【軌跡シリーズ名言集:エレイン】貴方は今の、私が嫌いなひどい貴方のままでいて

Zenon
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 日本ファルコムの名作ストーリーRPG『軌跡』シリーズの名言集をお届けします。

 本記事で紹介するのは、『黎の軌跡』に登場するキャラクターの1人、エレインのセリフ。遊撃士協会が誇る若きA級にして、主人公ヴァンとの幼馴染でもある彼女の名言を紹介していきましょう。

※本記事内には物語のネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。

貴方は今の、私が嫌いなひどい貴方のままでいて(エレイン)

●第五章_白夜のカルナヴァル(英雄伝説 黎の軌跡)

 エレイン・オークレール(以下、エレイン)は、本作の舞台であるカルバード共和国の遊撃士協会に所属するA級遊撃士の女性。遊撃士のランクは活動の実績で上がっていき、非公式とされるS級を除けばA級が最上位のランクになります。

 史上最年少の23歳という若さでA級に昇格したうえ、その美貌もあいまって注目度が非常に高い彼女ですが、本人は遊撃士活動に専念したいため、モデルや女優の勧誘はすべて断っているとのこと。

  • ▲凛とした立ち振る舞いと冴えわたる剣技。そこから付いた渾名は《剣の乙女(ソードメイデン)》。髪の編み込みなど、オシャレにも気をつかっているのがわかります。

 そんな彼女がある事件の最中、突如辞表を提出して失踪することがありました。当然仲間の遊撃士たちも探しに出ますが、事件の警戒もあるのでなかなか見つけられません。

 その状況で解決事務所の仲間たちを宿に残し、一人エレインを探しに出るヴァン。彼の予想はドンピシャで、見事エレインの居場所を突き止めました。何を隠そう、ヴァンとエレインは15年来の幼馴染にして、学生時代は短い間ながらも付き合っていた関係。相手の考えてることは互いに人並み以上にわかります。


 子どもの頃の話を持ち出され、「ずるいわね」とつぶやくエレイン。その表情は心なしか嬉しそう。



  • ▲「面倒な女だから?」「自覚あんのかよ……」でギロリ。こうした気の置けないやり取りもこの2人の魅力ですよね。

 地元一の名家の跡取り娘なのに孤児院のガキとつるみ、名門校の生徒会長までやりながら卒業後は実家とケンカしてまで遊撃士の道へ。そして最年少でA級になったかと思えばいきなり協会を出奔。

 優等生なのにやることは不良そのものじゃないかと語るヴァンに、エレインは「本物の不良の貴方に影響されたからよ」と答えます。

  • ▲「全部、貴方が悪いわ」と話すエレイン。しばしば目が隠れる演出が入るのもポイントです。

 続けて14年前、“里親”に出されてこの街を去ることになったヴァンを糾弾し、親と自分が疎遠になったのも「全部、貴方のせい」と断じます。



  • ▲ただ、これは本心ではなくすぐに撤回。本当は自分のせいであると自覚し、謝罪しました。

 それに対しヴァンは「いいや、許せねぇな」と厳しい言葉をかけたうえで、「勝手に人の責任を奪うんじゃねぇ。全部、俺のせいだ」とすべての罪は自分にあると話します。

 エレインがすべてを背負いこむ必要はないのだと、ほかの誰にも頼れないならせめて自分だけでも頼れ――そう言おうとした瞬間、エレインがヴァンの背にしがみついてきました。


 ここでもヴァンを「ずるい」と評し、揺れてしまった表情を見せまいと背中を取るエレイン。本心ではヴァンに頼りたい、彼と一緒に動けたらどれだけ気持ちが楽になるだろう。そんな葛藤が見て取れます。


 しかし彼女はヴァンを諫めます。誰もがヴァンたち《解決事務所》の活躍に期待しているなか、エレインの個人的な事情のために動いている暇なんてないでしょう、と。

 差し伸べられたヴァンの手を振り払い、エレインは1人で決着をつけることを宣言。昔から1人で何でもやってきたヴァンの文句なんて受け付けない。もう宿へ帰り、明日の山場へ向けて休んでと告げる彼女の言葉が、今回の名言になります。




「貴方は今の、私が嫌いなひどい貴方のままでいて」

 それに対し、ヴァンは歯を食いしばって何かを言おうとするも、振り返ったそこにエレインはもういませんでした。


  • ▲15年前と変わらない月夜を眺めながら、変わってしまった自分たちの関係性に想いを馳せます。

 はい、いかがでしたでしょうか。エレインの名言「貴方は今の、私が嫌いなひどい貴方のままでいて」をお送りしました。個人的には「全部、貴方のせい」というワードも心に残っているのですが、今回はこちらで。ツンデレともちょっと違う気がしますが、これほど字面と本心が真逆に感じる会話の応酬も珍しいのではないかと思います。

 隠れてるのに見つけてくれたり、緊張しているところをほぐしてくれたり、1人で心細いのを察して優しい言葉をかけてくれたりと、全力でエレインの乙女心を揺らしにかかってるヴァン。

 今回の名言は自分だけを見てくれるこのヴァンを(本当は受け入れたいけれど)やんわりと拒絶しながら、いまは自分を捨てて放置する“嫌いなヴァン”のまま、事件の解決に動いてほしい。そんな“乙女心”VS“自立心”のような、彼女の複雑な想いが感じられるひと言だと思います。

 最後は理詰めの理由を並べて、自分を納得させようとしているのもエレインらしいですよね。この2人の関係性は、“素直じゃない”この言葉に尽きると思います。本当は心から互いのことを想い合っているはずなのに、と。発売中の『黎の軌跡II』では、エレインとヴァンの関係にも進展があったりなかったり。個人的にも好きな2人ですし、いずれはそちらも名言として紹介したいですね。

 シリアスなものからコメディ的なものまで、軌跡シリーズにはほかにも数々の名言が存在します。今後もそれらを不定期にピックアップしてお届けしていく予定なので、お楽しみに!

※画面はPS5『英雄伝説 黎の軌跡』のものです。

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