『東京サイコデミック』TGS体験版レビュー&開発者インタビュー。イラストと実写が融合する超難関ミステリーを解明できるか!?

まり蔵
公開日時
最終更新

 グラビティゲームアライズが2024年に発売を予定しているPS5/PS4/Switch/Steam向けリアル科学捜査シミュレーション『東京サイコデミック ~公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿~』。本作のTGS体験版レビューをお届けします。

 9月21日~9月24日にかけて、千葉・幕張メッセで開催される“東京ゲームショウ 2023(TGS2023)”。グラビティゲームアライズの出展ブースでは、『東京サイコデミック ~公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿~』の体験版が試遊できます。

 ひと足先にプレイする機会をいただきましたので、プロデューサーインタビューを交えて本作の魅力や見どころについて紹介していきます。

冒頭から実写のニュース映像に引き込まれる!

 本作の舞台は、新種のウイルスによりロックダウン(都市封鎖)された日本の首都・東京。パンデミック発生の3年後から物語が始まります。

 ロックダウンから3年が経過し、新たな首相が就任。都市機能は改善に向かうと思われましたが、東京では超常的な事件が多発します。

 主人公は“紅葉巴杏(コードネーム:Manager)”をはじめとする専門的な知識をもつ仲間とともに、証拠を探したり推理をしたりしながら捜査を進めて“未解決事件”の謎に迫っていくことに。

 事件を解決するための証拠は、写真、動画、音声、テキストなどさまざま。これらのデータから適切な証拠を見つけ、仲間に共有することでストーリーが展開していきます。

 本作をプレイしていてもっともおもしろいと思った点が、2Dのイラストと3Dの実写映像の融合。冒頭の本物のニュースのような実写映像は臨場感があり、あっというまにゲームの世界へと引き込まれます。

 映像が終わると、LIVE 2Dで表現されたキャラクターたちが登場。“探偵事務所”や“人体自然発火事件”といったキーワードが飛び出し、一癖も二癖もあるキャラクターたちとの会話にワクワク感が増します。

 あまり書くとネタバレになりそうなので自重しますが、本作では捜査をする際にオンラインでつながった仲間たちに協力してもらうことになります。その際、本名を明かさず“manager”や“bartender”といった“コードネーム”的な名前でお互いを呼び合うのですが、これが私の心をくすぐりまして……!

 一見ドライな関係に見えますが、章が進むにつれて彼らとの関係性がどのように変わっていくかにも期待が高まります!

チュートリアルから難易度の高さにビックリ!

 TGS体験版でプレイできる第1章は、チュートリアルにあたります。だいたいわかると思うから操作説明はスキップしてもいいよね~なんて軽く考えていると、痛い目をみることに……。

 かなり本格的な科学捜査をすることになり、手順などちゃんと把握しておかないと、途中で何をしていいのか少し迷ってしまうことも。序盤の捜査から、かなりしっかりと証拠を集めたり調べたりすることになります。

 第1章では、“人体自然発火事件”について捜査を展開。まずは事件の調書や被害者の所属していた会社などの資料を入手し、事件を解くためのキーワードを集めます。

 監視カメラ映像から被害者の行動時間を計算したり、町中のカメラをハッキングしてかき集めた映像から被害者の行動を調べたりしながら証拠を集め、“エビデンスボード”を埋めていきます。

 画像証拠、映像証拠、テキスト資料といった集めた証拠を整理して“報告書”として提出することで、章のエンディングを迎えます。エンディングは、事件の解明度で分岐するので気が抜けません。

 捜査の過程で個人的におもしろかったのが、実写映像から証拠を見つけ出す作業。VHSのビデオテープ(懐かしい!)を再生したり巻き戻したりしながら、事件に関係しそうな部分を見つけ出します。これがなかなか難しい!

 2つの映像を見比べたりする作業もあり、見落としていたらどうしようと焦ることもありますが、これぞという証拠を見つけたときの高揚感といったら! プレイしながら、「ああああ、これじゃない!?」と思わず声をあげてしまいました。

 予想以上に歯ごたえのある謎解きに「1章からこれで2章以降大丈夫か……?」と少々不安になりつつも、これからどのような事件や謎が飛び出してくるのか、楽しみな気持ちが抑えきれません!

 TGS2023に足を運ぶミステリーゲーム好き、謎解き好きの人は、ぜひ『東京サイコデミック』のTGS体験版に挑んでいただければと思います。絶対に期待を裏切らない謎解きの難易度だと思いますので!

 なお、TGS体験版をプレイして疑問に思ったことをプロデューサーにぶつけてみましたので、ミニインタビューをお届けします。

気になる点についてプロデューサー陣にインタビュー!

