『ガールズフィスト!!!!』の1stワンマンライブは超満員で大熱狂の夜に! 詳細なライブレポート

電撃オンライン
公開日時

 JKロックバンド漫画『ガールズフィスト!!!!』に登場するキャラクター4人と連動して活動している若手女性声優のロックバンド“南松本高校パンクロック同好会”の初のワンマンライブが、5月25日に開催されました。

 “南松本高校パンクロック同好会”は、昨年10月に結成され、これまでに企画盤CDを2作品発表しています。そんな彼女たちの初のワンマンライブ“ガールズフィスト!!!! 南松本高校パンクロック同好会 1stワンマンライブ Take Action!!!! Vol.1”のレポートをお届けます。

 なお、セットリストとメンバープロフィール、2ndワンマンライブの詳細は、記事下部で紹介しています。

開始前から会場は超満員!

 会場となった東京・Space emo池袋の入り口前には開場前から長蛇の列ができ、18:00からの当日物販で購入したライブTシャツを早くも着込んだファンの姿も数多く見られました。

 19:00の開場と同時に多くのファンがステージに近いフロア前方から埋まっていき、開始20分前には早くも満員の状態に。入り切らないファンで、ライブフロア入り口のドアが閉められないような状況にもなったほどでした。

 19:30、ついにライブがスタート。会場がいったん暗転する中で、大音量のSEとともにライトが当たったステージに登場したメンバーは、ヴォーカル・浅見春那さん(奈川芳野役)、ドラムス・内山つかささん(白瀬双葉役)、ギター・奥村真由さん(坂ノ下奏恵役)、ベース・古川由利奈さん(藤森月役)の4人。

 なんと全員、今回が初お披露目となる南松本高校の緑の制服ブレザーを着用し、SEに合わせてポーズを決めていました。

『青春ガール』からライブがスタート

 ジャケットを脱ぎ、SEが終わると、内山さんの「ワン! ツー! スリー! フォー!」の元気なカウントからの1曲目『青春ガール』でライブがスタート。

 イントロ部分で「皆さん、今日はありがとうございます! 一緒にイエーーーイッって言ってください!」と浅見さんがあおると、来場者が一緒に「イエーーーーーーーーーイッ」と叫び、早くも一体感が見られました。

 サビの「あれもしたい! これもしたい! 全部したい!」の部分でも、会場中が早くも拳を突き上げ大合唱。これ以上なくブチ上がるライブの出だしとなりました。

 間髪入れずの2曲目は、アメリカが誇る伝説のロックバンド・ラモーンズの“パンクアンセム”とも言うべき名曲『電撃バップ』。あまりにも有名な掛け声「ヘイ! ホー! レッツゴー!」の部分を、来場者も拳を突き上げメンバーと一緒に叫んでいました。

 内山さんの元気ハツラツとしたパワフルなドラム、古川さんのクールでズッシリと安定したベース、奥村さんの荒々しくひずんだサウンドのギター、キュートに初々しく叫びまくる浅見さんのヴォーカルと、4人の演奏&バンドとしての一体感も絶好調のように感じられました。

 2曲目の後、初のMCタイムに。古川さんは満員のお客さんに「こんなにたくさんの方に集まっていただいて本当にうれしいっ!!」と感激の言葉を口にします。

 お立ち台に立った時の会場の眺めを古川さんにたずねられた浅見さんも「いやー、最高っすねー!」と、こちらも大興奮の様子。また、メンバー4人の今回のコスチュームは、この日のライブTシャツを切ったり、縫ったり、安全ピンをつけたりして、思い思いにパンクっぽいデザインにしたものを着用していることなどが話題となりました。

 その後、浅見さんが今日のライブでの目標を宣言することになりました。いざその宣言の直前、内山さんがドラムロールをして盛り上げてくれる……と思いきや、「どぅるるるるるるるるる…」と内山さんはまさかの“口(くち)ドラムロール”。

 「(難しくてドラムロールは)まだできないんだよね(笑)」ととぼける内山さんに会場は大爆笑。そんな内山さんの“口ドラムロール”の後、浅見さんは「今日は、ここにいる誰よりも一番に盛り上がりますっ!!」と力強く宣言します。

