『ティアムーン帝国物語』10話感想。革命に巻き込まれ拉致されるミーア。クライマックスに向けて黒幕の正体がついに明らかに…!?

米澤崇史
公開日時

 TVアニメ『ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~』の第10話“ミーア姫、誘拐事件!”の感想をお届けします。

【注意】キービジュアルより先のテキストでは、『ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~』10話の物語に関する記述が多々あります。そのため本編をご覧になってから読むことを強くオススメします。

またもやミーア過大評価!? 第7話のアベル王子のプレゼントが意外な影響を及ぼすことに……!?

 アベル王子に会うため、シオン王子とティオ―ナ、キースウッドらと共にレムノ王国を訪れたミーア。謎の集団の襲撃に遭い、キースウッドたちと離れ離れになったミーアとシオン王子は、共にレムノ王国の王都を目指します。

 10話では、サンクランド王国の諜報部隊“風鴉”に所属し、レムノ王国で暗躍するグレアムが登場。グレアムはレムノ王国で革命が起きるよう工作を進めており、ミーアがレムノ王国に向かったことを聞きつけ、その排除を目論んでいました。

 グレアムはミーアとアベル王子が裏で秘密裏に連絡を取り合っていると考え、計画をさらに早めようとしますが、第7話でアベル王子がプレゼントした馬用のシャンプーが疑いの元になっているのが面白い。

 ミーアが馬術クラブに所属していることを知っていれば真実に思い当たりそうではありますが、まったく関係のない金剛歩兵団の動きもミーアの策だと考える疑り深い性格からして、一国の王子が姫にそんなプレゼントを送るのかと、一層勘違いを深めそうな気もします。

 そんなグレアムの部下であるモニカを、アベル王子が助ける一幕も。最初の軽薄で頼りない印象はどこへやら、ミーアにふさわしい存在になるため、すっかり立派な王族らしくなっています。

 思えば、やり直し前の世界のアベル王子は暗殺されているので、ミーアとアベル王子はお互い死の運命を乗り越えないと未来がないという共通点もあるんですよね。

 やり直し後のミーアと関わってもっとも成長した人物でもあり、前回のエピソードで「シオン王子いいなぁ~!」となってたんですが、「やっぱりアベル王子とペアもいいな……」と、ミーア姫が誰と結ばれて欲しいかの感情が行ったり来たりを繰り返してます。

 また、アベル王子に救われたモニカは、手紙の一通を本国に、もう一通を何者かの元に送っていました。モニカは、グレアムのやり方に疑念を抱いていた様子もありましたし、これが今後重要な意味を持つ可能性は高そうです。

革命派に拉致されるミーア。見え隠れする黒幕は、彼女の存在を危険視している?

 後半では、キースウッドたちとの合流場所に向かうため、馬車を利用しようとしたミーアでしたが、その途中革命派に協力する子供たちによって拉致されてしまいます。黒幕は、革命派を裏で操る“ジュノ”と呼ばれる人物で、ミーアの存在を危険視している様子。

 あやうく人買いに売られそうになったミーアでしたが、革命軍のリーダーである兄を止めようとする少女・リンシャに助け出され、シオン王子との合流にも成功します。

 本作の魅力は、ミーアが見せてくれる様々な表情にあるということは何度が触れましたが、今回はリンシャにナイフを突きつけられ、殺されると勘違いした時の涙目の表情がとくに良かったですね……。“かわいそうはかわいい”というのは、つくづく真理だなと思います。

 一方、民から人気が高いダザエフ宰相が監禁され、さらに革命派が勢いづいたという噂を聞き、ミーアが違和感を抱く一幕も。視聴者の視点からは、やり直し前の世界でのティアムーン帝国内の革命にも、裏に何らかの組織が関与していることが分かり始めていましたが、ミーアがその真相に近づきつつあります。

 この洞察力の高さといい、今回出てきた“いざという時に備えて、周辺国の通貨を集めておく”有能ムーブといい、後半に入ってからのミーアはギャグで隠れていた優秀な面が結構見え始めていますよね。“帝国の叡智”の肩書も、少しずつではありますが、だんだん的外れではなくなってきているのかもしれません。

 ラストには、革命派を扇動するリンシャの兄・ランベールとの対話を試みますが、ランベールは怪しげな笑みを浮かべており……。ランベールは、ミーアを敵視している“ジュノ”との関係性が深そうでしたから、一筋縄ではいかなさそうです。

 そんな『ティアムーン帝国物語』も、いよいよ残すは2話。ミーアは、レムナ王国とアベル王子を救うことができるのか。物語は、ついにクライマックスへと差し掛かります。


©餅月望・TO ブックス/ティアムーン帝国物語製作委員会2023

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