『ソードアート・オンライン ラスト リコレクション』のエンディングには仕掛けあり? 気になるアレコレが上野P&二見Pのトークで明らかに【#ラスコレ体験会】

電撃オンライン
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 バンダイナムコエンターテインメントの、PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam)用ソフト『SWORD ART ONLINE Last Recollection(ソードアート・オンライン ラスト リコレクション)(以下、ラスコレ)』の体験会が先日某所で実施されました。

 本記事では、上野瑛介プロデューサーと二見鷹介ゲーム総合プロデューサーによる本作のQ&Aを中心にその模様をレポートします。

歴代『SAO』ゲームシリーズのビジュアルがズラリ!

 会場入り口では、歴代『SAO』ゲームシリーズのビジュアルが描かれたポスターがお出迎え。

 会場内には歴代ゲームキャラクターの等身大パネルや『ラスコレ』の限定版同梱グッズのサンプルが展示されていました。

 パネルやグッズのサンプルは来場者さんも撮影OKということもあり、“#ラスコレ体験会”のハッシュタグでSNSにアップされています。

『ラスコレ』にマルチエンドはなし。ゲームにしかできない物語の結末とは!?

 本イベントは昼の部と夕方の部の2回実施され、各部の参加者はイベントの前半と後半で入れ替わりつつ、試遊とトークイベントを楽しむという形でした。

 各部では、上野瑛介プロデューサーと二見鷹介ゲーム総合プロデューサーにより本体験会の概要が触れられ、難易度はある程度歯ごたえのあるゲームプレイになるNormalであることや、一度クリアしても30分の制限時間丸ごとプレイできるなどの説明が行われました。

 また、本イベントのビルドには通常のボスのほかに隠しボスも用意。こちらは参加者全員が倒せることは想定しておらず、腕に自信のあるプレイヤーなら倒せるという難度のものとのこと。夕方の部の冒頭では、昼の部の参加者のうち2名のみ隠しボスの撃破に成功したことが語られました。
 
 また、昼の部では敵に狙われたら“ブラックハウリング・アサルト”が有効、敵が地面に潜るときに尻尾を狙って“モーメント・バイト”を打つと敵をダウンさせられるといった細かな説明も聞くことができました。

 参加者は思い思いに本作の先行プレイを楽しんでいた様子。なかにはオプション画面をじっくりと見ている方もいました。

 また、トークイベントでは、事前に募集した質問をもとに上野Pと二見PへのQ&Aを実施。

 ユーザーからの生の声ということもあり、一部似た内容の質問や結果として同じ回答になるものがあったため、抜粋を交えてその内容をお届けします。

──開発上の一番のこだわりポイントは?

上野P:プレイアブルキャラクターは40名以上とRPGとしては非常に多く、そのなかには原作小説やアニメにも登場しているキャラクターが多数います。
 そういったキャラクターやゲームオリジナルのキャラクターを含めて、原作やアニメではかなわなかった出会いや再会がゲーム内で果たされるのがゲーム版『SAO』の魅力のひとつ。

 ですから、ゲームだから出会えた彼らの日常やバトルシーンなどでのやり取りには力を入れています。

二見P:私は主に作家・暁佳奈さんに書いていただく、シナリオ全般の担当をしておりました。 今回はゲーム版『SAO』の物語を一度ピリオドを打つのが目的の一つでした。ですから、『ソードアート・オンライン -インフィニティ・モーメント-』から続くゲームでのキリトたちの物語にどんな結末を用意するかに時間をかけました。

 アニメでも“アリシゼーション編”が描かれましたが、ゲームではキリトもユージオも覚醒しており、最初からアスナたちもいます。さらに、ゲーム版オリジナルキャラクターもいて彼女たちとここまで紡いできた絆もある。そういったアニメとは違う舞台背景で、どのようにして辛い歴史を変えていくのかに注目してほしいですね。

──ゲーム版『SAO』の新キャラを作るうえで意識していることは?

