『龍が如く0』の西谷の生死が判明!? “RGG SUMMIT SUMMER 2023”後の合同インタビューで判明した『8』と『7外伝』の魅力とは?

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 6月16日に開催された“RGG SUMMIT SUMMER 2023”では、『龍が如く7外伝 名を消した男』『龍が如く8』の新情報が公開され、どんなゲームになるのか期待に胸を膨らませたファンも多いはずです。

 イベント後には『龍が如く7外伝』と『龍が如く8』について会場の情報を補足する形で、主要開発メンバーの横山昌義氏(龍が如くスタジオ代表/制作総指揮)、阪本寛之氏(『龍が如く』シリーズ チーフプロデューサー、鈴木誠氏(『龍が如く7外伝』プロデューサー)、堀井亮佑氏(『龍が如く7外伝』『龍が如く8』ディレクター)によるメディア向けインタビューが別途開催されました。そこで今回はこの質疑応答の模様をお伝えします。

  • ▲左から鈴木氏、横山氏、阪本氏、堀井氏。

2作品を連続して発表することには迷いもあった!?

――会場では新トレーラーが公開されましたが、『龍が如く7外伝』『龍が如く8』のトレーラーを発表しての反響はいかがでしたか?

鈴木誠氏(以下鈴木、敬称略):『龍が如く7外伝』は桐生が主人公である点に反応してくださっていました。『龍が如く6 命の詩。』までプレイしている方、『龍が如く7 光と闇の行方』で初めて知った方などで反応がそれぞれ違うんですよ。でも『龍が如く7外伝』ではもう一度桐生がプレイアブルになること、そしてアクションゲームであることを1stトレーラーでお見せできて、みなさんもそこはいちばん喜んでくださったと感じています。

阪本寛之氏(以下阪本、敬称略):僕らも『龍が如く7外伝』と『龍が如く8』を連続して公開することで、どちらの作品の話をしているのか、どちらがアクションでどちらがRPGなのか、主人公が桐生なのかダブル主人公なのか、など「みなさんが混在してしまうのでは?」と懸念して、どう発表していくべきか検討を重ねていました。

 でも今日の発表などを見ていると、「『龍が如く7外伝』が先に出るからそのあとに『龍が如く8』をやろう」と、意外とみなさん理解して区分けをしてくださって、逆に苦労した甲斐がありました。

堀井亮佑氏(以下堀井、敬称略):『龍が如く7外伝』は桐生、『龍が如く8』はダブル主人公ですけど春日をフィーチャーする形で、いい感じに棲み分けとそれぞれの色が出せたのかなと思います。『龍が如く』のアクションや桐生が好きな方には『龍が如く7外伝』が刺さりますし、シリーズをあまりよくわからない方も、『龍が如く7』のいい意味での“エンタメ性”みたいなものがトレーラーには入っているので、興味を持っていただけたようですごくよかったなと感じています。

横山昌義氏(以下横山、敬称略):アクション派とRPG派が揉めているわけですよ。そこも我々としてはおもしろいなと。僕がTwitterに『龍が如く8』のことを書けば「アクションに戻してください」と言われるし、『龍が如く7外伝』のことを書けば「アクションはできない」みたいな方もいるわけで。でも、ぜんぜんそれでいいと思っています。

 『龍が如く7外伝』に出演されるファーストサマーウイカさんも、まさに『龍が如く7』がRPGだったから入ってきたわけで、アクションだったらたぶんやらなかったと。でも、結局作品自体に興味を持てば苦手なジャンルの壁を越えますし、いまや彼女はアクションである過去作品もプレイして楽しめるようになっています。ウイカさんからもいろいろ話を聞いていますが、こういったタイプの人はじつは僕の周りに多いんです。とくに女性ですね。

 なので、多分『龍が如く7』だけをプレイして『龍が如く7外伝』でアクションが初めてという方は多いんじゃないかな。そこでアクションに興味を持ては、同じように過去作に入ってくれる可能性は高いと思っています。そんないいIPのサイクルが『龍が如く』シリーズで作れていると感じています。会社ではいろいろな人に「お前ら作り過ぎなんじゃないか?」と言われましたが、やってよかったなと思っています(笑)。

――ちなみに『龍が如く8』の1stティザートレーラーの公開が、ちょうどお笑い芸人のとにかく明るい安村さんがバズッたタイミングで、偶然にしては出来過ぎているなと思ったのですが、こちらは前々から仕込んでいた感じでしょうか?

