GOTYを獲得した話題作『バルダーズ・ゲート3』をPS5版でレビュー! ロールプレイのおもしろさを詰め込んだ夢のRPG

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 スパイク・チュンソフトから12月21日に発売されるファンタジーRPG『バルダーズ・ゲート3』。日本では馴染みが薄いかもしれませんが、RPGの原典としても名高いTRPG(テーブルトークRPG)「ダンジョンズ&ドラゴンズ」(以下「D&D」)の世界を舞台としており、しっかりとした歴史と下地を持った作品となっています。

 さらに先日発表されたThe Game Awards 2023においてゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞。他部門と併せて6冠を達成する偉業を成し遂げたことでも話題を呼びました。

 そのようなこともあり、日本でもにわかに注目を集めている本作。いったいどのようなゲームなのか気になっている方も多いはず。今回レビュー用にいただいたPS5用日本語版をもとに、噂にたがわぬ本作の魅力について掘り下げていきます。物語の大きなネタバレはありませんので、安心して読み進めていただければと思います。

ロールプレイングの意味を突き詰めたゲーム性。“パーティの全滅”以外では止まることはない物語

 本作の魅力は数あれど、個人的にもっとも魅力的に映ったのは、本作が徹頭徹尾プレイヤーにロールプレイをさせてくれること。RPGといえば、キャラクターがいて、彼らの成長と物語を楽しむゲーム、というイメージがあります。当然ながら本作もそこから逸脱するようなものではありません。ですが本作の場合、もっと原初的なロールプレイ……誰かしらの立場として物語に入り込むことにフォーカスしていると感じます。

 もちろんこれはガチガチにキャラクター設定を作り込んだロールプレイをする、ということではなく、自分の心の思うままに“選択をする”ということ。本作はTRPGである「D&D」の世界観やシステムをベースに作られているということもあって自由度が高く、作中でプレイヤーは何度も何度も選択を迫られます。

 会話による選択肢はもちろん、どのタイミングでどんな行動を取るかということですら、ある意味では選択です。バタフライエフェクトというと大げさですが、プレイヤーの選択によって変化する状況が非常に多く、“自分だけの物語が紡がれている”という感覚を強く得られるようになっているのが最大の特徴です。

 冒険の過程に発生する選択の多さと、それにより変化する内容の幅広さは、私の想像を完全に超えていきました。極端に言えば、パーティが戦闘で全滅する以外、何が起きても基本的にストーリーが止まることがないのです。自分の選択で誰が死のうとも、仲間が去ろうとも、街が燃えてもゲームオーバーにはならず、物語は続いていきます。

 この感覚を説明するために、序盤で遭遇するシチュエーションをひとつだけ紹介させてください。

 無数の避難民が保護されているドルイド(自然と協調して生きる魔法使い)の集落が登場するのですが、主人公は集落の代表が行方不明になってしまっているところに遭遇します。現在のドルイドたちを仕切っている人物は避難民たちを追い出して、集落を儀式で外界と隔離しようと考えていました。避難民たちは追い出されたら危険な荒野を移動せざるをえないため、最寄りの街にもたどり着けずに死ぬだろうという状況です。

 このような状況に対して、「あなたはどう行動しますか?」と選択を迫った来るのが本作というゲーム。さて、どのような選択が浮かぶでしょうか?

 現在のドルイドを仕切っている人物に味方して難民を追い出しても解決ですし、反対にドルイドを排除するという手も考えられます。本来のドルイドの代表を探し出すこともできます。加えてこの集落は大量のゴブリンを従える敵に襲われており、そちら側に協力を申し出るという選択肢すらあります。

 これらの手段ひとつひとつにも複数の解決法が用意されていて、本当にどこから手をつければいいのかわからないほど、さまざまな問題が絡まり合っているのです。

 さらにいえば、登場人物たちはそれぞれ個人の信念に基づいて行動しているので、全員が納得できる結末へと導くのは困難である、ということがより選択を難しくします。

 ちなみに日本のRPGに慣れていると、「NPCから話を一通り聞いて、そのあとで判断しよう」と思うかもしれませんが、本作におけるNPCとの会話はそうでもありません。聞き返せる場合もあるのですが、“相手に対してどのような態度で接するか”という場合はやり直しがきかない場合が多い印象を受けました。

