低遅延×長時間バッテリーのワイヤレスイヤホン“HyperX Cloud MIX Bubs”はヘッドホンが苦手な人の救世主?

サンダー☆太郎
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 ヘッドセットやヘッドフォンは気になってどうも苦手、できればワイヤレスでゲームに耐えるイヤホンがほしい。そう考えたとき、遅延の存在が気になってしまうのがゲーマーです。では、そんなわがままに応えてくれる低遅延なワイヤレスイヤホンがあったら? 今回はHyperX Cloud MIX Bubsをチェックしてみます。

 HyperX Cloud MIX Bubsは、いわゆる完全ワイヤレスイヤホンになり、ゲーミングシーンを重視して開発されています。まず、イヤホン本体から見ていくと、直径12mmのダイナミックドライバーを備え、サンプリングレート/ビット解像度は48kHz/16bitです。カタログスペックでのバッテリーライフは約10時間。充電ケースも使えば最大33時間のバッテリーライフを確保でき、後述する低遅延USBアダプターと接続している場合は、最大6時間、充電ケース使用時は最大21時間になります。気が付いたら長時間遊んでしまうゲーマーには、本体だけで約10時間、もしくは約6時間のバッテリーライフは重要なポイントといえるでしょう。また音はHyperxシリーズいつものそつなくまとまっていて、やや低音が強め。ゲーム中の様々な音が聴きとりやすくなっています。声も同様で銃撃音や爆音が鳴っていても聞こえやすくありました。なお、重量は約11g。

 本体上部にはタッチセンサーがあり、そこで再生の一時停止や早送りなどの操作ができます。これはスマホとペアリングした場合に有効なもので、スマホ用アプリ「NGENUITY」で操作をカスタマイズできます。またWindowsやmacOSでもタッチセンサーで、音楽の再生や一時停止の操作は可能でした。詳しいドキュメントがなく、Windows向け専用アプリケーション「HyperX NGENUITY」にもカスタマイズ項目がないため、あまり気にしなくてもいいでしょう。

 最近のゲームシーンではマイクも欠かせません。マイクは無指向性になっており、TwitterのスペースやDiscordなどで試してみましたが、通話品質に問題はありませんでした。無指向性の場合、余計な音を拾いやすくなりますが、多くのゲーマーがDiscordを活用している背景を考えると、Discordのノイズリダクションに頼る仕様は正解といえるでしょう。

 先にスマホとのペアリングについて触れます。接続はBluetooth 5.2に対応しており、対応コーデックはSBC。対応プロファイルはHSP.TS、IPOT、A2DP、AVRCP、GAVDP、DID、HEP、HSPになっています。Androidは低遅延USBアダプターを使用できるため、気にしなくてもよい部分ですが、iPhoneの場合は、露骨な遅延が生じてしまいます。リズムゲームはまずムリなので、音楽やボイスチャット用に割り切るといいでしょう。

専用アダプターで実現するワイヤレス低遅延環境

 では、低遅延USBアダプターを見ていきましょう。USB Type-Cになっており、PCだけでなく、AndroidやNintendo スイッチやPS4、PS5に対応しています。充電ケース底面のUSB Type-Cポートにセットできるため、持ち歩きもしやすく、どこでも低遅延環境で遊びたいAndroidスマホゲーマーには良いアイテムといえるでしょう。ただ形状的にスマホにケースを装着していると、低遅延USBアダプターを接続できないため、ケースを見直すか、短めの延長ケーブルを用意する必要があります。もちろん、スマホ裸運用派ならば、そんな心配は不要ですが。

 計測向けのアプリなどで遅延を計測してみたところ、おおよそ20~30msでした。人は150msを超えると、途端に遅延がわかるようになるといわれています。逆にいえば、その手前まではまず分からないというわけです。実際にアクションゲームや格闘ゲームなどをプレイしてみましたが、遅延らしい遅延を感じることもなく、ワイヤードヘッドフォン感覚で遊べました。とはいえ、これは体感しないと分かりにくいものです。量販店などでデモ機を見つけたら、チェックしてみてください。