横山:1年以上前から僕らは3つぐらいのシーンで候補を決めていて、そのなかの1つにビーチのシーンがあったんです。今日のエンディングで流した映像にもあった、昔の仲間が3人集まってバットを掲げるみたいなシーンも候補でした。かなり前から決めていたことなので、こんなことになってビックリしています(笑)。

 でもアメリカでは安村さんでなく映画の「オースティン・パワーズ」って反応が多かったみたいです。あっちはテロップで隠してちょっとズルいけど、うちらはちゃんと隠しているんですけどね(笑)。

――春日一番というキャラクターを出すには、ああいったコミカルなシーンのほうが合っていると思いました(笑)。

横山:舞台が変わっていることがわかるし、かつ『龍が如く7』で春日が裸一貫で捨てられていたというシーンにも重なりますし、いろいろな意味で彼を体現するにはいいシーンじゃないかなと。

――ちなみに、裸だった春日の大事な部分をヤドカリが隠す演出がありましたが、あのヤドカリが仲間となって召喚(デリバリーヘルプ)されるなんてことは……?

横山:内緒です、内緒! でも、こう答えるとあるって言っているようなものだよね(笑)。

――ヤドカリは公式サイトのロード画面やトップページにも出てきますし、何かありそうです。

堀井:公式サイトだけ見ると、ヤドカリを操作するゲームだと思われちゃいそうですが(笑)。

シリーズ未経験者でもこれまでどおり楽しめる作りに

――『龍が如く7外伝』と『龍が如く8』の時間軸はどのような関係になりますか?

横山:『龍が如く7外伝』は『龍が如く7』に桐生が出てくる前をメインに扱っていて、そこからどう『龍が如く8』の桐生につながっていくんだ? という部分も描かれます。

――今回解禁された情報では、過去シリーズで活躍したキャラクターも描かれるとのことですが、作中では『龍が如く7』から入った新規のファンに向けてのフォローなどはありますか?

横山:たとえば“三代目 西谷誉”というキャラクターは“西谷誉”呼ばれる人物が『龍が如く0』からつながっている設定はありますが、じつはその設定自体にはストーリーにあまり関係がないんです。彼が“西谷誉”と呼ばれているだけで、そこに何か謎が隠されているわけではありません。

 桐生が冒頭で「こういう立場なんだ」と描かれば、あとはすんなり入ってこられると思います。過去の設定を持ち出して、いろいろなところに伏線を張ってとかあまり複雑には作っていませんし、あくまでも『龍が如く6』で桐生が名前を失ってからの後日談ですから。過去作の知識がない人が遊んでも、ぜんぜん問題なくついてこられる内容だと思います。

 もちろん、桐生が名を失ったいきさつを知っている方は、「近江連合にはこういう歴史があったんだ」と、興味を持ってもらえたらいいですし。これは長く続いている「日本統一」という作品も同じだと思っています。1話から30話まで見ていない状態で30話から見始めても、まったく楽しめないことはないですよね。

 『龍が如く』も18年近く続くシリーズ物で、ある意味これがプラスにもなるんです。過去を知っている人は「あ、この人が跡目を継いだんだ」というエピソードの楽しみかたが味わえるし、知らない人は知らない人でフレッシュな気持ちでプレイできると。だからそんなに難しいストーリーにはしていません。それこそ『龍が如く』シリーズで言えば、『龍が如く0』しかプレイしていないけど『龍が如く7』は楽しめなかった……、なんてことはありませんから。

堀井:『龍が如く7外伝』で桐生一馬という人物に初めて触れる方も多いと思います。だから桐生の名刺代わりと言いますか、「桐生はこんな人間なんだ」「こういう考え方で生きてきたんだ」と伝わる内容になっています。

鈴木:『龍が如く7』から始めて、桐生のことをよく知らない方は多いんです。今回そういったところを意識して、真剣な桐生やお茶目な桐生など、ゼロベースでこの作品から知ることができると思います。クリアするころには「桐生ってこういう性格の人だったんだ」とか、『龍が如く7』から始めた人は「伝説の極道らしいよ」くらいの知識しかなくてもぜんぜん大丈夫です。

ヤクザ作品のトップを張るふたりにオファーをしたのは当然の流れ

――『龍が如く7外伝』にご出演される本宮泰風さんと山口祥行さんですが、どういった形でオファーをされたのでしょうか?

