『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』3話感想。激動の夏合宿──涙のち笑顔のトプロに対し、孤独を深めるアヤベさんは…

タダツグ
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 『ウマ娘 プリティーダービー』のアニメシリーズ最新作となる『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』、第3話が更新されましたので視聴しての感想をお届けします。

【注意】この記事では、『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』第1話~第3話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

アニメ『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』第3話 「走る理由」

 クラシック三冠を描く物語もいよいよ佳境……今回描かれるのは夏合宿、そして菊花賞への前哨戦となる京都新聞杯。ここでも、日本ダービーで火花を散らしたナリタトップロードとアドマイヤベガを中心に物語が展開していきます。

※まずは本編をご覧になってから感想記事を読むことをオススメします。

日本ダービーでの激闘がナリタトップロードとアドマイヤベガに残した傷は……

 最後まで結末がわからないほどの激戦のすえ、クビ差でアヤベさんが勝利を手にして幕を閉じた日本ダービー。オープニング前のアバンでは予想に反して、勝者であるはずのアヤベさんが精神的に追い詰められている様子が描かれていました。

 全力を出し切ってなお敗れたトプロがどれほどのダメージを受けているかを心配していたのに、まさか勝者であるアヤベさんもストレスを抱える結果になっていたとは……ハッキリ言って「重ッ!」のひと言です(汗)。

 アヤベさんの心の枷は“ライバルとともに走ることの楽しさ”に気づいたからこそだという事実に、なんとも言えない息苦しさを感じました。妹のことを想うあまり、アヤベさんが走ることを楽しむという感情そのものに罪悪感を抱いているところが、見ていて本当にツラい。ただ、その重さのぶん先が気になって仕方ないところもあり、ツカミとしてはバッチリともいえますが……。

 3話冒頭は海での夏合宿。オペラオーはいつもの高笑いを聞かせてくれて、前回の敗戦を払拭している感があります。

 一方で、トプロは遊ぶヒマすらなく初日からトレーニングを開始するなど、やっぱり前回の負けを引きずっている模様。力み過ぎでいつもの力が出しきれないなど、精神的に問題を抱えている様子がありありです。トレーナーも重傷だと頭を抱えており、これがゲーム版でいうところの“絶不調”なのかと妙に納得してしまいました。この状態をトレーナーがどうケアしていくかが見どころです。

 温泉にも浸かり、クラスメイトからの応援も受け、ようやく復調するかなと思いきや……なトプロが口にする「もっと頑張らないと」。とても前向きに思える反面、この子が口にすると妙な焦燥感を煽られますね。これは、明らかに入れ込んでいるアヤベさんも同様。2人ともケガをしなければいいんだけど……。

 実際、アヤベさんはちょっと足を痛めているような描写もあり、本当に心配です。トプロも明らかに過剰な練習量ですが、トレーナーはそんな彼女を見て何やら妙案を思いついた様子。た、頼もしい……。

 揺れる3強のうち、オペラオーだけがめちゃくちゃ前向きなのは大きなポイント。メンタルの強さは筋金入りで、メイショウドトウとの名コンビっぷりも板についてきていました。自らが光輝くにはトプロとアヤベさんというライバルの存在が不可欠と言い切る彼女の存在が、視聴者にとってどれだけ救いとなることか!

夏合宿で成長をとげたトプロとアヤベが京都新聞杯でしのぎを削る!

 Bパートではトレーナーの粋なはからいで、トプロがまだ幼いウマ娘たちの臨時コーチを務めることに。無垢な少女たちと交流するなか、トプロは少しずつ走る楽しさを思い出し始め、トレーナーの策は見事にハマった形です。

 極めつけは、海で夕陽を眺めながらトレーナーと語り合うシーン。周囲の期待に応えるため、負けても落ち込んではいられないと語るトプロは、そこからさらに一歩踏み込み、負けることで周囲の期待を裏切ってしまうことへの恐怖をトレーナーに吐露します。

 ここからはトレーナーが本当にかっこいいシーン。トプロがまた負けることへの恐怖を抱きつつ、それでもなお戦うことから逃げようとしていないこと──そして、そんな前を向いて戦い続けるトプロだからこそみんなが応援したくなるということを、彼女にしっかりと伝えてくれました。これは視聴者の気持ちを代弁しているようなもので、胸が熱くなりますね。

 この言葉に涙ぐむトプロを見て、思わずこちらも号泣ですよ。今回のトプロの涙は、前回の日本ダービー敗北時の悲しいそれとはちょっと違って見えました。

 その後は、トプロを心配して駆け付けた商店街の人々やクラスメイト、ハルウララやライスシャワーと食事しながらの交流に。ここで、ゲーム版ではおなじみともいえる“トプロの語彙力難イベント”を盛り込んでくるあたり、アニメ製作スタッフの『ウマ娘』愛を感じて心が震えましたよ。

 復調の兆しを見せるトプロに対し、ますます自分を追い込んでいくアヤベさん。彼女が見た夢のなかで、妹が「お姉さんのその脚あ菊花賞までで……」と意味深なセリフを口にするシーンには、胸がきゅっと締め付けられました。

 その言葉を受け入れるどころか、妹のことを忘れて走ることを楽しんでしまった罰と捉えているアヤベさん……大丈夫なのか本当に……。

 迎えた京都新聞杯、ラストはまたもやトプロとアヤベさんの一騎打ちになります。接戦を制したのはどちらのウマ娘なのか? そして、この2人にオペラオーを含めた3人が激突する菊花賞はどうなるのか……。個人的には、3話ラストで見せたアヤベさんの瞳にゾクっとしました。ゲーム版でナリタタイシンを推しているトレーナーさんなら同意してもらえるんじゃないでしょうか。今から最終話である4話が待ちきれませんねッ!

(C) Cygames, Inc.

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