人類に逃げ場なし。『スーパーロボット大戦α』で戦闘アニメ演出が進化しすぎて驚いた人、挙手!【メモリの無駄づかい:スパロボα】

米澤崇史
公開日時

 三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。

 何年、何十年たっても、「なんでオレ(私)、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。

 そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は、PlayStationで発売されたシミュレーションRPG『スーパーロボット大戦α』について語らせていただきます。

『スーパーロボット大戦α』とは

 さまざまな年代のロボットアニメが夢の共演を果たす、『スーパーロボット大戦』(以下、『スパロボ』)シリーズ。2000年に発売された『スーパーロボット大戦α』は、熟練度システムや戦闘アニメ演出のON/OFF切り替えなど、のちの作品に受け継がれるシステムが多数盛り込まれ、『スパロボ』シリーズにとって大きな転換点となった作品です。

 続編としては『スーパーロボット大戦α外伝』、『第2次スーパーロボット大戦α』、『第3次スーパーロボット大戦α -終焉の銀河へ-』がリリースされ、どの作品も高い人気を博しました。本作のドリームキャストへの移植版として『スーパーロボット大戦α for Dreamcast』も発売されています。

初のフルアニメーション戦闘アニメ演出の中で、最も印象深い武装とは

 今や『スパロボ』シリーズの代名詞といっても過言ではない戦闘アニメ演出ですが、フルアニメーションで描かれるようになったのは本作『スパロボα』から。筆者はプレイする前から『スパロボ』シリーズの大ファンだったこともあり、初めてグリグリと滑らかに動くロボットを見たときの衝撃は、今でも鮮明に覚えています。

 とくに印象深いのが、主人公のタイプにリアルロボット系を選択した場合の後継機として登場する“ヒュッケバインMK-III”の武器“グラビトンライフル”。両腕を広げて亜空間から巨大なライフルを呼び出してキャッチし、そのまま極太ビームを発射するという流れがとにかくカッコいい!

 完全に最強必殺武器クラスの派手な演出なのですが、ゲーム内の位置づけとしては、主に対ザコ・反撃用に用いる武器だったギャップもあり、「この武器にここまで凝ったアニメーションを入れるのか!」という驚きにつながっていました。ただ、続編の『第2次α』でヒュッケバインMK-IIIが再登場した際には、グラビトンライフルは最強武器という位置づけに変更されており「あの演出で必殺武器じゃないなんて嘘だよな……」と勝手に納得していた記憶があります。

 また、従来のシリーズ作品では、自分が視聴したことのない作品の機体の武装は、どんな攻撃をしているのかを想像で補っていました。フルアニメーションでその動きが描かれるようになったことで、それぞれのロボット本来のカッコよさ・魅力を正確に知ることができるようになったのも嬉しいポイントです。

 それまでは演出的に簡略化されていて、ゲッター1のゲッタービームが指から出るように見えていたようなところも、本作からは腕を開き、腹部を露出させるビーム発射までの事前動作がアニメーションとしてしっかりと描かれるようになり、迫力が増しています。

「人類に逃げ場なし」のキャッチコピーに偽りなし! 壮大なストーリーの虜に

 本作は物語のスケールが大きく、とにかく先の展開が見たくなるストーリーにも魅了されました。ゲームを開始直後のプロローグでは、『トップをねらえ!』のイベントで、ヱクセリヲンが宇宙怪獣に包囲されたところでステージが終了します。前述した宇宙怪獣だけではなく、初参戦となる『超時空要塞マクロス』のゼントラーディ、さまざまな惑星を侵略し、傘下においたオリジナルの敵組織“ゼ・バルマリィ帝国”など、宇宙規模の敵組織が多数登場。絶体絶命となった地球の危機を、多くのロボットアニメのキャラクターたちが協力して乗り越えるカタルシスは、本作だからこそ味わえる魅力です。

 また、本作以降の『スパロボ』シリーズでは、主人公や『スパロボ』オリジナルのキャラクターがストーリーに大きく絡むことが増え、個性的なオリジナルメカ・キャラクターが登場するように。後の『スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATION』シリーズの誕生にもつながるなど、さまざまな方向からシリーズに大きな影響を与えた作品でした。

 そんな『スパロボα』は、現在もPlayStationのゲームアーカイブスで配信されています。ただ、年々プレイするハードルが上がりつつあるのも間違いないので、現行ハード向けの移植やクラシックスカタログへの登場にも期待したいところです。


米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。


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