二見P:キャラクターを制作するにあたって基本的には性格のかぶりなどは考えておらず、物語のテーマやエピソードも踏まえて、原作小説やアニメに登場したらどんな位置づけになるかということも考えて見た目や性格などを構築しています。

 基本的に原作サイドからのにご相談はしつつ、自由にやらせてもらっていますね。メディナを原作サイドの方に見せたときには「こんなにきつい性格で大丈夫ですか?」と心配されたくらいです。メディナには“ユージオが元気なアリシゼーション編”でキリトの心を折る役割も担ってもらったので、かなりつらい思いをさせてしまいましたね。

上野P:本作の新キャラクター・ドロシーはある事情から罪を背負っており、そのうえ使命も抱えています。最新PVで意味深なことを言っていたりキリトと対峙するようなシーンもあったりと一筋縄ではいかないキャラクターということは想像がつくでしょう。

 そんな彼女がキリトと出会ってどう変わるのか、ゲームを進めていくと印象の変わるキャラでもあるので楽しみにしてもらえればと思います。

──操作していて一番楽しいキャラクターは?

上野P:私はドロシーですね。新武器の大鎌を使っている点に加えて、ソードスキルを使う際に自身のHPを消費するものや逆にHPを吸収するものがあり、自分のHPを管理して戦うのが楽しいキャラクターです。さらに、中距離から鎌を投げるような攻撃もあり、いろいろな戦い方ができます。

 あとは、細剣を使うアスナもお気に入りです。ゲームスピードの向上にともない、元から手数の豊富だった細剣の爽快感がより増しているんです。

 さらに本作から追加されたソードスキルには、分身を作ってダメージを肩代わりさせるものもあるので、トリッキーな動きもできるようになっています。

二見P:僕は片手剣と短剣が好きですね。とくに短剣は空中から攻撃を仕掛けやすいなど機動性に優れていて動かして楽しいので、テストプレイなどではつい短剣を使いがちです。

──『アリリコ』ではいくつかの曲からテーマ曲を選んだという話が以前ありましたが、本作のテーマ曲も同じ流れで選んだのでしょうか?

「SWORD ART ONLINE Alicization Lycoris」オープニング映像

ReoNa 『VITA』-Lyrics Video-

上野P:本作の主題歌はいくつかの曲から選定したものではなく、最初からあの曲(『VITA』)で行こうと決まっていました。

 『VITA』に『Scar/let』のメロディを想起させるようなフレーズが入っており、こちらは私が新しい主題歌に過去の楽曲のオマージュが含まれているような演出が好きだったので、ぜひ入れてほしいとお願いしたものです。

──現時点で言えるところまででいいので、本作の開発秘話を聞かせてください。

上野P:キャラクターが多いことが大変でもあり、力を入れた部分でもあります。40キャラクター分のモデルにセリフや掛け合いなどなど……。

 また、前作は特にバトルの部分でできることが多いぶん敷居が高くなってしまうこともありました。そこをどのようにスリムアップして、バトルを複雑に思わせずに楽しんでもらえるようになるのかに気を配りました。

 スリムアップしたことで、ゲームスピードを上げることができました。スピードが上がったことで攻撃や回避といった決断をするスパンは短くなっていますので、決して物足りないと感じることはないと思っています。

二見P:『アリリコ』では発売当初、不具合が多くユーザーさんにご迷惑をおかけしてしまったので、本作では不具合を取り除いたりプレイアビリティの向上させたりすることに気を配りました。

 実際のところデバッグ期間だけで半年以上かけています。また、今回の体験会や発売後のユーザーさんの声はフィードバックしていこうとして反映していこうとも考えています。

 また、何度かお話していますが本作はゲーム版『SAO』のキリトの物語のひとつのピリオド。集大成にふさわしい作品になるようにあらゆる面に力を入れています。

──前作はムービーが少し長すぎるように感じました。本作のムービーの長さはどの程度になるのでしょう?