 無礼な態度で接すれば、相応の態度で返されるので、その後の関係に影響することもあります。相手によってはそういった反応を好む人もいたりするのですが……。私は事前にキャラクターのイメージを固めてプレイするタイプで、それに合った会話方針を取るのですが、傍若無人な設定で遊んでいたら激怒した相手に襲われたこともあります(苦笑)。

 このように、さまざまな状況や感情を踏まえたうえで何かを決断すること。取り返しがつかないことが多いぶん、毎回の選択に慎重に、かつ真剣になります。ゲームへと気持ちが入り込むこの感覚は、まさに「ロールプレイしているな」と感じるものでした。

 ちなみに、本作はTRPGの「D&D」のシステムを使用していることもあって、状況を動かすような決定的な行動にはダイスを振る判定が発生します。望んだ行動が成功するかどうかは、キャラクターの能力と運が大きく影響するわけですね。

 ダイスの出目による成否判定のランダム性こそがTRPGのおもしろいところであり、油断ならないところ……!「D&D」では判定に1~20の数字が書いてある20面体のダイスを使うのですが、5以上出れば成功するのに3が出る、といったこともあります。このときの「マジかよ……」という気持ちと、自分のビジョンが崩れ去っていく感覚、そして思わぬ方向へと転がっていく展開を、ぜひ味わってみていただきたいです(笑)。

 自分の行動と選択、そこにダイスのランダム性を加えて、決して後戻りしないシナリオをプレイすると、そこには自分だけの物語が出来上がっていくというわけですね。

 念のため書いておくと、本作はどこでも手動セーブが可能なので、困ったらロードしてやり直すことはできます。ただ私個人の感想としては、ぜひ1周は極力やり直しをせず、自分だけの物語を紡いでみてほしいですね。

キャラクター描写が最高! 旅をするなかで変化していく、キャラクターたちの関係性や成長がエモい

 いい物語にはいいキャラクターが付きもの(※個人の感想です)。本作にもさまざまなキャラクターが登場しますが、とりわけオリジンキャラクターと呼ばれる主要人物たちは非常に魅力的で、本作の物語に深みをもたらしてくれる存在だと感じました。

 オリジンキャラクターというのは、ゲーム開始時に主人公としても選べる人物たちを指し、それぞれが強烈な個性の持ち主です。200年もの時を残虐な主人のもとで過ごしたヴァンパイア・スポーン“アスタリオン”。宇宙を征服するために活動する種族・ギスヤンキの兵士“レイゼル”。魔法の女神ミストラの寵愛を受けたウィザード“ゲイル”。闇と喪失の女神・シャーにすべてを捧げた信徒“シャドウハート”。悪魔を狩るためにより強大な存在と契約した“ウィル”。心臓の代わりに地獄の業火を埋め込まれ、兵士として酷使されてきたティーフリング“カーラック”。簡単に紹介するだけでも、非常に設定が濃いのが伝わるかと思います。


 「ずいぶん設定を盛ったな!」と笑いがこみ上げてくるレベルの設定ですが、彼ら固有のクエストは設定をしっかり活かしきっていて、メインストーリーよりも彼らの話を追いたくなってしまうほど(笑)。

 なお、オリジンキャラクターは作中で仲間にすることができ、彼らの固有の物語は仲間にした状態でも進めることが可能です。ただし、記憶を失い、殺りく衝動を内に抱えているという設定のダークアージという人物のみ、主人公として選ばない限りゲーム中に登場しません。

 本作に登場するNPCたちはその人なりの考えを持つことは前述した通りですが、オリジンキャラクターたちにはとくに強力な信念が存在しています。例えばレイゼルやシャドウハートなどは、種族や信仰の教えに固執していますし、地獄のような日々を過ごしてきたアスタリオンは、自分の利益のためなら多少の犠牲はいとわない節があります。すると善人であろうとするウィルとは意見が対立しがちだったりと、仲間内でも考え方の違いによって意見が割れることは珍しくありません。

 彼らの強固な考えは、自分が何かを選択する際の助けにも障害にもなりえるものですが、だからこそキャラクターが生き生きとして見えるということもあるでしょう。

 また仲間たちとは友好度の要素もあり、プレイヤーの選択に応じて好感度が上昇したり下降したりします。特定の仲間と絆を深めればロマンスに発展することもありますが、逆に取り返しのつかないレベルの溝ができてしまうと、決定的な決別を迎えることも。冒険の進みかたしだいでは仲間同士で争いが発生することもあり、仲間うちだけでも数々のドラマが作られていくようになっています。

