【ハチナイ(八月のシンデレラナイン)インタビュー】6周年の6大思い出。試合画面アップデート、コラボにTVアニメ、進級と卒業など

カワチ
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 アカツキゲームスより配信中のiOS/Android用アプリ『八月のシンデレラナイン(ハチナイ)』が6月27日でリリース6周年を迎えたことを記念する全3回のインタビュー。ここでは第2回の模様をお届けします。

 今回は、後藤ヨシアキ プロデューサーが6年間で印象深かったこと6選を語ってくれました。本記事では思い出前半戦として思い出④までの内容と、思い出番外編をお送りします。

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思い出①:ハチナイが真の姿に覚醒! グラウンドで選手たちが動くようになった!

――前回は開発エンジニアのレオンくんにゲームシステム中心の思い出をお聞きしました。次は後藤プロデューサーに『ハチナイ』の歩んだ6年間についてお話をお聞きしていきます。

後藤プロデューサー:せっかくなので今回は6周年という数字にちなんで、6大トピックスというていでお話させていただきますね(笑)。

 まずひとつめ、レオンくんの話とかぶる部分もありますが、歴代の大型アップデートです。7年目のハチナイはサービス開始直後とは比べ物にならないほど、サイクルの練度が高まり、遊びやすくなっています(自信を持って言うようなことではないのですが、この場ではあえて話題にさせていただきました)。

 なかでも特に思い出深いのは、2018年3月の「試合画面アップデート」です。これまでの試合は得点ボードを眺めて育てた選手たちを応援することしかできなかったのですが、このタイミングから野球場で選手たちが躍動する様子が確認できるようになりました。

 その後もアップデートを重ねてきたのですが、個人的にこだわったのは選手の打順を表示する電光掲示版風のUIです。「既存フォントではなく、絶対に電球で名前を表示したいです」と担当デザイナーさんに伝え、理想の表現を実装していただきました(3回くらいチェックバックしたことを記憶しています)。細かい部分なのですが、これは多くのベテラン監督さんにも喜んでいただけたアップデートでした。

思い出②:キズナアイコラボが『ハチナイ』にもたらした意外な影響とは?

――まさに監督さんの気持ちを代弁してくれるかのようなアップデートでした! ふたつめはいかがでしょうか?

後藤プロデューサー:2018年4月に開催した「キズナアイさんとのコラボ」です。『ハチナイ』初のコラボイベントという点でも思い出深いのですが、実は今でもこのコラボのDNAがハチナイの中に息づいていたりします。

 当時はキズナアイさんからのハッキングによりアプリへの侵入を許してしまった! という立て付けで、イベント期間中はアプリの中をキズナアイさんのちびキャラが走り回るような演出がありました。この演出機能は今でも各選手の誕生日イベントなどで活躍しています。

――エイプリルフールの機能として初実装したものが、形を変えて通常の機能として取り入れられていったわけですね。

後藤プロデューサー:そういった機能を1日のためだけに使う運営会社さんもいらっしゃいますが、ハチナイはイベント後に通常機能に置き換えて必要な機能か? を意図して開発時の要件に設定しています。そういった流れのきっかけになったのがキズナアイさんとのコラボでした。

レオンくん:その年の2月と3月の開発スケジュールは本当に忙しくて、自分たちの工数もキズナアイちゃんにジャックされていた記憶があります(笑)。

――ちなみにどういった経緯で本コラボは形になったのでしょうか?

後藤プロデューサー:その当時、先方のスタッフさんと私に面識があり、どシンプルにそこから相談しました(笑)。

 あ! ちなみにですが、この6年間ハチナイは4月1日に嘘を言ったことはありません。基本、全て本気です。その部分だけご認識いただけたら幸いです。

思い出③:TVアニメで認知度が一つ上のステージへ。熱いシナリオに魅せられた監督さんたちが急増!

――続いて3つめは?