上野P:前作はセントラルカセドラルを登って、アドミニストレータを倒して、それからメディナとの物語と続いたため物語がかなり長めになっていました。

 ですが、本作は最初からキリトもユージオも覚醒しており、アスナたちもいるなか大きな困難に向かっていくゲームオリジナル展開です。ですから、基本的にはそこまで長大になり過ぎず、ムービー自体も短めになっています。

二見P:例外としてエンディングはある仕掛けがあるために25分ほどの長尺になっています。ゲーム部分に関しては上野に任せっきりになりましたが、その代わりにエンディングに関してはクオリティをできるだけ上げられるよう、上野と一緒に頑張りました。

──『SWORD ART ONLINE Alicization Lycoris(アリリコ)』のように、隠しエンディングや特定の行動をとったときだけ見られるイベントはありますか?

上野P:今回は『アリリコ』のようなマルチエンディングにはしていません。一方で、エンディングに関しては今まで『SAO』ゲームを遊んだ人やアニメ、原作小説を楽しんできた人にはたまらない演出を用意しています。

 なお、エンディングは撮影禁止区域にもなっているので、プレイして体験してほしいですね。

二見P:『SAO』ゲームシリーズには10年の歴史がありますが、どこから入った人でも楽しんでもらえるような仕掛けを用意しています。

 発売からしばらくしたら、本作の物語の結末に関して、いろいろとお話ししたいですね。……本音を言うと今語ってしまいたいんですよ!(上野P:ダメですからね!!) もちろん言いません! でも、本当に早く皆さんにお見せしたいくらい力を入れたエンディングです。

──セーブはどの程度の頻度で行えるのでしょう?

上野P:セーブポイントとなる石柱はかなり頻繁に設けています。さらに、石柱はファストトラベルができるポイントでもあります。ですから、石柱の解放を優先して進めていくと快適に遊べます。さらにオートセーブもあり、セーブデータも複数制作可能。ですから、お気に入りのシーンを別途残しておくということもできますよ。

──アンリアルエンジンを使用したことのメリットは?

上野P:グラフィック面への影響が大きいですね。エフェクトやモーションの滑らかさもアンリアルエンジンの力です。

二見P:加えて、アンリアルエンジンというスタンダードなゲームエンジンを使うことで、開発会社が作業を進めやすいのも大きなメリットなんですよ。前回で思い知ったのですが、今のゲーム開発規模ですと、もはや1社で制作を担当することは国内のかなり大手の開発会社さんでも厳しいと思います。

 これが例えば、Aというメーカーが作った独自のエンジンをBで使うことになると本当に大変で……。また開発の際にトラブルがあっても、アンリアルエンジンで起こりうる問題に対するノウハウはすでに蓄積されているので、お互いにフォローがとりやすいですね。その分違う問題もありますが。

──好きな敵キャラは?

上野P:未発売の作品まで含めるとガブリエルですね。茅場晶彦はさておき『SAO』の敵はプレイヤーや読者として許せなくてもその思想自体は理解できるじゃないですか。ですが、ガブリエルだけは常人では理解しがたい気味の悪さがありますよね。さらに悲しいバックボーンがあるわけでもない純粋悪というところも含めて好きなキャラクターです。

 過去作では、イツキのようなトリックスターやハァシリアンのような薄気味悪いキャラクターも好きですね。

二見P:どの敵キャラも好きですが、あえて挙げるなら『ソードアート・オンライン -ホロウ・フラグメント-』のPoHですね。

 開発当時、PoHとフィリアのセリフを時間をかけて、なおかつノリノリで修正したので彼らのシーンと合わせて思い入れが強いです。ただ、今見ると私がチェックしたセリフって「……」が多いんですよ。それが少し恥ずかしいですね(笑)。

 イベント終了後は二見Pと上野Pにサインを求める参加者の姿も。大好評のうちに体験会は幕を閉じました。

イベントギャラリー


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