 古川さんに「なーちゃん(浅見さん)よりも盛り上がる準備はできてますよね?」とうながされた会場の来場者も、「おーーーーっ!」と大きな歓声で応えていました。

 続いて3曲目は、古川さんがメインヴォーカルを務めるオリジナル曲『Ready and Rarin’ to Go!!!!』。

 疾走感あふれるこの曲について、当初は「ベースを弾きながら歌うなんて想像もつかない……」ともらしていた古川さんでしたが、この日は力強く完璧に歌い上げ、会場をノリノリにしていました。

 また、“悦にひたってギターソロを弾くこと”が最近、他のメンバーから出された課題だったという奥村さんは、このギターソロではうっとりと目を閉じて弾いている姿も見られました。

 また、内山さんの「Go! Go! Let’s Go! Let’s Go! Go! Go!」や奥村さんの「ウーーーッハイ! ハイ! ハイ!」など、メンバーそれぞれに叫ぶ担当が決まっている掛け声でも、一緒に叫ぶように来場者を元気にあおり続けました。まさに今すぐ走り出したくなるような気持ちにさせられる、ライブ感の強い1曲となっていました。

中盤はカバー曲と楽しすぎるわちゃわちゃMCが連続!

 そしてまたMCタイム。なぜか来場者から、メンバーそれぞれが「かわいい!」と言ってもらう時間(?)に突入しました。

 浅見さん、奥村さんに続き、会場中のお客さんから「かわいいー!」と言ってもらって一番照れまくっていた内山さんは、「これ年イチ(年1回)でいいわ……」と苦笑い。古川さんは自分のリクエストどおり、来場者からの「古川さま、超かっこいい!」という言葉を一身に浴び、とてもとても満足そうでした。

 そして、ここからはロックの名曲をカバーします。4曲目は、THE BLUE HEARTSの『リンダリンダ』。あまりにも有名なこの曲のサビ「リンダリンダー!」のリフレインでは、メンバー全員と来場者の大合唱に。

 会場前方の3分の2ほどの来場者が、叫びながら拳を突き上げ縦ノりしまくる熱狂の状態となりました。

 愛らしく懸命に歌う浅見さんの歌声は耳に心地よく、終盤では内山さんがこの曲最大の見せ場でもある、激しく複雑なドラミングで会場を沸かせました。

 ところが最後の最後でスティックを飛ばしてしまったそうで、曲終了後に「帰るぅっ……最後飛んでった……(泣)」とひとこと。またもや会場の笑いを誘っていました。

 このあとのMCでは、内山さんがこの日の昼に20%値引きで購入してきたという、紫のNEWスティックを披露。

 内山さんのキャラクター・白瀬双葉のキーカラーでもある紫色のスティックはなかなか売っていないとのことで、「見かけたらその楽器店名と場所を教えてください!」と来場者にお願いしていました。

 続いて、坂ノ下奏恵のキーカラーは赤ということで「まゆち(奥村さん)は、赤い何が欲しいの?」と古川さんが聞くと、奥村さんは「アンプも赤くしちゃう……と、(ギターも赤なので)1人だけ燃えてるみたいになっちゃうね……」とコメント。

 続けて奥村さんは、最近“触手”と言われているという奏恵のツインテールと同じ髪型にしてきたのを、お立ち台に乗ってしっかり披露してくれました。

 内山さんも双葉と同じ長さになるよう髪を伸ばし続け、この日は1つ結びにしてきたことを明かすと、会場から多くの「かわいい~!」の声が飛び交い、またしても大いに照れまくっていました。

 次の5曲目は、これもラモーンズの名曲中の名曲『リメンバー・ロックンロール・レイディオ?』。

 会場からの見事なクラップと「レッツゴー!」の掛け声、そして内山さんのドラムにあおられるように、フロントに立つ古川さん、浅見さん、奥村さんの3人が小刻みに跳びながら演奏している姿が圧巻でした。

