『GBVSR』βテストを通じて調整を検討しているところは? 福原ディレクターに気になるポイントを聞く【グランブルーファンタジーヴァーサス ‐ライジング‐】

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 サイゲームスより、11月30日に発売予定の対戦格闘ゲーム『グランブルーファンタジーヴァーサス ‐ライジング‐(以下、GBVSR)』。本作の情報やパッドでの操作感、クリエイティブディレクターである福原氏へのインタビューなどをまとめてお届けします!

サイゲームスのプレスイベントに行ってきました!

 さる8月初旬。サイゲームスにて『グランブルーファンタジーヴァーサス-ライジング-(以下GBVSR)』『グランブルーファンタジー リリンク』のプレスイベントが実施されました(※『リリンク』については後日公開しますのでお楽しみに!)。

 『GBVSR』の試遊では、7月末に行われたβテスト版と同じバージョンがプレイ可能でしたので、そちらをアーケードコントローラーではなくゲームパッドで触った感想を後述します。また、プレゼンテーションで様々な発表が行われたので、そちらも紹介します。

※電撃オンラインでは、少し前に実施されたオープンβテストのプレイレポも掲載しています。『GBVSR』で実装されたシステムについては、そちらでご確認ください!

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発売日は11月30日に決定!

 『GBVSR』の発売日は11月30日に決定しました。今回はDL版のみの販売となり、通常版に加えて、シーズンパスなどが付属したデラックス版が発売されます。


 さらに、無料で遊べるフリーエディションもリリースされるとのこと。こちらは使用できるキャラは4キャラで、いくつか機能に制限はあるもののオンライン対戦が可能です! 興味はあるけどちょっと試してみたい……という人が遊ぶにはピッタリのエディションになっています。体験版という感じですね。

 前回のロビーはグランサイファーをモチーフにした形になっていましたが、今回は空に浮かぶ島が丸々ロビーになっています。さらに、ロビーでもジャンプなどのアクションが可能になり、対戦の待ち受け以外にちょっとした遊びも行えるように。

 以前のPVで発表されたミニゲーム“ぐらぶるレジェンドばとるっ!(ぐらばとっ!)”も改めて紹介されました。障害物競走やベルゼバブの投げる爆弾を回避するパーティーゲームなどに加え、新要素として渋谷の街をサイゲームスの看板がジャックした画像も! これが今後どういった形でゲーム内に反映されるかは、続報を待ちたいところです。サイゲームスのゲームのファンにはニヤリとする看板がありましたね。




新キャラクター、グリームニル参戦!

 ここまでに発表のあったアニラ、ジークフリート、ニーアに続いて“踊り狂う暴風”グリームニルの参戦が決定! 筆者の中では完全に予想外だったので、予想できた方がいらっしゃるのか気になるところです。

 強大な風の力を操る星晶獣であるグリームニル。芝居がかった言い回しをすることも多く、カッコイイものやセリフにこだわりを持っています。それでいてピンチになると「ちょっとタンマ!」などと慌てたりする姿も。そんなギャップが魅力的で、強い能力&格好良い見た目と裏腹に、コミカルな一面を持つキャラクターになっています。

 グリームニルの参戦で、今後の追加キャラクターにあのキャラクターやこのキャラクターも出るのでは!? と期待が持てます。DLCで登場するという6キャラクターが未公開ですが、誰が参戦するのでしょうか……?

アーケードコントローラー勢、パッドを触る

 さて、筆者は前回の先オープンβテストに参加したわけですが、実はその時はアーケードコントローラーでプレイしていました。なので、今回はPS5のパッドでプレイしてみることに。

 しばらくパッドを触っていなかったため、最初は少し苦労したものの、クイック入力が使いやすくなったこともあり、少し練習すれば自在に動かせそうで、アーケードコントローラー未所持で「パッドではどうなんだろう?」という人でも安心してプレイできると思います。

 強いて言うなら、L、M、H、U、アビリティボタンは固定で、投げ、ダッシュ、ガードボタンを好みの位置に変えるとより快適になりそうですね。

  • ▲βテスト版の公式サイトより、パッドのボタン配置。攻撃にかかわるものは右に寄せたり、動かしやすい形を試すのがよさそうです。

気になるあんなことやこんなことを質問

 βテストを経て、色々と気になったことを福原クリエイティブディレクターに聞いてみました。本作を購入予定の方は必見です。

――『GBVSR』で、福原さんはどういった役割を分担されているのでしょうか?

