【遊戯王OCG】“たけし”こと“魂を削る死霊”の思い出(トラウマ)。戦闘破壊耐性とハンデス効果はヤバイ【メモリの無駄づかい】
- 文
- ライオン松本
- 公開日時
三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。
何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ……」と愕然とするような記憶が残りがちでして。
そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります!
さて、幼少期、特に小学生から高校生にかけて男子なら一度は興味が惹かれる、謎の魔力を持ったホビー“トレーディングカードゲーム(以下、TCG)”。あの頃に夢中で遊んだ僕たち、私たちの大切なカードたちは思い出とともに永遠に胸に刻まれるもの。
そんな誰しもがハマってしまった経験があるだろうTCGというジャンルから色々な昔話をお届け。本稿では『遊戯王』から“魂を削る死霊”の思い出を語っていきます。
劣勢なら裏守備で防御、有利な時はハンデスで一気にアドバンテージを稼ぐ“魂を削る死霊”
“魂を削る死霊”はアニメ、漫画の『遊戯王』から知ったユーザーからするとあまり知名度がないカードだと思います。このカードが収録されたパックが発売されたのは、2002年の初代アニメ『遊戯王』が放送されていた頃なんですが、なんとまともにアニメで登場してないんです。
なので、アニメ勢やライトなOCGユーザーにはあまり知られてない、少しマイナー(とはいえ知名度はある方)な1枚です。逆を返せば、当時の環境を知っているプレイヤーからすれば、結構なパワーカードの印象があるはず。
そんな、“魂を削る死霊”について語っていくんですが、まずはおさらいなどを含めて、テキストからご紹介しますね。
“魂を削る死霊”
星3:闇属性:アンデット族:攻300:守200
1:このカードは戦闘では破壊されない。
2:このカードが直接攻撃で相手に戦闘ダメージを与えた場合に発動する。相手の手札をランダムに1枚選んで捨てる。
3:フィールドの表側表示のこのカードは効果の対象になった場合に破壊される。
こんな感じで、戦闘破壊耐性とハンデス効果を持っている代わりにステータスが低いモンスターとなっています。現代のOCGを触っている人なら、「何が強いんだろう?」となると思います。
今の環境は先行で展開して、たくさんの妨害を作って相手に何もさせずに次のターンでライフを削り切る、というかなりゲームスピードが速いゲームが主流。でもこの頃の環境では、先行はモンスターをセット、伏せカードをセットしてターンエンド、が普通でした。
『遊戯王』と言うゲームの本質は、とにかく手札や場と言った場所のカードを相手よりも多く得て、アドバンテージを伸ばしていく、というものです。それは今も昔も変わりませんが、2002年〜2006年頃では、それはとても難しいもので、今では禁止カードとなっている“強欲な壺”などの1枚が2枚になるカードを使わない限り、まともにリソースは増えませんでした。
なので、先行はモンスターをセット、後攻はそのセットモンスターを攻撃、と1枚1枚のカードを大切に扱ってプレイしてたんです。
そんな環境下に戦闘で破壊されない、そして攻撃が通れば貴重な手札を1枚墓地へ送れるハンデス性能まで持ったモンスターが登場したらどうなるか……それはそれは活躍しましたとも。
初期こそ、バトルメインの環境で防御権、生贄要因としての活躍が多かったこのカードですが、研究が進むにつれて手札破壊の効果を使うことが多くなっていきました。
2004年ごろの環境だと、“魂を削る死霊”、“ドン・ザルーグ”の2枚はアタッカーと手札破壊を両立できるカードとして、多くのプレイヤーが愛用していた記憶があります。(少し前に2004年環境のミラーデッキで遊ぶ04環境というものも流行っていましたね)
前述しましたが、昔の環境では手札リソースが重要+戦闘がメインだったので、“魂を削る死霊”はとても厄介でした。対策としては、このカードのデメリットである対象を取られると破壊される、という点を使って破壊したり、罠カードや魔法で除去する感じでした。
ただ厄介なのは、当時の汎用カードである“月の書”では破壊できない、という点です。一見すると月の書で“魂を削る死霊”を対象に取っているので、破壊できるように思いますが、『遊戯王』のルールでは裏守備のモンスターの常在効果は発動しないんですよね。少し分かりずらいと思うので解説をすると。
1.月の書を発動し、魂を削る死霊を対象に。
2.ここで魂を削る死霊は、常在効果で破壊されそうになる。
3.『遊戯王』では基本的に発動中の効果を全て処理してから、次の処理に移るので月の書の効果で魂を削る死霊が裏守備に。
4.裏守備のモンスターは常在効果が発動できないので、2の効果が不発になる。
といった感じです。これがチェーンを組む効果だったりするとまた違うんですが、今回の例では魂を削る死霊は破壊されません。逆に、自分の“リビングデットの呼び声”などの対象をとって、墓地からモンスターを蘇生するカードで魂を削る死霊を選んでしまうと、場に1度は出ますが、すぐに破壊されてしまう、という現象も起きたり。
ただセットや通常召喚する分にはデメリットはなく、むしろ場持ちが良い上にアタッカーにもなり得るので、当時は主力でもありました。一部のプレイヤーからは、魂を削る死霊の愛称として“たけし”なんて呼ばれていたりもしました。
今では3枚使えますが、過去には制限カードまで指定される凶悪なカードだったんですが、現代ではどうしても難しい1枚です。そんな彼ですが、一部のユーザー間では、過去のレギュレーションを再現して、思い出を語りつつデュエルする、なんて遊び方で、今でもひっそりと活躍しているんですよ。
もし興味があれば「遊戯王 04環境」とかで調べてみてください。当時の殴り合いが主流の『遊戯王』が味わえるかも?
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