 それを見た来場者もつられてジャンプしつづけ、会場中が一体となって揺れ動いているような光景が見られました。

 曲のあとのMCでは、ジャンプしながら演奏する奥村さんに、内山さんがこんな指摘をしました。

内山さん:「まゆちが飛ぶとき、耳(ツインテール)がぴょんぴょんぴょん!ってするね!」
奥村さん「耳じゃなくて触手なんだよ! みんなの声を聞いて触手もすごい喜んでるー!」
内山さん「……まゆちと話すと、“ワールド”に入っていけない時があるのがねぇ……」
古川さん「このバンド、2人ぐらいワールドを作るからねー」
内山さん「違う種類のねー」
古川さん「まぁ、2つのいろんな世界に飛べるのはいいことだよね」
内山さん「そうね(笑)」
古川さん「(もう1人は)あなたのことだよぉー?」
浅見さん「気づかないフリをしてたのに。くっそー……」

 その後、奥村さんが今朝、縁起かつぎのためにリンゴを食べてきた話題がきっかけとなり、今後やったほうがいい縁起かつぎ的なことをハッシュタグ“#ガールフィスト”で募集することになりました。

 さらに、突然奥村さんと浅見さんの謎の新ユニット“なまず”のお披露目がありました

 6曲目は、’80年代の西ドイツのポップスグループ・ネーナの大ヒット曲『ロックバルーンは99』。静から動へと徐々に大きく展開していく楽曲です。

 バラードのように静かにゆっくりとはじまった曲が、浅見さんのエコーのかかった高く甘い歌声や古川さんが弾くこの曲の特徴的なベースライン、奥村さんのポップでカッチリしたギターリフ、内山さんのスロー部分とアップテンポ部分をつなげていくドラムが次々融合していき、大きなうねりを作り出していきました。

 体を縦に揺らし、手拍子をしながらも、4人のサウンドに来場者はじっくり聴き入っているようでした。

 この曲の後のMCでは浅見さんが、ドイツ語の歌詞と噛みそうな発音を覚えることが大変だったことを明かしました。

 内山さんからは「この曲をやりはじめのころ、なーちゃんはまだ歌詞を覚えられてないから、サビのところで“らーららーらー、らー、バルーン♪”って、“バルーン”だけしっかり歌ってたよね!」とツッコまれていました。

 がんばって覚えたというドイツ語の歌詞の意味を聞かれると、浅見さんは「99個の風船がバババババーンって飛んでるじゃないですかー。それを戦闘機に見立ててるんですけど…」と答えますが、メンバーも来場者も一瞬ぽかーんとしてしまいます。

 内山さんが「みんな、心で感じて!」、「よし、みんなググろう!」と叫ぶ中、古川さんが「皆さん、今のなーちゃんの説明でわかりましたよね?」と聞くと、大勢の優しい来場者たちが「おおー!!」と返事をしてくれていました。

 7曲目は、TVアニメ『キテレツ大百科』のエンディング曲『はじめてのチュウ』を日本の大人気メロコアパンクバンド“Hi‐STANDARD(ハイ・スタンダード)”がカバーした『My First Kiss』。

 終始スローテンポのアレンジで、会場は横ノリの状態に。浅見さんがかわいらしく歌うサビの「~チュウ」や「マイラブ!」の部分も、お客さんが必ずレスポンスしてくれ、ゆったり楽しく盛り上がる1曲となりました。

 続くMCでは、『ロックバルーンは99』、『My First Kiss』と次の曲の3曲は、内山さんがバンドの演奏曲としてリクエストしたナンバーだったことが話題となりました。

 ここで古川さんが「(難しいドイツ語の曲をリクエストしたことを)つかっちゃん(内山さん)に怒ったほうがいいんじゃないの?」と浅見さんをけしかけました。

 すると浅見さんが内山さんに「もー、やめてくださいよーっ!」と怒るも、その姿がかわいらしかったからか、内山さんは「それ、もっとちょーだい!」とねだって会場は大爆笑。