横山:本宮さんと山口さんには本当に同じタイミングでオファーをしました。きっとお2人は「日本統一」の撮影現場で一緒だろうと思っていましたし、中野英雄(『龍が如く0 誓いの場所』の渋澤啓司役)さんにも「どうすればお話できますかね?」とご相談したんですよ。

 そうしたら「ほとんど一緒に現場にいるから、同時に話を聞くと思いますよ」って(笑)。今日の壇上でもお話されていましたが、オファーをしたらお2人の間でも話をするんだろうと思い、タイミングを見て一緒にオファーさせていただきました。

――シナリオができあがった段階で本宮さん、山口さんにお願いすることが決まった感じですか?

横山:これがね、僕は去年盲腸で入院しまして。3泊4日で暇すぎてお2人が出ている「日本統一」を見ていたんです。Twitterにも書きましたが、30話くらいまでしか見られなかったんですけど(笑)。じつは『龍が如く7外伝』は俳優さんをキャスティングするかどうか、シナリオの途中段階まで迷っていたんです。

 でも、ひさびさに直球の“ヤクザ”物だし、そうなると今その世界を扱う「日本統一」でトップを張るお2人にお願いしないわけにはいかないよねと。ちょうど役柄の年齢設定も合っていたし、自然の成り行きとして見事にハマった感じです。

――もしかしたら「日本統一」とのコラボなども考えていますか?

横山:いえ、それはないと思います。また、壇上でもお話されていましたが、今回『龍が如く7外伝』で演じてもらったキャラクターと、「日本統一」で演じているキャラクターは真逆ですからね。暴れん坊と知性派が入れ替わっているような役柄です。そのあたりも『龍が如く』ならでは魅力として楽しんでいただけるんじゃないかなと。

――発表会後の囲み取材で山口さんが注目ポイントとして、「ミニゲームだと演じたキャラクターが普段と異なる姿を見せるので楽しみにしてください」と語られていました。そのあたりについてもう少しお聞きできますか?

鈴木:答えあぐねる質問ですね(笑)。山口さんが演じる鶴野裕樹は本編で理知的なキャラクターとして描かれますが、いろいろな物語の展開がある中で、そういう違った一面も見られるんじゃないかもしれません。

堀井:人気のある舞台の蒼天堀が登場しますし、従来の人気のコンテンツも入ってますし、新しいプレイスポットもあります。もちろん、キャラクターとの交流も従来シリーズどおりありますので、そのあたりは本作の魅力ですね。

三代目 西谷誉の役をオファーできたことが幸運だったキム・ジェウクさん

――『龍が如く7外伝』では三代目 西谷誉に、キム・ジェウクさんを起用されています。今回オファーされたきっかけは?

横山:キャラクター設定に起因してのことです。物語の中身にかかわるので深くは言えませんが、日本人ではない人に西谷を演じてほしいという考えがありまして、キャスティングを捜していたんです。でも日本語をしゃべってほしかったんです。

 そうなったときにキム・ジェウクさんが第1候補だったんですね。見た目も込みで西谷役に合っていて、ベストに近い……すんなり顔合わせもさせていただいてラッキーだったなと。彼は台本も事前に読み込むし、役柄もすごく見て、たぶんご自身ですごく仕事を選ばれていると思います。

 合わない役とか自分にとってプラスにならない役は受けないと思います。だから今回仕事に選んでいただけたのはうれしかったです。すごくいい人です! 発表会のメッセージビデオを見ていただければわかると思いますが、テキストを見ながら語るのではなく、ラストの言葉以外はちゃんとご自身の気持ちを日本語で考えながら話してくれているんですよ。

 たぶん韓国での配信では、韓国語でのメッセージが流れたんじゃないかな。ただ、劇中では韓国語のセリフはなかったと思います。「アニョハセヨ」くらいは言ってたっけ?

