『FF14』北米ファンフェス・コンサート&ライブリポート。吉田直樹氏「ゲームを作っていて本当によかった」【ファイナルファンタジーXIV】

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 現地時間2023年7月28日(金)~29日(土)の2日間(現地時間)にわたって開催された、北米における『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)の大規模イベント“ファンフェスティバル 2023 in ラスベガス”。ここでは新拡張パッケージ『黄金のレガシー』の発表を筆頭に、さまざまなステージプログラムが展開された。

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 その中でも配信では視聴できず、会場来場者のみが体験できたのが、1日目の最後のステージであるピアノコンサートと、2日目にファンフェスのフィナーレを飾ったTHE PRIMALSのライブ。

 ここではそのふたつのステージの詳細をリポートしていこう。

※本記事はファミ通ドットコム、電撃オンライン共通取材によるものです。

Keikoさんのピアノ+アマンダさんの歌声……その相乗効果で光の戦士たちの感情はリミットブレイク!

 現地時間7月28日に開催されたピアノコンサート。演奏するのは、これまで数々のアレンジアルバム(『From Astral to Umbral』、『Duality』、『Journeys』、『Scions & Sinners』)で『FFXIV』の名曲を奏でてきたKeikoさんだ。

 まず1曲目は『冥き水底 ~テンペスト:深部~』。『漆黒のヴィランズ』のなかでも人気が高い曲だ。静かに、かつ力強く感情を揺さぶる演奏に、一気に心が引き込まれる。

 2曲目では、『FFXIV』の数々の楽曲でボーカルを担当するアマンダ(Amanda Achen)さんが登場しての『目覚めの御使い ~ティターニア討滅戦~』。このあとMCでも語られたが、じつはKeikoさんとアマンダさんのリアルの共演は、これが初めてとのこと。だが、息の合ったピアノとボーカルは、長年ともに共演してきたかのようだ。

 そして続く3曲目もアマンダさんがボーカルを担当する形で、ピアノアレンジとしての新曲『命の天秤 ~輝ける神域 アグライア~』を披露。これがまさに“圧巻”のひと言! 『FFXIV』のゲーム内では商神ナルザルとの戦いで流れる曲で、神の威光を感じさせる曲だが、リアルで感じた演奏と歌声の力強さはある意味原曲以上だった。

 続いては再びKeikoさんのソロへ。先ほどの荘厳さから一転して、今度は静かに『闇と黒鉄 ~ガレマルド:夜~』を奏で上げる。

 こちらもピアノアレンジとしては初披露となるが、まるで荒涼としたガレマルドの廃墟が目の前に広がるような、静謐かつ悲哀に満ちた演奏となっていた。

 5曲目は『迷宮 〜ラヴィリンソス:昼〜』。だが演奏して間もなく、いきなりKeikoさんの演奏が時間停止のようにストップしてしまう。

 そこへ現れたのは……『FFXIV』サウンドディレクター・祖堅正慶氏! となれば、やはりここで披露されるのは祖堅氏による“オタマトーン”との共演だ。個人的な感覚ではこの曲とオタマトーンの相性はかなり良好!

 さらに途中ではKeikoさんとの連弾も披露しつつ、最後は再びオタマトーンで曲を締めくくり、祖堅氏は退場した。

 6曲目と7曲目も『暁月のフィナーレ』から。まず『古の御空 ~エルピスメドレー~』は、原曲自体がピアノ主体の曲だけに、ぜひ生演奏で聴きたかった曲のひとつ。静かに、美しく、かつ儚さを感じさせる演奏では、まさに眼前にエルピスの風景が広がっていた。

 そして『ハピネスキャロット ~楽園都市 スマイルトン~』では、うってかわってアップテンポな演奏に。こちらの原曲もピアノが印象的だが、コンサートの演奏では軽快さの中にも力強さを感じさせる表現となっていた。

 そして、ここで再びアマンダさんが登場。披露されたのは『月満ちる夜 ~喜びの神域 エウプロシュネ~』。ゲーム中では月神メネフィナとの戦いで流れる楽曲だ。

 原曲ではヴァイオリン主体の演奏+軽やかなボーカルが印象的だったが、今回のコンサートではKeikoさんのピアノとアマンダさんのボーカルの“最大出力同士の共演”といった感じで、まさに“神の歌”といった印象。

 これはぜひ、東京ファンフェスでも2人の共演を実現して、日本の光の戦士たちにもリアルで聴いてほしい!

