アサウラ先生がアダルティなシーンに挑戦! 『小説が書けないアイツに書かせる方法』について聞いてみた

電撃オンライン
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 電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。今回は、『小説が書けないアイツに書かせる方法』を執筆したアサウラ先生のインタビューを掲載します。

 本作は、『ベン・トー』で知られるアサウラ先生が贈る淫靡で情熱的なモノカキの物語。自らの性の悩み――勃起不全に対する悩みと家族、主にイケてる姉と従順な妹を描いた小説で新人賞を受賞した“月野シズク”こと、月岡零。

 男子高校生である彼は、周りに作家であることを隠して活動していましたが、デビュー作を超える次回作が思いつかず悩むことに。そんな彼の前に一之瀬琥珀と名乗る巨乳美女が現れます。そして「私の考えた小説を書かなければあなたが月野シズクであることをバラす」と脅迫されてしまうのですが……?

 アサウラ先生には、そんな本作が生まれた経緯や、執筆するうえで悩んだところなどを伺いました。本作で初めての試みもあるようですので、気になる人はインタビューをチェックしてくださいね!

──この作品を書いたキッカケを教えてください。

 話せば長くなるのですが……今は亡きLINE文庫で『サバゲにGO!』という作品の二代目担当をしてくださっていた宮さんとともに、また新作をやろう、となったことが切っ掛けですね。

 元々は『サバゲにGO!』に続いて、サバイバルゲームの話にしようと思っていました。「サバゲ好きの女の子に誘われて、新人作家の女の子がサバゲに行くも、帰りの車が壊れてしまって仕方なくラ●ホにて一泊したら弱みを握られてサバゲ小説を書かされる」という内容でした。

 しかしながら、担当の宮さんとのやりとりでなぜか今回のような形に。不思議な展開です。

──作品の特徴やセールスポイントを教えてください。

 今回初めて主題として取り組んだアダルティなシーンでしょうか。成功していることを祈ります。

 また、作家あるあるみたいな要素もたっぷりな作品なので、その点なども楽しんでいただけたらと思います。

──作品を書くうえで悩んだところは?

 実は、長編小説で戦闘シーンのない作品を書くのは今回が初めてで、勝手がわからずかなり苦労してしまいました。

──執筆にかかった期間はどれくらいですか?

 途中で年末年始を挟んだり、これ以前から継続していた他の仕事と、並行作業していた関係で半年以上たっぷりとかかってしまいました。正直これは良くなかったですね。

 頭を切り替えるためだけに無駄に時間がかかったりしてしまって、可能ならこの期間はこれだけ! っていう感じの仕事のやり方が、少なくとも私にはベストなので、今後少し考えてみたいと思います。

──執筆中のエピソードはありますか?

 先ほどの二つの質問が合体したような回答になってしまうのですが、やっぱり戦闘のない作品が初めてだったことに加え、そもそも戦闘のない作品自体をあまり嗜んで来なかったがために、本当に悩みました。

 ガンアクションものならその系統のものを映画なり何なりで見たりもするのですが、それ以外となると何を見て参考にしたらいいかもわからず、試行錯誤が続きましたね。

──本作の主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。

 執筆作業中、やっぱり人間ですから、どうしてもだらけてしまったりするものですが、そういう時に自分を監視というか、遊んでたら叱ってくれるような人がいてくれたらな、という感覚からスタートしました。

 筋トレやダイエットにおけるライザップみたいなものですね。そういう時に苦言を呈してくれるも、それが嫌じゃないようなキャラというのを意識しました。

──特にお気に入りのシーンはどこですか?

 ヒロインの琥珀と主人公とのやりとりですね。

 これまでの自分の作品とは違った会話のやりとりを意識してやってみたので、成功していることを祈っています。

──今後の予定について簡単に教えてください。

 小説とは別の仕事もあって、これからというか次に何をやるかが実はイマイチ決まり切っていない感じです。

 本当、最近いろいろとありすぎて……(大半は良い意味で)激流に飲まれているような感じで、具体的に今後の予定は明確に言えない状況です。

 これが掲載されるころには何か決まっているかもしれません。

──小説を書く時に、特にこだわっているところは?

