『どうする家康』21話感想。仲間のために、ひた走る…現代まで伝えられる強右衛門の勇気に感動

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 毎週日曜20時からNHKで放送の大河ドラマ『どうする家康』。第21回“長篠を救え!”のレビューをお届けします。

舞台は長篠へ…大きな戦いの予感!

 前回は、武田の陰謀で岡崎にクーデターが起きてしまった様子が描かれました。

 今回は、武田軍に包囲され落城寸前の長篠城から、鳥居強右衛門という男が岡崎へやってきたところから物語が動きはじめます。

 長篠といえば、知らない人はいないほどの有名な戦い、長篠の戦いの舞台です。その大きな戦いへ向けて、家康たちがどんな行動を取っていくのか、じっくり楽しみたいところですね。

 家康たちだけでは、長篠城を囲んでいる大勢の武田軍には到底太刀打ちできません。そこで、織田へ助けを求めることに。のらりくらりと援軍を送ることを先延ばしにしようとする信長に、家康は脅迫とも取れる宣言をします。

 それが功を奏したのか、2万を超える織田の軍勢が送られてくるのでした。信長本人も到着し、家康になかなか援軍を送れなかったことを自ら謝罪します。

 表面上は愛想の良いように見えましたが、実際は信長が怒っていることを秀吉からこっそり教えられた家康。亀姫に意味深な言葉を投げかける信長は、やはり底しれぬ恐ろしさがありました。

 当の亀姫は、奥平信昌に嫁ぐことを急に告げられて驚きます。慣れ親しんだ暮らしから離れなければいけないことに、動揺するのも当然です。

 しかし、その嫁ぎ先となる奥平信昌の部下である強右衛門からしたら、自分の敬愛する主のことを悪し様に言われては我慢できません。

 家康たちはこの婚儀自体を取りやめにしてもらおうと信長に頼みますが、その交換条件は厳しいものでした。信長が提示した条件は、対等な同盟を破棄し織田家の家臣になること。でなければ今すぐ援軍を引き上げ、今後は徳川家を敵とみなすと。

 今すぐ決心しろと迫る信長に、家康は毅然と言い返します。これまで織田はろくな援軍も寄越してくれず、だからこそ自分の国は自分で守ってきたのだと。

 辛いこともたくさんありましたが、これまで経験してきたことが家康の自信の源となっていることに、感動してしまいました。

 第1回の頃からは想像できないほどの自信に溢れ、多くの経験に裏打ちされた堂々とした態度に、思わず拍手を送りたい気分になります。

“ろくでなし”と呼ばれた男の勇気。現代まで語り継がれる最期の姿

 きっぱりと信長の交換条件を拒否した家康でしたが、強右衛門からすれば、これはどうしても止めなくてはならない事態です。自分たちへの援軍がいなくなってしまうということですから。

 強右衛門の様子を見て、亀姫も同じように必死で信長を引き留めようとします。家康に似て優しく、健気な姿に心を打たれました。その効果もあってか、信長は長篠城を救うことを約束します。

 あれだけ結婚を嫌がっていたはずの亀姫が、長篠城を救うために行動を起こしてくれたことに感激し、強右衛門は涙します。つられてこちらまで泣きそうになりました。

 援軍が来ることをすぐさま知らせようと、強右衛門は自分の命も顧みずに走って長篠城へ。しかし、その途中で武田軍に捕らえられてしまいます。

 武田勝頼に脅され、仲間たちには援軍が来ないとウソの情報を流してしまいました。銃でいつでも撃たれてしまうような状況ですから、これは仕方ありません。

 しかし、自分のために行動してくれた亀姫のことを思い出し、心を入れ替えて援軍のことを改めて伝えます。

 武田軍からしてみれば、明らかな裏切り行為。そのため、強右衛門は処刑されることに……その最中、亀姫がどんなに心優しく素晴らしい女性であるか、なんとか奥平信昌へ伝えようとする姿に、涙が止まりませんでした。

 強右衛門と交互に画面へ映し出される亀姫の笑顔が、美しくも悲しいシーンです。“ろくでなし”と呼ばれバカにされたこともありましたが、最後に見せた勇気と、仲間への献身は素晴らしいものでした。

 磔にされた強右衛門の姿は、勇気の象徴として絵に描かれ、現在でも資料として残っています。彼の勇気を私たちも見習っていきたいですね。

 さて、次回はいよいよ大きな戦いへと向かっていきます。今から楽しみに待ちましょう。

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