阪本:言っていないです(笑)。

横山:あまり韓国語を話しているのを聞いた覚えがない(笑)。マネージャーとやりとりしているときくらいかな。それくらい日本語が堪能でしたね。あとはスタイルも含めてとにかくかっこいいですよ。イベントで登壇した本宮さんと黒田さんは背が高いじゃないですか。そこに並んでも同じサイズで入るし、顔も小さい。だからいっしょに写真撮ると嫌になっちゃう(笑)。

――ちなみに、西谷誉という名前の初出は『龍が如く0』で、物語では初代にあたる西谷の生死が不明でした。はたして彼は生きているのか、それとも死んでいるのかファンの間でも議論になっていますが、こちらはいかがでしょうか?

横山:1986年の話ですよ!?(笑) 生きていたとしても、かなりの歳じゃないですか。実際のところ、親父の名前である渡世名を代々継ぐってことはあるんです。それで、前の人は渡世名を捨てて隠居したあとは、一般の名前で生きているんです。だから、死んだから名を引継ぐというわけではありません。

 とはいえ、西谷は死んでいるでしょう。生死不明ですけど、西谷は散っているからカッコいいと僕は思うんです。それで言ったら、佐川(『龍が如く0』の佐川司)のほうが生きているんじゃないかなって。

阪本:でもすごい歳ですよ?(笑)

横山:あれから40年くらいか。あの時で佐川は50歳半ばくらいだったから、90歳以上か……。死んでいますね(笑)。

――まさかここで答え合わせになるとは(笑)。

ドラゴンエンジンによる開発の蓄積を新作のバトルシステムに反映!

――『龍が如く7外伝』のバトルシステムですが、“応龍”と“エージェント”というスタイルが発表されています。ナンバリング作品としては『龍が如く6』以来のアクションとなるので、『龍が如く6』を踏襲した形になっているのか、それともスタイルチェンジという形なので別の方向性なのか、まずはその根っ子となるバトルシステムの基本から教えてください。

横山:ベースとしてはどちらの作品もドラゴンエンジンで、今日見ていただいた動画はドラゴンエンジンの実機なんです。2月に発売した『龍が如く 維新!極』はUnreal Engineでしたが、今回はドラゴンエンジンということで『龍が如く6』や『ジャッジアイズ』をベースに使っているので、そこでの蓄積がすべてが入っている感じですね。

 ドラゴンエンジンは随時アップデートを重ねて、どんどんよくしていっているんです。だから『龍が如く6』のときよりも『ジャッジアイズ』のほうがいいし、『ロストジャッジメント』のほうがよりドラゴンエンジンの性能はいいです。最新のタイプでいろいろな部分をベースにしながら使っている感じですね。

鈴木:補足にはなりますけど、我々としては“桐生だから『龍が如く6』の続き”とかそういったことではなく“今年に作れる最高のアクション”をまずベースに考えています。そこに桐生の生い立ちを含めて、今までやってきたことを再解釈してアクションにしています。

――“応龍”と“エージェント”それぞれの魅力について、ステージで発表されたよりも深くお聞きできますか?

鈴木:“応龍”は公式サイトの説明では「終(つい)のバトルスタイルで、これが最終形態であり最新です」ということをアピールしています。桐生もそれなりの年齢になっていますがいまだ衰えず、さらに喧嘩バトルが進化しているので、きっとみなさんご満足いただけるアクションを体験してもらえると思います。

 そして動画にもありましたが、ふつうの単なる連撃やコンボ、フィニッシュ技だけではなく、溜め攻撃なども『ジャッジアイズ』などで磨いたアクションを桐生に落とし込み、おもしろくしています。だから“応龍”の手触り感は、アクションが進化したことをじっかり感じていただけるかなと。

 “エージェント”については、1stトレーラーでは紐みたいなもので戦う姿がありましたが、今日の映像ではドローン的なものを飛ばしたり、吸っていたタバコを投げて爆発させたりする姿も公開しました。このように“エージェント”は桐生がさまざまなガジェットを使って戦う、スピード重視の“スパイアクション”が楽しめます。

 あとは設定面で補足すると、こちらは桐生一馬だとバレないように、大道寺一派のエージェントとして振る舞うためのスタイルでもあります。“エージェント”は1から作っているので、従来の喧嘩バトルを期待してプレイする人も、きっと新しいカジュアルなアクションとして楽しんでいただけると思います。

