『アーマードコア6』にも期待。“報酬<修理費&弾薬代”というロボット好きのロマンと現実を具現化した『AC』シリーズの思い出【メモリの無駄づかい】

タダツグ
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 三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。

 何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。

 そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は、PlayStationで発売されたメカアクションの傑作『ARMORED CORE(アーマード・コア)』と、そのシリーズ作品についての思い出を語らせていただきます。最新作『AC6』は8月25日発売!

ずっと空を飛べると思っていた……そんな夢見がちな男に突き付けられた現実

 まず前提として、幼いころからロボットアニメが好きだった……そんなゲーマーは少なくないと思っています。かくいう自分もその1人なわけで、いつか異世界召喚なるものを体験できるとしたら、僕は一騎当千のロボット(リアル系希望)を駆る孤高のエースパイロットとして第2の人生を歩んでみたい。ハードボイルドに。そう願っていたりします。……もちろん、可愛い女の子たちに囲まれた冒険者生活だって悪くはないけど!

 そんな拗(こじ)らせた40代のおっさんである自分にとって、愛着たっぷりの作品が『ARMORED CORE(以下、AC)』というメカアクションゲームシリーズです。8月25日には最新作である『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』も控えており、今は来たる日に向けて少しずつ気持ちを昂らせているところ。発売されたら、下手くそなりに楽しんでプレイしようと思ってますよ!

  • ▲シリーズ最新作『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』より。

 僕とこの『AC』シリーズとの最初の出会いは、1997年の夏。忘れもしない、泊まりに行った友人宅で初代『AC』をプレイしたところから始まります。

 まず衝撃を受けたのが、「このゲーム、自分で愛機を組み上げるんだぜ」という友人の言葉。ロボットアニメの主人公なんかは基本的に専用機に搭乗することが多いわけで、自分で機体をアセンブリするシーンなんてほとんどありませんよね。「ロボットは最初から組み上げられているもの」……そんな固定概念を持っていた僕としては、搭乗機体を自分で好きにイジれるというだけでずいぶん心が躍ったものです。

  • ▲『AC1』の説明書より。このころからすでに世界観も確立されていました。

 正直、この高揚感は本シリーズの根底にあるリアルさによって挫かれる部分もありました。

 「なんか思ったように空を飛べない……」

 まず衝撃を受けたのがこれ(笑)。『AC』シリーズはジェネレーターから供給されるエネルギーによって機体を動かすわけですが、おいそれと空を自由に飛び回れるアセンブリを組むのはハッキリ言って難しく、空中を自由自在に飛び回って戦う高機動バトルを夢想していた僕は衝撃を受けたわけです。腕にエネルギーを消費する武器(いわゆるビーム兵器など)を持たせた日には、エネルギー管理もより難しくなり、当時の僕は大いに頭を抱えました。

  • ▲シリーズ最新作『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』より。

 「エネルギー武器の取り扱いが難しいなら、実弾兵器を装備すればいいじゃん」

 そう思う人もいるかもしれませんが、『AC』のストイックさをナメちゃいけません。主人公(=プレイヤー)は“レイヴン”と呼ばれる一介の傭兵なのですが。このゲーム、実弾を1発撃つたびにお金がかかるんですよ。しっかりと報酬から天引きされる親切設計。僕みたいな下手くそがむやみに弾薬をバラまくと、報酬は一気にスズメの涙となります。

  • ▲『AC1』の操作方法。自分なりのキーアサインに設定変更していた方も多いのでは。

 機体が負ったダメージには修理費もかかりますので、まだ何もかもがおぼつかない序盤なんかは“ミッションの成功報酬<弾薬費や修理費用”となることもありました。傭兵稼業もラクではないというか、ものすごくリアルですよね……。でも、そんなところがまた僕の心を震わせたのも事実なのですが(笑)。

公式対戦会など思い出深いイベントの記憶は今なお色褪せずこの胸のなかに……

 巨大企業が暗躍する荒廃した世界観や、個性が立った敵と邂逅するストーリーも僕好みでした。なんとかお金を貯め、より強力なパーツや武器を購入。合わせて自らの操縦テクニックも磨くことではじめて、昨日は勝てなかった敵に勝てるようになる……。あの成長感と高揚感は、他のロボットアクションではなかなか味わえない深みがあったように思います。