 すると古川さんが「なーちゃん、私も怒って。今のほしーわ、私も」と言うと、浅見さんから「もっと……まゆち(奥村さん)みたいに悦にひたれよー!」と一言。古川さんは「私、だいぶ悦にひたって弾いてると思うんだけど(笑)……足りない? それならもっと皆さんの熱い視線がないと!」と言ってお立ち台に上がります。

 しかし会場からの反応がなく、古川さんは「ちょっと待って、みんな反応が遅いよ! お立ち台に立ったんだから「おお~!」とか言ってよ! この業界、瞬発力が大事だよ? わかってる?」という名言を発します。あらためてお立ち台に立って大きな歓声を浴びる古川さんですが、「やったはいいけど……意外と恥ずかしかった!」と照れまくっていたのでした。

 内山さんが「これも4人でやりたかった」という8曲目は、アメリカの超人気パンクロックバンド・Green Day(グリーン・デイ)の『Minority』。

 陽気にズンズンと行進していくかのような雰囲気のロックナンバーで、楽しそうに跳ねる内山さんのドラムや奥村さんのエッジの効いたカッティング、古川さんのAメロのベースラインが印象的でした。MCでの練習どおり、間奏でお立ち台に立った古川さんに「おお~!」という大歓声も沸き起こりました。

 そのあとのMC。お立ち台に立った時に、来場者の方を向いているのが恥ずかしくなった古川さんは、横にいた浅見さんと見つめ合った瞬間があったとのこと。「うれしかったー。幸せです♪」と古川さんは満足そうに語りました。

 このころはライブ開始からちょうど1時間がすぎており、会場は熱気ムンムン。「みんな生きてるー? 後ろの人も生きてるー!?」と来場者にたずねる浅見さん。

 古川さんが「しっかり水分とって、汗も拭いてくださいね!」と言うと、すかさず内山さんが「タオルがなかったら、そこ(会場外の物販)で売ってますから! いいタオルが! 大きいのと小さいのが!」と、しっかりグッズの宣伝もブチ込んで会場の笑いを誘っていました。

 ここで内山さんが「我々の演奏を聴くのが初めての人って、どれぐらいいます?」と聞くと、半数以上の来場者が手を上げていました。

 これまで観覧フリーの公開練習は定期的に行っていた4人ですが、過半数の方が初めて会いに来てくれたことがわかり大感激。

 そこで古川さんが「じゃあ、なーちゃん、会場のみんなに「ありがとう」って、かわいい声で言って?」と浅見さんに言うと、内山さん、奥村さんとともにステージの下に降りて、浅見さんのかわいい「ありがとう」を待機する状態に入りました。

 浅見さんが「ありがとーっ!」と叫ぶと会場は「イエーーイッ!!」の大歓声! 内山さんは「ごちそうさまでしたっ」、古川さんは「とてもいいおてまえでしたっ」とつぶやきながら持ち場に戻り、とても満足そうでした。

メンバー紹介からの怒とうの後半戦!

 内山さんにうながされて思い出したように、「ここで皆さんにメンバー紹介、いきたいと思います!」と浅見さんが叫びました。

 「なーちゃんの思うがままにやっていいよ」と古川さんに言われ、どう紹介するか、お立ち台の上でクルクル回って思案していると、そんな浅見さんを見た来場者1人の「かわいい……」というつぶやきが、会場内に響きわたりました。

 そこで内山さんが、「ぼそっとかみしめるように「かわいい……」って言ってる方がいたけど、それ心の中にしまっとくやつね!」とお客さんにツッコミを入れます。会場がドッと沸く中、浅見さんが次々とメンバーを紹介していきます。

浅見さん「ドラム~~~! つかっちゃーーん!」
内山さん「内山つかさです! よろしくお願いしまーーす!(「かわいい」と会場から言われて)ありがと! 死んじゃうよ! そんなに言われたら!(笑)」
浅見さん「そして! ベースーっ! ゆっちーーーーっ!」
古川さん「古川由利奈でーす! よろしくお願いしまーす!(いろいろな歓声を浴びるも)……ちょっとみんなバラバラね。そろえてそろえてっ!」
浅見さん「ギター~~~! まゆちーーーーー!」
奥村さん「はい、奥村真由です。よろしくお願いしまーす!(かわいい! という歓声に)ありがと!!」
内山さん「言われなれてらっしゃる……そしてーー? ヴォーカルはーーーーー!」
内山さん・古川さん・奥村さん「せーの! なーーーーちゃーーーーん!」
浅見さん「はーーーーーいっ! ヴォーカルの浅見春那です! よろしくお願いします!!」