 ゲームのリソース回復のために野営地で夜を明かすという要素があるのですが、仲が変化した相手がいるとイベントが発生するという仕組みはとてもよくできていると感じました。“旅をしている感”を出すギミックとして、そして仲間が抱える悩みや置かれている状況の共有などが行われる場所として、これ以上ない仕組みではないでしょうか。

 オリジンキャラクターたちとはとにかく会話する機会が多いため、私はいっしょに冒険するうちに全員に愛着が沸いていき、なるべく彼らにとってより良い結果になるように応援したくなっていました。そうは思って行動していても、ダイスの出目に翻ろうされることもありましたが……。

 このように、ともに旅をすることで変化する絆やキャラクター同士のすれ違いが非常にリアルで、海外ドラマを視聴しているような気分にさせてくれます。しかも自分がその中に入っていて当事者になっているのですから、おもしろくないわけがありません。

 ちなみに本作では仲間が死んだり離脱したりする可能性があるのですが、オリジンキャラクター以外でも仲間になるNPCがいたり、傭兵を雇うことができたりするので、著しく戦力に困窮することは基本的にないはず。ただ心は抉られると思います(苦笑)。

 本作のキャラクタービジュアルはゴリゴリの正統派海外ゲーム系なので、あまり得意ではない人もいるかもしれません。しかしプレイしてみると、きっと彼らのことが好きになるはず。とくに海外ファンタジードラマなどが好きな人には、より刺さるのではないでしょうか。

プレイヤーがやりたいことをやらせてくれる、TRPGの自由度をそのまま再現したような戦闘システム

 本作の戦闘は、開発を担当したLarian Studiosの前作『ディヴィニティ:オリジナル・シン 2』のシステムを基本とし、そこにTRPGの「D&D」の様式を当てはめたもの。

 このシステムの最大の特徴は、周囲の環境を戦闘に利用できることです。例えば天井から釣り下がっている照明を打ち落として、敵を下敷きにする、または水に電撃の魔法を撃ち込んで感電させるなど、単純な攻撃以外でも戦況を動かすことが可能となっています。

 地面に脂ビンを投げれば、その一帯はヌルヌルと滑って通行時に転倒する可能性が生じ、そこに火を加えれば炎上するなど、道具や魔法を駆使することでも環境を変化させることができます。プレイヤーの想像力がプレイに影響するという点はTRPGにおいても同様であり、「D&D」作品である本作との相性は抜群だったと言えます。

 もちろん剣で斬ったり、攻撃魔法を撃ったりといった直接的な攻撃手段も多岐に渡っており、敵味方の配置や行動順、パーティで使える手段などを考慮したうえで適切な行動を考えることが、本作の戦闘の醍醐味。戦闘はターン制で行われるため、じっくりと戦術を練りながら戦うことができるのも嬉しいですね。

 戦闘にかかわる要素として、周囲の明るさや敵との高低差、敵とのあいだに視線が通っているかなどがあり、ただ闇雲に敵に向かって進めばいいというわけではない点も、本作の戦闘をおもしろくしている要因です。

 とくに高低差は遠隔呪文や遠隔武器による攻撃の際にはとても重要で、高所から撃つ方がかなり有利。しかし高所に陣取るということは、何かの衝撃で吹き飛ばされたときに、落下してダメージを負うリスクもあります。

 地形の強みと弱みを把握し、パーティのリソースを考慮して戦術を組み立てていくのが、本作の戦闘の醍醐味です。

 システム自体は非常にシンプルで、各キャラクターは自分の手番において、移動とアクション、ボーナス・アクションの3つの行動を行えます。この仕組みは「D&D」を踏襲しているため、TRPGプレイヤーであればすぐに馴染めるはず。どの行動がアクションで、どれがボーナス・アクションかはアイコンの色で判別可能なので、視覚的にもわかりやすくなっています。前述の戦術の幅広さと併せて、仕組みの簡単さと取れる行動の豊富さを両立できているのが、本作の強みと言えるでしょう。

 一方で、攻撃時の命中判定やダメージの算出は初心者にとってはわかりづらく感じるかもしれません。このあたりはバリバリのTRPG準拠で行われるうえ、ゲームテンポの維持のために判定内容はコンバットログを確認しないとみることができません。

