大河ドラマ『どうする家康』44話感想。本多忠勝&榊原康政との別れ…最後まで2人の家康を思う心は変わらず

びえ
公開日時

 毎週日曜20時からNHKで放送の大河ドラマ『どうする家康』。第44回“徳川幕府誕生”のレビューをお届けします。

いよいよ徳川幕府が誕生! 久しぶりの穏やかな雰囲気に

 前回は、ついに“関ヶ原の戦い”が決着し、家康たちの勝利となったところで終わりました。

 今回は、そんな大きな戦を乗り越えて、いよいよ念願の徳川幕府が誕生します。

 いまだに建前上は、家康が豊臣秀頼の代わりとして政治を行うという立場ですが、実質的には家康の天下といっても過言ではありません。

 とはいえ、秀頼の母である茶々からしてみれば、息子を差し置いて家康の好き勝手にされては困るというもの。そんなわけで、家康の孫娘・千姫と秀頼の婚姻を約束させ、両家のつながりを強くしようとします。

 当然ですが、豊臣家の影響力を維持しようと必死です。ようやく戦が終わったというのに、またもや水面下での駆け引きが始まってしまい、なかなか気の休まるところがありませんね。

 家康も面と向かって対立するわけにもいかず、どう付き合っていくべきか、判断が難しいところです。なんとか正面からぶつからないよう、住み分けできる道を模索しますが……。

 時は少し流れて、久しぶりに家康がのんびりと過ごしている様子が見られました。これまで戦続きだったので、こちらとしてもホッとしますね。

 征夷大将軍となった家康は、ついに徳川幕府を開きました。才能のある人たちを次々と抜擢し、そのなかにはウィリアム・アダムスの姿も。若くやる気に満ちた人々が家康のもとへどんどん集まってきて、活気にあふれていて良いですね。

戦が終わっても悩みは尽きず…最後まで家康のことを一番に考える康政と忠勝に感動

 一方で、家康に長いあいだ仕えてきた家臣たちは、自分の進退について悩むところもあるようです。さらに、家康自身も、息子・秀忠の頼りなさが少し気にかかるようで……平和な世の中になっても、悩み事は尽きないものだなあと、思わず唸ってしまいますね。

 とはいえ、他の家臣たちがいる前で秀忠を叱責するのは、ちょっとやりすぎだなと感じました。これがおかしな軋轢を生まなければよいのですが。

 榊原康政も同じことを考えていたようで、家康に最後の忠告をします。今でこそ大物の貫禄がついた家康ですが、これまでこの物語を見てきていれば分かる通り、彼もまた若い頃はか弱くて臆病な性格の人物でした。

 あの頃の家康に比べれば、まだ秀忠のほうが頼もしいかもしれません。そのことを忘れてはいけないと康政は言います。

 家康もそれを分かっているようですが、それでも厳しく接するのには理由があるようです。関ヶ原の戦いが終わったとはいえ、豊臣家はまだ反撃のときをうかがっている。そのことを見抜いていた家康は、次の戦いに備えて秀忠を訓練するつもりでいたようです。

 どちらの言い分も分かるので、なかなか難しいところですね。いつ新たな敵が現れるか分からないため、気を引き締めていなければいけないとする家康の考えも、もっともだと感じます。

 本多忠勝は老齢を理由に隠居を考えていたようですが、引退はまだまだ先になりそうです。戦なき世というのは、本当に遠いものですね。どうにか実現してほしいところですが。

 年を取っても、なんだかんだで付き合ってくれる忠勝と康政との絆には、心が温まりました。

 秀忠へ厳しい言葉を投げかけつつも、暗に頼りにしていることを伝えようとする家康の行動に、ほっと一安心。あまり気負わず、自分のペースで頑張ってもらいたいですね。

 家康の後を継ぐのは秀忠だと明らかにしたことで、豊臣家の人々は大きく反発します。秀頼をないがしろにし、徳川家が天下を受け継いでいくと宣言したようなものですから、当然です。

 そんな状況のなか、康政が病を患っていることが明らかに。忠勝もまた、目がほとんど見えていないことが判明します。人が年を取るのは仕方のないことですが、それでも悲しいと思ってしまいますね。

 とはいえ、しんみりとした空気だけで終わらないのが、康政と忠勝の良いところ。この2人の関係性には、何度も心が救われました。最後に2人の笑顔が見られたことが、なによりの救いです。

 どうかゆっくり休んでほしいと願わずにはいられません。そして、できることなら天国でも2人仲良く笑っていてほしいですね。

 次々と家臣たちの死を見送る家康のことを思うと、辛くなってしまいますが……悲しんでばかりもいられません。豊臣家との戦いの時が、すぐそこまで迫っています。次回も楽しみに待ちましょう。

Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation). All rights reserved.

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら