊んでも十分に楽しめるはず。人生に希望を見いだせなくなったオジサンと少女のバディ物としても、緊張感あふれるゾンビ物としても、じつによくできた素晴らしい作品です。

  • ▲PS5『The Last of Us Part I』

 ジャンルとしては、謎の寄生菌によって人々がインフェクテッド(感染者)になった世界で生き延びるというゾンビパニック物。ゾンビ物というと荒唐無稽に感じるかもしれませんが、我々がまさにパンデミックそのものを経験した現代から見ても、リアル感のある設定です。

 菌による寄生ということで、感染の始まりから感染者への対応、隔離などの描写も今の時代に見るからこそある種のリアリティが感じられます。

 舞台としての装置ではなく、リアル感のある“ゾンビ物”としての背景とパンデミックの発生描写があるからこそ、主人公のジョエルと一緒に旅を続ける少女エリーに感情移入できて、深い思い入れが生まれているのでしょう。

  • ▲熱を測るような機械で人をチェックし、寄生されている人は射殺されてしまう衝撃的なシーン。我々の現実は、もっと理性的に対処できる世界でよかったと思えます。

 崩壊した世界で、かつて生きていた人の存在を感じるフレーバー的なメモなどのテキスト。野生に帰ったペットたちの存在。壊れた日常の描写が丁寧かつ残酷で、崩壊した終末の世界を旅するゲームとしても非常に秀逸です。また、移り行く季節の経過が描かれていくことで、より崩壊した世界への思い入れと無常さを感じられます。


 ジョエルとエリーが理解を深めていくだけの時間の経過は物語としての説得力を生んでおり、過酷な旅を通して描かれるさまざまな出会いと別れも、自分の手で操作するからこそ心にくるものが……。旅の過程からいろいろと考えさせられるエンディングまで、遊び終えた時に心に残るものがあり、いい映画を見たような感慨を得られるでしょう。

 リマスター版以降はダウンロードコンテンツが収録されていてボリュームもありますが、とにかくメインストーリー部分の脚本と演出が素晴らしいです。エンディングまで文句なしに引き付けられ、重い感情や悲しみ、感動やちょっとしたシーンへの喜びが心に残り続けます。実際に遊んでみれば、本作がゾンビ物としてのホラー感よりも物語の面で高い評価を受けている理由がわかります。

 ジョエルとエリーの旅をずっと見守っていたくなりますし、とても怖い目にあってきたゲームのはずなのに、ラストが近づくにつれて寂しさすら感じるかもしれません。

生きている人間も感染者も手ごわい。一瞬も気が抜けない戦闘

 過酷な旅を通して描かれる絆や人間たちの物語もさることながら、ゲームとしてのバトルや探索も遊び応えがあります。ストーリーだけではなく、システムも完成度が高いからこその名作。時間の経過による体力の回復もなく、限られた物資や弾薬を節約しながら感染者や生存者たちと戦う生々しいバトルは、緊張感と興奮に満ちた体験です。

 敵の背後から近寄って締め落とし、多数の敵をどうやって隠れながらせん滅するか考える生存者との戦いは頭を使う楽しさも。正面から攻めると叶わない相手にステルスを駆使しながら、安全圏を目指して進む感染者との逃走劇は恐怖に満ちています。

 生きている人間も、感染して社会的には死んだ人間も、どちらも手ごわく恐ろしい。終末の世界でコミュニティも荒れ、感染者も生存者も敵として襲い掛かってくる世界観と、実際の難易度として手ごたえを感じるバランスがうまく絡み合っています。敵の絶妙な配置も光り、物語としての説得力はもちろん、単純に出来のいいアクションゲームとしても楽しい! 物語はもちろんですが、単純に“ゲームとしても”よくできています。

  • ▲言葉の通じない感染者も恐ろしいですが、集団で襲ってくる人間は別の恐ろしさがあります。緊張感と、うまく対処できた時の開放感がたまらないバトルです。
  • ▲ナイフや打撃武器がなければ、攻撃しても倒せないクリッカー。感染者は限られた物資を使わないと倒せないタフさが恐ろしく、どう切り抜けるかがカギに。

 強い力や武器で敵を蹂躙できるわけではなく、感染者に対して数で攻められれば危険ですし、人間相手でも苦戦は必至。アクションとしては難易度が高めですが、そこがやりごたえにも繋がっています。とはいえ、どうしても苦手な人はイージーにして遊ぶのもアリです。

 イージー以外はゲーム慣れした人向けの難易度ですし、本作は物語を最後まで見てほしいので、難しいと思うくらいなら難易度を下げちゃいましょう。

  • ▲つねに相手を全滅させる必要はなく、走り抜けて安全圏まで行けば助かる場面も。戦うか、やり過ごすか……リトライを繰り返しながら、判断していきましょう。

賛否両論の『PartII』は覚悟を持ってから遊ぶべき

 本作を語るうえで欠かせないのが続編の『The Last of Us Part II』。記事の最後に、本作を遊んだ後に続編を遊ぶべきかどうかを書いておきます。ネタバレは避けますが、人間同士の戦いが中心となる『Part II』は、今でも議論を呼ぶほどに賛否両論の作品となりました。

 私個人の感想を述べれば、まず間違いなく『The Last of Us』はオススメできるタイトルですし、続編もゲーム的なシステムや戦闘の進化が素晴らしく、遊んでほしいと言いきれればいいのですが……これが非常に難しい。

 はっきり言えば『The Last of Us』を遊んで思い入れが深すぎるくらい気に入った人にはショックが大きいので、手放しにはオススメできません。しかし、逆に深く思い入れを持った人こそ遊ぶべきと言える側面もあります。プレイヤーの心を揺さぶってくるという意味では、1作目以上に強烈でパンチが強い作品です。

  • ▲画像は『Part II』のもの。“復讐”や“赦し”がテーマで、成長したエリーの過酷な旅が描かれます。

 そうした賛否のある部分も含めて『The Last of Us Part II』も遊ぶ価値のある続編ですが、なにぶん衝撃があまりにも強いです。そのため、まずは1作目を遊んでくださいとだけ言っておきます。1作目がおもしろくて、覚悟をもったうえで心を殴られるような強いインパクトのあるストーリーを遊びたい……そんな人は、ぜひ『Part II』まで遊んでみてください。

©2014 Sony Interactive Entertainment America LLC. Created and developed by Naughty Dog, Inc.
©2020 Sony Interactive Entertainment LLC. Created and developed by Naughty Dog LLC.
©2022 Sony Interactive Entertainment LLC. Created and developed by Naughty Dog LLC. The Last of Us is a registered trademark of Sony Interactive Entertainment LLC and related companies in the U.S. and other countries.

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