レビュー:『神箱』は自由度の高さ&チャンプル感が魅力の神ゲー。テーブルトークRPG的な匂いもたまらない!

たく坊
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 グラビティゲームアライズが2024年発売予定のPS5/PS4/Switch/Steam向けワールドクラフトRPG『神箱(KAMiBAKO ‐Mythology of Cube‐)』のプレイレポートをお届けします。

 本作は、広大な大地を“修復”しながら冒険していくワールドクラフトRPGです。“クラフト”、“バトル”、“パズル”の3つの軸で、冒険を楽しめます。ヘビーなゲーマーなら『東京魔人學園伝奇』の今井秋芳さんがディレクターを担当していると聞いた時点でワクワクが止まらないのではないでしょうか。

 本記事では、実際に遊んだ感想を交えつつ、本作のゲーム内容を紹介していきます。

 なお、この記事で取り上げているデモ版は、2023年7月14日~16日の3日間(14日はビジネスデー、15、16日は一般ユーザーも参加可能)にわたって京都市勧業館みやこめっせで開催される“BitSummit Let's Go!!(ビットサミット レッツゴー!!)”でプレイできます。

『神箱』の世界観とは?

 本作の世界は、“大分断”により分裂された大陸が舞台。“モンスターの増加”や“食料問題”“資源問題”“内戦”、“紛争”など、世界が混沌とする中、国々はそれぞれ問題は抱えつつも、一応は国としては存続していました。

 世界の女神はこの問題を治めるべく“修復者”を選び、世界の“修復”を命じます。プレイヤーは世界を修復する“修復者”として、旅をすることになります。

 旅の中で、世界がなぜ“分断”されてしまったのか、“分断”により変わってしまった世界の問題をどのように解決するのかを探りながら、冒険していきます。

 余談ですが、仲間の職業にはアコライトなんてものがあったりして、さすがはグラビティゲームアライズ開発のゲームだなとニヤリとできたりします。(キャラのグラフィックのかわいさもサイコーです!)

探索? ストーリー? 何を優先するかはプレイヤー次第!

 分断された世界では、マップの開示から行う必要があります。マス目状に設定された世界を、自らの足で、時には馬車で踏み歩き、どんな土地なのかを解明していきます。川を越え、山を超え、次々と変わるロケーションにワクワクが止まりません。

 メインストーリーでは物語、サブクエストでは、報酬を獲得できるお使い的なものも用意されています。非常に自由度が高いゲームですが、メインストーリーを進めるための道のりは不思議な鳥が案内してくれるので、迷子になる心配もありません。

 マップはデモ版で遊べる範囲でもかなり広く、少なくとも今回体験した時間では、到底、すべてを遊びきることはできませんでした。特別に1時間近く遊ばせてもらったのですが……!

 物語を進めるのか、マップの開示を優先するのかは、プレイヤーの好みで分かれそうなところです。物語そっちのけでマップを広げたくなるのも、本作の魅力です。

街を作って交易をつなげる!? “マップクラフト”がすごく楽しい!

 本作の特徴その1、マップクラフト。端的に言うと、素材を使って1から物を作るクラフト要素です。武器や防具の装備、街に使う設備などの、2つの要素をクラフトできます。

 武器や防具は、クラフトすると、街で売られている装備より高いステータスのものを入手できる場合があります。ステータスにはランダム要素があり、例えば剣をクラフトする場合、攻撃力が19~24のものを制作できる、といった感じです。

 こういう絶妙なランダム要素は、なんというかテーブルトークRPGでダイスを振るような楽しさにもつながっていると感じました。しっかりとした3Dで描写されているハイクオリティなデジタルゲームでありながら、どことなくアナログゲームの匂いもする……。そのせいか、遊んでいてすごく楽しいんですよね。

 次に、街のクラフト要素も見逃せません。筆者的には、本作を遊んでいて、もっともハマった要素です。

 マップの1マスにつき、1つの街を作ることができ、隣接しているマス目であれば、1つの街としてつなげることができます。開発者によると、「障害物を考慮しないのであれば、すべてのマップを1つの街にできる」とのことです。すごい。

 街の中には、酒場、素材を集める施設、食料を提供する店など、さまざまな施設を建設できます。施設を建設したら、すべてを柵で囲うことにより、街として完成します。

 そして、近くの街は、また近くにある街と交易をはじめます。交易がはじまると、より高度なアイテムを販売するようになったり、その街で手に入らないものが流通するようになったりと、非常に興味深い要素となっています。

