『SAND LAND(サンドランド)』南Pにインタビュー。鳥山明テイストをゲームに取り込むためにこだわっている点は?

セスタス原川
公開日時
最終更新

 バンダイナムコエンターテインメントから、鳥山明先生の名作『SAND LAND』がPS5/PS4/Xbox series X|S用アクションRPGとして発売されます。『SAND LAND』はマルチメディアプロジェクトとして動いており、ゲームだけでなく8月18日に映画も公開予定となっています。

 この記事では、本作の制作を手掛ける南敬洙(みなみ けいしゅ)プロデューサーにインタビューを実施。ゲームとして原作を意識してこだわったポイントをはじめ、原作を読んでいる方が気になる部分についても語ってくださいました。

  • ▲南敬洙プロデューサー

鳥山明先生の世界をそのままゲームに

――『SAND LAND』のゲーム化の経緯をお聞かせください。

 鳥山明先生の作品と言えば世界中に知られている作品として『ドラゴンボール』がありますが、他にも多数の魅力的な作品があり、その中の1つとして知られる『SAND LAND』をゲーム化、映像化して世界中のファンに届けたいと思ったことがきっかけになります。

――アニメとゲームで連携して制作を進めているのでしょうか?

 はい。お互いの進捗を見せ合ったり、他には映画とゲームのキャラクターモデルや設定などを共有しながら制作していました。双方で連携しながら制作を進めている形ですね。

――鳥山先生の作品を扱うにあたり意識したポイントがあればお聞かせください。

 鳥山先生の原作を忠実に再現していく形にしています。モデルも原作のデザインを意識した線があるこだわったデザインを取り入れて、鳥山先生が描くキャラクターの特徴をゲームでも感じられるようにしました。

――プレイした範囲だと、キャラクターたちもしっかりとしゃべっていましたが、本作はフルボイスなのでしょうか?

 ほとんどのセリフにボイスは実装していますが、一部の NPC のキャラクターなどにはボイスがなかったりもしますね。

――集英社の方々、鳥山先生ご本人とはやり取りしながら進めているのでしょうか?

 集英社の方々には監修という形でゲームを見ていただいています。鳥山先生は、総監修という形でシナリオや制作過程のものをみていただいたり、たくさんのご協力をいただいています。

――本作のことをまだ知らない方もいると思います。ズバリ、南Pが考える本作の魅力を教えてください。

 まずは広大な砂漠を冒険するには欠かせないキャラクターですね。そして、登場する戦車をはじめとしたメカが特徴として挙げられます。ここは原作のテイストを生かすべく、特に意識しているポイントですね。

――ああ、たしかに“鳥山先生のテイスト”というのはデモ版をプレイした後だと実感できますね。戦車などが被弾した時に、「リアルなメカだったらこういう動きしないよね」みたいな転がり方をしていました。あのへんは漫画チックな印象を強く受けましたね。

 そうなんですよ! どうしたら“鳥山先生の描くメカ”をゲーム内で表現できるかなと考えまして。攻撃を受けたときのノックバックや移動中のアクションなどは、世界観や雰囲気に沿うように表現しています。

――それと、砂の世界を舞台にしているということで車やメカの通った後の轍(わだち:車輪やキャタピラが通った跡)が丁寧に描かれていました。あの辺にもこだわりがあるのでしょうか?

 そこは少しゲーム的な話とつながっている部分ですね。砂漠のマップにはもちろん目印となる対象物はありますが、自分がいまどこから進んできたのかわかるように轍を長めに残したりしています。デザインだけでなく、ユーザビリティの観点もあります。

――デモ版では車や戦車に搭乗できましたが、他にもメカはまだまだ登場するのでしょうか?

 PVにもいくつかメカが出てきますが、さまざまなメカに乗れるようにしています。具体的に数は言えませんが、どんなメカが登場するのか期待してお待ちいただければと思います。

『SAND LAND(サンドランド)』ゲーム化決定!第1弾トレーラー

https://www.youtube.com/watch?v=_tMrBaEdkLY

――改めてPVを見ると、いろいろなメカや攻撃方法が確認できて、楽しみになりますね! メカは強化などもできるのでしょうか?

 はい。メカの移動能力や攻撃力を強化・カスタマイズして自分好みのメカで戦えます。そのまま進めてもいいですし、素材を集めて強化してからゲームを進めることもできますよ。

――フィールドもかなり広大なものになっているように感じました。

 本作は“オープンワールド”とは銘打っていませんが、それに匹敵するくらい広いフィールドになっています。基本的にはメカを操作してプレイしていく方がほとんどだと思いますが、ベルゼ(※主人公・ベルゼブブのこと)を操作して強い敵に挑むことも可能にはなっています。広大なフィールドで自由に楽しめるようなゲームデザインになっています。

 また、フィールドには時間の概念もあり、プレイしているうちに昼になったり夜になったりします。


――フィールドも広いですし、寄り道などかなり自由度が高いゲームと感じました。

 本筋のメインシナリオはありますが、サブクエストやメカを使った遊びなど寄り道はたくさんありますので、プレイヤーの皆さんの好きなように進めていただければと思います。

――アクション要素はメカやベルゼのバトル以外もあるのでしょうか?

 バトル以外にはスニーク移動をしてバレずに進む場面もありますし、他にもアクションRPGとして全体的にアクションに力を入れて作っています。

――難易度の調整やバランスなどはいかがでしょう?

 戦車の操作などは慣れるまでは少し難しく感じる方もいるかもしれませんが、そこまで複雑な操作にはしていませんので、遊んでいるうちに慣れていただけると思います。難易度は3段階用意していて、ゲームプレイ中に任意に切り替え可能です。

――ゲームで遊べる範囲について教えてください。また、ゲームのオリジナル要素はどのくらいあるのでしょうか?

 まだ詳しくはお話できませんが……原作の内容をカバーしていると思っていただければ。ゲームオリジナルの要素も用意していますので続報をお待ちください。

――ボリュームはどれくらいでしょうか?

 ボリュームは、メインシナリオは20~30時間のプレイになると思います。さらにサブクエストややり込み要素をプレイすれば100時間以上遊べる作品になっていると思います。砂漠以外のダンジョンもありますし、メカの強化も楽しめます。

――メイン20~30時間で、やり込みをプラスすると100時間以上となると、かなりのボリュームになっていそうですね。映画の放映時期は決まっていますが、ゲームの発売時期はいかがでしょう? お話できる範囲でお教えください。

 発売時期はまだ明確にお伝えできませんが、映画の盛り上がりとも連携しながら発売時期を調整しています。

――最後に読者へメッセージをお願いします。

 『SAND LAND』はゲームと映像両方ともプロジェクトとして気合いを入れて制作しています。その中で、ベルゼブブを通して作品をもっともっと好きになっていただけるように、ゲームとしてもアクションやメカなどこだわりを持って作っています。今後も続報が出ますのでご期待してお待ちいただければと思います。

タイトル名:SAND LAND
対応機種:PlayStation5/PlayStation4/Xbox series X|S
ジャンル:アクションRPG
プレイ人数:1人
CERO:審査予定

©バード・スタジオ/集英社 ©Bandai Namco Entertainment Inc.

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら