『魔王学院の不適合者 Ⅱ』アノス役・梅原裕一郎&田村正文監督インタビュー。印象に残ったエピソードや第2クールへの意気込みを語る

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 9月23日に最終回を迎えたTVアニメ『魔王学院の不適合者 Ⅱ ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』。本作の声優陣&制作スタッフへのメールインタビューを複数回にわたってお届けしてきました。

※本記事はアニプレックスの提供でお送りします。

 メールインタビュー最終回でお話しを伺ったのは本作の監督を務める田村正文氏とアノス役の梅原裕一郎さん。『魔王学院の不適合者II』第1クールの収録を終えての感想や第2クールへの意気込みをお聞きすることができました。

監督:田村正文氏インタビュー

──『魔王学院の不適合者II』のTVアニメ制作を終えての感想をお聞かせください。

 1期が綺麗に終わった一方で、みなさまにご覧いただいたおかげもあって2期制作が決まり、緊張と不安が入り乱れています。

 本作に限らず、コロナ禍により制作ができないなど、アニメ界にもたくさんの問題を抱えているなかでしたが無事に終われてホッとしております。

──『魔王学院の不適合者II』の中で特に印象に残っているシーンをあげるとしたらどこになりますか?

 自分が絵コンテ/演出/原画作画監督を担当した、魔王学院2期のピーク点でもある9話の真の感情のモノクロからレノの死によって色づく世界の演出は力が入りました。

 あと、最終回も同じく絵コンテ/演出/原画作画監督を担当しております。

 とくにドット絵、スクリーントーンの世界観は、原作では真っ白く何もない世界に会話だけが流れるものでしたが、アニメ上は何か見せないと、と自分がアイデアを出してあのような演出になりました。

 キャラクターの影部分のみトーンで構成するので原画作画監督時には、線や色をまず構成したあと、通常よりも多く影を足し、色設計の吉田さんと撮影監督の木田さんと沢山テストを繰り返したもので、一見シンプルに見えますが逆に大変な絵作りでしたね。

──2期(大精霊編)の制作を通して、何か制作のテーマに据えていたものはありますか? あとでまとめてみる人に「このキャラクターのここに注目してほしい!」「この話は個々を意識してみるとおもしろい」といったポイントがありましたらあわせて教えてください。

 テーマはお互いに違う世界に生き、生い立ちも違うレノとシンの気持ちの距離の近づき方でしょうか。

 2人の描き方は話数を重ねるごとに変化しており、例えばシンは目の描き方が変わっています。レノの口調の変化もシンとの距離のあらわれです。

 あとはアノス君を、アノシュ君として可愛いく描くことも外せませんでしたね。

──原作『魔王学院の不適合者』のどういったところに魅力を感じていますか?

 やはり物語の主軸になるアノス君の存在でしょう。彼がいれば物語が動き、物語が生まれる。彼を追った描写を描いていく楽しさだと思います。

──2クール目の制作が決まっておりますが、どういったことにチャレンジしたいですか?

 次のクールもキャラクターの感情や成長に触れられたらと思います。小説で描かれてる事が壮大な描写もあるので、どうしよう……と悩ませていますが、ビジョンを捻って構想してチャレンジしていきます。

──『魔王学院の不適合者』ファンのみなさんにメッセージをお願いします。

 『魔王学院の不適合者II』を見て頂いた皆さま、ありがとうございます。またアノス構文がどこで飛び出すかワクワクお待ちいただければと思います。

 これからもアニメ、原作ともども『魔王学院の不適合者』をよろしくお願いします。

アノス・ヴォルディゴード役:梅原裕一郎さんインタビュー

  • ▲梅原裕一郎さん

──『魔王学院の不適合者II』1クール目を終えての感想をお聞かせください。

 あっという間の1クールでした。

 2期から演じさせていただくということで、役を固める作業や『魔王学院』の世界を知るところから始まって、ようやくアノスという人物が自分の中で腑に落ちてきたという感じです。

 最終話あたりでは集団アフレコも復活して、周りのキャストの方々に助けていただき、大変感謝しています。

──『魔王学院の不適合者II』全話通して特に印象に残っているシーンをあげるとしたらどこになりますか? 理由とあわせてお聞かせください。

 第8話、アノスがミーシャと共に墓場を訪れるシーンです。二人だけの会話で、アノスが魔王として君臨する自身の決意、そしてアノスを信じて死んでいった部下たちへ手向ける言葉にアノスの強さと優しさが感じられ、とても印象に残っています。

 また「叶うならば、ここでお前たちとあののどかな街並みを眺めたかった」というセリフが、アノスの心の内を表していて、普段見せない姿を垣間見るようで、ブレスの位置や息遣い、声のトーンなど特にこだわったシーンです。

──アヴォス(稗田寧々さん)やノウスガリア(小山力也さん)との終盤の戦いなど、アノスの周りのキャラクターたちも個性豊かな本作でしたが、演じているキャストさんたちの印象はいかがでしたでしょうか?

 これだけたくさんのキャラクターが登場する作品で、それぞれがしっかり個性をもっているのは原作の秋先生のなせる技だと思います。

 そしてそのキャラクターたちを演じるみなさまも個性を発揮されていて、そこに負けないようにアノスを演じるのは楽しくもあり、難しいところでもありました。

 1期から演じられている皆様はスタッフさん含め団結感があり、そして2期からお邪魔した僕を優しく受け入れて下さり感謝しかありません。

──梅原さんが一視聴者として本作を見た時の、一番の推しシーンを教えてください。

 今回の物語の根幹ともいえる第9話が特に印象に残っています。大聖霊編はシンとレノの物語であり、原作ファンの方の人気が高いと聞いていたのも納得の展開でした。

 最後景色に色がつき、エンディングが流れる演出が印象に残っています。アフレコ段階ではどのような演出になるかまだ知らなかったので、オンエアで見てたまらない演出だと感動しました。

──原作『魔王学院の不適合者』のどういったところに魅力を感じていますか?

 アノスという人物は圧倒的な強さを持っているので、どんなに強い敵が現れても、どんな理不尽も彼が解決してくれるだろうと信じながら読み進められます。

 能力的な強さ以上に心の強さを兼ね備えている人物なので、発する言葉ひとつひとつに説得力と包容力に溢れている点が、この作品の魅力なのではないでしょうか。

──2クール目の制作が決まっておりますが、どういったことにチャレンジしたいですか?

 アノスのもつ威厳や、優しさをもっと深掘りして極めたいと思います。そしてきっとアフレコも集団に戻っていると思うので、お互いの演技に影響を受けてより良いものを提供できるように頑張りたいと思います。

──『魔王学院の不適合者』ファンのみなさんにメッセージをお願いします。

 2クール目が決定し、引き続きアニメーションでも魔王学院を楽しんでいただけること嬉しく思います。1クール目は映像や演出の点でもクオリティの高い作品となったので、期待して待っていていただけると幸いです。

 これからも「魔王学院の不適合者」の応援をよろしくお願いいたします。

『魔王学院の不適合者 II~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』インタビュー


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