Level Infinite新作ゲーム『SYNCED(シンクド)』先行レビュー。バトル中に成長するローグライク要素が楽しい!

柏又
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 Level Infiniteよりサービス予定のWindowsソフト『SYNCED(シンクド)』。本作は、ナノマシンの暴走によって崩壊した世界を舞台とするTPS(三人称視点のシューターゲーム)です。プレイヤーはナノマシンが生み出した怪物、通称“ナノ”がうろつく危険地帯“メリディアン”で人類の生き残り“ランナー”となって戦いに挑みます。

 今回は12月10日から実施される本作のベータテストに先駆け、メディア関係者向けに行われたプレテストで体験できた内容をレポートします。

“シンクロ”で敵を使役してプレイヤーの力に変える独特のシステム

 本作の一番のポイントは、なんといっても敵であるナノを味方につけられることでしょう。ゲームにはPvP(対戦)とPvE(協力)の2モードがありますが、そのいずれにもナノは出現、シンクロによる使役ができます。

 群れのなかにいるちょっと強力な中ボス的存在のナノは、倒すか戦闘不能状態にすると近づいてシンクロ可能に。シンクロに成功すると自分のなかにナノを取り込み、自由に呼び出して戦わせることが可能となります。

 ナノは呼び出すと自由に戦ってくれますが、敵を指定して攻撃を集中させることもできます。また、ナノを取り込んだまま呼び出さない間は、銃をのぞき込む間シールドが展開されたり、移動中の銃の精度が向上するなどプレイヤーに有効な効果をもたらしてくれます。

 使役できるナノのタイプは、近接攻撃や偵察、防御特化など4種類から選択可能。これを取り込んでから呼び出して使うか、それとも取り込んだまま追加効果を活用するかの判断でプレイヤーの大きな幅が与えられているのが本作の魅力といえるでしょう。

 ちなみに筆者は“サプレッサー”と呼ばれる遠距離攻撃タイプのナノを使用。取り込んでいる間は移動中の射撃精度が上がる効果を活用して戦い、手数が不足していると感じたら呼び出して戦闘を手伝わせるプレイスタイルで戦っていました。 

マッチのなかで主人公を成長させていくのが楽しい!

 本作では、プレイ中に“レイディア”と呼ばれる物質を集めることでマッチ内限定で自身を強化可能です。PvPにせよPvEにせよ、ゲームが進むにつれて激化していくバトルに合わせて自身を強化していけるかが勝利への鍵となります。

 マップ内には、武器やアーマーを強化できる施設のほかに主人公にランダムで特殊能力を付与する“チャージ”と呼ばれる施設が存在。集めたレイディアを消費して利用できます。

 いずれの施設も利用するたびにレイディアの必要消費量が多くなっていくので、とくにチャージの利用は計画的に行ったほうがいいと感じました。チャージはマップのあちこちにあるのですが、ときにはレイディアを溜めて武器やアーマーの強化を優先したほうがいいなどプレイヤーの判断が問われるところですね。

 また、マップ内には武器が落ちていることも。主人公はプレイヤーレベルに応じて使用できる武器が増えていきますが、落ちている武器を拾えば高レベルでアンロックされるものももちろん使用可能です。なかにはパワーアップ済みの武器もあるので、持ち込んだ武器と交換したほうがいいこともありそうです。

 プレイするマッチごとに敵や相手プレイヤーに先んじてパワーアップを進めていくという、ちょっと戦略的な遊び方ができるあたりはおもしろいですね。

PvPとPvEで異なるカスタマイズ要素も見逃せない

 武器や能力をカスタムして行く要素は、オンラインモードのあるシューターゲームではおなじみのもの。本作では、PvPとPvEで2通りのカスタマイズが併用可能です。

 まず、本作独自の要素である“ランナーMOD”の存在。これは主人公に付与される特殊能力で最大4つ装備でき、内容はPvPとPvE用で異なります。PvE用のランナーMODには戦力の概念があり、4つのランナーMODの合計値がプレイヤーの戦力となります。

 PvEのミッションには推奨される戦力値が設定されていて、戦闘中は推奨値と主人公の戦力値に応じて与えるダメージなどが変化するシステムになっているようです。

 PvEのランナーMODは、ミッション中に敵を倒すと入手できます。装備しているMODにより戦力値の高いMODを消費して強化することも可能で、RPGのように主人公を強化していく楽しみもある感じですね。

 一方、PvP用のランナーMODはNPCがもつ任務と呼ばれるチャレンジを達成すると報酬として獲得できます。こちらのMODには戦力値が設定されていないのでプレイヤーの強さは戦闘中のパワーアップしだいということになりますね。

 なお、武器はメインとサブ、そして近接攻撃用の装備を各1つずつ持ち込めます。メイン武器は戦闘中に拾うことで2つまで装備が可能です。武器は使うほどレベルアップして使用できるアタッチメントや迷彩などがアンロックされるのでこちらもやり応えがありそうです。

PvP、PvEのいずれもがナノをまじえた大規模戦闘となる!