 そんなピアノコンサートも、いよいよアンコールへ。最後の曲は……Keikoさん+アマンダさんによる『Flow』。ゲーム内でも、オーケストラコンサートでも涙なしでは聴けなかった名曲。当然ながら今回の演奏でもその“涙腺破壊力”は計り知れない。

 そして曲が終わったときには、会場に集まった膨大な数の光の戦士たちとともにエンディングを迎え、心がひとつになったかのように感じた。

 終演後は、アマンダさんが「このゲームと、この音楽と、このコミュニティにおいて、希望や愛といった感情の器になれることが本当に光栄」とコメント。またKeikoさんは「みなさんと顔を合わせるのはひさしぶりで、ホームに帰ってきたよう」と語った。

 また、祖堅氏も再び登壇し、Keikoさん、アマンダさんの二人を大絶賛。さらにステージには吉田直樹プロデューサー兼ディレクターも登壇し、「『Flow』は(泣いてしまうから)ダメなんだって……」と言いつつ、2人の演奏・歌唱を称え、さらに「素晴らしい曲を作ってくれる俺の友達、祖堅にも拍手を!」と語ってコンサートを締めくくった。

ピアノコンサート セットリスト
(ピアノ:Keiko/ボーカル:Amanda Achen)
1:冥き水底 ~テンペスト:深部~
2:目覚めの御使い ~ティターニア討滅戦~
3:命の天秤 ~輝ける神域 アグライア~
4:闇と黒鉄 ~ガレマルド:夜~
5:迷宮 〜ラヴィリンソス:昼〜
6:古の御空 ~エルピスメドレー~
7:ハピネスキャロット ~楽園都市 スマイルトン~
8:月満ちる夜 ~喜びの神域 エウプロシュネ~

<アンコール>
9:Flow

ファンフェスを最高のボルテージで締めくくったTHE PRIMALSライブ

 続いてはファンフェス2日目、現地時間7月29日夜に最後のステージとして行われた“THE PRIMALS”のライブの模様をリポート。

 まずは“THE PRIMALS”のライブでおなじみの曲『雷鳴』とともにメンバーが登壇。最初に演奏されたのは『ローカス 〜機工城アレキサンダー:起動編〜』だ。“機工城アレキサンダー”の楽曲はどれも人気だけに、会場はいきなりヒートアップ。

 そして続くのはライブで初披露となる『月満ちる夜 ~喜びの神域 エウプロシュネ~』。こちらは前日のピアノコンサートでも披露されたが、THE PRIMALS版はそれとはまったく異なるアレンジ。畳みかけるような演奏とボーカルで“ミソロジー・オブ・エオルゼア”シリーズの楽曲の新たな魅力を引き出していた。

 と、ここまで演奏したところで、改めてサウンドディレクターである祖堅正慶氏が「We are THE PRIMALS!」とシャウト。それに対し会場の光の戦士たちからは、一気に「SOKEN! SOKEN!」というコールがわき上がった。

 そんな盛り上がりの中、スペシャルボーカルとしてジェイソン(Jason Charles Miller)さんが登場! 『Close in the Distance』と『To the Edge』の2曲を続けて歌い上げる。

 昨年開催されたオーケストラコンサート“FINAL FANTASY XIV ORCHESTRA CONCERT 2022 -Eorzean Symphony-”でも『To the Edge』などのボーカルを披露したジェイソンさんだが、今回はより原曲に近い印象で、素晴らしい歌声により観客を圧倒。そしてなにより、2021年のデジタルファンフェスではリモート出演だったジェイソンさんの、満を持してのファンフェス生出演は、とても感慨深い……。

 さらに続いては、2人目のスペシャルボーカルとして、アマンダさんが登場! 昨夜のドレス姿での『Flow』とは打って変わって、今回はバントライブらしい衣装で『Flow Together』を披露した。この日もその歌声のパワーは圧巻。まさに、ヴェーネスの姿がその場に見えるような1曲だった。