 無事メンバー紹介を終えると、「最初(出だし)の音が不安なんだー(笑)」と奥村さんが言う次の曲へ。

 ステージのライティングがブルーに変わり、そこに夕焼け空のような強いオレンジのライティングが差すと、奥村さんのギター&ヴォーカルで9曲目のオリジナル曲『Full of Lies』がはじまりました。

 「茜色した 空目がけて」というフレーズからはじまる全編胸に迫る歌詞を、奥村さんが健気に歌い上げていきます。

 イントロや間奏を「オイ! オイ!」の掛け声や手拍子で盛り上げてくれる来場者と、じっくりと歌を聴いている来場者。この曲には2種類の聴き方をしている来場者がいるように感じられました。

 直後のMCでは、しきりに奥村さんに「まゆち、泣いてない?」と古川さん、浅見さんがたずねていました。奥村さんはライブ前、自ら作詞し、歌も歌う『Full of Lies』の演奏時には自分が泣いてしまいそうだと言っていたそうです。

 そんな奥村さんにすかさず「涙を拭くものがなかったら、そこ(物販)にタオルあるからねっ」と内山さん。会場からは笑いとともに「おもしろい!」の掛け声が飛びました。

 奥村さんも「ちゃんと(泣かずに)ガマンした。大丈夫!」と言って、会場から拍手をもらっていました。

 続いて、内山さんの使い込んだスティックを、もしここでオークションをしたら、いくらの値がつくのかという話になり、会場からは「100円かな!」の声が。そこで内山さん「おおい! 安いんじゃないの? 100円からは! スティックは普通に買ったって1,000円するわい! せめて定価からにしてくれい!」と叫び、会場は大爆笑。

 内山さんが「でも、弦楽器隊だって弦は消耗品でしょ?」と聞くと、古川さん、奥村さんが「まだ(弦は)切れてないから大丈夫」と言ったあと、古川さんが言い直すように「キレてないですよー」とモノマネでボケるのでした。

 ドッと笑いが起こる中、「なー(浅見さん)が今のモノマネを見て一番喜んでたからね!」と内山さん。古川さんによると、最近の浅見さんは先輩のいじりどころを見つけると、喜々としてビーチフラッグ並みの勢いで飛びついてくるのだそうです。「瞬発力が大事ですから!」と浅見さんが返すと、会場からは大きな拍手が起こりました。

 「さあ、ここからは後半戦です! 皆さん、疲れてないよね? もっともっと声、出せますよね!?」と古川さんが来場者をあおった後の10曲目は、オリジナル曲『Roly Pory』。

 かわいらしいコーラスと、メンバー全員が順にヴォーカルをとっていく点が魅力の超POPなナンバーです。前向きな歌詞と跳びつづけたくなるような縦ノリのリズムにつられて、来場者もサビでは両手を上げてのクラップで参加。

 間奏に入る直前には、浅見さんが「まゆちーーーっ!」と叫んで奥村さんのギターソロを盛り上げるなど、まさに最高潮とも言える盛り上がりとなっていきました。

 立て続けに11曲目『Tic×Tic=Tac♪(ティク・ティク・タック)』のイントロがはじまると、浅見さんが会場に「一緒にティク・ティク・タックって言ってくださーい! せーの!」と掛け声をリクエスト。

 「ティク・ティク・タック」の大合唱のあと、奥村さんが胸元から取り出したホイッスルを吹いて曲が本格スタートしました。

 この曲も順に4人がヴォーカルをとっていく盛り上がり曲。疲れを見せずに間奏でのパワフルなドラムミングで会場を沸かせる内山さん、安定したべースラインとコーラスで全体を支え続ける古川さん、ホイッスルを吹き鳴らしオクターブ奏法のギターソロを弾きまくる奥村さん。そんな3人が支えるサウンドの上で、マイクを持った浅見さんがステージを元気いっぱいに跳ね回っていました。