 ここからは、『東京サイコデミック』のプロデューサーの神崎喜多氏と、アシスタントプロデューサーの石井政仁氏へのミニインタビューを掲載。

 本作の制作秘話やTGS2023で出展する体験版の情報などをお届けします。(※インタビュー中は敬称略)

――“2D×シネマティック”と銘打たれている本作ですが、イラストの2Dと実写の3Dがとてもいい具合に融合されていますよね。

神崎:素材をイチから描き下ろすとなると、どうしても時間がかかってしまうので、2Dのキャラクターと実写と組み合わせることによって開発もスムーズに進みますし、よりリアリティのある推理アドベンチャーを体感できるんじゃないかと思って企画しました。

 本作のディレクターである今井秋芳さんと企画を詰めていき、そこから今井さんに脚本に起こしていただきました。さらに映像監督とも相談をして今の形になりました。

――監視カメラの映像などは、実写のほうが臨場感がでますよね。

神崎:そうですね、そこは狙って作りました。通常であればCGになると思うのですが、実写にして結果的によかったなと。

石井:映像のコンセプトとして、「配役を立てない」というところにこだわりを持っていまして。よりリアリティを追求するために配役を立てず、監視カメラ映像で見たものから推理させるというところを重視していますので、そういうところが今回うまくはまったかなと思っています。

――東京を舞台にした理由は?

神崎:2つありまして、1つはワールドワイドで見た時に日本を舞台したものをやりたかったんですね。それでわかりやすくいうと、日本=東京だろうと。そのために東京を舞台に置いています。

 もう1つは、ちょっと強いワードとして「東京都市封鎖」使いたかったんですね。実際に我々は現実世界でパンデミックを体験しましたが、首都って封鎖されなかったじゃないですか。

 もし「東京都市封鎖」が起きていたらどうなるのか、このような世界線で不可解な事件が起きるとどうなるのか、我々がリアリティを感じるであろう東京を舞台にしました。

 そして、この世界設定を今井さんとも意見を交わしながら相談し、ストーリーを構成してもらいました。

――本作のターゲットとしては、やはり推理ものやサスペンスものを好むアドベンチャーゲームが好きな人ということになりますか?

神崎:そうですね、最近マーダーミステリーや謎解きなどが流行っていますが、捜査とか未解決事件とかが好きな層をターゲットとして考えています。

――TGS体験版をプレイして感じたのですが、謎解き部分はかなり歯ごたえがありますよね。難易度が高めといいますか。

神崎:はい、謎としてものすごく難しくなっています。何度かサンプルを作っていく中で、今井さんが今の形まで昇華してくださいました。

 知識も必要ですし、用意された資料を読み込まないと気づかなかったりと、とにかく作り込んでいます。この超難解な未解決事件を解き明かせることができるか、プレイする人に挑むようなチャレンジングな作品になっています。

石井:作中に登場する“Manager”に聞けばだいたいはわかるようにはなっているんですが、それでも地道に操作をしていかないと事件の本質がわからないようになっています。ですからストーリーが進んだとしても、最終的にグッドエンドに行かない場合もありますね。

 総当たりに的に調べていただければ、一応シナリオ上進行はするんですが、回答にはたどり着けないという形になっています。

――かなりシビアな難易度なんですね……。

神崎:開発秘話になりますが、今井さんと「既存の選択肢で答えが出たら次に進むという形はもうやめたいよね」という話をずっとしていまして。それって結局謎を解いているわけではないですから。自分で見つけた仮説なり証拠なりを生かした上で、自分はこう推理するという風にしたいというのが最初のコンセプトでした。

――今回のTGS体験版の注目ポイントを教えてください!

石井:やはり実写映像です。実写のゲーム作品は他にもたくさんあると思うんですけど、さきほども述べた通り配役を立てないリアルさを追求しているので、その部分で他の実写ゲームと違うところかなと思っています。

神崎:あとはドラマ性です。今井さんの書いてくれた脚本や演出のドラマを通して、本作の世界観が伝わると思います。ドラマを見ていただければ、謎を解いた時に「あ、こういうことなのか」と感じとってもらえることがあると思いますので、そこが一番の見どころですね。

© GRAVITY GAME ARISE Co., Ltd.

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

東京サイコデミック ~公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿~

  • メーカー: グラビティゲームアライズ
  • 対応機種: PS5
  • ジャンル: SLG
  • 発売日: 2024年5月30日
  • 希望小売価格: 5,940円

東京サイコデミック ~公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿~

  • メーカー: グラビティゲームアライズ
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: SLG
  • 発売日: 2024年5月30日
  • 希望小売価格: 5,940円

東京サイコデミック ~公安調査庁特別事象科学情報分析室 特殊捜査事件簿~

  • メーカー: グラビティゲームアライズ
  • 対応機種: Switch
  • ジャンル: SLG
  • 発売日: 2024年5月30日
  • 希望小売価格: 5,940円

関連する記事一覧はこちら