『どうする家康』8話感想。一向宗徒VS家康…あまりにも不甲斐ない家康にイライラが止まらない!?

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 毎週日曜20時からNHKで放送の大河ドラマ『どうする家康』。第8回“三河一揆でどうする!”のレビューをお届けします。

宗教に馴染みない筆者が感じる“結託していくシーンの生々しさ”

 前話で、強制的に一向宗徒が集まる本證寺から年貢の取り立てを始めた家康。しかし門徒によって徴収した米を奪い返されてしまい、家康はすぐさま使者を送って、米と一緒に反抗者を連れてくるように命令します。しかしその結果、さらに一向宗徒が武力で反抗したことにより、使者2名が命を落としてしまいました。

 一方、本證寺では住職である空誓上人が「わしらみんなの暮らしは、わしらみんなで守るんじゃ」と周りを鼓舞して、一向宗徒たちは家康に対抗することを決意。

 このときに千代が「進む者は往生極楽、引く者は無間地獄よ」と発言し、覚悟を決めた周りの者は歌を歌いながら陽気に踊り始めます。ドラマではあるものの、“宗教によって結託していく様子”がとてもリアルかつ異様な雰囲気で演出されており、宗教に馴染みがない筆者にとってインパクト抜群なシーンでした。

目も当てられない家康の“不甲斐なさ”にイライラ

 空誓の呼びかけによって、各地では一向宗徒による一揆が勃発。家康対一向宗徒の戦が余儀なくされましたが、寺との戦に不安を抱く瀬名は家康に対して「お寺の側に殿やみなの家来がついたら、いかがします?」と指摘しました。

 すぐに「バカを申すな、わが家来に寺の側につく者などあるはずがなかろう」と一蹴しますが、家臣から“城下の御家来衆が寺に向かっていく”との報告が入り、次々と仲間たちが家康のもとから離れていきます。見事なまでに家康の狙いが裏目となったため、正直筆者としては、家康の頼りなさに苛立ちを覚えました。

 さらにイライラが溜まったのは、本證寺と上宮寺、勝鬘寺を攻め入るための話し合いをしていたときのこと。本證寺を攻めることに対して家臣の夏目広次が異論を唱えた際、家康は大事な家臣であるにも関わらず「なんじゃ、夏目“のぶひろ”」と名前を間違えてしまいます。“ダメさ加減”が露骨に現れたため、いち視聴者として家康に対する不信感がさらに高まりました。ちなみに、この名前のミスは後に大きく響いていきます…。

裏切りに続く裏切り! 人間不信になる家康に同情してしまう…

 そうして一向宗徒との全面戦争が始まっていくのですが、かつての仲間と相対する場面が多いために、感情的な部分で苦戦を強いられる家康軍。その戦で夏目は“敵側についた仲間”を死なせてしまい、一向宗徒との戦をやめるよう家康に懇願するも却下されてしまいます。

 一揆をキッカケに周囲の領主も寝返り、泥沼の内戦状態になっていく三河国。そして、ついに夏目も苦渋の選択ではあったものの一向宗徒側についてしまい、それを知った石川数正は原因の1つとして「殿は夏目殿を軽んじられておりますから」「ちっとも名前を…」と指摘します。家康の“名前を間違える”という些細なミスが裏切りにつながったわけですが、確かに私が家臣の立場であれば納得の展開。むしろ夏目はよくここまでついてきてくれたな、と思います。

 苦戦が続く中、しびれを切らした家康は自ら戦に出向くことに。そうすれば、かつての家臣たちも戻ってくるという狙いでしたが、いざ蓋を開けてみれば、敵の銃弾を頭部に被弾する始末。実は家康の家臣である土屋長吉重治の罠であり、家康が銃で仕留められるよう促していました。

 倒れた家康は一向宗徒たちにとどめを刺されそうになりますが、裏切り行為に罪悪感を抱いていた長吉がとっさに覆いかぶさって身代わりに。結局、家康は仲間たちによって救出されて覚醒するも、長吉はかばった際の怪我で死去。死に際に長吉は家康へ“裏切者は身近に存在する”と忠告し、途端に家康は周辺にいる家臣も信じられなくなります。ここまで裏切り行為が続けば、さすがに人間不信になるのは無理もないですね。

 しかし一向宗徒と、戦いのプロである武士との勝負で苦戦を強いられているのは不思議な展開。裏で一向宗徒たちを操る“軍師”の存在を疑って、家康は服部半蔵を寺に潜入させました。そして潜入に成功した半蔵が目の当たりにしたのは、家康軍の軍師として活動する“本多正信”の姿。仮病を使う卑怯者という印象でしたが、まさかここで家康を裏切るとは… 視聴者の立場でも誰も信じられなくなりそうです。

 今回の戦の中で、家康はかつて今川義元が話していた「われらは民、生かしてもらっているのじゃ」「民に見放されたときこそ、われらは死ぬのじゃ」という言葉を思い出していました。この言葉が一向宗徒との戦に良い影響を与えるのか、次回の展開からも目が離せません。

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