レビュー:『Cocoon』は独特の世界を旅するパズルアクション。絶妙な難易度のパズルで味わえる濃密なプレイ体験がたまらない【電撃インディー#492】

柏又
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 電撃オンラインが注目するインディーゲームを紹介する電撃インディー。今回は、Geometric Interactive開発、Annapurna Interactive発売のPS5/PS4/Nintendo Switch/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam)用パズルアドベンチャー『Cocoon(コクーン)』のPS5版レビューをお届けします。

 なお、電撃オンラインは、尖っていてオリジナリティがあったり、作り手が作りたいゲームを形にしていたりと、インディースピリットを感じるゲームをインディーゲームと呼び、愛を持ってプッシュしていきます!

球体の中に封じ込められた世界を行き来する興味深い舞台設定

 ゲームは古代文明らしき遺跡が残る荒野から始まりますが、少し進めるとこの世界が球体のなかに封じ込められたものだということがわかります。世界を封じ込めた球体は全部で4つあり、施設に設置すると球体に飛び込んで中の世界を冒険できます。

 球体の世界のなかに別の世界の球体を持ち込むことも可能で、入れ子構造のように球体を重ね合わせてみたり、施設に設置した球体に外から干渉して中の世界に影響を与えてみたりすることもできます。

 虫のような主人公の見た目や自然の地形と文明の遺跡が混在となった世界観、そして球体の世界が入れ子構造になっている設定が個性的かつ魅力あふれる世界を形作っていると筆者は感じました。

 筆者がプレイしているPS5版だと入っている球体の色に合わせてコントローラランプの色が変わるところもおもしろいですね。

マップの地形や球体の特性を利用したパズルが絶妙な歯ごたえ!

 ゲーム中は一切の文字情報が表示されませんが、本作の操作は移動とスイッチを動かしたり、物を持ち上げるときに使ういわゆる“インタラクト”ボタンひとつだけという非常にシンプルな構成となっています。インタラクトできる場所にいると主人公の背中の羽がちょっと開くのでそれが目印ですね。

 パズル内容は、“一定時間だけ動く仕掛けが作動中に別の仕掛けを動かす”感じの忙しいパートこそあるものの、そこまでアクション性は要求されない印象。前述のとおり文字情報はいっさい表示されないのですが、どの仕掛けもよく観察して試行錯誤すればしっかり解ける難易度になっているのには正直驚かされました。

 世界の中に球体を持ち込み、設置してから外に出ることで一度に2つの球体を持ち運ぶ、といった入れ子構造を利用する謎解きのほか、マップ内のオブジェクトをヒントにスイッチを順番に押したり、球体を抱えたままだと通れないすき間を前後にある世界の出入り口を利用してクリアしたりするなど、パズルのパターンはかなり豊富でプレイしていてマンネリに感じることもありません。

 また、後述するボスキャラ“ガーディアン”を倒すと、球体に特殊な能力が付与されて担いだまま歩くと、見えない床を表示できたり、水柱と岩柱を交互に変化させられたり
するなど、世界特有のオブジェクトが利用できます。

 これらの新しい仕掛けも、覚えたての段階で簡単なパズルを解いて仕組みをプレイヤーに覚えさせてから、徐々に頭を使わせるものに移行していくレベルデザインになっていて、プレイヤー目線でゲームが作られているのを強く感じられます。

ボス戦もギミックで勝負! 一発当たれば敗北のちょいムズ難易度がいい感じ

 球体の中の世界に1体ずつ存在するガーディアンとのボス戦は、道中と同じくギミックを操作してダメージを与えていきます。敵の攻撃に接触すると、世界の外に放り出されて最初からやり直しとなるので、そこそこ緊張感がありました。

 ボス戦はギミックを動かしてボスを目覚めさせるところから始まります。ボスを目覚めさせるギミックは、そのままボスを攻撃する手段になっているあたりもいい感じのレベルデザインになっていると筆者は思います。

 また、ボスは一定回数ダメージを受けるとフィールドの地形を変化させて攻撃パターンが変化します。攻撃パターンの変化自体は初見だと戸惑いますが、攻撃手段はこれまでと同じなので落ち着いて避ければ大丈夫なくらいの難易度です。ちょっと難しいゲームのボス戦では、ダメージが蓄積してからの攻撃パターンの変化はよくある要素なので、むしろ燃えてきますね。

コスパはやや厳しいが秀逸なアクションパズルを求める人におススメ!

 ここまで紹介してきた『Cocoon』。初見でプレイしてもエンディングまでだいたい3時間程度です。

 ただ、3時間というゲームとしては短い本作は、非常に濃密で正直なところ脳が疲れましたし、かなり充実した時間であったのは間違いありません! できることなら記憶をリセットしてもう一回最初から遊びたいと思わせてくれる秀逸な1本だと筆者は思っています。

 本作は世界的に評価の高い“LIMBO”や“INSIDE”を手がけたゲームデザイナーが開発しているそうですが、セリフなどの文字情報を一切使わないゲーム構成やシンプルに見えて細かく作り込まれた世界観はさすがといったところ。

 適度に頭を使う、おもしろいパズルゲームを探している人にはピッタリのゲームですし、入れ子構造のように世界が重なる独特の世界観もユニークで、興味深い構成だと思います。また、ボス戦こそあるもののバイオレンスな表現は少ないので、そのあたりが苦手な人にも大丈夫です。

 筆者がプレイしたのはPS5版ですがPS4でもプレイできますし、XboxやSwitch、Steam版も好評発売中で幅広いプレイヤーがゲームに触れられるのもうれしいところです。画面写真やビジュアルは地味ですが、ゲーム自体は非常におもしろいのでぜひプレイしてほしいですね。


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