11月28日発売の『十三機兵防衛圏』WEB最速レビュー! 青春を取り戻す本格SFの世界を紐解く!!【電撃PS】
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11月28日にアトラス×ヴァニラウェアが世に放つ『十三機兵防衛圏』。
滅びの運命に抗う13人の主人公たちの群像劇が描かれる本タイトルは、主にSF・ミステリー要素や少女マンガ的な淡い恋模様が満載のアドベンチャーパート追想編、少年マンガ的・特撮的な機兵対怪獣のリアルタイムなシミュレーションバトルパート崩壊編、それらを繋げるキーワードや設定を振り返ることができるアーカイブパート究明編の3軸からなる、密度が非常に濃い作品。
今回は本作のクリア後レポートをお届け。青春とSF、過去と未来、宇宙や次元、さまざまなものを超えて動き出す運命に刮目!
1985年のノスタルジアが運ぶ、覚めないでと願う夢
青春時代に思い描いていた、アニメやゲームのような空想はありませんか? 校内にファンクラブができるほど注目されるだとか、いわくあり気なクールなイケメンに突然出会うだとか、謎のロボットの操縦者に任命されて、世界を救うことになるだとか……。
本作『十三機兵防衛圏』は、学園ジュブナイルを得意とするアトラスと、ファンタジックかつ独自の世界背景を描くヴァニラウェアがタッグを組んで生み出す本格SF群像劇です。『ドラゴンズクラウン』や『オーディンスフィア』の魅力のひとつである美しいビジュアルや壮大な音楽はそのままに、本作では“架空の日本”という身近な世界を舞台にした挑戦的なファンタジーが描かれます。
前述のとおり、夢のような世界――つまり“私たちの願望”が本作には詰まっており、青春時代の憧れを取り戻す物語であるように思います。主な舞台となる1985年の郷愁ただよう風景は、自然とプレイヤーを青春のさなかへと誘ってくれ、プレイヤーは物語の観測者でありながらも、13人の主人公の視点から物語を読み解く当事者にもなり得るのです。
少年少女たちが抱えるには重すぎる使命と運命
主人公たる13人の少年少女たちが抱える悩みや宿命は重く、人それぞれ。彼らが抱える謎に対する探求心も相まって、次々に周囲を取り巻く登場人物たちにさえも感情移入してしまいます。13色の青春に引き込まれるのは、本作のキャラクターデザインと“クラウドシンク”というシステムが成しえたものでしょう。
過去や未来へのタイムスリップに記憶障害、人格の書き換え技術や巨大企業の陰謀論……などなど、物語は複雑かつ、さまざまなトリックが仕掛けられており、プレイヤーを飽きさせることはありません。
平凡に送るはずだった学生生活が、キーワードひとつで変化していく。これは単なるデジャビュなのか、それともループなのか? メタ的な視点で物語を俯瞰するプレイヤーは、13人の主人公たちの観測者だからこそ、それぞれその謎の一端にしか触れられない彼ら以上に世界に秘められた謎を究明したくなり、懸命な彼らに対し観測者としての立場を超えて肩入れしたくなるはず。
また、繊細な表現を得意とするヴァニラウェアならではのビジュアルによるコミカルな表現も多く、くるくると変わる登場人物の表情がなんともかわいい! そんな表現も相まって、個性豊かな登場人物たちに自然と愛着が生まれていくのです。
13人の主人公たちの視点を通して見るのは、机のうえに散らばったパズルのピース。それをひとつひとつ確認しながら、大切にはめ込んでいくと、見えてくるのは壮大な1枚の“真相という名の絵画”です。そのパズルが完成した時、どんな感情がプレイヤーに訪れるのか。きっと、その感情や真相の考察を誰かと共有したくなるはずです。
“選ばれた人間になる”という特別感
本作の主人公たちは、数々の謎と宿命に翻弄されながら、ただ大切な人を守るために“人類滅亡の運命”に抗い、そして真相へと歩みを続けます。彼らは“人類の存亡”を懸けた戦いに挑むという過酷な使命を課せられながらも、確固たる意志を持って、飛来する謎の強大な怪獣に挑みます。そんな少年少女たちの姿はたくましく、けれどもどこか愛嬌もあり、プレイヤーに自然と勇気を分け与えてくれます。
敵である“怪獣”と対峙する唯一の手段である巨大ロボット“機兵”に搭乗できるのは、選ばれた“適合者”と呼ばれる存在だけ。「世界を救えるのはあなたたちだけ」という“選ばれる”という経験は、誰しもが憧れを抱くものでしょう。
けれどそんな機兵に乗って戦うことは“脳に負荷がかかる”というネガティブさも持ち合わせており、ただの勇敢さだけでなく、儚さ――転じて運命に抗う権利に紐づく重さをも、プレイヤーに運んできてくれるのです。