 すべての街ですべての施設を作るのではなく、うまく流通を考えて街を作ることで、より効率的な物流を仕組めるのかもしれません。

 体験版では体験できませんでしたが、街にも敵が出てくるので、防衛用の設備を建設しなければいけなかったり、“天候”が変わる要素により採れる作物が異なったりするとのことでした。ちなみに、施設には名前を付けられるので、すべての飲食店を「電撃飯店」という名前にする、全国チェーン展開を目指す遊びもできます。特に意味はありませんが。

 筆者がハマった“マップクラフト”は、個人的にとても注目の要素となっています。

修復者は戦わない。スキルの発動が重要な“バトル”

 本作の見どころの1つ、“バトル”。ターン制オートバトルで楽しめるバトル要素となっています。

 バトルでは、“修復者”は戦わず、仲間だけで戦います。自動で戦闘が進行していき、敵味方全員が1度ずつ行動して1ターンが終了。またマナを仲間に与えるターンが来て、再度全員が行動していきます。

 マナを仲間に与えると、仲間はスキルを発動可能に。スキルは、強力な攻撃を発動できたり、仲間を回復できたりと、さまざまなものがあります。スキルの発動タイミングは、プレイヤーが指定でき、好きなタイミングで発動できます。例えば、1人に攻撃が集中してしまい、予想以上にHPが減ってしまったので、急遽回復をする、といった使い方ができます。

 戦闘のバランスは、筆者が遊んだバージョンでは、なにも考えずにボスだけ殴っていると、負けてしまうくらいの難易度。筆者はちょっとなめてかかった結果、序盤で全滅しました(苦笑)。

 しっかりマナを与えて、しっかり発動タイミングや攻撃する敵を考えていく必要があります。ちゃんと考える楽しさがあるので、バトルのハラハラ感を十分に味わえるでしょう。

 ちなみにバトルで一緒に戦ってくれる仲間(NPC)も複数存在し、必ず仲間になるキャラ以外にも条件を満たさないと仲間にできないキャラも存在するとか。

 キャンプなどを通じて仲間と交流を深めていくとプロフィールがオープンしたり、特別なエピソードが楽しめたりと、いわゆる王道RPG的な楽しみ方も用意されています。うーん。早くいろいろな仲間と冒険したい!

パズルゲーム要素まで存在するチャンプル感! パズルも楽しい!

 最後の要素“パズル”。“大分断”の影響を受けたマップを、パズルにより修復していきます。

 いやあ、大作RPGであり、街や世界を作るシミュレーション的な楽しさ、キャラクターとの交流要素にくわえて、まさかのパズル要素まで! チャンプル(ごちゃまぜ)感がありつつも、絶妙においしいゲームになっているところが素敵です。

 パズルは、落ちモノ系ではなく、すでに組み合わさったピースを入れ替える2マッチ系のパズルです。時間以内に指定の色のピースを消していくもの、時間制限はないが、消す順番を考えなければいけないパズルなど、さまざまなミッションが用意されています。

 パズルのチェインをうまくつなげていくと、“フィーバーモード”に突入。時間制限付きのパズルなら、時間が止まって消し続けられるモードとなっていました。

 パズルを終えれば、マップでマナを獲得できるようになります。バトルに突入する前に寄っておけば、より多くのマナを蓄えた状態でバトルできるようになる、といった準備を整えられます。ボス戦が近づいてきたから、パズルを遊んでいく、そういった戦略を取るようになるかもしれませんね。

 本作では、その他にも“食料”が尽きてしまう前にパン屋によっておかなければいけない、そのために街をクラフトして食料を用意できる場所を作っておく、特定の条件でのみ仲間にできるNPCが存在する、仲間との会話を楽しめるキャンプといった、RPGらしい遊びが多数存在します。

 マップを広げていくのか、戦闘を楽しむのか、より強い装備を求めてクラフトするのか、すべてのマップを街にするのか、プレイヤーの好みで遊び方が変わる、魅力的な作品となっています。

 京都近辺の方はぜひ“BitSummit Let's Go!!(ビットサミット レッツゴー!!)”でその神ゲーっぷりを堪能してみてください。あえて物語を進めず、延々と畑を育てる……なんてのもアリですよ!

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