 一応武器や呪文には与えられるダメージの振れ幅が記載されているため選択の指針にはなり、細かい計算式(1d6+5といったようなもの)も記載されていますが、「D&D」経験者ならともかく、まったくの初心者が理解するには説明がやや足りないかもと感じました。

 余談かつ「D&D」プレイヤー向けの話になりますが、本作に登場する呪文の名称などはTRPG版の英語名称ではなく、副題のように書かれている邦訳準拠になっています(例:マジック・ミサイル→魔法の矢)。TRPG版のプレイヤーからすると、戸惑う部分は確かにありましたが、本作から「D&D」の世界に触れる人のことを考えれば、こちらのほうが名称から効果を連想しやすく、遊びやすいかなとも思います。私個人としては英断だったのではないかなと感じました。

 逆に本作の難易度は比較的高め(とくにキャラクターが成長していない序盤)で、この手のゲームの初心者には厳しい気もしています……(苦笑)。1戦1戦真剣に戦いに向き合い、戦術を考えなければなりません。加えて倒した敵はリポップしないため、いわゆる“レベル上げ”も不可能。ということもあり、この手のRPGに不慣れな人は、一番簡単な難易度遊ぶことも検討してみましょう。簡単な難易度であれば、一転してサクサクと戦闘をこなすことができました。

 本作独自の要素として注目したいのが“イリシッドの力”について。これは“マインド・フレイヤー”と呼ばれるタコやイカのような触手を持つ頭部を持つ種族由来の力で、TRPGの「D&D」では使われない、本作ならではの能力。冒頭で主人公たちはマインド・フレイヤーの幼生を頭に植え付けられ、時間が経てばたちまちマインド・フレイヤーに変化してしまう、という状況に置かれます。

 すぐにマインド・フレイヤーへの変化は抑え込めていることがわかるのですが、ともあれ最初の旅の目的は、この幼生を摘出することとなるわけです。が、この幼生はイリシッドの能力を宿主に与える力も持っており、戦闘や判定などに利用できるようになっています。

 このイリシッドの力は独自のツリーとして表現されており、多くの幼生を手に入れることでさらなる力を手に入れられるというもの。通常では手に入らない能力が多く、強力な効果を持っています。しかし、当然ながら仲間たちの多くはこの力を忌避しており、この力を受け入れて活用していくかどうかでも展開は変化していくことに。

 戦闘のシステムとしても、物語の行く末を左右するファクターとしても重要な要素なので、この力との付き合いかたを考えるのも、本作ならではの魅力と言えるでしょう。

無限の可能性を持つキャラクターカスタマイズ! 理想のキャラクターを突き詰める楽しさを味わえる

 これまでに紹介してきた多彩なプレイや戦闘を支えているのが、キャラクターメイキングの多様さ。種族やクラス、習熟や能力値など、さまざまな要素をプレイヤーが自由に設定でき、自分のプレイスタイルに合ったキャラクターを生み出すのは何度やっても楽しいもの。

 種族はなんと11種類も用意されており、エルフやドワーフなどのよく知られたものから、ティーフリングやギスヤンキ、ドラゴンボーンといった「D&D」ならではの種族など種類も豊富です。さらに種族によっては、ハイ・エルフやウッド・エルフのように亜種族に分岐。種族ごとに異なる特徴を持つため、種族選びだけでもかなり悩むはず。

 クラスは12種類。ファンタジーRPGの原典というだけあり、有名なクラスはほぼカバーしていると言っていいでしょう。当然ながら選んだクラスにより、使用できるアクションは大きく異なります。キャラクターのイメージで選ぶか、理想の戦闘スタイルを考えて選ぶか、悩ましいところです。

 各クラスは特定のレベルになることでサブクラスを習得できるようになり、さらに特徴が細分化。サブクラスを取得できるようになるレベルはクラスによって異なり、なかにはキャラクター作成時に選択できるクラスも。ただ、遅くてもレベル3までには選択可能です。

 習熟(得意分野)や背景(どのように生きてきたのか)、そして能力値などを調整すれば、自分だけのキャラクターのできあがり。容姿のカスタマイズも忘れずに! 本作はカットシーンで操作中のキャラクターが頻繁に映るため、見た目を凝る価値はあると思います。