バトルパート“崩壊編”では、そんな過酷な試練を体験できます。次から次へと飛来する膨大な敵陣を前に、一瞬感じる絶望。けれどもそれを乗り越えた時の達成感。物語への没入感をさらに強固にするこのシミュレーションバトルは、リアルタイムで進行する躍動感も相まって、手に汗握る臨場感を味わうことができます。
定められた運命に対するトキメキと、運命を覆す高揚
日常が、非日常へと変わる瞬間。それは現実ではなかなか体験できることではありません。けれども本作を通じて、“特別になった自分”と、青春を取り戻しているかのような高揚感がプレイヤーに訪れるはずです。そして、誰かの“特別”になれたよろこびも、愛や友情といった形で描かれるのです。
“誰かと出会う運命だった”というのは、一見、少女マンガの出来事のようなトキメキを胸に抱かせます。一方それは、「決められた運命に従っているだけなのか?」という疑念も。けれど主人公たちは、“決められた運命”に翻弄されながらも、“自らの手で切り拓く運命”を勝ち取っていく強さも持ち合わせています。その強さは大人たちにも“前を向く力”をもたらせてくれるはずです。
エンディングで待つのは、変わる景色
プレイすればするほどに深まる謎。それはプレイヤーの探求心をくすぐり続けます。キーワードひとつ取るだけで、それはネタバレへとつながる危険をはらんでいるため、何ひとつとして語ることはできません……。ただひとつ言えることは、エンディングを見終えた後、きっとあなたは重厚なSF小説を読了したかのような、爽快感で満たされるだろうということ。
そしてもう一度、真相を知ったうえで物語を楽しみたくなるはずです。真相が明かされた後、クリアになった視界で見るゲーム内と、そして現実の景色は、またひと味違うものに感じられるかもしれません。
13人の主人公を大解剖!
2人の他にも、魅力的な主人公たちと重要人物が多数登場! 発売に先駆けて、気になるキャラクターたちをチェックしてみては?
『十三機兵防衛圏』連載記事
電撃PlayStation Vol.682では『十三機兵防衛圏』を冊子で特集!
11月28日発売の電撃PlayStation Vol.682では、『十三機兵防衛圏』を特集した16P冊子”月刊 機兵少年”が付属します。
奥深いシミュレーションバトル”崩壊編”の攻略はもちろん、クリア済みの編集・ライターが本作の世界観を意識しつつ作り込んだ80年代コラムなど企画記事といったファンブック要素も盛り込んだ、密度の濃い内容になっていますので、こちらも是非チェックしてみてください。
電撃スペシャルパックも要チェック!
電撃屋では、『十三機兵防衛圏』の通常版、限定版それぞれに、電撃ならではの限定アイテムをマシマシでお届けするスペシャルパックの予約を受付中です。本作の世界観をより深く味わいたい、という方はぜひご予約を!
【電撃スペシャルパック限定アイテム】
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・特製WロゴTシャツ
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【先着購入特典(通常版/限定版(プレミアムボックス)共通)】
・PS4『プリンセスクラウン 復刻版』(DLC)
・神谷盛治・最新描き下ろし 『十三機兵防衛圏』PS4テーマ(DLC)
・『十三機兵防衛圏』プレミアム・トークイベント参加応募券
・『十三機兵防衛圏』デジタル・アートワークス(DLC)
【限定版( プレミアムボックス)同梱アイテム】
・豪華スペシャルBOX
・『十三機兵防衛圏』シークレットファイル <132ページ>
・第二世代型13番機兵 ペーパークラフト・モデルキット
・DLCオリジナルテーマ&アバターセット
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十三機兵防衛圏 プレミアムボックス
- メーカー: アトラス
- 対応機種: PS4
- ジャンル: ADV
- 発売日: 2019年11月28日
- 希望小売価格: 14,980円+税
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- メーカー: アトラス
- 対応機種: PS4
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