【レビュー】『DbD』開発陣による『Meet Your Maker(ミート・ユア・メーカー)』を遊んだ感想は? 物資を奪い合うビルド&レイドゲーム【電撃インディー#392】

柏又
公開日時
最終更新

 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は『Dead by Daylight』の開発と運営で知られるBehaviour Interactiveの新作タイトル『Meet Your Maker』ベータ版のプレイレポートをお届けします。

 本作はPS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam)で発売予定ですが、2月6日から14日までWindows版のオープンベータテストが実施されます。その前知識としてチェックいただけると幸いです。ちなみに筆者はゲームパッドで遊んでいるので操作周りはゲームパッド前提となります。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

終末間近の世界を舞台にほかのプレイヤーと物資を奪い合うビルド&レイドゲーム

 ジャンルはビルド(建設)&レイド(襲撃)ゲーム。プレイヤーは、終末世界で人類を救う唯一の希望となった“キメラ”を成長させるため、荒野に残されたアウトポスト(前哨基地)を襲撃、ジェンマットと呼ばれる遺伝物質を集めます。

 一方でプレイヤーは荒野の廃墟に遺伝物質を生み出すアウトポストを建設、遺伝物質の抽出も行います。

 プレイヤーの建設した基地は、ほかのプレイヤーには攻略すべき対象として表示され、襲撃を受けます。ほかのプレイヤーの基地を攻略しつつ、ほかのプレイヤーが容易に攻略できないよう自身の基地の守りを固める、非対称の対戦が本作のポイントです。

 プレイヤーの数だけ攻略すべきステージが存在するため、少なくともステージをすべて遊びつくして飽きてしまう、ということはなさそうですね。

一発当たったら即死亡!? レイドでは罠と敵が待ち構える敵基地を一歩ずつ慎重に攻略する

 ゲームを始めるとプレイヤーは、まずほかのアウトポストを攻略するよう求められます。入口とジェンマットの間をハーベスタというキャラクターが行き来しているので後をつけて侵入、ジェンマットを回収してエリア外まで脱出したらクリアです。

 初期装備はRTで撃つ遠隔武器“ボルトランサー”とLTで振る近接武器“フューリーエッジ”、そしてRBで“ブラスト手榴弾”の3つ。このほか、Aボタンジャンプ(2度押しで2段ジャンプ可能)、LBでグラップリングフックを射出して、遠くの地形に捕まることができます。

 ただし、ボルトランサーは単発で弾は2発のみ。撃った弾を回収して再利用します。弓なりの弾道を描いて飛ぶので当てるのに結構なコツが必要です。フューリーエッジも一回振ると短時間のクールタイムが発生して連打はできません。

 そして重要なのは、主人公にはライフゲージがなくどんな攻撃でも当たれば即死亡ということ。ただし、やられても最初からリトライできますし、それまでに入手したアイテムはジェンマット以外手元に残ります。

 罠や敵の存在を確認しながら、一歩ずつ慎重に歩みを進めていく、緊張感のあるゲームプレイが本作の特徴です。マップによってプレイヤーの死角になりそうな場所に罠があったり、高所から敵が射撃したりと結構シビア。いわゆる“死にゲー”的なトライ&エラーのプレイが求められますね。リトライしても罠や敵の配置は変わらないので、場所を覚えつつ攻略していけばいずれはクリアできると思います。

 なお、クリアもしくは攻略をあきらめる際には、そのマップへの感想として“称賛”を4つのなかから送ることができます。

襲撃でやられた経験をもとに自身のアウトポストを作り上げる

 襲撃をある程度行うと、資源がたまって自身のアウトポストの建設が可能になります。アウトポストはジェンマットが埋まっている基地遺跡を取得し、その上に建設します。

 基地遺跡によって建設できるオブジェクトや罠、敵の数の上限(キャパ)が変化します。上限が大きいほどより多くの罠や敵を置いて高難度なアウトポストを建設できますが、設置された数に応じて自動的に難易度が3段階から判定されるシステムがあるので、作る難易度も考えて選びたいですね。

 基地建設は襲撃時とほぼ同じ操作方法で主人公を操作、ブロック単位でオブジェクトを積み上げて地形を作り、要所に罠や敵を配置していきます。

 筆者の個人的感想ですが、本作の建設はこのタイプのゲームとしては操作性がかなりよく、サクサク地形をエディットできるところがよかったですね。

 また、罠や敵にはMODで機能を追加可能。たとえばプレイヤーがジェンマットを獲得した帰り道で罠を有効にさせたり、倒して敵や罠が最後に自爆してプレイヤーを巻き込んだりなど、いろいろなことができます。

 ちなみに、この手のマップエディット機能付きのゲームにありがちな“どうすれば効果的な罠や敵配置にできるかわからない”問題が、事前に襲撃を繰り返しプレイしたことで解消されているところもゲームの遊ばせ方として非常によくできていると筆者は感じました。

 つまりは、襲撃の際に仕掛けられて困ったり、遊んでいて感心した罠や敵の配置を踏襲して自分のアウトポスト建設に役立てればいいわけですから。

ほかのプレイヤーの死にざまがわかるところもおもしろい!

