『どうする家康』6話感想。命を懸けた親子愛に涙…迫力満点のアクション&感動の神回だった

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 毎週日曜20時からNHKで放送の大河ドラマ『どうする家康』。第6回“続・瀬名奪還作戦”のレビューをお届けします。

奇策“生け捕り作戦”を敢行! それにしても服部半蔵の“手裏剣スキル”が低すぎる…

 服部半蔵が頭領となって敢行された“瀬名奪還作戦”。前話では作戦が今川氏真サイドにバレてしまい、失敗に終わります。その後氏真は、「降伏しなければ瀬名たちを死罪にする」と元康に通達を送りました。愛する妻の命を救うための方法を一刻も早く見つけ出す必要があった元康に、本多正信はまたしても奇策を提案します。

 それは今川方国衆・鵜殿長照の“上ノ郷城”に攻め入り、鵜殿長照とその息子2人を生け捕りして、鵜殿家と関口家(瀬名の家族)を取り替えるというものでした。さらに正信は今川家に最も忠義が厚い鵜殿家を見限れば味方するものは誰もいなくなると予想。その場にいた半蔵は一度奪還作戦に失敗しているため、自信がない面持ちです。それでも頼れる家臣・石川数正は「僅かにでも望みがあるのならやりましょうぞ」と正信の策に従うよう促します。

 その時に元康は半蔵のもとに近づき、鬼気迫る表情で「やれ」とひと言。“瀬名を助けたい”という藁にも縋る思いが表情と発言に集約しており、ワンカットなのにも関わらず元康の並々ならぬ迫力が伝わってきました。とはいっても現段階では半蔵に不安しかありません…。

 半蔵が用意した戦力となる人材は相変わらず頼りない“寄せ集め集団”。そんなこともあろうかと正信は伊賀忍者の対局にある甲賀忍者にも声をかけており、甲賀衆を率いる伴与七郎たちも参加することに。甲賀衆と合流した後に正信は話し合いのためにその場を離れ、残された半蔵はおもむろに棒手裏剣を手にして的に目がけて投げるも大暴投。センスのかけらもない“手裏剣スキル”に「もしかして半蔵ってポンコツなのか!?」と思いましたが、どこか人間味があって親近感を感じたような気がします。

 そこで登場したのが“頼りない集団”の中にいた謎の女性。見本を見せるように棒手裏剣を的に投げ、立て続けに命中させます。さらには半蔵の右手に棒手裏剣を握らせ、謎の女性がガイドしながら一緒に投げると、見事に的の中央に的中。そんな彼女の正体は、忍者集団の長である大鼠の娘・女大鼠でした。頼りない集団の中で、唯一異質な雰囲気を放っているうえに男顔負けの実力…。筆者自身も、「彼女ならやってくれるかもしれない」という期待感が少しずつ芽生えてきます。

色仕掛けの誘惑、隠れ身の術、死んだふり… 華麗な忍術の連続に「かっこいい…」

 1度は上ノ郷城に攻め入るものの守りが厚く、撤退した元康勢。しかし、ここから華麗な忍術が発揮されていきます。

 夜になると、女大鼠が“色仕掛け”で見回りの兵をおびき出し、隙をついて攻撃。さらに土の中に“隠れ身の術”で潜んでいた仲間が加戦して見回り兵を撃退し、さらに見回り兵の衣類を剝ぎ取り、それを纏うことで城の中の潜入に成功します。

 徐々に城の中を制圧し、半蔵は城から石垣の下に向けて小さな鉄の塊のようなモノを投げると、それに反応した恐らく死んだふりをした服部一党たちが復活し、次々と城を目がけて登っていきます。

 まさに忍術を駆使したような戦い方は術中にハマり、目的であった長照の生け捕りも目の前に。しかし長照は自決し、女大鼠の機転の効いた行動によってギリギリのところで息子2人を捕獲。女大鼠らの忍者集団によって、氏真とギリギリ交渉できるほどの人質を捕らえることに成功しました。

 やはり作戦決行中に垣間見えた手裏剣や鎖を投げる様子は“ザ・忍者”という様子で、迫力があって自然と心躍るシーンが多かった印象です。また今まで厳しい表情だった女大鼠が戦後の食事シーンで、半蔵に屈託のない笑みを送る場面が。そのギャップにグッときた人は、かなり多かったはずです。

最後は親子愛に妥協した氏真…「打つなよ、打つなよ!」からの安堵感

 そして数正が代表となって氏真のもとに訪れ、瀬名たちと長照の息子との引き換えの交渉に。はじめは認めずに瀬名の子どもの死罪を進めようとする氏真でしたが、関口氏純と妻の巴が「孫と娘だけは助けてくれ」、「夫婦だけでも成敗すれば面目も保たれる」と説得し、受諾することを選ぶ氏真。

 泣きながら親たちの申し出を遮ろうとする瀬名にまったく動じない関口夫婦の必死な行動を見て、思わず涙腺が緩んでしまいます。また自らの命を犠牲にしてまで守りたい子と孫の命…2人の揺るぎない覚悟には迫力さえ感じました。

 最後には大きな川を挟んでお互いの兵が銃を構える中、そこに長照の息子と瀬名とその子どもたちが川の中を歩いていき、入れ違いで引き渡されることに。元康を憎んでいる氏真のことだから“裏切る可能性”は高いと思い、手に汗握りながら「そのまま無事に渡ってくれ!」と願っていると、最悪のケースには至らず、無事に瀬名たちは元康のもとに帰還。氏真にも“子を親の元に返すべき”という人の心は残っていたようです。

 終盤は親子愛や氏真の人情が垣間見え、忍術による迫力から打って変わって感動の展開に。第6話はコメディやアクション、ヒューマンドラマを一気に味わえたこともあり、観応え抜群の神回といっても過言ではないですね。

 次の第7話以降からは家康の3大ピンチである“一向一揆編”がスタート。元康はまたしても降りかかる災難をどう乗り越えていくのか、今後の展開からも目が離せません。

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