 結末はスッキリ、爽やか笑顔で! ダークな作品でも、ダークなままで終わるより、気持ち良く終わりたい派ですので。映画とかだとまた少し違うんですけど、長編小説だと、そういう感じですね。哀しみや苦しみがあったとしても、笑顔で……っていう感じのが好きです。

──アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?

 サバイバルゲームや釣りなどの、家やPCから離れて行う遊びですね! いえ、これらをやるための言い訳とかではなく、本当に執筆作業以外の時間を作ることで、むしろ仕事のアイディア等々が出てくる感じです。

 特に、本作の中でも少し出てますが、モノカキなんて机とパソコンさえあればいつどこでだって作業ができてしまうので、抱えている仕事が多いとよっぽど要領が良い人じゃないと、常に追われている感じがして、ついつい作業してしまいがちです。それが悪いことではないのですが、アイディアを出す、集中力を……となると、それが悪い方向に働くことが多々あるように感じます。

 アウトドアの趣味を行うことで、強制的に長時間仕事が絶対にできない環境に身を置けるので、その時間で新しい何かを得ることができるように思います。まぁ、根本的に使う脳の部分がまったく違うので、休まるっていうことなのかもしれませんけども。

──学生時代に影響を受けた人物・作品は?

 幼少期はゴジラで育ち、その後、小学生の私の脳を完全にぶっ壊したというか覚醒させてくれた『銃夢』、そして中学時代に読んで虜になった弐瓶勉先生の作品も外せないです。昨年は念願叶って弐瓶先生の『シドニアの騎士』のノベライズもやらせていただきました。

 また小説関係でいうと、学生時代というくくりでいうなら、神林長平先生でしょうか。とにかく読みまくりました。他には押井守監督ですね。映像作品はもちろん、小説などの本も読ませて頂いています。

 また、別ジャンルですが、SEGAからは多くの大切なものを教わったと思います。

──今現在注目している作家・作品は?

 こちらのインタビューをしていただく直前に読んでいた関係もあるのですが、コミックの『左手のための二重奏』が今、最高にアツイですね! これは非常にいいものです。入りやすく、読みやすく、絵は華麗で、何より面白い。素晴らしい作品です。

──その他に今熱中しているものはありますか?

 無線式の骨伝導ヘッドホンを入手してから、スマホで芸人さんのラジオをradikoやラジオクラウドなどでよく聞くようになりましたね。元々お笑い芸人さん及び、バラエティ番組が好きだったので、このラジオがとても面白いです。

 また、今と言われるとアレですが、基本的にずっとエアガンとかには熱中しっぱなしではあります。あと、コロナ禍でないのなら、そろそろまた海外に銃を撃ちに行きたいところですが……。

──最近熱中しているゲームはありますか?

 今、というとちょっと難しいですね。最近ホントに忙しかったこともあって、やっているゲームのちょうど隙間というタイミングでして。

 ただ、10月には『メガドライブミニ2』に熱中する予定です。

──それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。

 単純なラブコメ……? いや、エロコメ的な作品として楽しむこともできますが、創作に興味がある人にとってはさらに面白いものになっているのではないかと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

さらに今月はアサウラ先生が執筆する『リコリス・リコイル Ordinary days』も発売!

 『小説が書けないアイツに書かせる方法』と同じく9月9日には、アサウラ先生が執筆する電撃文庫『リコリス・リコイル Ordinary days』も発売予定です。

 本作はアサウラ先生が原案を手掛けるオリジナルTVアニメ『リコリス・リコイル』で描かれなかった看板娘たちが織り成す、ありふれた非日常を描いた物語です。

 まるでオマケ付きお菓子のバラエティパックのような何でもありの詰め合わせ! そんなスピンオフ小説をお見逃しないように。

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『小説が書けないアイツに書かせる方法』

  • 発行:電撃文庫(KADOKAWA)
  • 発売日:2022年9月9日
  • ページ数:344ページ
  • 定価:737円(税込)


『リコリス・リコイル Ordinary days』

  • 発行:電撃文庫(KADOKAWA)
  • 発売日:2022年9月9日
  • ページ数:344ページ
  • 定価:737円(税込)

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