 『グラブル』たらしめる要素である、キャラクターやサウンドなどを一括して見ています。

 細かいゲームシステムについてはアークシステムワークスさんにお任せしつつ相談していますが、一番深く関わっているのは『グラブル』の世界やキャラクター、シナリオなどの部分になります。

――格闘ゲーム、という形で新しいジャンルとしての差別化の方針について改めてお聞かせください。

 もともとモバイルのブラウザゲームとして作られたものですので、表現に制約があるもので作られていました。それを3Dの等身大のキャラクターで表現するので、情報量が増えています。

 格闘ゲームであるので、1対1の構図で、1人のプレイヤーが1人のキャラクターと長い時間付き合うことになります。1人のキャラクターを作るのにものすごく時間をかけてますので、そのキャラクターのストーリーを深く楽しんだり、愛してもらえるきっかけになるのでは、と思っています。

――先日βテストが行われて、多くの反響があったと思います。そこから改善したい部分や、ユーザーからの意見を聞いての所見などありましたらお聞かせください。

 ウェブ上の意見には目を通していて、だいたい皆さん言っていることは同じ方向性と見受けます。そこを踏まえつつ、アークシステムワークスさんのバトル担当の方と相談してどうしていくか、というのを考えていきます。

 また、もともと秋ごろに2回目のβテストを予定していて、そこでSteam版や“ぐらばとっ!”のテストも行いますし、バトルについても今回頂いた意見をもとに変えることになると思います。そこで反響を見て、より多くの人にシンプルで楽しい! と感じていただきたいので、またご意見をいただければ、と思っています。

――今作では対戦部分とオンラインロビーにも注力しているようですが、その狙いについてお聞かせいただけますでしょうか。

 前作『GBVS』はガード・守りが強く膠着状態になりやすかったので、今作ではアグレッシブにより攻めが強いゲームに、かつ試合が動いて派手にしたい、というのが我々サイゲームス側とアークシステムワークスさんで合致していました。対戦部分についてはそこを軸にリニューアルしています。βテストでは主に前作からの変更部分などで様々な意見がありましたので、どう調整していくかも相談しています。

 オンラインロビーに関しては、前作ではロビーとロビーアバターのキャラクタービジュアルなどが好評でしたので、そこを素直にパワーアップさせたいと思いました。ロビーで歩く以外でも使いたいよね、ということになりまして、アバターを使ってパーティーバトルに加え、サッカーなどを遊べるようにして縦にも横にも広げて目玉になるものを作ろう、という想いで作りました。

 ロビーアバターのジャンプは、腹が立っても嬉しくても、とりあえずジャンプしておけば無言のコミュニケーションになるのではないか……と感じて入れました。

●動画:『GRANBLUE FANTASY: Versus -RISING-』#02 ぐらばとっ!紹介トレーラー

――前作は格闘ゲームとしては完全新規タイトルでありながら、多くの格闘ゲームファンやプロの方を巻き込んで非常に盛り上がりました。現状、他社タイトルの影響もあって、格闘ゲームというジャンルが大きく盛り上がっています。この状況を『GBVSR』はどのように見ていて、かつ、スタートダッシュを決めるためにどういうことを考えているのか聞かせていただけますか。

 盛り上がっていることについては、シンプルに嬉しいという気持ちです。スタートダッシュは今後発売が近くなるにつれて色々やっていく予定ですが、フリーエディションもその一つになると思います。

 前作は1作目ということもあり、サイゲームスとしても開発のノウハウがそこまでなかったため、ゲームとしては格闘ゲームとしては最低限の仕様にはなっていたものの、運用面で想定してなかった点で苦労していた面がありました。なので、今回はより長期の運用に耐えられるような設計や開発を想定して進めていました。

 今回は長期で色々な挑戦がしたいと思っていて、大会であったり、コミュニティー向けのイベントなどを考えています。格闘ゲームは長期にわたって触っていただきたいので、そこに向けたアプローチをやっていけたらと考えています。

 フリーエディション版でも製品版と一緒に対戦できたり、“ぐらばとっ!”で遊べるのは新しい試みだと思いますので、それが一番色々な人に触っていただける最大のポイントになるかな、と。

――今回、Xbox版がない理由はなにかしらあるのでしょうか? のちのちリリースされる可能性はありますか?

 より多くの人に遊んでもらいたいのであれば、マルチプラットフォームで展開したほうが良いので、そこは考えていくところなのかな、と思います。まずはPSとSteamで、ということになっています。

――「ぐらばとっ!」のパーティーゲームについてですが、報酬など、プレイヤーのモチベーションにつながるものは用意されているのでしょうか?

 報酬は用意しています。繰り返しプレイすることで順位に応じて経験点のようなものがたまり、それが一定値になるごとに報酬がもらえます。称号であったり、ゲーム内通貨であったり、ロビーアバターであったりと、さまざまなものが用意されています。

 格闘ゲーム部分においても、対戦を一定数繰り返すことで同じくポイントが溜まって武器スキンやEXカラーなどがもらえる、という要素があります。

――前作をプレイしていたプレイヤーに、何かしらの引き継ぎや特典はあるのでしょうか?