 選んだ種族やクラス、背景に応じた固有の選択肢が会話に登場することも。同族であれば受け入れられやすくなったり、それまでの経歴を生かした受け答えで情報を得られたりなど、作ったキャラクターに合わせて細かい変化がいたるところに散りばめられている点も、作り込みの細かさを感じます。

 なおゲームを進めれば、ゴールドを支払ってクラス変更やレベルアップ処理を行うことができます。そこまで高額ではないため、気軽に自分だけのキャラクター作りに没頭できるのは親切ですね。

 ただ戦闘の項でも触れましたが、「D&D」周りの知識全般については説明がやや不十分に感じることもあり、キャラクターメイキングでもそれは同様です。キャラクターの性能の最大化を狙うようなデータ重視派の方は、ある程度「D&D」の知識が必要かもしれません。アイテムや呪文の説明を確認することで、基本的なデータを見ることはできるのですが、これがどのように役立つのかを判断するには、「D&D」もしくは、それに近しいTRPGの経験が必要かもとは思います。

 とはいえ基本的にはクラスを選べば、そのクラスとしては不足ないパラメータを初期設定してくれているため、初心者がまったく遊べないというほどではないはず。

 そしてキャラクターカスタマイズは、ゲーム開始時だけではなく、レベルアップによる成長込みで楽しむものでもあります。レベルアップを重ねると、よりクラス間の差別化が進み、例えばファイターであれば1ターンに4回攻撃を行えるようになったり、ウォーロックは使い魔やエレメンタルを召喚し、ともに戦えたりなど、そのクラスならではの立ち回りができるように。

 加えて、レベルアップ時に別のクラスを取得できる“マルチクラス”という要素もあり、レベルが上がるにつれてカスタマイズの幅が無数に増えていくのも魅力的。いわばトレーディングカードゲームのデッキ構築のように、異なるクラスの特徴を組み合わせて、より強力な立ち回りができるビルドを探す、といった楽しみも可能になっています。ただし、最低難易度ではマルチクラス要素はないので、マルチクラスを使ったカスタマイズを楽しみたい人は難易度設定に注意しておきましょう。

 フレーバー(キャラクター設定)重視でも、性能重視でも満足できるほどのキャラクターカスタマイズの幅広さ。これも間違いなく本作の魅力のひとつです。

 じつは私は、正直プレイ時間が長くなりやすいRPGというジャンルは敬遠しがちです。本作は間違いなく超長編のRPGですが、いくら遊んでも苦にならないどころか、遊んでいる最中にすでに2周目も遊びたいなと考えるほど、のめり込んでいました。

 もちろん私が「D&D」を好きであることも要因のひとつではありますが、イベント差分の多さや、魅力的なキャラクターたち、戦闘とキャラクターカスタマイズの多様性のすべてか、高いレベルで融合しているからこそ、これだけ惹きつけられたのは間違いありません。

 何より「こんな行動にも対応できるの!?」というストーリー展開の幅広さによる、“自分だけの物語”が作られていく感覚がオンリーワンの魅力を放っており、それこそTRPGを遊んでいるかのような感覚を覚えます。TRPGからコンピューターRPGが生まれて長い年月が経った今、今度はTRPGを連想させる自由度を持つコンピュータRPGとして「D&D」の作品が出てきたのは、不思議な運命を感じますね。

 海外ゲームに慣れていない方からすれば多少のとっつきにくさはあるかもしれませんが、GotYを受賞できたのも納得の出来栄えですので、話題に触れて気になった方はぜひ遊んでみてはいかがでしょうか。

聖夜にPS5版『バルダーズ・ゲート3』を長時間配信!

 電撃オンラインchの人気コンテンツ「うどんの野望」。歴史SLGやストラテジー、TRPGライクのゲーム、レトロゲームなどをメインにプレイする番組です。

 12月24日クリスマスイブにPS5版『バルダーズ・ゲート3』を長時間配信。ゴブリンキャンプの撃破を目指して、3人のアウトロー軍団が立ち上がります!

 歴史大好き系ライター・うどん、担当編集KYS、裏方F@CTの3人の選択は、どんな物語を紡いでいくのか……。

 番組開始は、24日13時から、、、ゴブリンキャンプをブっ潰すまで! ぜひご視聴ください。

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