 アウトポストを完成させたら、状態を“稼働中”に設定して建設を終えると、ほかのプレイヤーにマップが公開されて攻略可能となります。

 稼働中は経過時間に応じたジェンマットと経験値を獲得可能です。アウトポストは、普通に稼働させるのであればほかのプレイヤーに襲撃されても資源の損失はありません。

 アウトポストには稼働中に襲撃したプレイヤーと倒された数、受けた称賛などが記録されていきます。本作のユニークなポイントは、倒されたプレイヤーの場所と死因を記録し、建設モード中に確認できるところでしょうか。

 記録した場所を確認すれば、自分の仕掛けた罠や敵がどれだけしっかり機能したのかが、しっかりとわかるわけです。プレイヤーが倒れた場所では、いくらかの資源も手に入るのもおいしいですね。これを参考にアウトポストを手直しすることも可能です。

アウトポストをプレステージで進化させることも!

 アウトポストは埋蔵されたジェンマットを掘りつくすと稼働が終了します。稼働中に襲撃者を倒したり、アウトポストが称賛を受けると“プレステージポイント”が蓄積。充分なポイントがたまっていれば稼働終了後のアウトポストをプレステージして、再稼働が可能となります。

 アウトポストをプレステージするとプレイヤーに経験値が入るほか、そのアウトポストの建設上限もアップ。罠や敵を追加してより攻略が難しい場所にできます。ただし、やりすぎると襲撃先選択時の難易度カテゴリがアップするので注意したいところです。

 アウトポストをしっかり作ればそのリターンとして引き続き稼働ができる、プレイヤーとしてはうれしい仕様ですね。

獲得した資源で主人公の強化&カスタマイズも可能

 プレイヤーは襲撃時の罠や敵の撃破のほか、ジェンマットの獲得でキメラをレベルアップするなど、さまざまな方法で資源を獲得できます。これらの資源は主人公の装備やアウトポストに配置する罠や敵をアンロックするのに使用します。

 アンロックできる要素は、主人公やアウトポストを普通に強くさせるのではなく、プレイヤーの選べるバリエーションを増やす感じの内容が多いあたり、オンライン対戦ゲームを長く運営しているBehaviour Interactiveらしい感じがしました。

 たとえば主人公の武器は、種類によって破壊できるものが異なります。たとえば、初期のボルトランサーは、罠と敵、そして敵の身に着けるアーマーを破壊できます。プレイヤーのアンロックできるもうひとつの遠隔武器“ファルコンプラズマボウ”は、弾数が6発と大幅にアップしているかわりに、敵にしかダメージを与えられません。

 なので、どちらが強いというわけではなく敵と同時に罠もしっかり破壊しいのであればボルトランサー、敵が多めに出てくるならファルコンプラズマボウ、といった感じで使い分けることでプレイヤーの攻略の幅が広がるというアンロックにしているのが本作の特徴というわけなのです。

 本格的なベータテストはこれからですが、武器の切り替えやブラスト手榴弾などのテクノギアの組み合わせてさまざまな攻略方法が編み出されるでしょうし、罠のほうも配置だけではなくMODの組み合わせでもっと厳しいアウトポストが作り出させるのではないでしょうか。そんな期待が持てるカスタマイズ要素になっていると筆者は感じました。

死にゲー&ビルダー好きならハマる可能性あり!

 筆者がプレイできたのは数日程度の短い期間でしたが、かなり死にゲー寄りのアクションシューター要素、操作感が快適な建設要素と、かなりしっかり作られている印象をうけました。どちらのパートもフレンドとの2人協力プレイが可能とのことなので、どちらかが苦手な人はフレンドに手伝ってもらってもいいかもしれませんね。

 『Dead by Daylight』とはまったく異なるゲーム内容ですが、非対称対戦ゲームとしてコンテンツの生成と攻略のサイクルをしっかりと考えて作られているので、気になる人はベータテストの参加してみてはいかがでしょうか。


© 2021-2023 and BEHAVIOUR, MEET YOUR MAKER and other related trademarks and logos belong to Behaviour Interactive Inc. All rights reserved.

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら