顔良の駆け抜ける所 草も木もみな朱に伏し…『天地を喰らうII 諸葛孔明伝』の顔良はマジイケメンで曹操軍も総崩れ【メモリの無駄づかい】
- 文
- 染谷 広人
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- 最終更新
三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。
何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。
そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は、1991年にファミコンで発売された『天地を喰らうII 諸葛孔明伝』について紹介します。
『天地を喰らうII 諸葛孔明伝』とは
今はいろいろなジャンルで、さまざまなメーカーから発売されている三国志系のゲームですが、当時は歴史シミュレーションのジャンルぐらいしか発売されていませんでした。
そこで異色な存在だったのが、ファミコン版『天地を喰らう』シリーズ。本宮ひろ志先生の同名漫画を元にオリジナルストーリーが展開する作品で、三国志ゲームのRPGのパイオニアです。
前作の『天地を喰らう』も武将を捕獲できて、『ポケモン』さながらに“武将ゲットだぜ!”的な部分が斬新で印象的な作品でしたが、本作はとにかく完成度の高いRPGです。
三国志演義を基本とした本作ならではのオリジナルストーリー(邪馬台国にも行く)、個性際立つ武将たち(関索が父親の関羽以上の能力)、陣形と策略を駆使した戦闘(総攻撃中に暗殺の計で一撃はお約束)、今も根強いファンが多いBGM(特に戦闘曲が激アツ!)など、名作と語り継がれる理由が詰まっています。
顔良の駆け抜ける所 草も木もみな朱に伏し
幼き頃に横山光輝先生の『三国志』を読み、コーエーの『三國志』シリーズをプレイしてきた自分ですが、この『天地を喰らうII』で一番印象に残っているのは、名前から三国志ファンにイケメンと愛され続けている、袁紹軍の2枚看板のひとり、顔良の活躍です。
ゲーム序盤、関羽と張飛とはぐれた劉備の元に加わる猛将・顔良。今もそうですが、だいたい顔良といえば、強面のいかつい武将として描かれることが多いのですが、『天地を喰らうII』の顔良は、クールな感じのイケメンに描かれています。
『十三支演義』など、最近の三国志作品ではイケメン顔良を見る機会も増えましたが、当時はイケメン顔良の存在は皆無。さらに、『天地を喰らうII』の顔良は攻撃がすべて奮闘(クリティカル)になるといったぶっ壊れ仕様。
その猛将ぶりは関羽や張飛以上で、魏続、宋憲、呂虔の3将を皮切りに、楽進、于禁、程昱、李典といった曹操軍の名将相手に獅子奮迅の活躍を見せてくれます。その無双ぶりは、こんな感じで語り継がれます。顔良マジかっこいい!
顔良の駆け抜ける所 草も木もみな朱(あけ)に伏し
さすがの曹操軍の兵士も恐怖にかられ 総崩れの状態となった
と、こんなぶっ壊れ仕様の武将が、最後まで活躍できるわけありません。イベント戦闘2戦で曹操軍を蹴散らした後、お髭がキレイな謎の武将に討ち取られてしまいます。まさに“げぇっ関羽”という感じ。
しかし、わずかな期間の活躍でも当時の自分に残したインパクトは大きかったです。今でも三国志ゲームをプレイする際、『天地を喰らうII 諸葛孔明伝』の顔良のことを思い出し、特別扱いする人は自分以外にもいるのでは?
染谷広人:リアル3歳の頃にファミコンと出会い、そのままゲームの神様に導かれて現在に至る。大人になってもゲームがやめられない中年の星を目指してます。
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