後藤プロデューサー:2019年4月に放送開始した「TVアニメ」のインパクトはとても大きかったですね。『ハチナイ』の知名度が一気に高まり、アクティブユーザー数もしっかり上昇しました。

 「アニメ化すればアプリも盛り上がる」というシンプルな方程式は成立しないご時世、熱意のあるスタッフさんとの協業でハチナイの情熱を広くリーチできた手応えがありました。当時の現場では様々なハードルもあったのですが、その辺りの苦労話はまた別の機会にさせてください(笑)。

 その後、ドラマ化やコミック化など、メディアミックスによるIPの拡張を仕掛けていくことになりますが、その初手といった意味合いでも思い出深いです。

レオンくん:1話の放送後、たくさんのインストールを期待して、サーバーを増強していたのですが、予想以上の人数で驚きました。

思い出④:『ハチナイ』ならではの重みを持つ“進級と卒業”

――4つめはいかがでしょうか?

後藤プロデューサー:「進級&卒業システム」です。高校3年間の部活動を題材とする『ハチナイ』にとって限られた時間を表現するためのユニークなシステムであると同時に、取り扱いの難易度も格段に高いものです。

レオンくん:進級はハードウェア的にもソフトウェア的にもすごく大変ですが、『ハチナイ』を象徴するシステムだと思っています。

 シナリオ側は当初から進級を盛り込んだストーリー展開を準備していたのですが、システム側では進級ありきで構築していなかったため、実際かなり改修が必要になりました。卒業が終わって、これでなんとかなったと思いきや、進級が(笑)。

後藤プロデューサー:3年生推しだった監督さんも多く、卒業の設計と同時並行で大学生として登場する設計も走らせていました。

 また、新しく入ってくる新入生をどのようにチームに溶け込ませるか? どういった特徴を持って監督さんに推してもらうか? のキャラクター設計には時間がかかることもあり、シナリオ班、アート班とのミーティング頻度が凄まじかったですね、3ラインが同時進行なので。

 当時は朝やって、夕方やって、夜も! といった具合でした(笑)。当然、意見がぶつかることもあるのですがプロデューサーが“理想のハチナイ象をぶらさない”ことで“らしさ”のクオリティラインを定義しローンチすることができたと思います。

――新1年生はユーザーさんから好意的に受け入れられていると思います。

後藤プロデューサー:選手スペックの側面からみても、6年もサービスを運営しているので尖りは必要だと考えています。いわゆる中庸なもので置きにいってしまうと監督さんに響かないと考えているのでバランスは毎回難しいです、自らスクラップ&ビルドを起こしていくので。

 意味を持たせなければ、新しくチームに受け入れるということが起こらないですし、キャラクターのパーソナルと紐づけてユニークな能力を持たせることは重要だと思います。

 ただ、変えた部分が監督さんの大切にしている部分であってはいけないですし、何年間も一緒に走ってきてくれたユーザーさんがこうあってほしい! と思えるようなスクラップ&ビルドをしていかないといけないので7年目も歩みを止めることはありません。

レオンくん:守るべきものも多くなってきていることを感じますね。

思い出(番外編):ドラマ化や田中将大投手との思い出も!

――レオンくんはいかがですか?

レオンくん:自分は一昨年のテレビドラマが感慨深かったですね。アプリゲームがアニメ化する話は耳にしますが、ドラマ化は珍しいと思います。

後藤プロデューサー:ありがとうございます。個人的には本気でホームランを狙って魂を込めたのですが……ツーベースくらいの結果でしたね。響く人には響いた自負があるのですが、ブームを巻き起こすには至らなかったです(笑)。あのドラマの内容でホームランが打てないならもう打ち方わかりません、悔しいです!

――後藤プロデューサー、言い残した思い出はありませんか?

後藤プロデューサー:であれば! マネージャーさん経由ではあるのですが当時メジャーリーガーだった田中将大投手と、キャラクターデザイン案のやり取りをしていた事ですね。メールするだけなのに手汗が止まらなかったです(笑)。

  • ▲田中将大選手がデザインをプロデュースしたアメリア・サンダース。

【第3回に続く】

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