『Ed-0: Zombie Uprising』レビュー。大江戸にゾンビが襲来するおバカ設定だが、歯応えありすぎるローグライク・アクション!

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 ディースリー・パブリッシャーからPS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)に向けた大江戸パニックローグライク『Ed-0: Zombie Uprising』が7月13日に発売されます。

 幕末の日本にゾンビがやってくるというトンデモ設定ながら、かなり遊びごたえのある内容だった本作のレビューをお届けします。

大江戸×ゾンビ×ローグライクの異色の3コンボ

 本作の設定は幕末の日本。そんな鎖国真っ只なか、諸外国では”ゾンビ産業革命”という技術労働革新が発達。その技術を持った黒船が日本に来航し、開国を要求。それにより日本はゾンビの侵入を許してしまう……。とまぁ、なかなかのおバカ設定っぷり!

 またストーリーが絵巻物と活動弁士のように展開するのも雰囲気バッチシで好みです。

 そんな大量流入したゾンビを相手に侍、力士、忍者の3人を操作してダンジョンの最奥を目指していくローグライク・アクションが本作のジャンル。

 敵もアイテムを投げつけてくる農民やら超精度でパリィしてくる落ち武者、自爆する力士と和ゾンビが満載なのも特徴でした。ちなみに陰陽師や呪術師は登場しませんが、南蛮由来の謎機械ゾンビは出てきます!

 ローグライクにもさまざまなルールがありますが、本作はアイテムの持ち帰りはなしで、“徳”と“銭”は持ち帰ることができます。拠点でステータスの永続強化、そして道中で自キャラのステータスや必殺技を習得、強化していくタイプ。

 最初は9個のアイテム欄と減っていく満腹度。そんな限られたアイテムでリソース管理をしつつ、自身を強化していくのが本作のルールです。

 そのため序盤は慣れも含めて攻略に運の要素がとくに強く感じられましたが、拠点のステータス強化の恩恵が強く、やり込みに応じてプレイが楽になっていく点は評価したいところ。

 ゲームへの理解度が深まるにつれて解放されていくさまざまなステータス強化は、プレイの幅を広げることになっています。ダンジョンの特徴に応じて特化させるステータスを変更したりと、多彩なアプローチができるのも面白い点でした。

侍、力士、忍者の個別の爽快感

 キャラによって基礎体力や移動速度、攻撃モーションなどが大きく異なり、ダンジョン内で習得できる秘伝技はすべて違います。

 当然、攻略法に差が出てくるので「どういうビルドにしていくか?」を毎回悩めるローグライクの面白さもしっかり用意されています。ちなみに、ストーリーの流れに則って特定のステージをクリアすることで、使用キャラが解禁されていきますが、拠点の神社の前で何かをすると最初から使用キャラが解放される裏技があるらしいです。

 アクションは、通常攻撃のほか道中で拾える秘伝技と呼ばれる強力なスキルを習得していくことで強くなるのが基本。この秘伝技はその冒険限りのもので、拠点に戻ると忘れてしまうのですが、どれも強力で性能強化をすることにより戦略の柱になっていきます。

 初期キャラであるサムライは、日本刀を操り広い攻撃範囲とリーチのある突きで、ゾンビをまとめて掻っ捌ける爽快感が特徴。”袈裟斬り”や”十文字斬り”と使いやすいものがそろうなか、カウンター攻撃や自身のステータスを強化する秘伝技もあり、あれこれできる万能型となっています。

 力士は基礎体力が断トツで高く、またほぼすべての行動に金剛体(のけぞらない)があり、強引に行動できるのがポイント。通常攻撃の攻撃範囲が狭い代わりに秘伝技の範囲、威力が桁違いに優れており「肉を切らせて骨を断つ」を地で行くパワータイプ。

 忍者は最初から二段ジャンプができ、長い回避距離や専用の”シノビ・クリティカル”で大ダメージを狙っていく想像どおりの機動力タイプ。”火遁”や”雷陣”といった属性技に加え”風魔手裏剣”や”仕込み苦無”と投擲系の秘伝技もあり、テクニカルな遊びに特化していました。

 基本的には秘伝技が攻略の軸になると思いますが、10個装備できるお守りの効果も特徴的。“体力が80%以上あると通常攻撃が強化”や“体力が80%以上あると被ダメージが0.7倍になる”といったものから、“満腹度が減りにくくなる”や“移動速度が1.2倍にアップ”など便利系もあり、さらに同じお守りを装備しても効果はすべて重複するので、お守りを攻略の軸にすることもできるほど遊びの幅は広いです。

リソース管理以上にアクション性の高い、歯応えのある難易度!

 序盤のダンジョンはやさしめですが、だんだんと出現するゾンビの数も多くなり囲まれることも増えていきます。またお守りをはずしてきたり、状態異常にしてくるゾンビも出現するなど、やっかいさが増していきます。

 とくに毒や炎上、酩酊といった状態異常が凶悪。最初はアイテムを9個しか持てない(“つづら”で所持アイテムを増やせる)こともあり、対策用にあれこれ所持していると探索がはかどらないのでリソース管理の難しさも感じました。個人的には「状態異常になる前に倒す!」が鉄則かなと。ただ、“状態異常時に強くなるお守り”もあるので、悩みどころです。

 また広大なエリアを探索するダンジョンや、落下すると大ダメージを受ける奈落があるダンジョン。地面から竹槍、天井からトゲが出てくる仕掛けつきの部屋とギミックダンジョンも豊富にあり、アクション、リソース管理、危機管理が必要なおバカな設定とは裏腹にかなり歯応えのある難易度でした。

 1ダンジョンおおよそ約40~60分前後かかるので、1回の失敗が心に来るタイプのローグライクですが、そのぶん、ビルドがうまくいったときの爽快感は代えがたいですね! ただ、道中の“帰還の鳥居”で拠点にいつでも帰ることができるのも、また悩みどころですが。

 1ステージにつき難易度も4段階あり、上にいくほど敵が強くなるだけでなく、アイテムも未鑑定品になっていきます。つまり実際にアイテムを使用するか“鑑定札”や“明晰の薬”を使わないと効果が不明の状態ということ。よりゲームへの知識や感覚が要求されるので、かなりやり込めるタイトルとなっていました。

 骨太のローグライクゲームですので、ぜひみなさんも一度遊んでみてください!

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