 アマンダさんが退場すると、続いて祖堅氏が「We have 2 new song!」と叫んで新曲を2曲披露することに。まず演奏されたのは『Scream ~万魔殿パンデモニウム:煉獄編~』だ。

 “煉獄編2”や“煉獄編3”で流れる原曲は女性ボーカルだが、祖堅氏らが歌うTHE PRIMALSバージョンはよりワイルドなアレンジに! そして続いては“万魔殿パンデモニウム零式:煉獄編4”の後半パートで流れる『White Stone Black ~万魔殿パンデモニウム:煉獄編~』。こちらも原曲に比べてかなりロック調にアレンジされ、コージ氏(マイケル・クリストファー・コージ・フォックス氏)のボーカルが映える形になっていた。

 新曲2曲のあとは、祖堅氏がトランペットを持って登場。ということは……曲は『メタル:ブルートジャスティスモード ~機工城アレキサンダー:律動編~』! 会場の熱気も否応なく盛り上がる。そしてそのまま曲は『過重圧殺! ~蛮神タイタン討滅戦~』へ。怒涛の勢いのまま演奏は終了した。

 だがもちろんステージはまだ終わりではない。会場の割れんばかりのアンコールとともに、再びメンバーが登場。しかもそれだけではなく、祖堅氏のダンサー呼び込みとともに、マット・ヒルトン氏をはじめとする北米コミュニティチームの面々がステージへ現れた! そうして演奏されたのは『ロングフォール ~異界遺構 シルクス・ツイニング~』。そう、これはまさに、2年前の“デジタルファンフェス2021”で、室内俊夫氏たち日本のコミュニティチームがくり広げたダンスの北米版だ!

 さすがに激しくスクワットする場面では、マット氏から「無理! 無理!」というリアクションがあったが、それ以外では見事に曲の最後まで踊りきった北米コミュニティチームの面々。

 そして本当のラストとなった曲は『ライズ ~機工城アレキサンダー:天動編~』だ。THE PRIMALSのライブでは定番ともいえる曲だけに、おなじみの時間停止演出を含めてステージと会場が一体となり、約1時間の熱狂のライブは幕を閉じた。

THE PRIMALSライブ セットリスト
1:ローカス 〜機工城アレキサンダー:起動編〜
2:月満ちる夜 ~喜びの神域 エウプロシュネ~
3:Close in the Distance(ボーカル:Jason Charles Miller)
4:To the Edge(ボーカル:Jason Charles Miller)
5:Flow Together(ボーカル:Amanda Achen)
6:Scream ~万魔殿パンデモニウム:煉獄編~
7:White Stone Black 〜万魔殿パンデモニウム:煉獄編〜
8:メタル:ブルートジャスティスモード ~機工城アレキサンダー:律動編~
9:過重圧殺! ~蛮神タイタン討滅戦~

<アンコール>
10:ロングフォール ~異界遺構 シルクス・ツイニング~
11:ライズ 〜機工城アレキサンダー:天動編〜

 なお、今回のピアノコンサートとTHE PRIMALSのライブで初めて披露された楽曲の数々は、11月29日発売のアレンジアルバム第5弾『Forge Ahead: FINAL FANTASY XIV~ Arrangement Album ~』に収録される。東京ファンフェス前に予習をしたい人は、ぜひチェックしてみてほしい。

リアル開催の素晴らしさを感じさせた2日間のフィナーレ

 THE PRIMALSのライブが終演したあとは、ついに2日間のファンフェスの本当のラストとなるフィナーレへ。そこではファンフェスで司会を務めた北米コミュニティチームのメンバーやステージに出演したスタッフからコメントが語られた。中でも印象的だったのがシニアストーリーデザイナーの石川夏子氏。