 プレテストでは、PvPモードの“ナーヴァ・ラッシュ”とPvEモードの“デッド・セクター”がプレイ可能でした。いずれのモードもクリア後にもらえるポイントが一定値になるたびに報酬の入った箱からランダムなアイテムを入手できる仕様が、繰り返しプレイするモチベーションにつながると感じました。

ナーヴァ・ラッシュは3人1組の4チームが1つのフィールドで争う

 PvPのナーヴァ・ラッシュは、プレイヤーが3人でチームを組み、4チームが敵同士として同じフィールドで争うカオスなバトルが特徴です。フィールドには敵キャラのナノも大量に配置されているので、ジャンル的に細かくいうとPvPvEということになりますね。

 ゲームの目的はナノマシンの暴走で生まれた副産物である資源“ナーヴァ”を集めること。ナーヴァは敵を倒しても入手できますが、戦闘中にやってくる採掘装置“ハーヴェスター”を妨害するのが大量獲得への近道です。

 もちろん、ほかのプレイヤーもハーヴェスターを狙ってくるので周辺は激しい戦場となります。そこでハーヴェスターがやってくる前にナノを倒してレイディアを集め、装備を強化して臨むのが相手チームを圧倒する秘訣となるわけです。

 マップはかなり広く、ナノも大量にいるため常に相手プレイヤーと向き合っているわけではないのが本作のPvPモードの特徴といえるでしょう。また、マップ内に敵対する4チームがいるため、相手と戦っている間もほかのチームが入れてくる横やりに注意しなければならない緊張感もたまりませんね。

複数のステージを攻略して最終ボスを倒す“デッド・セクター”

 PvEモードのデッド・セクターは、3つのセクター(ミッション)が存在していて、クリアするごとに次に挑戦できるシステムになっていました。各セクターは複数のステージに分かれていて、最終ステージにいるボスを撃破するのが目的です。

 たとえば最初のセクター“サージ掃討”では、マップ内にある“サージストーム”と呼ばれる危険地帯にいるナノを倒しつつ“サージ形成体”を発見、スキャンしてボスの居場所を探すというステージが2つ続いた後に発見したボスと戦うステージに続くという流れになっていました。

 サージ掃討は、マップはかなり広くてプレイヤーも自由に移動できるので、サージ形成体を発見するまであちこちを探索してレイディアを集めることになります。マップのなかには装備の入ったケースや隠し部屋などもあり、探索しがいがある感じでしたね。

 最終ボスは遠距離から波のように地面を盛り上げてくる攻撃と突進しての近接攻撃が強力でした。接近されると危険なので狙われた人が逃げてボスを引きつけつつ、周りの人が攻撃するとよさそうな感じでしたね。

 セクター2の“イロージョンの迷宮”は施設内の区画をひとつずつ攻略しつつボスの居場所を見つけ出すという内容。途中でボス的な敵が出現するなどセクター1とはまったく異なる趣の内容で飽きさせない作りになっているようでした。

 なお、いずれのセクターもプレイ中は“サージ濃度”というゲージがありプレイ時間に応じて増加。濃度が濃くなるほど敵の出現頻度が増していき、100%になると主人公の体力が徐々に減っていきます。探索は重要ですがほどほどにしないとクリアが厳しくなるという、興味深い要素だと思いました。

繰り返しじっくり遊べる期待の1本

 今回はプレテストということでしたが、PvPとPvEのどちらのモードもしっかりそろっていて報酬関係もバッチリ獲得できてなかなか楽しめました。ベータテストは5週間にわたって行われるとのことなので、じっくり体験できそうです。

 いわゆる運営タイプの作品なので、Bungieの『Destiny』やユービーアイソフトの『ディビジョン』シリーズなどが好きな人にはフックするのではないかと思います。個人的にはPvPとPvEがしっかり線引きされているあたりが好印象ですね。

 ベータテストは12月10日からとのことなので、動作するPCを持っている人は挑戦してみてはいかがでしょうか。

 Steamのストアページから事前ダウンロードができるので、早めにダウンロードしておきましょう。

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