 基本的に、ランクの引継ぎや特典といったものはありません。

 ただし、前作の公式大会などで獲得した特別な称号やCygames Cupで獲得した特殊EXカラーに加え、一時期やっていたバトルパスでもらえるEXカラーや武器スキンは引き継がれるようになっています。

 前作のストーリーも『GBVSR』に入っていますので、その進行度も引き継がれます。ただ、そこに時間をかけたくない人のためにスキップ機能も付いています。

――対戦のランクは、前作の経験者でも今作から入る方と同じラインからスタートなのでしょうか?

 最初に、スタートする適正なランクを決めるための設問を設けています。「あなたは初心者ですか?」「前作はプレイしていて格闘ゲームに自信がある人ですか?」、といった設問に答えていただくと、それに合わせて最初のランクが決まるので、皆さんにはぜひ正直に設問に答えていただければ、と。

 ランクマッチの仕様もちょっとだけ変わる予定ですので、こちらは続報をお待ちください。

――『GBVSR』では、前作の24名に加えて今回紹介された4名を加えた28名が初期キャラクターとして登場しますが、キャラクターを選出する際や、バランス・性能について気を付けていること、こだわりについて教えていただけますか?

 格闘ゲームとして全員並び立ったときのシルエットや、バトルスタイルのバランスもありつつ、『グラブル』本編での人気や立ち位置で考慮する要素が多いので毎回悩むことが多いです。悩み抜いて決めていますが、『GBVSR』からは、原作での人気という部分をより重視するようになっています。

 バランスについてですが、例えばアニラであれば、初心者向けでシンプルな操作、プラス何かしらの上手く魅せられるポイント(特殊なジャンプ)をちょっと入れましょう、と話しました。ジークフリートの場合、見た目通りリーチを活かして、攻撃をブンブン振っているだけでも豪快に戦えて爽快感があるように。ニーアはデスを使った、格闘ゲームによくある波状攻撃の楽しさを感じられるキャラにしましょう、といったところです。

 細かいバランスについてはバトル班で毎日何百戦もして調整していますので、今こうだと言っても、製品版では全然違っている可能性もありますが、かなり入念に行っています。

――今回、EVOでβテストのバージョンでトーナメントが開催されましたが、狙いなどあれば教えていただけますか?

 純粋に、もともと夏には発売できず、今年の後半発売するというスケジュールで動いていたのですが、去年、同じように開発中のゲームでトーナメントが行われたので、うちとEVOで調整して、出そう、ということになりました。

――DLCによるキャラクター追加はどのくらいのペースでしょうか? また、前作のアンケートでコラボキャラクターの希望など集計していたのですが、サイゲームスの他作品のキャラクターが参戦する可能性はあるのでしょうか?

 DLCは、最初のシーズンで6キャラクターが登場予定です。コラボは……ゲーム内で渋谷に『ウマ娘』の看板が出たりしているので、それで喜んでもらえれば、と。ただ、コラボは難しいのですが常に検討したり探しているので、絶対にやらない、という話ではなく、将来的には期待していただければと思います。

 ちなみに、Anime Expoで同じような質問があったので、逆に誰が登場したら嬉しいですか? と聞いたところ、一番よく聞こえたのが『グラブル』本編で前にコラボしたとある作品で、『GBVSR』でいきなりはちょっと、と思いました(笑)。

 といった具合に色々な要望があるのは認識しているので、要望に沿えるようにしたいとは思っています。

――今作からのメイン要素として、新しいアクションを使った、前作とは違った新しい対戦の駆け引きができるという印象がありました。それに加えて前作からなくなった要素もあるのですが、そのプラスされた要素とマイナスされた要素で、格闘ゲーム的にどういうゲーム体験を作りたかったのか、という意図をお聞きしたいです。また、それらが「初心者が遊びやすい」という部分とどうマッチしているとお考えでしょうか?

 たとえばオーバーヘッドアタックであれば、純粋にガードを崩す手段が多くなりすぎたので外し、その手段の最たるものとしてレイジングストライクに置き換わったわけですが、初心者でもとりあえず出しておけば試合が動く、というところが軸になっています。

 一方、βテストでは奥義ゲージの使い方が多すぎた、と思っています。奥義ゲージが50%ないとレイジングストライクに対処できないので、逆に動きの幅を狭めてしまったところがあり、お互い奥義ゲージが50%ないと動きづらい、というシーンもありました。そこは色々考えさせられたな、と。

 わかりやすくなった部分もあれば、逆にわかりにくくなった部分もあったので、アンケートを見つつ調整していければ、と思っています。

2回目のβテストに備えよう!

 『GBVSR』では新要素の追加に加え、キャラバランスだけでなくシステムの調整にも意欲的なのが感じられました。まだまだリリースまでに大きな変化が加わる可能性もあるので、気になる人は開催予定の2回目のβテストにもぜひ参加してみて欲しいです。

 もちろん、筆者もチャンスがあれば次回も参加します!

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