『劇場版 SAO プログレッシブ 冥き夕闇のスケルツォ』の見どころを松岡禎丞さんが語る。汗も滴る熱気の中で収録した戦闘シーンに注目!

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 映画『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ』が10月22日から公開されます。

 『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ-』は『ソードアート・オンライン』の《アインクラッド》編を新たに描いた小説『ソードアート・オンライン プログレッシブ』シリーズを映像化した作品です。2作目となる『冥き夕闇のスケルツォ』では、アニメシリーズで描かれていない第5層の物語が描かれます。

 この記事ではキリト役の松岡禎丞さんにインタビューをお届けします。本作でのキリトを演じる際に意識したことや、アフレコ中のエピソードなどをお聞きしました。劇場に足を運ぶ前にぜひご一読ください。

  • ▲松岡禎丞さん

注目は“アルゴ目線でのキリトとアスナの関係性”。そして汗がしたたるほどの熱気の中で収録した戦闘シーン

――前作『星なき夜のアリア』に続いて『冥き夕闇のスケルツォ』でキリトを演じられていかがでしたか?

 個人的には、前作の収録の時点で10年前に戻り方は確立できていたので、スケルツォは「どんとこい!」という感じでした。それでも、本作での監督の頑張り具合も聞いていたので、それに応えるとなれば大変なことになる予感はしていました。プログレッシブは「あのシーンがどう映像化されるのか」と『SAO』ファンとしても楽しみな作品です。

――アンクラッド攻略の時期のキリトと、物語が進んだ後の成長したキリトの演じわけは身についているわけですね。

 原作のほうでも間の時系列は補完できていましたし、前作からアフレコの期間もそこまで大きく空いてはいなかったので、今回のキリトもそのままの流れで演じられました。

 ただ、並行してゲームなどの収録も進行していて、ゲームの収録と映画のCMの収録を同日に行うこともあり、違う年齢のキリトを行ったり来たりして混乱しかけることはありました。僕は感覚をガラッと変えられるような器用な人間ではないので、そこが難しい部分でしたね。

――劇場版に本作に登場するキャラクターとの掛け合いで、新鮮さを感じる部分はありましたか?

 新鮮さはあまりなかったです。というのも、これまでにもゲームのほうではアルゴと掛け合うことはあったので、2人のやり取りも想像しやすかったです。ただ、出会って間もない最初の関係性をどう表現するのかは考えた部分ですね。冒頭の掛け合いのシーンとかは、一瞬どうしたら良いのか悩むこともありました。それでも、井澤さんのお芝居の力もあり、実際にやってみるとすぐに慣れることができました。

――アフレコで印象的なエピソードはありましたか?

 収録の合間のタイミングで、「ちょっと寒くない?」という声があがったので、空調の温度を調整したことがあったんです。ただ、次の収録は戦闘シーンで、しかも階層ボスを攻略する激しいシーンだったので、次の収録のタイミングで部屋が暑くなりそうな予感がしていまして……。

 予想通り、次のシーンのテストが始まったら一気に部屋の温度が上がりまして。僕はもう顎から汗が滴るような状態になって、ブース全体も蒸し暑くて……。その僕の様子を見たのか、テストが終わったタイミングで井澤さんがすぐに温度を下げに行ってくれたんです(笑)。僕が事前に言っておけばよかったのですが、気を遣わせてしまったなと……。

――やはり戦闘シーンの収録は物理的にも熱気がでるくらいの迫力があるんですね。

 すべての戦闘シーンがそうとは言えませんが、内容によってはそうですね。主に発熱源は僕かもしれませんが……。

――松岡さんから本作までのアスナを見た印象を改めてお伺いしたいです。

 前作『星なき夜のアリア』では、アスナがどういう日常を経てデスゲームに囚われてしまったのか、そしてどういう気持ちでデスゲームに立ち向かっていくのかが細かく描かれていました。以前から思っていましたが、アスナは気丈に振舞う節がありますよね。TVシリーズでも昼寝をしているキリトをしかる姿が印象的です。結局その後一緒に昼寝しちゃいましたが(笑)。前作で描かれたミトとの一件もあって、傷つきながらも前に進む、強い心をもった女性だなと感じますね。僕が同じ状況だったら、部屋から出られずに塞ぎこんでしまうだろうなと。

 それでも、実際のところは年相応の女の子で、誰もよりも頑張ってデスゲームを攻略しようと努力する一面をもっています。個人的にアスナに対しては、好きというよりも憧れに近い気持ちを感じています。

――キリトとアスナの関係性も、前作に比べて少し深まっているのでしょうか?

