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『闘神伝』で初代PS購入を決意。エリスの衣装のシースルー表現にゲームの未来を見た【メモリの無駄づかい】

タダツグ
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 三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。

 何年、何十年たっても、「なんでオレ、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。

 そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は、PlayStationで発売された『バトルアリーナ 闘神伝(以下、闘神伝)』をピックアップ。僕が初めてPSで遊んだ3D対戦格闘ゲームの想い出を振り返りたいと思います。

『闘神伝』とは

 初代PlayStationの発売日が1994年12月3日。そこから約1カ月後となる1995年1月1日にリリースされたのが、3D対戦型格闘ゲーム『闘神伝』です。

 今思えば、1月1日発売とかどんな販路を使ったのか謎であり、逆に興味をそそられますが、それはさておき。初代PSのローンチ時期を支えた人気作のひとつであり、何を隠そう僕が初めて購入したPSソフトでもあります。忘れもしない初代PSの購入時に、一緒に選んだのがこの『闘神伝』だったわけですね(じつはもう1本同時購入したゲームがあり、そちらは『柿木将棋』でした 笑)。

3Dによるビジュアル表現に2Dのプレイ感を盛り込んだ、温故知新の野心作

 1995年当時は、セガの『バーチャファイター』シリーズを契機に3D対戦格闘ゲームに注目が集まっていた時代(僕の周りの高校生だんすぃは『バーチャ』ばかり遊んでました)。

 しかし、コマンド入力などが簡素化され、いわゆるボタン入力によるコンボが主体であった3Dの格ゲーにどうにも苦手意識があった僕は、そのブームを若干遠巻きに眺めておりまして。ひらたく言えば、新しい波に乗り遅れていたわけですが(笑)。

 そんな僕がなぜこの『闘神伝』を購入したのか? きっかけは、電撃PlayStationの記事。エリスという踊り子キャラクターがまとう衣装のシースルー部分が、ポリゴンで見事に表現されていたことに感銘を受けたからなんですよね。

 ……まぁ、あのスケスケな表現力にゲームの未来を感じたのは紛れもない事実ですけど、もちろんそれだけが理由ってわけでもなくて(笑)。個人的に一番の購入ポイントは、本作が“ポリゴンを使用した3Dビジュアルで2D格闘ゲームのコマンド入力方式を採用した格闘ゲーム”だったからでした。

  • ▲この少女がエリス(CV:鉄炮塚葉子)。PS初期を代表するゲームヒロインの1人といっても過言ではないでしょう。

 各キャラは基本的に武器を使用して戦い、コマンド入力でさまざまな必殺技を繰り出すことが可能。体力が少なくなると“秘伝必殺技(いわゆる超必殺技)”も使用できました。ビジュアルはバリバリの3Dでありながら、プレイフィールは完全に2D格闘ゲームのそれだったんですよね。

 R1・R2ボタンに必殺技を設定すれば、コマンド入力の必要なく技を繰り出せたのも当時としては斬新でした。僕の記憶が確かなら、R1とR2ボタンの同時押しで秘伝必殺技すら一瞬で出せたような……(うろ覚え)。これはアーケードスティックではなく、パッドでのプレイを考慮しての措置と推測していますが、結果的にバランスがかなり大味になっていました。よくいえば取っつきやすかったので、個人的には好印象でしたけどね。

  • ▲R1とR2ボタンの同時押し、説明書には書かれてないけど記憶違いかな……自信なくなってきた(汗)。まぁ、当時は隠しコマンドなんてザラにあったんですけどね。

 ステージが広く、側転で容易に軸ずらしが出来たこともあって、突進技を使用したらあさっての方向へ突っ込んで行くこともあり。正直、作り込みの甘さを感じる部分もありました(突進技の暴発でリングアウトになることもあったなぁ……苦笑)。

 でも、それがひとつの“味”になっていたのも事実で、近所に住んでいた友人と一緒によく対戦しては盛り上がっていたことを覚えています。ちなみに持ちキャラはエリスではなく、主人公のエイジでしたね……なつかしいぜ。

  • ▲主人公のエイジ。銘なしだった日本刀に、自ら“白虎の太刀”と名付けるセンスが大好きでした。

 なお、僕がゲームライターになってから随分して、本作の開発を手掛けていたのがタムソフトであったことを知り、かなり驚いたものです。

 タムソフトといえば数多くの作品を開発してきた老舗ソフトメーカーですが、僕のなかではとりわけ『閃乱カグラ』シリーズの印象が強くて。思えば『闘神伝』と『閃乱カグラ』には、なんらか魂が通じるものがあるなって感じてしまったんですよね。開発スタッフがどれだけ被っているかはわからないのでなんとも言えませんけど、あくまで個人的な感覚として。

 ちなみにこの『闘神伝』を今プレイしようと思ったら、PlayStationのゲームアーカイブス頼りになります。ハードルはちょっと高めといえるでしょう。昨今の格闘ゲーム熱の再燃を契機に、シリーズにもなんらかの動きがあったりするとイチファンとしてうれしいのですが、いかがなものでしょう……。

 現行ハードでリブートしてくれたら、エリスの衣装がどんな感じになるのか気になる人も少なくないと思うんですけどね(もちろん僕もその1人)。いや、色々と厳しいのかな……。まさかのシリーズ復活に淡い夢を寄せつつ、それでは本日はこのへんで!

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