ラストの曲、そしてアンコールへ。

 怒とうの盛り上がり曲が2曲続いたあと、MCで古川さんが「次の曲で本当のラストになります!」と言うと、会場の来場者やメンバーから、「えーーーーーー!?」や「今来たばっかりーーー!」の声が上がりました。

 そんな中で古川さんが、「なーちゃん、今一番、声小さかったよ? 今日一番に盛り上がるって言ってたのに!」と指摘すると、浅見さんはタジタジに。

 やり直しと言わんばかりに、古川さんがもう一度「次の曲がラストの曲です!」と言うと、浅見さんが両手を口に当てメガホンの形にして、全力で「やぁだぁーーーーーーーーーっ!!」と叫ぶのでした。

 続けて古川さんの「じゃあ、最後の曲になりますのでね、なーちゃん、今日はありがとう的なことを、みんなに言っちゃいなよー」にあわせて内山さんと奥村さんも「言っちゃいなよー」と乗っかります。それに対して浅見さんは「言っちゃうよー(笑)」と答えます。

 しかし、「えーっと……」とかしこまって何かを言おうとした浅見さんですが、「ぜんぶ吹っ飛んじゃった(笑)」とポツリ。会場がドッと沸く中、内山さんにうながされ、今度はお立ち台に上がることに。「高いよー……」と不安そうにつぶやきつつ、お立ち台からの浅見さんの挨拶がはじまりました。

 浅見さんは「えと……本日は皆さん、お越しいただいて本当にありがとうございます! 皆さんとメンバーのおかげで、1stワンマンライブができることになりました! えっと……すごい王道な言葉になってしまうかもしれないんですけれども、皆さんが支えてくださるおかげで、皆さんがいるおかげで、私たちは今、ここに立てております。はいっ!」と語り、会場から大きな拍手が巻き起こりました。

 また、「私は……一番最初からじゃなくて、途中から入らせてもらったんですけど……皆さん温かく迎え入れてくださって本当にうれしいです……」としぼり出すようにそう言うと、浅見さんは涙を見せないように、いったん来場者に背を向け内山さんと古川さんの顔を見ます。

 会場から「がんばれー!」、「なーちゃーん!」の声が上がると、向き直り、笑顔を交えながら続けます。

 浅見さんは、「なんかすごい不安ばっかりだったんですけど……今日の1stワンマンライブがはじまってからは、楽しさだけがぐんぐんぐんぐん上がっております。ラスト1曲ですが、私に負けないように全力で楽しんでいってくださーい! イエーーーーーイッ! ありがとうございまーす!」と元気よくコメント。

 すっかり元気を取り戻した浅見さんを見て、古川さんが「それでは最後の曲に行く前に、皆さんと心を1つにしたいと思いますよー! あの言葉(ガールズフィスト!!!!)を叫ぶ準備はできてますかー?」と会場にたずねますが、ピンと来ていないお客さんもチラホラいるようでした。

 古川さんの「あれ? 何人か察してないぞー。お願いしますよー、みんな!」の言葉に続けて、浅見さんが「皆さん行きますよー! 拳を上げろぉーーー!!」と叫びます。

 続けて、会場にいる全員が一体となって、「ガールズーーーーー、フィストーーーーーーッ!!」と叫び、拳を突き上げました。

 ラストの曲は、まだこの日演奏されていない、『ガールズフィスト!!!!』のテーマとも言えるオリジナル曲『自分自信』。間髪入れずに、荒々しく重厚なカッティングギターのイントロがはじまるかと思いきや、ギターは「シャン……」としか鳴らず。

「ありゃ?」と奥村さん。

 チューニングのために音が出ないようにしたままだったという痛恨のミスながらも、会場にこの日最大の大爆笑の渦を巻き起こしました。

 浅見さんの涙で、ほんの少しだけ残っていたしんみりした空気を完全に吹き飛ばしてしまいました。そんな奥村さんを「まゆち、最高だよー」「さすが、まゆちだなー」と絶賛する古川さんと内山さん。