――たしかに“応龍”がいつもどおりの力強い桐生で重厚な印象に対して、“エージェント”はかなりギミックを使うので軽快な印象を受けました。

鈴木:けっこうテクニカルなこともできますし、従来どおりのヒートアクションもできます。あとは、アクションが苦手な方もボタンをポチポチ押すだけでも楽しくなるようなものもありますし、それ以外にも動画にありましたが、たとえば紐で物を引っ張ってから掴んで投げる、といったことができますね。

――そういったヒートアクションなどは、桐生のコミカルさを出すために何かこういうものを入れたらおもしろいんじゃないかなど、そこを突き詰めるようなディスカッションはされているのでしょうか?

堀井:“応龍”が“ザ・桐生一馬”なんですね。毎作違うスタイルやアクションにチャレンジしてきましたが、先ほども言ったように桐生の名刺代わりになる作品でもあるので、「これぞ桐生一馬だよね!」と感じてもらえるものが“応龍”のベースになっています。

 そうなると、新しさを感じる要素をオーソドックスの中に入れるのか、もっとほかのところに入れるべきなのかと、さじ加減を考える必要がありました。そこで“エージェント”という新しいスタイルでやってみた感じです。いまの最新鋭のアクションとしておもしろそうな要素、ゲームアクションとしてうちの技術面でのトライなどを入れました。ですので、両方を楽しめるバランスになっていると思います。

――公開されたトレーラーでは敵の数が増えていたり、動きが多様化していたり、街の密度が濃いような印象を受けました。可能でしたらドラゴンエンジンの“進化”について、もう少し解説していただけますか?

横山:ドラゴンエンジンって日々日々進化しているから、細かく聞かれると明確に「これです」って言いづらいんですよね(笑)。

阪本:直近だと『ロストジャッジメント』を作っていたので、次にアクションを作るとして今できることは何か? と考えたときにモーションやバトルの制御、街の密度感などにやはり手を入れるんです。よく“踏襲”と言われるんですけど、あまり踏襲している気はしていないです。

横山:『龍が如く 維新!極』のインタビューでもお話ししましたが、Unreal Engineは日中の自然光などの演出に強いんです。だから、『龍が如く 維新!極』で採用した経緯があります。その経験があったからこそドラゴンエンジンのプログラマーも刺激を受けて、ドラゴンエンジンでも明るい描写がいままで以上にキレイに出せるようになりました。

 そのあたりは『龍が如く8』の2ndティザートレーラーの日差しなどを見ていただければわかるかなと。絵作りも含めてだいぶ進化してきたなと感じますし、あれは狙いどおりになったと思います。

――カメラの見せ方が変わったような印象がありました。バトルフィールドも広がっていますか?

横山:カメラは変えていますね。見栄えがよくて、プレイしていてつねにちょうどいいカットになるようにしています。まあ、カメラは引けば引くほどプレイしやすくなりますから。でも、寄せれば寄せるほど絵はキレイなんですけど。

阪本:まだまだ調整していますね。

エージェント・桐生一馬としての世を忍ぶ姿はネタ? それとも……

――『龍が如く7外伝』ではエージェントとして桐生は変装しているわけですが、横山さんは「本人は変装しているつもり」だとおっしゃってましたが?

横山:いや、あれは僕がギャグで言ってるだけですよ(笑)。もちろん、桐生が周りから変装できてないってツッコまれることはないですよ。ただ、情報を公開した後にSNSとかリアルタイム検索したら、あまりにもみんなが「桐生が変装した気になっている」って爆笑してたので、言ってみただけなんですけどね。実際、桐生はずっとサングラスをかけているし、いろいろしているんですよ。当たり前ですが名乗りもしませんし。

 ただし、設定では桐生一馬として名を隠しているだけで、すべてが自由に生きられるようになった人というわけではないんです。まあ、彼はかわいそうというか、煩わしい生きかたを強いられていて、そのあたりはしっかり描かれています。

――名乗らないにしても強面でビシっとしているので、ほかの人から気づかれそうになることもありそうですね。

横山:桐生ってあの世界でそんなに有名人じゃないんですよ。だって、昔極道の親分だった人が、週刊誌に載っているような人でも、街でサングラスかけて歩いていても気づかないと思うんですよ。そこを勘違いしている方が多いのですが、彼は裏社会の有名人ではあっても、一般社会で有名人ではないんです。

春日一番の仲間たちは再集結が確実に! またナンバたちに会える

――『龍が如く8』のキャラクターは正式に発表はされていませんが、発表会のラストで流れた『龍が如く8』の映像では、ナンバをはじめ『龍が如く7』に登場したメンバーが映っていました。となると、『龍が如く7』の仲間たちが再登場すると期待してもよろしいでしょうか?