 前作と比べると、仲が深まっている様子が見られるシーンもありますね。前回はアスナに対しておどおどした面も見せたキリトでしたが、今回は意見も言いますし、不貞腐れたりもします。ただ、まだ友だちと言えるラインには至っていない印象です。

――アスナとの掛け合いで、本作の時系列だからこその関係性などは意識されましたか?

 劇場版はTVシリーズに至るまでの過程の物語なので、その頃よりもフランクになりすぎないことを意識しています。TVシリーズのころはもうすでに関係性ができているが故の会話をしていましたが『冥き夕闇のスケルツォ』の段階ではまだそこまでの関係性は構築できていない状態です。お互いのことは気になるけど、好きまではいかない。その線引きはしっかりしておこうと思っていました。

 アスナは性格上グイグイ来たりもしますが、それに対してキリトは受け止めず、引いて躱すような対応をしています。演じる際には、その関係性を先に進ませないように気を付けていました。

――アスナを演じる戸松さんのお芝居を見て、改めて受けた印象を教えてください。

 TVシリーズの最新のストーリーである《アリシゼーション》編では、もう大人の女性のような雰囲気ですし『SAO プログレッシブ』では年相応の女の子という感じです。戸松さんもその違いをうまく表現していると感じています。

――本作の注目ポイントを教えてください。

 見どころは全部と言いたいところですが、強いて挙げるなら“アルゴ目線でのキリトとアスナの関係性”ですね。本心では気にはなっている、初々しいようなヤキモキするような2人の関係が描かれるので、そこは注目して欲しいです。

 そして先ほども熱気がすごかったとお話しましたが、今回の階層ボスとの戦いはとんでもない熱量です。TVシリーズで描かれたスカルリーパーとの戦いと比べても遜色のないくらいの激戦だったと思います。PVにも出ていますが、ベータの情報とまったく違うボスになっていて、ボスをどう攻略するのかという部分は、見ていて鳥肌が立つようなシーンになっています。


――このインタビューを読んで、戦闘シーンへの期待が高まった読者も多いと思います。

 そうなっていたらうれしいです。本当に「こんな敵に勝てるわけがない!」と思ってしまうような相手なので……。その場にいる1人が欠ければ、即全滅に繋がってしまうかもしれません。そこで何かが起きます。ぜひその“何か”を劇場で確認してください。

 加えて戦闘シーンについてもうひとつ言うと、今作の戦闘シーンは立体感がありますので、そこもぜひ意識してご覧いただければと思います。

――また本作ではボスとの戦いだけでなく、人間同士の対立も描かれるとのことですが……。

 人間同士の戦いは、どちらかと言うと精神的な駆け引きに近いものがあります。濁した言い方をすると、とあるシーンでは、良太(逢坂良太さん)、裕介(小林裕介さん)、松岡の駆け引きが見られます。調べたらすぐにわかってしまいますが、キャラクターの名前は伏せておきます(笑)。

――他にもお気に入りのシーンはありますか?

 とあるシーンでアスナ、キリト、アルゴの3人でご飯を食べるのですが、そこは3人の関係性がよく見えるシーンですね。アルゴが自称お姉さんを名乗る通り、しっかり年上として振舞っている姿が見られます。ある意味、アルゴは作中における視聴者の代弁者のような存在なのかなと思いました。

――TVシリーズと劇場場で繋がりを感じられる部分はありますか?