 軽量二脚や逆関節などで構成した機体で、空を飛びまわりながら戦うことへの憧れも捨てきれませんでしたが、最終的にはかちんこちんの装甲と火力に特化したタンクでのパワープレイに落ち着くあたり、自分という人間の大雑把さを痛感したタイトルでもありました。「力こそパワー」って感じのガチタンクでゴリ押すのも、ある意味ロマンプレイでしたよ。対人戦ではまったく勝てませんでしたが……(遠い目)。

  • ▲シリーズ最新作『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』より。

 こうしてオススメしてきた友人の目論見どおり沼にハマった僕は、その後も(下手の横好きレベルではありながら)趣味ゲーとしてシリーズ作を触り続けることに。その甲斐あってか電撃PlayStationというゲーム誌で雑誌編集者として活動する際には、この『AC』シリーズを担当させていただくことになり、とても光栄に感じたものです。

 ちなみに、初めて担当したのはシリーズ8作目となる『ARMORED CORE NEXUS(アーマードコア ネクサス)』。当時、フロム・ソフトウェアさんが開催されていた公式対戦会などにご招待いただいて解説席に座らせてもらったり、ランカーさんたちにインタビューさせてもらったりと、今でも鮮明に覚えているイベントが目白押しでした。

  • ▲『九怨 -kuon-』のスペシャル映像も収録されていました。
  • ▲メインストーリーを収録したエボリューションディスクと、さまざまなおまけ要素を楽しめるレボリューションディスクの2枚組構成。

 ハイスピードバトルに舵を切った『ARMORED CORE IV』シリーズや、領地戦などのチームバトル要素や超巨大兵器とのバトルで話題を呼んだ『ARMORED CORE V』シリーズ、いずれも記事担当として思い出深い作品です。正直、8月に発売される『VI』も今から楽しみで仕方なく、プレミアムコレクターズエディション(限定版の最上位モデル)の予約戦争への参戦が遅れ、購入し損ねたことを今でも少し後悔しています(苦笑)。

  • ▲『ARMORED CORE IV』より。

 個人的に『VI』の記事制作は若い世代にお任せして、僕はそれを眺めながら自分のペースでプレイに精を出したいなあって思ってます。老兵なりに戦えるってところをお見せできればいいのですが、最近、視力の低下が激しいのでどうなることやら(汗)。

  • ▲『ネクサス』の操作方法も懐かしい……。ダブルトリガーを練習していたなあ。
  • ▲ガレージ部分の説明を読み返すと、いろいろアセンブリしたくなっちゃいますね。

 ちなみに『VI』はシリーズのナンバリングでこそありますが、この『AC』シリーズはナンバリングが変わるたびに物語の設定や機体アセンブルの構築理論、操作性などまで大幅に手が加えられるので、実質、完全新作としてイチから遊べるようになっています。

  • ▲シリーズ最新作『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』より。

 『VI』は10年来の新作ということもあり、まだ『AC』シリーズを遊んだことがないという方でもしっかり遊べる設計になっているのはまず間違いないところでしょう。興味がある方はぜひ『VI』から傭兵デビューしてみてください。きっと骨太なゲーム体験があなたを待ち受けていること請け合いですよ。

 そして最後に。フロム・ソフトウェアさんの公式サイトには、歴代ゲーム作品のマニュアルがアップされている“USER'S MANUAL”なるコーナーがあること、皆さんはご存知ですか? 僕はつい最近ライター仲間に教えてもらったわけですが……『AC』シリーズはもちろん、『KING'S FIELD』シリーズや『天誅』シリーズなど、往年の名作のマニュアルが閲覧可能で、イチフロム好きとして見ているだけで滾るものがありました。もちろん『ELDEN RING』など、近年リリースされた作品のものも充実してますよ。マジで時間泥棒(笑)。お暇なときにでも覗いてみてください。

 それでは、今回はこのへんで!

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