阪本:そうですね。捏造でもなんでもないので(笑)。

横山:ことさら発表することではないものと思って出していたので、昔のメンバーは普通に出てきます。ただ、鎌滝えりは出てきません。『龍が如く7』のときに一番製菓のサブストーリー扱いでしたので、あのストーリーをやっていない方もいますし。

 じつはえりの加入は強制ではないので、ユーザーによっては仲間にしていないんです。だから最短プレイ配信などを見ているとえりがいなくて、みんな死にそうになっているんだよね(笑)。

 ナンバが抜けるタイミングを穴埋めする形でえりは仲間になるから、彼女を仲間にしないと3人パーティになってすごく難しくなるんです。それでも、鎌滝えりを仲間にせず、がんばってプレイしている人がいるんですよ。と話が逸れてしまいましたが、そういうキャラクターは出ませんが、それ以外はほとんど出ます。

――ほかにも映像には小ネタが仕組まれていますか?

横山:何か入っているかな? さっちゃん(向田紗栄子)の驚いた顔とかは入ってたりするけど、あれは前回も入れてたからね。そこまでクリティカルなものは入れていないけれど、去年『龍が如く8』の桐生と春日が歩いてくる映像には、声優さんの声をバーっと載せているので、あれで声が聞こえる人は全部出ます。なので、沢城丈も出ますし。

阪本:あっちのほうがヤバいですよ(笑)。

横山:あれを解析されるとほとんど出る人がわかります。もう解析されていいと思って出しているんです。ただ、解析不能の声が3つくらいはあるかな。まあ、1年経ってもわからなければわからないですよ(笑)。

秋開催予定の“RGG SUMMIT FALL 2023”での情報更新をお楽しみに!

――では最後に発売を待つファンへメッセージをお願いします。

鈴木:『龍が如く7外伝』は、桐生の空白の期間を体験できるのと、桐生を知らない方でも、ここから「桐生一馬がどのような人なんだろう?」とわかるような作品になっています。また、『龍が如く7』から始めて「桐生って誰だろう?」と思っている方も、『龍が如く』シリーズを遊んだことがなくて「この人誰だろう?」という方も、『龍が如く6』のあとはどうなっていたんだろうと思っていた方も、みなさん楽しめる作品になっていますので、ご期待ください。

堀井:『龍が如く7外伝』はアクションで『龍が如く8』はRPGとジャンルは違いますが、どちらの作品も前提知識みたいなものはなくても、単純に触っていただいて新たに楽しんでいただけるような間口の広い作品になっています。『龍が如く』の続編が楽しいのはもちろんなんですけど、単純に続編とか関係なく単品のゲームとして見たときに、新しさやおもしろさがいっぱい詰まっている作品なので、多くの人に触れていただいて楽しんでいただければと思います。ご期待ください。

阪本:直近では『龍が如く 維新!極』というリメイク作品を発売しましたが、新作として『龍が如く7外伝』と『龍が如く8』を着実に作っていまして、その一部が今日の“RGG SUMMIT”で公開になりました。秋ごろにはどんなゲームになるのかという、私たちが注ぎ込んでいたものが伝わってくると思いますので、これ以降も引き続き情報を入手していただけるとありがたいと思っています。

横山:察しのいい方は秋の“RGG SUMMIT FALL 2023”に何を発表するのか、だいたいわかると思います。でも、じつは『龍が如く7外伝』で言っていない大きなことがありますので、まだまだ底が見えていないというか、お伝えしなくてはいけないことがあります。“東京ゲームショウ2023”の前には昨年と同じような形で“RGG SUMMIT”を開催するので、またよろしくお願いします。

(C)SEGA

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