 ジョーやキバオウなど、今までスポットが当たっていなかった人物に補完が入るので、新しい発見が楽しめると思います。今回は新キャラクターも登場しますが、彼ら彼女らがどういった経緯でボスとの戦いに参加することになったのか、という理由が明らかになります。

 その理由を聞くと、とてもスッキリするような、何かがつながったような感覚を楽しめるのではないかと思います。『プログレッシブ』のストーリーを知らない方は、キバオウたちがやっていることの重要性、背景に驚くのではないでしょうか。もちろん、TVシリーズを見ていない人も、劇場版から入ってTVシリーズを見ていただけるととても楽しめると思います。

――今年は『SAO』アニメシリーズ10周年の記念年ということでさまざまな催しが行われています。松岡さんの中で、これまで印象的だったイベントはありますか?

 どれも印象に残っているものばかりですが、特にお客さんとの一体感を感じられた“ソードアート・オンライン Sing All Overtures(※1)”は中でも印象的です。まさか、僕が実際に歌うことになるとは思いもしませんでしたね。

 あとは“SAO -エクスクロニクル-(※2)”ですね。最新技術のすごさを感じましたし、採算が見込めないような企画でもファンのみなさんのために開催するような熱意が伝わってくるイベントでした。実際に僕も行かせていただいて、ReoNaさんの歌を聴きながら4面でPVをみたら、今までの記憶がフラッシュバックするような感覚で、無意識に涙を流してしまいました。

 今年の11月に開催される“ソードアート・オンライン -フルダイブ- ”がどうなるのかは分かりませんが、気持ち的にはお客さんも一緒にフルダイブして、泣きながら笑って終われるようなイベントになったら嬉しいです。

※1:ソードアート・オンライン Sing All Overture……2015年に開催された『SAO』の世界を音楽と映像で再現したステージイベント
※2:SAO -エクスクロニクル-……2019年に『SAO』10周年を記念して秋葉原UDXで開催された体験型展示イベント

――最後に作品を楽しみにしているファンに向けてメッセージをお願いします。

 前作よりもパワーアップしてみなさまにお届けできる作品になっています。今回は前作よりも気楽に楽しめる、楽しさ、怖さ、不安のバランスが取れた物語です。それでも、見ていてゾッとするような感覚も味わえるので、ぜひ劇場でご覧になってその感覚を楽しんでもらいたいです。何度も見直して楽しめる作品なので、後々発売されるBlu-rayも手に取っていただければ嬉しいです。

――ありがとうございました。

『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ』

10月22日(土)より全国公開

【スタッフ】
原作・ストーリー原案:川原 礫(「電撃文庫」刊)
原作イラスト・キャラクターデザイン原案:abec
監督:河野亜矢子
キャラクターデザイン・総作画監督:戸谷賢都
アクションディレクター・モンスターデザイン:甲斐泰之
ボスモンスター・ステージデザイン:石垣 純哉
サブキャラクターデザイン:秋月 彩・渡邊敬介
プロップデザイン:東島久志
美術監督:伊藤友沙
美術設定:平澤晃弘
色彩設計:中野尚美
撮影監督:大島由貴
CGディレクター:織田健吾
モニターグラフィックス:宮原洋平・関 香織
編集:廣瀬清志
音楽:梶浦由記
音響監督:岩浪美和
音響効果:小山恭正
音響制作:ソニルード
プロデュース:EGG FIRM・ストレートエッジ
制作:A-1 Pictures
製作:SAO-P Project
配給:アニプレックス

【キャスト】
アスナ:戸松 遥
キリト:松岡禎丞
ミト:水瀬いのり
アルゴ:井澤詩織
エギル:安元洋貴
キバオウ:関 智一
リーテン:本渡 楓
シヴァタ:永野由祐
リンド:大塚剛央
ヤマタ:高橋伸也
ウルフギャング:阿座上洋平
ローバッカ:玉井勇輝
ナイジャン:関 幸司
ジョー :逢坂良太
モルテ:小林裕介


■『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』Blu-ray

©2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project

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