 また延長アダプターも付属しており、これにはワケがあります。低遅延USBアダプターを使用すると、HyperX Cloud MIX Bubsは2.4GHz帯で自動的に接続されますが、そのふたつのデバイス上に障害物があるとうまく通信できないことがあります。たとえば、ディスプレイを挟んで設置した場合、頻繁に音が途切れてしまいます。その回避策として延長アダプターが用意されており、ゲームをプレイする前に、見通しのいいところに低遅延USBアダプターを取り付けた延長アダプターを設置しておくといいでしょう。有効レンジは約20mまで確認できており、小型でもあるため、ディスプレイの上がオススメの設置ポイントです。なお、自動接続の優先度は低遅延USBアダプターが上です。そのため、スマホとHyperX Cloud MIX Bubsを接続中であっても、低遅延USBアダプターを接続したゲーミングPCを起動すると、自動的に低遅延USBアダプターに接続が変更されます。

 ちなみに、ドライバーはインストール不要ですが、DTS Headphone:XやイコライザーをWindows向け専用アプリケーション「HyperX NGENUITY(※)」から設定したい場合は、専用ドライバーのインストールが必要になります。専用ドライバーは「HyperX NGENUITY」を起動すると自動的にアナウンスされるため、ファームウェアアップデートなども兼ねて、購入したらまずは「HyperX NGENUITY」をインストールするといいでしょう。

専用アプリはWindowsとスマホ向けにアリ

 Windows向け専用アプリケーション「HyperX NGENUITY(※)」と機能を見てみましょう。同アプリケーションはMicrosoft Storeからダウンロードでき、主な機能はDTS Headphone:Xやイコライザーになります。DTS Headphone:Xはバーチャル3Dサラウンド機能で、よりどこから音が鳴っているのかわかりやすくなるというもの。左右はもちろんとして、斜め上や斜め下から鳴っているのもわかるため、ゲームや映画視聴向けといえる機能です。ただ真上や真下、真後ろは苦手で、ややズレた位置から音が鳴っていると感じる人が多いでしょう。

  • ▲「HyperX NGENUITY」。低遅延USBアダプターを使用していると、HyperX Cloud MIX Bubsを検出します。

 イコライザーは10バンドで、作成したプリセットはゲームごとに割り振れます。FPS系ゲームを指定しておけば、自動的にFPS向けに設定したプリセットに切り替わるといった具合です。複数のゲームジャンルをプレイしているのならばプリセット変更の手間が減る点は地味ながら大きなポイントではないでしょうか。

  • ▲Gamelinkからゲームクライアントを指定しておくと、ゲームの起動に合わせてプリセットが変更されます。

 スマホ向けは「NGENUITY」という名称で、主にタッチ操作の変更やファームウェアのバージョンアップに使用します。イコライザーもありますが、ふたつのプリセットが選べるだけでした。バッテリー残量も確認できるほか、やたら通知を出すようなアプリでもないため、とりあえず、インストールしておくといいでしょう。

  • ▲「NGENUITY」。
  • ▲タッチコントロールは細かく設定できます。

※Windows向け専用アプリケーション「HyperX NGENUITY」のイコライザー設定は、近日実装されるアップデートにてスマホ向け「NGENUITY」に統合される予定です。詳しくは公式サイトのアナウンスをお待ちください。

外でも自宅でも低遅延ライフ

 ワイヤレス=遅延があるというのは、徐々に当たり前ではなくなっています。HyperX Cloud MIX Bubsもそのひとつで、低遅延USBアダプターを用意することで遅延の問題をクリアしています。またバッテリーライフの長さもしっかりと確保されており、バッテリーを気にせず遊びたい人にもおすすめ。最近は、ゲーミングデバイスを展示する店舗も多くなっています。HyperX Cloud MIX Bubsを見かけたら、ぜひ低遅延を体験してみてください。

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