 奥村さんは「ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさーいー!」と謝りつつ、お立ち台に乗ってお客さんに頭を下げると、「なーちゃん、もう1回やってー」と浅見さんに懇願するのでした。

 そして、浅見さんの再びの「拳を上げろぉーーー!!」の声の次の瞬間、先ほど以上に大きな声で「ガールズーーー、フィストォーーーッ!!」の雄叫びが響きわたり、会場がさらに一体となったのでした。

 奥村さんのソリッドなカッティングギターからはじまった12曲目『自分自信』。メンバー4人ともが笑顔で最後の力を振り絞り、全力で歌い、演奏していました。

 会場中からの「オイ! オイ!」の掛け声や手拍子でさらに勢いがつき、サビの前の「What’s You!」や「Stand Up!」をメンバー全員と来場者が一緒に叫ぶという、まさに最後の最後もエモく会場全体がブチ上がる1曲となりました。

 曲が終わり歓声と拍手の中、4人は声をそろえ「ありがとうございましたー!」と叫ぶと、ステージの向こう側へ──。ライブ開始から1時間37分が経過していました。

 4人が姿を消してからも拍手は収まる気配がなく、それはいつしか手拍子となり、そしてアンコールのコールへと変わっていきました。多くの来場者からの、声もかれんばかりの叫ぶような熱いコールが2分以上続いたあと、4人が再びステージへと登場しました。会場は再び拍手と大歓声に包まれました。

 来場者に「アンコール、ありがとうございまーす!」とお礼を告げるメンバーたち。そして古川さんから、2ndワンマンライブ決定のサプライズが発表されました。

 日にちは7月13日で、開演は19:30、会場は今回と同じく東京・Space emo池袋。浅見さんが手で持って新しいフライヤーを公開し、チケットもすでに販売開始したとのことでした。

 アンコール曲は再び『青春ガール』。イントロの「イエーーーーーイ!」や、ラストのサビの「あれもしたい! これもしたい! 全部したい!」の部分も、浅見さんが「せーの!」の掛け声で来場者をあおり、会場はその都度、大合唱状態になりました。

 アンコールということで、いい意味で力みの抜けたメンバーの演奏やコーラス、そして浅見さんの歌声は、今日のライブの終わりを惜しんで最後の1曲を全力楽しもうとしているかのように聴こえました。

 来場者も大歓声と拍手で、今日のメンバーの一生懸命な演奏に応えているようでした。

 来場者のプレゼントとなるピック投げを行ったあと、再びそろって「ありがとうございましたー!」と叫び退場していく4人。開演から1時間50分、ついにライブは終演となりました。

 “南松本高校パンクロック同好会”の事実上のバンド結成は昨年10月で、初めて合同で練習したのは、10月19日に東京・秋葉原のスタジオ音楽館アキバで行われた“公開練習”でした。

 昨秋の段階で、ギターの奥村さんとベースの古川さんは、ともに完全な弦楽器初心者、ドラムの内山さんも学生時代にサークルで2年ほどドラムをやっていたのみ。ヴォーカルの浅見さんにいたっては今年デビューしたばかりの新人声優で、2月13日に初参加した公開練習まで人前で歌を披露したことすらなかったそうです。

 結成から、そして楽器をはじめてからまだ半年あまり。浅見さんは加入からわずか3カ月半。ワンマンライブが行えるぐらいの技術や曲数をたずさえるには、あまりにも時間が足りなかったはずです。

 それでも彼女たちは、この日の1stワンマンライブを大成功させました。声優という本業を持ちながら、生半可な努力ではなかったことが想像できます。

 演奏は細かなミスもあり、荒削りではありました。でもそれが間違いなく、彼女たちの個性や魅力、そして迫力や勢いにもなっていました。彼女たちのエモすぎた13曲は、今どきのライブにめずらしく、一切のかぶせ(同期演奏)やごまかしもしていない、100%ガチの演奏でした。4人にしか絶対に出せない熱く純粋な“音”がそこにはありました。

