『スパロボα』ダンクーガ、最強のボスキラー説。熟練度獲得のため攻略本を熟読した、あの日【メモリの無駄づかい:スーパーロボット大戦α】

米澤崇史
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 三つ子の魂百までと言われますが、幼少期に限らず、ゲームを遊んだ思い出は脳に深く刻まれるもの。

 何年、何十年たっても、「なんでオレ(私)、こんなこと覚えてるんだろ…」と愕然とするような記憶が残りがちでして。

 そんな脳のメモリ(記憶・容量)を無駄づかいしている例を語ります! 今回は、PlayStationで発売されたシミュレーションRPG『スーパーロボット大戦α』について、再度語らせていただきます。

『スーパーロボット大戦α』とは

 さまざまな年代のロボットアニメが夢の共演を果たす、『スーパーロボット大戦』(以下、『スパロボ』)シリーズ。2000年に発売された『スーパーロボット大戦α』は、熟練度システムや戦闘アニメ演出のON/OFF切り替えなど、のちの作品に受け継がれるシステムが多数盛り込まれ、『スパロボ』シリーズにとって大きな転換点となった作品です。

 続編としては『スーパーロボット大戦α外伝』、『第2次スーパーロボット大戦α』、『第3次スーパーロボット大戦α -終焉の銀河へ-』がリリースされ、どの作品も高い人気を博しました。本作のドリームキャストへの移植版として『スーパーロボット大戦α for Dreamcast』も発売されています。

マ・クベよ、こっちに寄って来い!

 『α』といえば、特定の条件を満たすことで得られる“熟練度”と呼ばれるシステムが初めて実装されたタイトルです。熟練度は、のちに“SRポイント”として名前を変え受け継がれていきますが、この頃の熟練度は「取得条件が表示されない」「1ステージごとに獲得できるポイントの上限が異なる」「会話の選択肢でも変動する」「熟練度がマイナスされることもある」と、近年のSRポイントとはかなり仕様が異なっていました。攻略本などの前情報なしにすべての熟練度を獲得するのはかなり困難。熟練度はνガンダムHWSなどの隠しユニットの入手に関わっているので、ほとんど隠しユニットやキャラを加入させられなかった……という人も多いかと思います。『α』では、まだゲームクリア時のセーブデータ引き継ぎ機能がありませんでしたが、取り逃した隠し要素と熟練度獲得に挑戦するため、攻略本を熟読しながらゼロからのセーブデータでプレイし直していたのを思い出します。

 ただ、条件を調べた状態でも一筋縄ではいかなかったのが『α』の熟練度で、とくに思い出深いのがリアル系第5話の「ジオンの亡霊」。地球に降下しようとするジオン軍と交戦するマップで、母艦であるアーガマを7ターン守り切ればクリアとなります。熟練度獲得は、ステージ終了までにマ・クベが乗っているザンジバルを撃破するのが条件です。

 しかし、このザンジバルは序盤の敵としてはかなり高いHPを持つうえ、自軍の初期配置からかなり離れた場所におり、一切こちらに近づいて来ません。初期位置から動けないアーガマを守る戦力も必要なので、ただでさえ少ない序盤の自軍戦力を分散させることになります。筆者の場合は、ヒュッケバインMK-IIのチャクラムシューターを可能な限り改造したうえで1ターン目から単騎突撃させてギリギリで撃墜できましたが、ダメージが足りるかヒヤヒヤしたのを覚えています。必要気力・消費ENがともに低く、移動後使用も可能な便利武装・チャクラムシューターがなかったら、きっと撃破を諦めていたことでしょう。

  • ▲ユニットに「限界」のパラメーターがあったり、武器改造が個別だったりするのも、今みると新鮮です。

イングラム教官、もう少し長居してください

 「ジオンの亡霊」以外にも、熟練度獲得が難しいマップはありますが、なかでも印象深いのは第50話「ヴァリアブル・フォーメーション」でしょうか。

 こちらはSRXのお披露目と、イングラム・プリスケンが乗るアストラナガンと初交戦するステージ。強敵のアストラナガンはHP70%以下で撤退するため、クリアするだけならとっとと撤退させておくのが正解。しかし、撃破できれば熟練度ポイント+3と、非常に強力な強化パーツであるイナーシャルキャンセラーを獲得できるという美味しいご褒美が用意されています。とはいえ、HPの高いアストラナガンに一撃で70%以上のダメージを与えるのは簡単ではありません。終盤のステージですが、条件を満たすダメージを叩き出せるユニットはかなり限られていたと記憶しています。

 筆者の場合は、ダンクーガの断空光牙剣(断空剣をフル改造すると開放される隠し武装)で、なんとか撃破することに成功しました。『α』のダンクーガは、特殊技能「野生化」によるダメージアップ、パイロット全員が精神コマンドの「気合」「熱血」を使用できるという屈指のボスキラーで、アストラナガン以外にもHP割合で撤退するボスの大半を倒してくれましたね。この『α』での大活躍は、それまでは原作を知らなかったダンクーガに思い入れができ、アニメを見るきっかけにもなりました。

 また、この頃の熟練度は、獲得の条件がわからない不便さはありましたが、初回のプレイでは「このステージでは、何をすれば熟練度が取れそうだろうか」と想像しながらプレイするのも楽しかったんです! 現在の条件をうろ覚えな状態でプレイするのも、初回の手探りプレイとも、攻略本を片手にプレイした時とも違うおもしろさが体験できそうで、今になっても遊び直したくなるタイトルです。

  • ▲シリーズの人気キャラクター、クスハ・ミズハも登場。本作では選択可能な主人公の1人でした。

米澤崇史:ロボットアニメとRPG、ギャルゲーを愛するゲームライター。幼少期の勇者シリーズとSDガンダムとの出会いをきっかけに、ロボットアニメにのめり込む。今もっとも欲しいものは、プラモデルとフィギュアを飾るための専用のスペース。


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