『Sky 星を紡ぐ子どもたち』を手掛けたTGCが京都精華大学で特別講義。第1回のテーマは“感情のデザイン-心をつなげるゲームの設計-”

電撃オンライン
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 『Sky 星を紡ぐ子どもたち』を手掛けたthatgamecompanyが、京都精華大学の学生に向け、全4回の特別講義を開講。

 その第1回“感情のデザイン-心をつなげるゲームの設計”が4月13日に開講しました。なお、第2回もすでに開講済みで、5月11日(木)に第3回、5月25日(木)に第4回の特別講義が予定されています。

 以下、リリース原文を掲載します。

Enhance代表水口哲也氏、Activ8代表大坂武史氏もゲストとして登壇予定! ものづくりによって、世界中の人々の繋がりを目指すthatgamecompanyが京都精華大学の学生に向け、計4回の特別講義を4月13日(木)より開講~第1回「感情のデザイン-心をつなげるゲームの設計」の様子をレポート~

 thatgamecompany,Inc.(本社所在地アメリカ合衆国カリフォルニア州)は、京都精華大学(京都市左京区、学長:澤田昌人)にて、ジャパン・ブランド・リード水谷立(みずたにりつ)による特別講義を開講いたします。講義は計4回を予定しており、第1回となる講義は2023年4月13日(木)に行われました。

 thatgamecompanyは、ゲームというメディアを通じて、ポジティブな感情体験ができて世界中の人々が繋がることを目指しています。

 自らが住む世界だけでなく、様々な世界や文化への関心など、ものづくりによって多様な価値観を届けることができるということを、これから活躍する若い世代の方に伝えていきたいという思いから、2023年3月11日(土)に開催した岡山県のSSHである津山高校での講義や、本年度からは水谷が京都精華大学の非常勤講師を務めるなど、講義活動の取り組みを行っております。

 本リリースでは京都精華大学にて開催した第一回目の講義の様子と、豪華ゲストを招いて実施予定の今後の講義予定についてご紹介します。

第1回講義:TGCや「Sky 星を紡ぐ子どもたち」の“ものづくり”について

 第1回は、thatgamecompany(以下TGC)のジャパン・ブランド・リード兼リード・オーディオデザイナー水谷と、ヴィジュアル・デヴェロップメント・リードの田邊による共同講義を実施いたしました。

 今回は「感情のデザイン-心をつなげるゲームの設計-」と題し、主に、TGCが掲げるものづくりの理念や、代表作のひとつである『Sky 星を紡ぐ子どもたち(以下
Sky)』におけるビジュアル・サウンドの設計等について生徒に向けレクチャーしました。

 TGCのものづくりの理念について、水谷は「世界中の人々をつなぎ、ポジティブな感情をもたらすことにより、古びることのない、世代を超えたエンターテイメントを創り上げることである」と話しました。

「世界中の人々をつなぎ、ポジティブな感情体験をもたらす」TGCのゲームデザインについて

 水谷は初めにTGCのゲームデザインの役割について説明しました。「TGCのゲームは、数あるエンターテイメントの中でも幅広く人を魅了する映画を参考にしており、言語や年齢、性別に関わらずどんな人でも楽しめることを目指しています。」と語りました。

 代表作であるSkyのゲームデザインについては、「インタラクティブ・ソーシャル・スペース」として、大人向けや子供向け、など特定の人に向けたゲームではなく、すべての人が同じ体験を共有し、心からつながる事ができるようにデザインをしています。」と説明し、家族と一緒に楽しむプレイヤーのエピソードも披露しました。

“かっこよくない”キャラクターの作り方!? 田邊が考える、ビジュアルの役割とは

 田邊は、これまでの自身の経験を元に、心をつなぐゲーム設計における、ビジュアルの役割についてレクチャー。まずキャラクターづくりについて、キャラクターはゲームの本質を体現するものであるという説明をした上で、「パーツそれぞれの役割を考えた上で、余計なものを入れずに削ぎ落としていくことで、ゲームそのものを象徴するキャラクターが出来上がる」と話しました。

 また、ゲームの舞台については、「Skyの設計においては、普遍的に遊んでもらえるゲームにするために、『1日の経過・人間の一生・文明の興亡』の3つのテーマ、またプレイヤーに感じてもらいたい感情曲線を設定した上でデザインに入りました。例えば1日の真ん中である夕方の時間帯は、人間の成熟期とリンクさせ、鮮やかな夕日と勢いのある形のデザインにするなど、3要素に沿ってデザインしていきました」と話しました。

水谷が語る、言葉を必要としないゲームならではのサウンドへのこだわり

 続いて水谷は、オーディオ・デザインの奥深さについて、実際のゲーム映像を交えながらレクチャー。Skyは言葉を必要としないゲームであるからこそ、ゲーム内のサウンドは、プレイヤーの感情を盛り立て、ときにストーリーの語り手としての役割を担うと言及しました。

 Skyのゲーム内にある、フレンドと手をつなぐ感情表現の効果音を依頼された際には、手をつないで立ち止まった時に、心拍音が感じられるような仕掛けを作り、またあえて低音削らない設計にすることで、プレイしている端末に振動を与え、相手の存在を感じやすいようなデザインにした、という開発秘話も披露しました。

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