 “南松本高校パンクロック同好会”は正真正銘のパンクロックバンドでした。この日、会場にいたすべてのお客さんが、そう感じたのではないでしょうか。

“ガールズフィスト!!!! 南松本高校パンクロック同好会 1stワンマンライブ Take Action!!!! Vol.1”セットリスト

01.『青春ガール』(『Stand Up!!!!』TYPE A・B収録)
02.『電撃バップ』ラモーンズ(原題『Blitzkrieg Bop』/カバー)
03.『Ready and Rarin’ to Go!!!!』(『Stand Up!!!!』TYPE B収録)
04.『リンダリンダ』THE BLUE HEARTS(カバー)
05.『リメンバー・ロックンロール・レイディオ?』ラモーンズ(原題『Do You Remember Rock’n Roll Radio』/カバー)
06.『ロックバルーンは99』ネーナ(原題『99 Luftballons』/カバー)
07.『My First Kiss』Hi‐STANDARD(カバー)
08.『Minority』Green Day(カバー)
09.『Full of Lies』(『D.A.S.H!!!!』TYPE B収録)
10.『Roly Pory』(『Stand Up!!!!』TYPE A収録)
11.『Tic×Tic=Tac♪』(『D.A.S.H!!!!』TYPE A収録)
12.『自分自信』(『Stand Up!!!!』TYPE A・B収録)
Encore『青春ガール』

“南松本高校パンクロック同好会”メンバー紹介

G.奥村真由さん(坂ノ下奏恵役/画像左)

 愛称・まゆち。小さな体でほんわかした雰囲気が魅力の、バンド内の癒やし系&いじられ役?

Vo.浅見春那さん(奈川芳野役/画像中央下)

 愛称・なーちゃん。バンドの最年少で、天然キャラな一面もメンバーから愛されまくっている。

B.古川由利奈さん(藤森月[るな]役/画像中央上)

 愛称・ゆっち。元気でしっかり者のリーダー的存在だが、内山さんとは笑いをとることを競いあう。

Dr.内山つかささん(白瀬双葉役/画像右)

 愛称・つかっちゃん。底抜けに明るいムードメーカー。おもしろすぎるしゃべりと演奏中の笑顔は、ぜひ生で。

“ガールズフィスト!!!! 南松本高校パンクロック同好会 ワンマンライブ Take Action!!!! Vol.2”開催概要

開催日時
7月13日(開場19:00、開演19:30)
会場
東京・Space emo 池袋
出演者(敬称略)
南松本高校パンクロック同好会(浅見春那・内山つかさ・奥村真由・古川由利奈)
チケット購入
ライブポケット

(C)2019 ガールズフィスト!!!! プロジェクト

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

電撃コミックスNEXT『ガールズフィスト!!!!(1)』

  • 漫画:ぼみ
  • 原作:木瓜庵
  • 発行:KADOKAWA
  • 発売日:2019年3月27日
  • 定価:本体620円+税

D.A.S.H!!!!(TYPE A)/ガールズフィスト!!!!

  • レーベル:インペリアルレコード
  • 発売元:テイチクエンタテインメント
  • 発売日:2019年4月3日
  • 定価:1,667円+税

D.A.S.H!!!!(TYPE B)/ガールズフィスト!!!!

  • レーベル:インペリアルレコード
  • 発売元:テイチクエンタテインメント
  • 発売日:2019年4月3日
  • 定価:1,667円+税

Stand Up!!!!(TYPE A)/ガールズフィスト!!!!

  • レーベル:インペリアルレコード
  • 発売元:テイチクエンタテインメント
  • 発行:KADOKAWA
  • 発売日:2018年12月12日
  • 定価:1,667円+税

Stand Up!!!!(TYPE B)/ガールズフィスト!!!!

  • レーベル:インペリアルレコード
  • 発売元:テイチクエンタテインメント
  • 発行:KADOKAWA
  • 発売日:2018年12月12日
  • 定価:1,667円+税

関連する記事一覧はこちら