 観客の歓声に涙を浮かべつつ、「なかなか皆さんに会えなかったので、今日こうやって時間を過ごせてとても嬉しいです。この2日間、Aimiさんやケイトさんの力を借りて言葉の壁を越えてきましたが、最後にひと言だけ私の言葉で伝えさせてください。Thank you, Warriors of Light(ありがとう、光の戦士たち)!」と語ると、会場からは割れんばかりの拍手と歓声、そして「ISHIKAWA!」コールがわき上がった。

 また、以下ではほかのおもな出演者のコメントも紹介していこう。

キャサリン・スウィナー氏(英語ローカライズリード)

 今回のファンフェスティバルで、光の戦士のみなさんはとてもやさしく、忍耐強く素晴らしい方々だということを、この会場の熱狂ぶりや皆さんにお会いすることで再認識させていただきました。

 私たちが会場を行ったり来たりして、立ち止まって話をすることができなくても、辛抱強く付き合ってくれました。また、話すことができなかった人たちもいましたが、話しかけようとしてくれてとても嬉しかったです。本当にありがとうございました。

室内俊夫氏(グローバルコミュニティプロデューサー)

 なんとかこの2日間生き抜くことができました。ファンフェスはいかがでしたでしょうか。よく締めの言葉で「これはまだ始まりにすぎない」といったようなことを言いますが、まさに今回がワールドツアー最初のファンフェスです。

 じつは、明日のオーケストラコンサートでは、ここにいる残りのメンバーは打ち上げがあるのですが、私はそれに参加せず、欧州ファンフェスに向けた会議に出席するためにロンドンに向わないといけないのです。次のファンフェスまで、もう3カ月をきっているからです。恐ろしいことです……。みなさんは、お楽しみにお待ちください!

Aimi氏(通訳担当)

 大勢のみなさんに来場していただき、ありがとうございます。また、多くの方が会場で私のところにきて話しかけてくれて、とてもよい思い出になりました。

祖堅正慶氏(サウンドディレクター)

 前回のファンフェスはデジタルで皆さんに直接会えませんでした。やっぱり直接会ってファンフェスティバルやると、ムチャクチャ楽しかったです! だからまた、次の拡張をがんばって作って、またここに戻ってくるぞ! そのためにはゲームを楽しんで遊んでね!

マイケル・クリストファー・コージ・フォックス氏(ローカライズスーパーバイザー)

 会場では多くの光の戦士たちが、“コロナ渦を過ごすのに『FFXIV』がどれだけ助けとなったか”を語ってくださいました。ここにいる開発チームもそうだと思いますが、とても光栄に思います。そして私たちも、時に落ち込んだりすることがあります。しかしゲームを通してここに皆さんが来て、その熱意に触れることで、私たちも助けられているのです。

 そして最後にコメントしたのはやはり吉田直樹氏。まずは「我々の可愛い娘(石川氏)をあんまり泣かせないでください」と観客にお願いし、その後、以下のような言葉を語ってファンフェスの2日間を締めくくった。このリポートも、その吉田氏の言葉をもってまとめとさせていただく。

吉田直樹氏(プロデューサー兼ディレクター)

 ゲームを作るのはけっこうたいへんで、しんどい時も多いのですが、今日は特別に強く“ゲームを作っていて本当によかったな”と思いました。

 会場では短い時間ではありましたがプレイヤーの方とお話しでき、その中には1.0からプレイしているという方もたくさん来てくださっていました。13年ものあいだ、本当にありがとうございます。もちろん、長く遊んでいる方のほうが僕らの感謝の気持ちが強いというわけではなく、最近始めた方にも同じように感謝しています。

 ただ、1.0から遊んでくれている人の支えがあったからこそ、我々はここまで来ることができたので、レガシーマークが入っている人たちには特別な感謝の想いがあります。改めて御礼を言わせてください。

 ほかにも昨日や今日にプレイヤーの方と話していたら、「『FFXIV』で大切な仲間を見つけました」といったことや、「最高の友だちを得ました」、「家族になりました」など、いろいろなお話を聞くことができました。

 でも、僕らだってそうなのです。(『FFXIV』によって)皆さんのような友だち、同志、家族を得られて、最高に幸せです。

 これからも『FFXIV』を楽しんでください。そして祖堅も言ったように、必ずファンフェスを開催するためにまた帰ってきます。Thank you!


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